このページの先頭です

本文ここから

令和5年度 第5回 堺市環境影響評価審査会

更新日:2024年1月24日

日時

令和5年12月4日(月曜) 午後4時~午後6時

場所

堺市役所本庁舎 本館3階 第1、2会議室

出席委員

新井 励     大阪公立大学大学院准教授
今西 亜友美   近畿大学総合社会学部教授
岩﨑 智宏    大阪公立大学大学院教授
大島 昭彦    大阪公立大学 都市科学・防災研究センター特任教授
木下 進一    大阪公立大学大学院教授
清水 万由子   龍谷大学政策学部准教授
髙野 恵亮    大阪公立大学大学院教授
田中 みさ子   大阪産業大学デザイン工学部教授
中野 加都子   甲南女子大学人間科学部教授
西堀 泰英    大阪工業大学工学部特任准教授
平栗 靖浩    近畿大学建築学部准教授
宮路 淳子    奈良女子大学研究院教授
宮地 茉莉    関西大学環境都市工学部助教

欠席委員

小笠原 紀行   大阪公立大学大学院准教授
金田 さやか   大阪公立大学大学院講師

傍聴者

1人

議題

南港発電所更新計画に係る環境影響評価方法書について(事業者説明)

配布資料

議事録

事務局

 審査会の開催に先立ちまして、オンラインでご出席いただいている委員の方にご留意いただきたい事項をご説明いたします。
 審査会の開催中は、マイクとカメラは基本的にOFFにしていただき、ご発言いただく際には、挙手ボタンをタップし、カメラとマイクをONにしてからご発言いただきますようお願いいたします。挙手ボタンについては、画面右下にある「参加者」ボタンを押していただきますと、お名前の右横に手のマークがございますので、こちらのボタンを押してからご発言をお願いいたします。
 なお、音声が聞き取りにくいなど、接続中に問題が発生した場合は、チャット機能でお知らせください。また、当審査会でのご発言につきましては、議事録の作成のため、録音させていただくことを、ご了承願います。

環境共生課長

 それでは、定刻となりましたので、ただいまより、「令和5年度第5回堺市環境影響評価審査会」を開催いたします。本日はお忙しいところ、当審査会にご出席いただき、誠にありがとうございます。本日の司会を務めさせていただきます、環境共生課長の是常でございます。よろしくお願いいたします。
 本日の会議の定数は15人ですが、ただいま会場で木下会長、新井委員、岩﨑委員、髙野委員、西堀委員の5人、オンラインで今西副会長、大島委員、清水委員、田中委員、中野委員、平栗委員、宮路淳子委員、宮地茉莉委員の8人で合計13人の委員にご出席いただいております。
 従いまして、堺市環境影響評価審査会規則第3条第2項の規定により、本会議は成立しておりますことをご報告申し上げます。
 なお、小笠原委員、金田委員の2人の委員におかれましては、本日ご欠席となっております。よろしくお願いいたします。
 また、本日の会議は同規則第6条第1項の規定により公開となっております。
 傍聴についてですが、1人の傍聴者が来られておりますことをご報告いたします。
 傍聴者の方へのお願いですが、堺市環境影響評価審査会傍聴要綱の遵守事項をお守り頂きますようお願いいたします。携帯電話をお持ちの方は、電源をお切りになるか、マナーモードに設定していただきますようお願いいたします。
 それでは、審査会の開会にあたり、環境局長の植松よりご挨拶申し上げます。

環境局長

 環境局長の植松でございます。
 本日はご多用のところ、当審査会にご出席いただきまして、誠にありがとうございます。また、委員の皆様におかれましては、平素から本市の環境行政に多大なご指導・ご協力を賜りまして、この場をお借りして厚くお礼を申しあげます。
 さて、今回の審査会の案件でございますが、「南港発電所更新計画に係る環境影響評価方法書」でございます。この事業は、環境影響評価法に基づく第一種事業であり、大阪市住之江区に位置する関西電力の南港発電所において、運転開始から30年以上経過したLNG発電設備を更新する事業でございます。この事業では、施設の稼働に伴って海域に温排水が放水される計画となっており、本市は温排水の影響を受けるおそれがあることから、環境影響評価の関係地域となっております。
 本市としましては、本事業について適切な環境配慮がなされることを確保するため、今後、委員の皆様にご意見をいただきながら審査を進め、適切な市長意見を述べてまいりたいと考えております。
 委員の皆様におかれましては、各分野の専門的・技術的な観点からの活発なご議論をお願い申しあげまして、誠に簡単ではございますが、開会にあたりましてのご挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。

