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令和元年度 第2回 堺市環境影響評価審査会

更新日:2022年7月11日

日時

令和元年6月21日(金曜) 午後5時~午後6時30分

場所

堺市役所本庁舎 本館3階 第3会議室

出席委員

犬木 努     大阪大谷大学文学部教授
小田 和広    大阪産業大学工学部教授
柏尾 眞津子   大阪人間科学大学教授
木下 進一    大阪府立大学大学院准教授
瀬川 大資    大阪府立大学大学院教授
田中 晃代    近畿大学総合社会学部准教授
中川 智皓    大阪府立大学大学院准教授
中谷 直樹    大阪府立大学大学院教授
野村 俊之    大阪府立大学大学院准教授
久末 弥生    大阪市立大学大学院教授
平栗 靖浩    近畿大学建築学部准教授

欠席委員

今西 亜友美   近畿大学総合社会学部准教授
橋寺 知子    関西大学環境都市工学部准教授
水谷 聡     大阪市立大学大学院准教授
柳原 崇男    近畿大学理工学部准教授

傍聴者

1人

議題

 南海高野線連続立体交差事業(浅香山駅~堺東駅付近)に係る環境影響評価方法書について(答申)

配布資料

議事録

辻尾環境共生課長

 それでは定刻となりましたので、ただいまより、令和元年度第2回堺市環境影響評価審査会を開催させていただきます。
 本日はお忙しいところ、ご出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日の司会を務めさせていただきます、環境共生課長の辻尾でございます。よろしくお願いします。
 本日の会議の定数は15人ですが、ただいま10人の委員にご出席いただいております。なお、中谷委員につきましては、前のご予定の関係で少し遅れますとの報告をいただいております。最終的には計11人の委員の出席を予定しております。
 従いまして、堺市環境影響評価審査会規則第3条第2項の規定により、本会議は成立しておりますことをご報告申し上げます。
 なお、今西委員、橋寺委員、水谷委員、柳原委員につきましては、ご欠席の連絡を頂戴しております。よろしくお願いいたします。
 また、本日の会議は同規則第5条第1項の規定により公開となっております。
 傍聴についてですが、1人の傍聴者が来られておりますことをご報告いたします。
 傍聴者の方へのお願いですが、堺市環境影響評価審査会傍聴要綱の遵守事項をお守り頂きますようお願いいたします。携帯電話をお持ちの方は、電源をお切りになるか、マナーモードにして頂きますようお願いいたします。
 次に、お手元にお配りしております資料の確認をさせていただきます。本日配布させていただいております資料でございますが、本日の「次第」、「堺市環境影響評価審査会 委員名簿」、資料の「南海高野線連続立体交差事業(浅香山駅~堺東駅付近)環境影響評価方法書についての検討結果(案)」、その参考資料といたしまして「環境影響評価方法書についての意見の概要及び方法書意見に対する見解書」、「説明会開催結果概要」、「南海高野線連続立体交差事業(浅香山駅~堺東駅付近)に係る環境影響評価手続き」以上を配布しております。資料の漏れ等ございませんでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、議事の進行につきましては、瀬川会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

瀬川会長

 はい、ありがとうございます。
 では、議題の「南海高野線連続立体交差事業(浅香山駅~堺東駅付近)に係る環境影響評価方法書について(答申)」につきまして、資料として準備いただいた検討結果(案)についての説明を、事務局からよろしくお願いします。

