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堺市教育大綱

更新日:2022年1月21日

策定にあたって

 我が国を取り巻く環境は、人口減少や高齢化の進行、ICTをはじめとする技術革新、グローバル化の一層の進展など、めまぐるしく変化し続けています。また、「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現に向けた普遍的な国際目標であるSDGsの達成や、相互に人格と個性を尊重し支え合い、人々の多様なあり方を認め合える全員参加型の共生社会の形成に向けた取組が求められています。

 令和2(2020)年には新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し、私たちの暮らしに多大な影響を及ぼしました。学校教育の現場においても、臨時休業措置中の教育のあり方など様々な難しい課題に直面しました。このような不測の事態が生じた際でも学びを止めない教育環境を構築することが必要です。

 このような先行きが不透明な状況であっても、子どもが自ら未来を切り拓き、それぞれの幸せを実現することができるように、「自立し、これからの時代を生き抜くための可能性を伸ばす」、「自分を大切にし、相手を思いやる」、「時代の流れに対応した教育を実践する」、「全ての分野でICTを徹底的に活用する」の考えを基本に、私の学校教育に臨む姿勢を示すものとして、教育委員会と十分議論を行い、新たに「堺市教育大綱」を策定しました。

 堺という場所は、日本の長い歴史を振り返っても独特の発展を遂げてきた地域です。堺の歴史を深く知ることで、子どもたちが堺で学ぶ意味を感じ、自らの可能性を広げてほしいと考えています。また、広い視野を持ち、社会の多様性を理解することも欠かせません。自他ともに尊重しながら健やかに成長してほしいと願います。上記を満たすために、子どもの学びを支える環境を整えることに注力します。

 学校教育を所掌する教育委員会と、福祉や子育てなどの分野を所掌する市長部局が本大綱に沿って相互に連携し、家庭や地域など教育に関わるすべての方々と協力して、ここに掲げた目的を達成するために着実に取組を推進します。

 

令和3(2021)年2月

堺市長 永藤 英機

1.位置づけ

【法的位置づけ】
 堺市教育大綱(以下、「大綱」という。)は、教育基本法の理念や教育の目的を踏まえ、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第1条の3第1項に基づき、地方公共団体の長が策定する大綱として位置づけられ、堺市総合教育会議における協議・調整を経て策定するものです。

各根拠条文の抜粋

【堺市における位置づけ】
 大綱は、「堺市基本計画2025」や「堺市SDGs未来都市計画」を踏まえ、教育委員会が策定する「第3期未来をつくる堺教育プラン」と整合するものです。

堺市における位置づけ

2.計画期間

 令和3(2021)年度から令和7(2025)年度までの5年間を大綱の期間とします。

3.基本理念

未来を切り拓き、個々の幸せを実現する堺の教育

4.重要方針

 基本理念のもと、3つの重要方針を定めます。

3つの重要方針

重要方針1

堺の歴史文化を受け継ぎ、広い視野を身につけ、自ら未来を切り拓く

 子どもが自ら未来を切り拓くため、私たちが暮らす堺の歴史や文化に触れて郷土や国を愛する心を育み、基礎学力やこれからの時代に必要な知識・教養、自ら考え、表現する力を身につけることができるよう取組を推進します。
 また、その土台となる心と体の健やかな成長を支えます。

堺の歴史を知り、伝統や文化、イノベーション精神など堺の土台を継承して子どもの可能性を伸ばす

 堺は、古くから世界と交流し、「もののはじまりなんでも堺」と言われるほどイノベーション精神に溢れ、様々な新しいものを生み出してきました。子どもが世界や様々な分野に視野を広げ、可能性を伸ばすことができるよう、全国的にも類稀な堺の歴史を学び、伝統や文化、イノベーション精神などの堺の土台を継承します。

子どもが基本的な学力を確実に習得し、英語やICTなどこれからの時代に必要な手段を使いこなす力を身につける

 今後変化していく時代や社会の中で求められるものは、多岐にわたります。子どもが、基礎学力を確実に習得した上で、社会の一員として必要な知識・教養を身につけられるように取り組みます。コミュニケーションツールとしての英語や情報社会に適応できるICT教育などグローバル化や超スマート社会の到来により必要となる力を身につけられるよう、積極的に取組を推進します。