環境共生課長

 続きまして、堺市の出席者を紹介いたします。環境局長の植松でございます。環境保全部長の澤井でございます。環境共生課課長補佐の藤田でございます。同じく環境共生課審査係の中丸でございます。小山でございます。大浦でございます。
 最後に、本日の司会を務めております、環境共生課長の是常でございます。よろしくお願いいたします。
 次に、配布資料の確認をさせていただきます。次第の下の部分に示しております配布資料の一覧の順に確認いたします。「堺市環境影響評価審査会 委員名簿」、「南港発電所更新計画に係る環境影響評価方法書 説明資料」、「南港発電所更新計画に係る環境影響評価手続の流れ」、「今後の審議の進め方」、「南港発電所更新計画に係る環境影響評価方法書のあらまし」をお配りしています。
 また、参考といたしまして「方法書の本編」及び「方法書の要約書」についても、会場でご出席の委員につきましては、各席に備え付けております。
 資料に漏れなどはございませんでしょうか。漏れがある場合は挙手または挙手ボタンにてお知らせください。
 よろしいでしょうか。それでは、以降の議事進行は木下会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

木下会長

 それでは、本日の議題であります「南港発電所更新計画に係る環境影響評価方法書について(事業者説明)」ですが、審議に入る前にまず、市長からの諮問を受けたいと思います。事務局よろしくお願いします。

環境局長

 堺市環境影響評価審査会会長木下進一様、堺市長永藤英機。南港発電所更新計画に係る環境影響評価方法書の審査について諮問。事業者が環境影響評価法に基づき作成し、令和5年11月20日に送付のあった「南港発電所更新計画に係る環境影響評価方法書」について、堺市環境影響評価条例第55条の規定に基づき、令和6年2月29日までに、環境の保全の見地からの専門的な事項に係る貴審査会の意見を求めます。
 どうぞよろしくお願いいたします。

木下会長

 お受けします。

環境共生課長

 ありがとうございました。
 なお、諮問文の写しにつきましては、後日、各委員にお送りしますのでご確認ください。

木下会長

 次に、環境影響評価の手続きの全体的な流れと、今回の方法書の手続きについて確認しておきたいと思いますので、事務局から説明をよろしくお願いいたします。

【環境影響評価の手続きの流れについて、事務局から説明】


木下会長

 ご説明、ありがとうございました。
 今の説明について、委員の皆様から何か質問はございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、次に、議題であります、南港発電所更新計画に係る環境影響評価方法書につきまして、事業者の説明に入りたいと思います。事務局、よろしくお願いします。

【事業者入室】


木下会長

 この度は、事業者である関西電力株式会社の皆様におかれましては、堺市の環境影響評価の審査にご協力いただきまして、誠にありがとうございます。それでは事業者様、自己紹介をした上でご説明をよろしくお願いいたします。 

【環境影響評価方法書の内容について、事業者から説明】


木下会長

 ありがとうございました。
 ただいま、事業者様から説明がありましたが、委員の皆様から何かご質問がございましたらお願いします。
 では岩﨑先生、お願いします。

岩﨑委員

 ご説明ありがとうございました。
 何点かございまして、まずC案の調査・予測結果について教えていただきたいのですけれども、C案にすることで煙突が集合型になるということですが、(予測結果を見ると)これはかなり(大気質への影響軽減に)効果があるという印象を受けます。
 例えば、最大着地濃度が(他の案と比べて)一桁小さくなるという予測結果をお示しいただいていますが、これはそもそもなぜこうなっているのかについてお聞きしたいです。単純に煙突の本数が少なくなると濃度が下がる、というような、そういう単純なものなのかどうかについて教えていただきたい、ということがまず1点目になります。
 次に、最大着地濃度がこれだけ下がるということになれば、次の話として、煙突の高さをもう少し下げることはできないのか、ということになると思います。もし煙突の高さを下げることができるのであれば、例えば建設時の排出ガスを削減できたり、景観にも少し良い影響があったり、そのような良い効果を期待できるのではないのかな、ということが2点目となります。
 それから、3点目は少し話が変わるのですけれども、運転時期のご予定として、確か2030年ぐらいから開始するというご説明が先ほどありましたが、(新設設備の)試運転の期間と、現在稼動されている発電設備の稼働期間が重複する期間では、やはり排出ガスや温排水というものが予想以上に排出されるのではないかと思います。そのような部分に対する配慮や影響というのは無いのでしょうか。以上、よろしくお願いします。