事務局

 事務局でございます。
 3月26日に開催しました、平成30年度第5回環境影響評価審査会におきましては、事業者から方法書の内容について説明があり、委員の皆様から様々なご意見をいただきました。
 事務局では、この審査会でのご意見や、方法書に対する住民意見を踏まえ、事業者に対して質問を送付し、事業者からの回答を基に、検討結果(案)を取りまとめました。
 検討結果(案)の説明に先立ち、まずは方法書に対する住民意見と事業者の見解について説明させていただきます。
 参考資料1をご覧下さい。
 意見の1番目として、ボトルネック踏切の渋滞評価などはないのかとの意見がございました。この意見に対する見解は、「本事業実施予定区域には、歩行者のボトルネック踏切として、堺東駅前交番付近の堺東1号踏切があり、また、自動車のボトルネック踏切として、大堀堺線の浅香山3号踏切があります。なお、国土交通省公表の踏切安全通行カルテにて、踏切の諸元、交通量、事故発生状況等を確認することができます。」とのことでした。
 意見の2番目として、粉塵や騒音の評価については昼夜で区分されて基準が示されているが、時間帯は一年間を通じて同じなのかとの意見がございました。この意見に対する見解は、「騒音や振動は法令に基づき、時間帯毎の基準が決められており、季節毎の違いはありません。粉じんについては、月毎の参考値があり年間を通じて同じです。」とのことでした。
 意見の3番目として、工事期間中に一般車両等の交通規制をする考えはないのかとの意見がございました。この意見に対する見解は、「現時点では、大堀堺線などの交通規制は想定しておりませんが、交通規制の詳細については、今後の検討となります。」とのことでした。
 続いて、方法書に関する説明会の開催状況と説明会での主な意見を、参考までに説明させていただきます。
 参考資料2をご覧下さい。
 こちらは条例に基づき、縦覧期間中に事業者が周知のために実施しなければならない、と規定されている説明会でございまして、平成31年の3月15日と3月17日の2日間で計3回、堺市役所本館と関西大学堺キャンパスにおいて実施されております。
 こちらの説明会で出された主なご意見・ご質問といたしましては、配慮計画書で示されていた地下案を含む4案の中から、西側仮線の高架案が採用された理由を尋ねるものや、高架化に伴う騒音や日当たり、景観への影響を心配するもの、高架事業に伴う堺東駅周辺の開発計画について確認するもの、となっております。
 なお、この説明会で出された環境保全に関するご意見等につきましては、概ね検討結果(案)の内容に含まれていると考えております。
 説明会の開催結果の概要の説明につきましては、以上となります。
 続きまして、検討結果(案)の説明をさせていただきます。
 
     【検討結果(案)について事務局から説明】

瀬川会長

 ご説明ありがとうございました。
 それでは、準備いただきました検討結果(案)を中心に、委員の皆様からご質問やご意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

柏尾委員

 84ページのところですけれども、交通騒音の最新の予測モデルを用いる必要がある、と書かれていますが、従来のモデルとどういった点で違っているのか、教えていただけないでしょうか。

瀬川会長

 では、専門の委員から説明をお願いできますでしょうか。

平栗委員

 (従来モデルから)大きくは変わっていません。
 変わった部分で一番影響が大きいと思われるのは、自動車走行音のパワーレベルについて、新しいモデルの方が小さくなっています。ですので、最近の自動車の静音化をきちんと考慮したモデルということになっている、というところが一番大きな違いです。

柏尾委員

 ありがとうございます。
 そうしますと、予測モデルの独立変数等を変えたということではないのですね。

平栗委員

 そこは変わっていません。モデル自体は変わらないです。
 入力するデータによって、少し影響を受ける場面があるぐらいだと思います。あと、計算できる条件が拡張されておりますので、新しいモデルを使った方がより適切に評価できるようになっていると思います。

柏尾委員

 分かりました。どうもありがとうございます。

瀬川会長

 私の方から1点確認なのですけれども、40ページに以前よりも詳しい施工手順の説明が載せられていますが、次の段階ではもう少し正確な絵になるのでしょうか。
 この絵で言いますと、(1線ずつ高架を造って移設していくので)2番目から3番目にはならないですよね、正確に言いますと、ですが。もちろん容易に想像できることですので、大体はこのあたりで結構かと思うのですけれども、段階が進むにつれて、そのあたりはより広く正しく伝えた方がいいかな、と思いまして確認させていただきました。

事務局

 準備書の段階では、工事中の影響予測を行う必要がありまして、工事中の影響予測を行うためには詳細な工事計画ができていないと予測ができませんので、当然準備書の段階ではより具体的な工事計画になってくると思われます。こちらはまだ方法書の段階で、そういった詳細なものがないので、このようなイメージになっていますが、準備書ではより詳細なものが示されるだろうというように考えております。