子どもが自ら考え、創造し、表現する力を身につける

 子どもが可能性を最大限発揮するためには、自ら考え、自らの将来を創造し、表現する力を身につけることが大事です。学習の基礎となる読解力と集中力、自分の意見や思いを的確に他者に伝える力(表現力)を身につけることができるよう、取組を推進します。

健やかな成長を支え、創造的な活動をする心と体を育む

 子どもが健やかに成長し、創造的な活動を行うためには、心も体も健康であることが大切です。感動する心や豊かな人間性を育み、地域との連携によるスポーツや文化の振興、体力・運動能力の向上に取り組みます。

重要方針2

自分を大切にし、違いを認め合い、ともに成長する

 子どもたちがともに成長するため、自尊心を高め、自らを理解することで多様性を理解し、他者にも思いやりを持つことができる取組を推進します。
 健やかな成長を支えるため、いじめや児童虐待から子どもを守り、置かれた状況に関わらず、学びの機会を確保します。

子どもが自他ともに尊重できる心を養う

 インターネットの普及により様々な情報が溢れ、人と人との関係性が複雑化する社会において、子どもが自立し成長するためには、自尊感情を育成し、多様性を認める心を養うことが重要です。生きることの目的・目標を持ち、達成することの喜びを感じられる自尊心を高める取組や、自らの個性を見つめることで他者に対しても違いを許容し、思いやりを持つことができる取組を推進します。

いじめや児童虐待への対応を強化する

 子どもの健やかな成長を支えるためには、心身に重大な影響を与えるいじめや児童虐待から守ることが不可欠です。相談機能の充実・強化、市長部局、教育委員会、地域、警察、弁護士などが強固な連携のもと、それぞれが持つ専門知識、ネットワークなどを活用して、いじめや児童虐待の未然防止、早期発見、早期対応に積極的に取り組み、早期解決を図ります。

すべての子どもの置かれた状況に関わらず、学びの機会を確保する

 障害がある子どもや不登校の子ども、家庭の経済環境など子どもの状況や取り巻く環境は様々であり、新型コロナウイルス感染症など想定外の事態が生じる場合もあります。すべての子どもが置かれた状況に関わらず着実に学ぶことができるよう、ICTなどの様々な手段を活用しながら学びの機会を確保します。

重要方針3

児童生徒、教員の力を伸ばす

 子どもの学ぶ環境を整えるため、学習環境に偏りがないよう、将来を見据えながら校区の見直しを含めた学校規模の適正化に取り組みます。また、教員が児童生徒に深く向き合えるよう多忙化を解消し、熱意をもって指導できる教員の育成に力を入れます。
 行政をはじめ多様な主体が協力し、子どもの学びや育ちを支えます。

児童生徒にとって効果的な教育環境を構築する

 将来の堺市の人口動態を見据え、学校規模とクラス人数の効果的なバランスを考え、児童生徒数の変化による教育課題に的確に対応するため、校区の見直しを含めた学校規模の適正化に取り組み、学校間における学習環境の偏りがない効果的な教育を行うことができる環境を整えます。
 児童生徒が安全・安心かつ良好な環境で学べるよう、学校施設の充実に取り組みます。

熱意と指導力を持つ教員を育成する

 時代の変化により、教職員に求められる役割は増加しています。ICTを最大限に活用した校務の効率化などによる教職員の働き方改革を推進することにより、多忙化の解消を図り、児童生徒とより深く向き合い、関わることのできる環境を作ります。
 経験年数の少ない教員などが、信頼され、熱意と指導力を持って児童生徒と向き合うことができるよう、育成に力を入れます。

子どもの学びや育ちを支える

 子どもが学校で過ごす時間だけでなく、様々な機会を通じて学び、健やかに育つことができるよう、家庭や行政、地域、企業、大学などが協力し、子どもの学びを支える環境を作ります。
 教育委員会だけでなく、市長部局の各部局が専門とする分野を活かした子どもに対する支援を行います。

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