事業者

 まず1点目の、集合煙突化すると、なぜこれだけ着地濃度が低くなるのかということでございますが、集合煙突にすることによって、3本分の煙突の排ガスがまとまりますので、熱量的に大きな形になって有効煙突高さが上がるということになります。(有効煙突高さが)高くまで上がると、(排ガスが)広く薄く着地することになりますので、最大着地濃度が減っていくということでございます。
 それから(最大着地濃度を)ここまで下げることができるのであれば、もっと煙突を低くできないのかということでございますが、弊社の一番新しい発電所である姫路第二発電所というところでも、80メートルの高さの集合煙突という形を採用させていただいております。その理由といたしましては、事業者としては、実行可能な範囲でできる限りの努力をしなければならないということで、排ガスの最大着地濃度といった大気環境に対する影響について、かなりご意見を頂戴していますので、80メートルの煙突の実績や排ガスの着地濃度等の大気環境への影響も考慮した上で、80メートルという煙突の高さを設定させていただいております。
 また、景観に対する影響の面でもなるべく低くした方が良いということで、煙突の高さについては、大気環境と景観への影響を総合的に判断して、80メートルと設定させていただいております。この煙突の高さについては、準備書段階でも評価させていただきたいと考えております。
 それから3点目の、既設の設備と新設設備の試運転期間が重なることはないのかというご質問でございますが、基本的には取放水設備等は流用いたしますので、新旧の設備が一緒に動くことは無いということになります。そのため、おっしゃっていたような重複期間は発生しないということでございます。

岩﨑委員

 ありがとうございます。1つお聞きするのを忘れていましたので、追加で1つ質問させてください。
 スライドの53枚目についてなのですが、水質等の主な予測評価手法ということで、流向・流速については平面2次元モデルで流動計算を行うということなのですけれども、2次元のモデルで大丈夫なのでしょうか。本来は(水の流れというのは)全部3次元的な動きになると思うのですけれども、平面的な2次元モデルでも十分予測が可能ということでしょうか。

事業者

 平面2次元モデルにつきましては、温排水が海域において平面的に広がっていく状況について分布を持たせて計算するということになります。また、アセスの予測手法としても、類似の事例においてもこの手法が用いられていますので、十分評価は可能なものと考えております。

岩﨑委員

 もう一般的な方法として使われているという理解でよろしいですかね。

事業者

 はい、おっしゃる通りです。

岩﨑委員

 分かりました。ありがとうございました。

木下会長

 はい、ありがとうございます。その他いかがでしょうか。
 では新井先生、お願いします。

新井委員

 ご説明ありがとうございました。
 今ご指摘があった部分についてずっと考えていまして、平面2次元モデルでどうやって(この海域における水の動きを)表現するのだろうと頭の中で考えていたのですけれど、この海域は幸か不幸か汽水域なので、表層は大和川などの河川水が入ってくることから、ご存知のように塩分濃度が薄くて非常に軽くなっています。そのため、表層1メートルから1.5メートルぐらいまでは塩分濃度勾配が非常にきつくなっていて、そこから先は一気に塩分濃度が上がってフラットになっています。
 おそらく取水場所は、多分水温が低いために下の方から取水して、水温を上げてしまうので表層で放水している、というのが現状だと思います。説明資料を拝見すると、現状26トンの冷却水を3本取水されていると思うのですが、この26トンは、大体大和川の平水時の倍ぐらいの水量に相当します。そうなりますと、おおよそ大和川の平水時の6倍ぐらいの水量を取放水していることになります。それを半分にするとどうなるのかということは結構重要だと思います。そのため、平面2次元モデルで本当にシミュレーションできるのか、そもそも現状を再現できるのか、という部分について懸念があります。
 そのため、3次元モデルまでいかなくても、2次元の多層モデル、例えば表層下層の2層でもいいですけども、そのような予測モデルにしないと、おそらく現状も再現できないのではないかなと思うのですが、その辺いかがでしょうか。