瀬川会長

 ありがとうございます。安心いたしました。
 では、よろしくお願いします。

平栗委員

 何点か鉄道騒音についてお伺いしたいのですが、まず1つ目として、54ページに騒音調査地点の図が掲載されておりますが、その中の紫色のB1、B2については、選定理由として、「保全対象の状況を考慮(事業区間に隣接する代表的な中高層の建築物)」と書かれております。要するに、高架よりも高いところで予測を行うということだと思いますが、完成したものがどうなるのかまだ分からないので、はっきりとは申し上げられないですけれども、一般論で言うと、駅舎の部分は屋根がかかるので、恐らく他のところよりも(騒音は)小さくなるのではないかな、と思います。なので、測定地点は駅舎からずらした方がより良いのかな、と今見ていて少し思いました。
 それが1つ目で、もう1つが61ページの部分についてです。上から2つ目の事業者回答で、「堺東駅近傍の予測については、通過車両の泉北ライナーを対象とする」と書かれていますが、最近少し話題になっているのが、停車時の装置騒音が実は結構うるさい、ということです。電車が停まっている時に、例えば夏場ですとエアコンをかけるとか、そういう機械騒音の騒音源として、低速走行時と停車時に(電車の装置騒音が)結構大きくなっている、という話をちょっと伺ったことがあります。その点を考慮すると、堺東駅近傍については、通過車両の走行時の騒音の影響よりも、むしろ停車車両の装置騒音の影響を把握された方がいいのではないか、と少し思いました。

瀬川会長

 コメントありがとうございました。
 今のお話ですけれども、(事務局から)ご回答いただけるでしょうか。

事務局

 準備書の作成にあたっては、今委員からご指摘いただいたこともしっかりと考慮して予測するように、と事業者に対して伝えたいと思います。

瀬川会長

 あと、1番目の騒音調査地点については、確か代替できる場所が見つからない可能性があるという事業者からのご説明を受けた気がするのですが、どうでしたかね。

事務局

 そうですね。前回の事業者からの説明にもございましたが、事業区間に隣接する中高層の建築物というものがあまり無く、また測定可能な場所というのも限られておりますので、現時点での測定可能な地点といたしまして、こちらの2地点を選定している、ということになっております。ですので、今委員からいただいたご意見も踏まえながら、現在の調査地点とは別の、より良い測定地点がありましたら、事業者もおそらくその地点で測定を行うことになると思いますので、そういったことも踏まえて準備書を作成していただけるよう、事業者に対し事務局からお願いしていこうと思っております。

瀬川会長

 そうですね。新しい施設も近くにできて、そこも加えるということでしたね。

平栗委員

 そういう意味では、この場所で測定と予測の両方をされると思いますので、駅舎の屋根のないバージョンの予測もしていただけると、おそらく少しずれたところとの差も把握しながら、他の区域で実測値はこれくらいになるのではないかという根拠になるのではないかな、と少し今思いましたので、そういう点も含めてご検討いただければいいかな、と思いました。

事務局

 はい、分かりました。

瀬川会長

 今の委員のコメントはですね、その場その場の計測という、非常に限られた予測ではなくて、この沿線全体の状況がなるべくより詳しく分かるように、工夫して予測をしていただきたい、ということだと思います。是非そのあたり、よろしくお願いいたします。
 他にいかがでしょうか。

中川委員

 40ページに、現況から完成までの施工の模式図が載せられているのですが、施工中の図の付替え側道は歩車道分離無し、ということで道幅が狭くなっているかと思うのですが、ここで4mあれば安全性は大丈夫なのか、というところが少し気になりました。自転車等もこの道を使うことになると思いますので。

事務局

 付替え側道については4mという幅員なのですけれども、そちらにつきましては、41ページの一番上の事業者回答の中にもある通り、「付替側道は、工事中の在来側道の機能回復を目的として設置するものであるため、在来側道の機能と同等としている」ということになっております。そのため、(4mの幅員であったとしても)想定の交通量は、現在生活道路として使われている在来側道と基本的には同等であって、他からの流入による交通量の増加ということは想定しておりませんので、工事中の付替え側道については、歩車道分離無しという形でも問題ないと事業者は認識しているのだろうと考えております。

中川委員

 ありがとうございます。

瀬川会長

 現道に歩車道分離といったものが無いので、それとほぼ同等の機能を持つ付替え側道になるだろう、ということですね。ご説明ありがとうございます。
 他にご質問いかがでしょうか。お願いします。