事業者

 現在、法アセスの影響評価審査の中で調査計画を立てておりますが、日本全国を見ましても表層放水を選択した場合は、アセスの手引書にもあるのですけれども、一般的には平面2次元モデルで予測を行うと書いております。また、他の発電所のアセス事例につきましても、過去からざっと見てみたのですけれども、ほとんどの発電所では概ね平面2次元モデルで予測を実施しております。
 それから、電力中央研究所という、平面2次元モデルなどの様々な技術開発を行っている研究所がございまして、アセス関係にも深く関わってきております。そこにも確認させていただいたところ、当海域では平面2次元モデルで十分チェックできるだろうという形の確認を電中研とさせていただいておりますので、この形で進めていきたいということで今検討しております。

新井委員

 ありがとうございます。
 少し心配なのは、一般的な海域では電中研がおっしゃる通りだと思います。ただ、この海域に流れ込んでいる大和川は、ご指摘にあるように、そんなに褒められたほど綺麗な水質を持っている河川ではありませんので、この場所はそういう河川が表層に流入している海域になっています。要するにこのサイトというのは、結構日本でも特異な海域の一つだと言えます。私ももう10年来、この辺をずっと渡り歩いていて良く知っていますので、このあたりは少し慎重にされた方が良いと思います。あまり他の海域で一般的に適用できるから、ここも一般的な海域としてみなして適用できるという考え方は、少し心配かなという思いがあります。
 そのため、平面2次元モデルで予測を行うのであれば、少なくとも現状再現できるかどうかは確認しておく必要があると思います。26トン×3本の取放水を循環させている状況で、現状これぐらいの表層が、塩分濃度や水温の違いがあっても成り立っているという現況をシミュレーションできないといけないと思います。
 また、場合によっては(大量の水を循環させている)現状の方が生態系にとって良く働いている可能性もあることから、その量を減らしてしまった場合に今後どう変わるのかを予測することは非常に重要になってくると思いますので、その辺は現況もしっかりと再現したモデルで予測するということをしたらよろしいのではないかなと思います。以上です。

事業者

 先生、色々とアドバイスをありがとうございます。
 先生がおっしゃられた通り、基本は平面二次元モデルで検討してまいりますけれども、準備書を作成するための予測の段階で、先生にご指摘いただいたことも念頭に置きながら、シミュレーションの結果をチェックしながらやっていきたいと思っております。
 いま先生がおっしゃられた水質につきましても、排水量が減ってしまうことについても十分留意しながらアセスを進めていきたいと考えております。色々とアドバイスをありがとうございます。
 ただ、経済産業省とも連携していく必要がございますので、とりあえずは一般的な法アセスで使われている平面二次元モデルで進めていきたいと考えておりますので、その点につきましてはご理解いただければ幸いだと思っております。

木下会長

 はい、ありがとうございます。その他いかがでしょうか。
 では、髙野先生、お願いします。

髙野委員

 ご説明ありがとうございます。
 重箱の隅をつつくような話で恐縮なのですけれど、パワーポイントの資料の7ページのところで、関係地方公共団体として堺市を選定した理由として、温排水の影響が及ぶものと想定されるためとあります。
 発電所アセス省令における関係地方公共団体に該当する要件のうち「対象事業実施区域及びその周囲1キロメートルの範囲内の地域」は当然適用外だと思うのですが、(2)の「一以上の環境要素に係る環境影響を受けるおそれがあると判断される地域」かどうかというところで、ここでは温排水についてしか書かれていないのですけれども、特に他には堺市が影響を受ける環境要素は無かったという理解でよろしいのでしょうか。

事業者

 はい、今のところ堺市において環境影響を受けるおそれがある環境要素として想定しているのは温排水としているのですが、その下の部分で「また」という書き方をしていますけれども、ちょうど南港発電所の対岸に堺エリアにある「海とのふれあい広場」がありまして、その場所を主要な眺望点として選定することも考えておりますので、その点でも関係地方公共団体として堺市を選定させていただいているということになります。

髙野委員

 そうなりますと、今後も堺市に影響のある環境要素が増える可能性というのも、無きにしも非ずということでしょうか。それとも、もうこの眺望点と温排水の影響ぐらいで大体収まるだろうという想定なのでしょうか。

事業者

 環境要素の1つである「人と自然とのふれあい活動の場」としても「海とのふれあい広場」がございますので、そのあたりも含めて総合的にこれから絞り込んでいって、準備書の方で評価させていただきたいと考えております。

髙野委員

 ありがとうございます。

木下会長

 ありがとうございます。その他いかがでしょうか。
 では西堀先生、お願いします。

西堀委員

 ご説明ありがとうございました。
 先ほど話題にあがりました「人と自然との触れ合いの活動の場」の予測・評価方法については、アクセスルートにおける交通量の変化率と利用特性への影響を確認すると書かれております。おそらく工事用資材等の搬出入による影響を評価されるのだと一応理解をいたしまして、それも必要かと思うのですが、今回の発電所の更新工事によって、この触れ合いの活動の場自体が、何らかの影響を受けて利用特性が変わるということがあるのかどうか、もしあるのであれば影響を検討しなくて良いのか、ということをお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

事業者

 説明資料の42ページをご覧いただきたいのですが、こちらでは評価項目としなかった理由を記載しておりまして、「人と自然とのふれあい活動の場」につきましても一番下に記載しております。
 法アセスの1つの評価のやり方として、その対象事業の実施区域内に元々あった公園が存在しており、事業の実施により「人と自然との触れ合い活動の場」を改変してしまうというような、そういった直接的な影響がないかということを確認するということが、まず一つの観点としてございますけれども、今回は対象事業実施区域が南港発電所の敷地内ということでございますので、直接的な「人と自然とのふれあい活動の場」への影響は無いとして、選定項目としておりません。
 しかし、近傍には当然「人と自然との触れ合い活動の場」は存在しておりますので、そちらに対して工事車両などによる交通への影響、例えば渋滞を起こすといった影響、そういった間接的な影響を発電所のアセスの手引き等では評価する、ということになってございますので、それを実施するということでございます。

西堀委員

 ありがとうございます。対象事業実施区域が発電所の敷地内であり、「人と自然との触れ合い活動の場」の対象が存在しないので、評価対象としていないということですね。分かりました。
 少し関連するのですけども、様々な項目において、評価方法として「環境保全についての配慮が適正になされているかを評価します」と書かれているのですが、これはどういった状態であれば適正であるという評価をするのでしょうか。複数の項目に渡っているので、なかなか難しいかもしれませんけれども、考え方だけでも教えていただければと思います。お願いいたします。

事業者

 例えばですけれども、46ページの下のところに評価手法として「環境保全についての配慮が適正になされているかを評価します」とありますが、こちらにつきましては、事業者が今技術的に可能なもので、かつ経済面や社会的受容面から見て実行可能な範囲で最大限環境配慮について努力しているかどうか、という観点から評価するということになっております。
 そのため、まずは実施する保全対策を示した上で、先ほど挙げた3つの観点から考えて実行可能な範囲なもので最大限環境保全ができているかどうかというところ、そういったところを準備書において整理して示すという形になります。他の項目につきましても、同様の形で少し抽象的な考え方にはなってしまうのですが、そういった形で評価したいと思っております。

西堀委員

 分かりました。
 今のご説明について、少し私が理解できていないのかもしれませんが、対策としてできることをきちんとやっているかどうかを評価するということですかね。
 事業を実施した結果、どのように現状が変わったのかということを評価するのではなくて、何をやったのかということに対する評価を行うということですかね。

事業者

 そうですね。何をやったのかということを示した上で、その影響がどうなるかというところももちろん予測いたします。まず保全対策を立てた上で、それを前提としての予測評価を行うという形の整理になりますので、そういったことも含めて評価するという形になります。

西堀委員

 はい、分かりました。ありがとうございます。

木下会長

 ありがとうございます。その他いかがでしょうか。
 オンラインでご参加の先生方からはいかがでしょうか。
 では田中先生、よろしくお願いします。

田中委員

 ご説明ありがとうございました。
 景観の調査地点につきまして、フェリー航路が選ばれていますが、最近はクルーズ船なども増えているとお聞きしています。それらの船はフェリー航路とあまりルートが変わらない状態なのでしょうか。フェリー航路を押さえておけば、他の観光船等は大丈夫ということでよろしいですか。

事業者

 他の航路としては、例えば「サンタマリア」とかもあるのですけれども、そこまで事業実施区域に近いものが無く、最も近い航路が現状選んでいるものになっております。「さんふらわあ」は「サンタマリア」よりももう少し近い航路になっているのですが、それよりも近接していて最も近い航路になっているのが、今選んでいる大洋フェリーさんの航路になります。