田中委員

 74ページのところなのですけれども、VRと模型とフォトモンタージュを、76~78ページの範囲で作成して、将来の景観を確認できるようにする、という事業者回答なのですが、「将来の景観を確認できるように」というのはどういう意味なのかを、もし分かれば、で良いので、少し教えていただきたいです。
 例えば、周辺の街の状況は今後変わっていくと思うんですね。世界遺産に指定される古墳であるとか、周辺の土地利用の在り方とかが、多分ちょっとずつ変わっていくと思うのですけれども、事業者さんがおっしゃっている「将来の景観を確認する」というのは、どの時点でどういうように確認するのかをお伺いしたいと思います。以上です。

事務局

 事業者が入手可能な情報に基づいて予測するということになると思いますので、今回の高架化の事業と、関連事業である駅前広場ですとか、そういったものについては、将来の形として反映させていくことになるかと思うのですが、それ以外の、将来どうなるのかということが予測の段階で入手できないものについては、どうしても現況と同じ形にならざるを得ないのではないか、と考えております。

瀬川会長

 その場合、将来というのは、どの時点のことですかね。

田中委員

 いえ、74ページの一番下の事業者回答の中で、「将来の景観を確認する」とあるのですが、誰がどのようにチェックするのだろう、とちょっと疑問に思いましたので。

瀬川会長

 そうですね、将来の景観は分かりませんので、少しこの表現は不適切ですね。「将来の景観を確認する」と書いてしまうと、少し勇み足かな、ということで。
 「将来の景観」といっても、あくまでもこの事業の完了後の様子についてですし、しかもこの事業に限っての話ですからね。大学の人間は言葉で生きているものですから、少し、拡大解釈されるような言葉がありますと、そういう意味なのかなと、収拾がつかなくなってしまいますので、この部分は少し修正していただければ、と思います。
 それから、同じページに関連してなのですが、74ページの上の写真を見る限り、少し離れると事業区域は全く見えない、ということのようなのですが、これはもう少し北側に移動したとしても、同様の状況なのでしょうか。いかがでしょうか。

事務局

 現在既に建っている建物で、ある程度の高さがあるところからの確認と、あと、景観の予測ですので、一般の人が立ち入ることができる場所(からの確認)でなければいけません。そのため、マンションといった一般の人が入れない場所での予測というのは、適当ではありませんので、そういった観点でこのフェニーチェ堺という場所を選ばれているのですけれども、この北側からどういた見え方をするのか、ということについては、今お答えはできないのですけれども、その辺りもVRや模型といったもので、任意の視点から確認できるのではないかな、と思っております。

瀬川会長

 例えば、5ページですが、大阪和泉泉南線が線路と並行する大きな道路で、一番線路に近いですが、逆にこの道路側から見て、あまり見えないというような現状なのでしょうか。

事務局

 大阪和泉泉南線からですと、堺東駅の南の辺りでは直接高架構造物は見えると思いますし、いくつか見えるようなところはあるかもしれません。

瀬川会長

 もしかすると、堺東駅のところは別事業になりますので、そちらの方で分かるかと思います。ですので、どちらかというと、浅香山駅付近のいくつかの踏切のあたりの様子が、どれだけ都市景観として大きく変わるのかということですね、それと、南側の小学校付近についても同様に、都市景観の変化というのを、以前の段階から我々は心配しておりまして。そのあたりは例としてお示しいただいた通り、あまり見えない、というように推測はされているのですが、そのあたりはいかがでしょうか。そういうことが分かればいいのですけれども、そのあたりを逆に、この審査会では心配している、というように考えていただければと思います。
 では、お願いします。

久末委員

 40ページの左下に、青枠で、「付替え側道」と「関連側道」の説明をつけていただいているのですが、実は5ページや6ページでも側道の話題が出てきますので、このあたりにも側道の説明をつけていただけると、非常に分かり良いのかな、と思うのですが。
 40ページまでいかないと、「付替え側道」と「関連側道」の定義付けが出てこないので、5-6ページあたりにも書いていただけると分かりやすいかな、と思います。