田中委員

 どちらかというと国内の船よりも海外の船が増えていて、「大阪も海外のクルーズ船をもっと誘致したい」というようなお話も聞いているので、海外のクルーズ船が同じところを通っているのであれば良いと思うのですけれど、もしかしたら少し違うところを通る可能性もあるのかもしれないと思いましたので、一度調べていただければありがたいと思います。

事業者

 ありがとうございます。そういった点も含めて、今後調査を進めていきたいと考えております。ただ、景観の調査地点につきましては、不特定多数の人が通るというところも重要な選定基準となっております。それも踏まえまして、航路上の調査地点の選定につきましても検討していきたいと思います。

木下会長

 はい、ありがとうございます。その他いかがでしょうか。
 では、平栗委員、お願いします。

平栗委員

 ご説明いただきありがとうございます。
 少しお伺いしたいのですが、道路交通騒音・振動の調査対象地点につきまして、いわゆる一般道ですね、府道や市道、地方道が対象になっているのですが、高速道路を基本的に工事車両等は通らないという前提で進めておられるのでしょうか。

事業者

 通ることになります。

平栗委員

 通るのですね。もし工事車両が高速道路を通るのであれば、高速道路の交通量が増えますし、かつその増える交通というのが大型車類になると思いますので、やはりそこは評価対象にした方が良いのではないかと思っております。その点はいかがでしょうか。

事業者

 高速道路に対する影響につきましては、今回基本的に高速道路として走行するのは阪神高速の湾岸線になりますけれども、まず高速道路ですので、交通量が他と比較すれば多いという点がまず1点あります。
 それから湾岸線につきましては、港湾の方を通るということで、それほど周辺に民家等は無いので影響が少ないということと、高速道路は高い位置にありますので、直接的な影響も小さいだろうということで、今回特に高速道路の通行する車両については考慮していないというような形で、調査地点の方は一般道路で設定させていただいております。

平栗委員

 そうなのですね。分かりました。
 ただ、府道や市道を通る交通量と、阪神高速を通る交通量、それぞれどれぐらいを想定されているのかという見積もりが出てきていないと思うのですが、その情報がない限り、阪神高速は元々交通量が多くて影響が少ないから、無視しても良い、というのは少し違うと思います。
 ですので、影響が軽微であるという前提でおっしゃっているのですが、軽微であっても影響はあるのであれば、やはりあらかじめ環境影響評価の対象とするべきなのかなと考えておりますが、いかがでしょうか。

事業者

 確かにご指摘の点はあるかと思います。また、交通量につきましては、こちらの方で今計画等を立てている段階でございますので、その辺りも踏まえて、また検討をさしあげたいと思います。

平栗委員

 はい、分かりました。
 あともう1点、これから先の検討の内容になるとは思うのですが、煙突を立てられると、当然その辺の長さに応じて、ある特定の周波数で音が増幅されることになります。この増幅される周波数の音というのは大体低い周波数の音ですので、低い周波数はあまり空気吸収されないため、比較的大きな音の状態で遠くまで伝播してしまうようなことが良く起こるわけなのですが、その点は何か検討をされているのでしょうか。

事業者

 発電所からの低周波による影響についてのご質問だと思うのですけれども、いま関西電力が所有している発電所の稼働に伴い発生する、そういった低周波による影響というものを姫路発電所等で検討している状況もございまして、そのあたりの結果を踏まえますと、やはり低周波の影響はそこまで大きくないと判断しております。
 また、現状の南港発電所におきましても、そういった低周波による影響に関する苦情等は特に発生しておりませんので、(発電所から住宅地までの)距離にしても1キロ以上離れておりますし、大きな影響を与えることはないのではないかと考えております。

平栗委員

 一応環境影響評価ですので、社内で持っておられるような既存の知見をベースに、環境への影響が軽微であると想定されるから検討しないというのは、あまりよろしくないと思います。環境影響評価の手続きの中でしっかりと客観的なデータを示していただいて、シミュレーションした結果、影響無いことが確認されているという情報をきちんと開示していただくのが適切だと思いますので、よろしければその点も検討に加えていただけるとありがたいと思います。

事業者

 ありがとうございます。今後検討させていただきたいと思います。

平栗委員

 はい、よろしくお願いします。私からは以上です。

木下会長

 はい、ありがとうございます。その他いかがでしょうか。
 では清水先生、お願いします。

清水委員

 資料の69ページにつきまして、二酸化炭素の項目で、施設の稼働(排ガス)について予測されるということなのですけれども、工事中に排出される二酸化炭素について評価されていないのはどうしてなのでしょうか。ご説明はあったのかもしれないのですけれども、よろしければ教えていただければと思います。