瀬川会長

 ただこれはですね、専門家から見ると当たり前の言葉らしいです。ですので、調べれば分かるという面もあります。一方で、そうではあるのですが、これは元々の5ページの図を見ていただければ分かると思うのですが、図書が間違っていたということで、少し例外的な状況ではあるのですけれども、今のところはこのような対応になっておりまして、それに対しても、事業者の方から、次の準備書の段階では、しっかりと間違いのない形でお示しいただけると聞いておりますが、何か不足等ございましたら、事務局から(説明を)よろしくお願いします。

事務局

 事業者からは、ここの部分は修正すると聞いております。

久末委員

 分かりました、ありがとうございます。

瀬川会長

 ちなみに申し上げますと、「付替え側道」というのは仮設の側道で、その後ですけれども、高架を造りますと、一般的には両側に「関連側道」という側道を整備する、ということになっているようです。
 他にご質問いかがでしょうか。ではお願いします。

野村委員

 少し教えていただきたいのですが、40ページのところの図で、かなり具体的なイメージができるようになったのですけれども、最終的には歩車分離にして、両サイド6メートル(の側道が)できるとのことでしたが、線路自体は、元々あるところの上に高架を造るわけですよね。一方で、現状では4メートルに満たない在来道路(側道)もあると。そのあたりを考慮すると、「関連側道」を両側6メートルに造ることは、可能なのでしょうか。

瀬川会長

 ただ、仮線を造る部分につきましては、線路が(一旦)別の場所にできることになりますよね。

野村委員

 ええ、ですので西側はそれで用地買収等して広げられる気がするのですが、東側は広げられるのですか。

瀬川会長

 いかがでしょうか。

事務局 

 基本的にこちらの「関連側道」につきましては、高架後の騒音や日照阻害等の影響を低減する緩衝地帯という意味合いも込めて整備されるものとなっております。そのため、事業者といたしましては、41ページの上から2つ目に「関連側道」の設置範囲についての事業者の回答にもあります通り、基本的には、高架の両側に「関連側道」を整備する予定ではあるのですけれども、場所によっては、例えば堺東駅周辺では、大きな建物がある等でなかなか場所が確保できないことから、「関連側道」を整備するのは難しいと事業者も考えていますので、そういった場所については、「関連側道」は整備されないと思われます。

野村委員

 そういうことですよね。
 要するに、基本的には(整備する予定)ということは、整備されないところもやはりあるということですよね。そのように理解して良いということですよね。

事務局 

 はい、そうですね。

野村委員

 ただ、この図でいうところの西側は用地買収するので、こちら側は関連側道を整備できるということですか。

事務局

 仮線を造る場所についてはその通りなのですが、例えば堺東駅周辺は直上高架施工になりまして、仮線はございませんので、そちらにつきましては、また違った形の施工になるとは思います。

瀬川会長

 ある程度は工事の設計も始まってはいるかと思うのですが、そのあたりにつきましては、次の段階にならないと出てこないのかな、と思っております。
 それで、現地を見ていただきますと分かるかと思うのですが、線路周辺は土地に余裕はあります。ただ、それでも十分な余裕があるかと言いますと、そこまでいかない、ということと、場所によって若干様相も違っていますね。

野村委員

 あと、歩車分離というのは、何か明確に柵とか段差とかを付けるといった、そういったことを考えられているのですか。

事務局 

 そうですね、事業者といたしましては、柵かどうかは分からないのですが、歩道と車道は分けて整備する予定で考えている、とお聞きしております。

野村委員

 3ページにあるようなイメージですかね。

事務局 

 そうですね、イメージとしてはこのような感じになるかと思います。

野村委員

 これを見ていますと、本当にこんな感じでできるのかな、と思うのですが、どうでしょうか。
 今、少し地図を見ながら、難しそうではないかな、と感じているのですが……。

事務局 

 事業者としては、現段階ではそういう想定ではあるのですけれども、当然現地の状況によっては、変わってくるとは思っております。ですので、現段階でのイメージとしてはこういう形である、というところでご理解いただければ、と思います。

瀬川会長

 関連側道が実際にどのように整備されるかにつきましては、この場で議論するのは、現段階ではなかなか難しいのではないのかな、と思います。

野村委員

 あと、この側道は1車線ですけれども、そのあたりは大丈夫ですか。

瀬川会長

 それは交通規制等の状況によるとは思いますが、今はほとんど、地元の方以外は走行していないような道路ですからね。
 ただ、時間帯によっては、抜け道として使われることはあるとは思います。

野村委員

 通りやすくなったら、状況は変わるかもしれないですね。

瀬川会長

 ただ、「関連側道」の工事完了後の取扱いについては、安全面等にご配慮いただけるようにお願いできるということで、そういった部分も指摘事項に入れさせていただいておりますので、現時点で話せるのはそのあたりまでかな、と考えております。
 他にいかがでしょうか。ではお願いします。

中谷副会長

 水質・底質のところですけれども、51ページで、「工事排水についてはノッチタンクを用いた排水処理を想定している」と書かれているのですが、工事排水というのは、工事で使う水、もしくは地下水とかが出てきた時の水を想定されているのか、ということが一つ。
 あと、ノッチタンクを用いて下水道に放流するとのことですが、ノッチタンクに溜まったものというのはどのように処理されるのでしょうか。この2点について教えてください。

事務局

 ノッチタンクに溜めた後のことなのですけれども、基本的にpH計を用いまして、pHの状況というのを常時観測するということが1つと、あと、工事に伴って出てくる濁水につきましては、SS(浮遊物質)の流入がございますので、滞留時間を定めまして、沈降した状態の上水を排水するということが、前提になっております。
 また、こちらの南海鉄軌道のエリアにつきましては、大部分が合流区域で、南側が分流区域となっております。基本的には、工事排水等はノッチタンクに入れて処理したあと、公共下水道に放流するという前提になっております。
 ただ、こちらにつきましては、まだ工事計画の詳細が具体的には定まっている状態ではございませんので、具体的に今、何をどうしていくのかというのは、そのあたり今後の協議になってくるのかな、とは思っております。

中谷副会長

 まだ工事計画が詳細になっていないので、分からないかもしれないですけれども、どのぐらいの量の水が出てきて、どのぐらいのノッチタンクが必要なのか、という大体の想定は今あるのでしょうか。

事務局

 まだそのあたりの具体的な協議は始まっておりませんので、ノッチタンクの容量についても、現状はっきりとしたことは分からないと思います。

中谷副会長

 分かりました。
 水関係は、思わぬところから合流するとか、色々と想定以上のことが起こりますので、そのあたりちょっと注意していただくとともに、pHとかは常時モニタリングするというところで安心できたのですけれども、工事計画の検討を進める時に、色々と詳細を詰めていただいて、考えていただければなと思います。
 あと、もう一つの質問でした、ノッチタンクに溜まった泥の処理は、どうするのでしょうか。

事務局

 ノッチタンクに溜まったものにつきましては、性状によって処理方法が変わってくると思います。雨水の流入に伴うものでしたら土砂性状になりますので、土砂の形で処理されるとは思うのですけれども、例えばコンクリートの打設に伴って発生した工事排水でしたら、おそらくコンクリート性状のものになってくると思いますので、そういったものについては産業廃棄物である汚泥として処理されることになると思います。

中谷副会長

 そのあたりの分け方というのが、そうなると重要になると思うのですが、泥状のものをチェックするという体制は作られるのでしょうか。結局分別しないといけなくなりますよね、今のお話を伺いますと。そのあたりをお聞かせいただけますか。

事務局

 今回の現場でどうなるかというのは、分からないところではあるのですけれども、基本的にはノッチタンクから一定期間ごとに溜まった泥状物を取り出して処理することになると思いますが、その際にどういったものが溜まっているのかを確認して、その上で、こういったものについてはこういう処理が適切だろうという判断のもとに、処分されるという形になると思います。

中谷副会長

 分かりました、ありがとうございます。

瀬川会長

 よろしいですか。では他に質問ございませんでしょうか。

小田委員

 地下水のところなのですが、事業区域の近くに天皇陵があると思うのですけれども、そこの御濠の水というのは、どこかからか供給されているのですか。それとも自然に湧いて出てきているものなのですか。