事業者

 CO2の排出量について、工事中の排出量を評価しないのかというご質問でございますけれども、経産省が定めているアセスの手引きというものがありまして、それに基づいて基本的には評価を行うということにしております。
 二酸化炭素の排出量につきましては、施設の稼働に伴う排ガスに含まれる二酸化炭素のボリュームが、おそらく工事中に車両等から出てくるCO2排出量に比べてかなり量的に多いことから、施設の稼働に伴う排ガスについて影響評価を実施するという予定にしております。施設の稼働に伴う排ガスの方が(工事中の二酸化炭素排出量と)比較すると、かなりボリュームが大きくなりますので、そちらの評価をするというのが理由の1つとなります。
 あと1つが、先ほど申し上げました通り、発電所アセスを実施するにあたって経産省が定めている手法では、施設の稼働のCO2排出量を評価するということになってございますので、それに基づいて実施するということでございます。

清水委員

 分かりました。経産省の指針のようなものに沿っているという理解でよろしいですか。

事業者

 はい、そうでございます。ただ車両につきましても、工事中や供用中も含めて、当然空ぶかしの抑制やアイドリングストップ等のCO2削減対策に努めてまいりたいと思いますので、よろしくご理解願います。

清水委員

 分かりました、ありがとうございます。

事業者

 少しだけ付け加えておきますと、法アセスですので、経産省としてもアセスの手引きという1つのガイドラインを作っておりまして、当然経産省の方でも、工事中の建設機械の稼働や資機材の運搬に伴う二酸化炭素排出量についても、参考項目とするかどうかという検討は昔からなされていましたが、最終的な取りまとめとしましては、参考項目としては選定しないと結論付けています。
 ただ、工事中の建設機械の稼働及び資機材の搬出入につきましては、工事中の影響は一過性で軽微であるということから、とりあえずは参考項目としないと書かれておりますけれども、先ほどご説明しましたように、極力環境に対する影響が無いような工事計画にしていきたいと考えております。影響評価については参考項目として選定しないと経済産業省の方で取り決めているということでご理解いただければと思います。

清水委員

 ありがとうございます。

木下会長

 はい、ありがとうございます。その他、いかがでしょうか。
 ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 よろしいでしょうか。一通り質問が出たようですので、この辺りで質疑の方を終了させていただいてよろしいでしょうか。よろしいですか。
 それでは、事業者の皆様、ご説明いただきどうもありがとうございました。ご退席の方をよろしくお願いいたします。

事業者

 ありがとうございました。

【事業者退室】


木下会長

 それでは続きまして、今後の審議の進め方について事務局からご説明をよろしくお願いいたします。

【今後の審議の進め方について、事務局から説明】


木下会長

 ありがとうございました。
 ただいまの事務局からの説明につきまして、委員の皆様からご質問がありますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、本日の議題はこれで全て終了となりますが、全体を通しまして何かご意見、ご質問等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、議事については以上とさせていただきまして、事務局に司会をお返しいたします。お願いします。

環境共生課長

 本日は、木下会長をはじめ、委員の皆様方には、大変お忙しいところ、ご審議を賜りまして、誠にありがとうございました。
 会議終了にあたり、傍聴者の方はご退席いただきますようお願いいたします。なお、お配りしております「方法書の本編」と「要約書」は回収いたしますので、お席に置いてご退席をお願いいたします。

【傍聴者退席】


 それでは、これをもちまして、「令和5年度第5回堺市環境影響評価審査会」を終了させていただきます。本日は長時間にわたり、ありがとうございました。ありがとうございました。
 オンラインでご出席いただいている委員の方におかれましては、切断ボタンを押していただき、「ミーティングから退出」を選択して、Webexを終了していただきますようお願いいたします。

以上

PDF形式のファイルを開くには、Adobe Acrobat Reader DC(旧Adobe Reader)が必要です。
お持ちでない方は、Adobe社から無償でダウンロードできます。
Get Adobe Acrobat Reader DCAdobe Acrobat Reader DCのダウンロードへ

このページの作成担当

環境局 環境保全部 環境共生課

電話番号:072-228-7440

ファクス:072-228-7317

〒590-0078 堺市堺区南瓦町3番1号 堺市役所高層館4階

このページの作成担当にメールを送る
本文ここまで