事務局

 反正天皇陵につきましては、雨水のみとなっております。

小田委員

 下手に地下水を抜いてしまうと、ひょっとすると御濠の水位が下がってしまう恐れがあるので、気を付けていただきたいです。

瀬川会長

 現状の予測では、地下水に影響は無いとのことですが、せっかく今注目されております古墳群がございますので、詳細な検討の中で少し関係各所と打ち合わせしていただいて、ご配慮いただきたいという、そういうご指摘でございます。
 事務局よろしいですか。では、他にご質問コメント等ございませんでしょうか。どうぞ。

木下委員

 景観のところですけれども、中景や遠景はフォトモンタージュ等で分かると思うのですが、特に私が興味あるのが、歩行空間のところがどういう形で評価されるのかな、ということになります。近景につきましては、沿線の歩行空間のところで近景の評価をされるようなのですけれども、基本的にどういう視点で評価されるのか、というところをお聞かせいただけますか。
 22ページに景観調査地点ということで、近景の調査地点として赤の丸印で書かれていますが、だいたい歩行空間、つまり基本的には人が歩くところになると思いますので、このあたりで見た感覚として、比較的街路樹が目に入るような状況なのか、それともコンクリート打ちっぱなしの風景ばかりが見えて殺風景な状況なのか、そのあたり、どういうような評価をされるのか、教えていただきたいです。

事務局

 今後、事業者が工作物の構造等について検討を進めていきまして、この予測地点から工作物がどういうような見え方をするのか、というところを予測していくことになると思うのですが、工作物をどういった構造や色彩、デザインにしていくのか、どういった植栽にするのかといった詳細については、今後準備書を作っていく中で検討されていくと思いますので、現時点でどうかということについては、お答えができない状況でございます。

木下委員

 評価する際の視点はどこになるのですか。

瀬川会長

 評価する時の目線の高さですね。

事務局

 目線の高さにつきましては、一般の人の目の高さになるかと思います。

瀬川会長

 それが確認できるところは(方法書に)ございましたかね。

事務局

 方法書には、目線の高さの記載についてはなかったと思います。
 ただ、環境影響評価におきまして、人の目の高さで近景の評価を行うということは、一般的なことではございますので、事業者としても、その部分については当然認識しているとは思いますが、今回委員からのご指摘もありましたので、事業者に対し目線の高さについては伝えておきたいと思います。

瀬川会長

 配慮計画書の段階で目線の高さについて指摘させていただいたような記憶があるのですが、そのあたりはいかがでしょうか。

事務局

 配慮計画書に対する意見として、景観については、方法書の6-5ページにありますが、「事業計画の具体化に当たっては、周辺の景観と調和した施設の外観について十分検討を行うこと。」と指摘しております。

瀬川会長

 指摘事項等で明確には書かれていないのですが、議事録には残っていると思います。
 「圧迫感があるのではないか」という住民意見がございまして、それに対する事業者の最初のお話に、そのあたりに対するご配慮がもう少しあれば(良い)、という意見が委員からありまして、そのように伝えた、というように記憶しております。
 (木下委員のご発言は)圧迫感と言った話ではないですか。もう少し違ったご指摘でしたか。

木下委員

 圧迫感という意味合いもありますし、あとはまあ、似たような対策ができないか、という意味合いというか、影のでき方とかその辺のところもありまして、人が気持ち良く通りやすくなるという、視覚的なイメージと物理的な影響と、双方含めて評価していただきたいというイメージで発言いたしました。

瀬川会長

 一般的な配慮ということで、(関連する指摘を)ご覧になっていただければと思います。
 他にいかがでしょうか。

中谷副会長

 確認なのですけれども、82ページの安全(交通)のところで、調査項目として「通学路の状況」が挙げられていまして、工事中と施工後の状況を確認するのだと思いますが、通学路については今の状態でも踏切をまたがって、というものはあるのですか。
 あとは、これが繋がるというパターン、交通が円滑化することで、今までは無かったけれども、そういうものが発生するとかいう可能性はありますかね。

瀬川会長

 厳密なことは言えないのですが、全体としては安全な方向になります。それで、堺東駅から北側は、踏切が無くなりますので、そういった問題については軽減される方向だと。
 唯一気になるのが、南側に小学校があります。ちょうどそこの地上高架から掘割区間に下りてくるところが気になるのですが、そこにつきましては、41ページによりますと、関連側道ができるかどうかについては、基本的には作るけれども(必ず作るとは限らない)、という話。それと同時に、参考資料2の3ページ目のところで、事務局からの説明にもありましたが、必ずしも全部の区間で関連側道を整備することになっているわけでも無く、全体としては現状、審査会で何度も申し上げております「コミュニティの状況の変化」、それに対しての「安全の確保」について注目して欲しい、とお願いしておりますので、そうした審査会の考え方をベースに対応していただける、というように我々は考えるべきかな、と思います。

中谷副会長

 分かりました。

瀬川会長

 事務局側から何か補足情報等はありますでしょうか。無いですか。
 逆に申し上げますと、今後準備書の段階で、そういったことが出てきた時に、今までの議論を踏まえつつ、注意して確認や質問をすることになるのかな、と思います。
 他にいかがでしょうか。そろそろ出尽くしたようですが、何か言い残したことがあるといけませんので、どうですか。無さそうですか。
 では、以上で大体のご意見、ご質問が出そろったと思われますので、このあたりで質疑応答は終了させていただきたいと思います。
 もう一度確認でございますが、こちらの検討結果(案)で、重大な問題が無ければこちらを答申としたい、と思いますが、いかがでしょうか。問題ございませんでしょうか。
 それでは、この検討結果(案)を堺市長宛ての答申にしたいと思います。それでは事務局、よろしくお願いします。

辻尾環境共生課長

 ありがとうございました。
 それでは、ただいまより答申をお願いしたいと思います。瀬川会長、池田局長、よろしくお願いいたします。

瀬川会長

 令和元年6月21日堺市長永藤英機様、堺市環境影響評価審査会会長瀬川大資。
南海高野線連続立体交差事業(浅香山駅~堺東駅付近)環境影響評価方法書の審査(検討結果)について(答申)。
 平成31年3月26日付堺環共第1345号により本審査会に諮問のありました標記の件について、慎重に審議を重ねた結果、この度結論を得ましたので、別添のとおり答申いたします。

池田局長

 ありがとうございました。

辻尾環境共生課長

 ありがとうございました。
 瀬川会長と池田局長は、お席にお戻りください。
 ただいまの答申の写しにつきましては、後日、委員の皆様にお送りさせていただきます。

瀬川会長

 それでは続きまして、今後の手続について、事務局から説明をお願いします。

     【今後の手続きについて事務局の説明】

瀬川会長

 ご説明ありがとうございました。
 ただいま、事務局から説明がございましたが、委員の皆様からご質問、ご意見ございますでしょうか。
 それでは、本日の議題はこれで全て終了となります。
 全体を通しまして、何かご意見、ご質問等ございましたら、よろしくお願いします。
 ございませんか。よろしいですか。
 それでは、議事については以上とさせていただきまして、事務局に司会をお戻しいたします。

辻尾環境共生課長

 本日は瀬川会長をはじめ、委員の皆様方には大変お忙しいところ、ご審議を賜りましてまことにありがとうございました。
 会議終了に当たり、環境局長の池田から一言お礼を述べさせていただきます。

池田局長

 池田でございます。本日は委員の皆様におかれましては、大変お忙しいところ審査会にご出席を賜り、誠にありがとうございました。また、「南海高野線連続立体交差事業(浅香山駅~堺東駅付近)環境影響評価方法書」の審査につきまして、大変短い時間ではございましたが、答申をまとめていただきましたこと、厚く御礼を申し上げます。
 今後は、取りまとめていただきました検討結果の中で、ご指摘いただきましたご意見につきまして、その趣旨を十分踏まえ、条例の期限となります7月14日までに、環境の保全の見地からの市長意見を作成いたしまして、事業者に送付いたしたいと考えております。
 最後になりますが、今後とも本市の環境影響評価行政の推進により一層のお力添えを賜りますようお願い申し上げまして、簡単ではございますが、お礼のご挨拶とさせていただきます。本日はどうもありがとうございました。

辻尾環境共生課長

 ありがとうございました。
 会議終了にあたり、傍聴者の方はご退席いただきますようお願いします。
 それでは、これをもちまして、「令和元年度 第2回 堺市環境影響評価審査会」を終了させていただきます。本日はどうもありがとうございました。

以上

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