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平成30年度 第4回 堺市環境影響評価審査会

更新日:2022年7月11日

日時

平成31年3月14日(木曜) 午後2時~午後4時10分

場所

堺市立消費生活センター 会議室

出席委員

犬木 努     大阪大谷大学文学部教授
今西 亜友美   近畿大学総合社会学部准教授
木下 進一    大阪府立大学大学院准教授
瀬川 大資    大阪府立大学大学院教授
田中 晃代    近畿大学総合社会学部准教授
中谷 直樹    大阪府立大学大学院教授
野村 俊之    大阪府立大学大学院准教授
久末 弥生    大阪市立大学大学院教授
平栗 靖浩    近畿大学建築学部准教授
柳原 崇男    近畿大学理工学部准教授

欠席委員

小田 和広    大阪産業大学工学部教授
柏尾 眞津子   大阪人間科学大学教授
中川 智皓    大阪府立大学大学院准教授
橋寺 知子    関西大学環境都市工学部准教授
水谷 聡     大阪市立大学大学院准教授

傍聴者

0人

議題

  • 会長、副会長の選任について
  • (仮称)堺市美原区黒山東計画に係る準備書について(中間審議)

配布資料

議事録

辻尾環境共生課長

 それでは、定刻となりましたので、ただいまより、平成30年度第4回環境影響評価審査会を開催させていただきます。
 本日は、お忙しいところご出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日の司会を務めさせていただきます、環境共生課課長の辻尾でございます。本審査会の会長が決まりますまで進行役を務めさせていただきます。よろしくお願いします。

 本日の会議の定数は15人ですが、ただいま10人の委員にご出席いただいております。堺市環境影響評価審査会規則第3条第2項の規定により、本会議は成立しておりますことをご報告申し上げます。
 なお、小田委員、柏尾委員、中川委員、橋寺委員、水谷委員につきましては、ご欠席の連絡を頂戴しております。よろしくお願いいたします。
 また、本日の会議は同規則第5条第1項の規定により、公開となっております。
 傍聴についてですが、傍聴者はおられないことをご報告いたします。

 それでは、平成31年3月から、本審査会は新体制になっておりますので、まずは、委員の皆様のご紹介をさせていただきます。
 初めに、新たにご就任いただいた委員の皆様からご紹介させていただきます。
 私に近いほうから、ご紹介させていただきます。平栗委員でございます。木下委員でございます。今西委員でございます。久末委員でございます。
 続きまして、引き続き委員に就任いただきました委員をご紹介させていただきます。私に近いほうからになります。柳原委員でございます。野村委員でございます。田中委員でございます。犬木委員でございます。瀬川委員でございます。中谷委員でございます。
 ただいま、ご紹介いたしました委員の方々のほかに、お手元にお配りしております堺市環境影響評価審査会委員名簿にございますように、小田委員、柏尾委員、中川委員、橋寺委員、水谷委員につきましては、本日出席できない旨のご連絡を頂戴しております。
 以上で、委員の紹介を終わらせていただきます。

 次に、お手元にお配りしております資料の確認をさせていただきます。
 本日、配付させていただいております資料でございますが、順番に、本日の「次第」、「堺市環境影響評価審査会委員名簿」、「(仮称)堺市美原区黒山東計画に係る環境影響評価準備書についての検討結果(素案)」、「今後の審議の進め方」及び参考資料としまして、「(仮称)堺市美原区黒山東計画に係る環境影響評価手続の経緯」及び事業者が実施いたしました「説明会開催結果報告書」、以上をお配りしております。
 また、委員の皆様に既に配付しております、「(仮称)堺市美原区黒山東計画に係る環境影響評価準備書」と、「その資料編」及び「準備書の要約書」につきましても、本日、各席に備えつけしております。資料等に漏れなどございませんでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、今回は、委嘱後初めての審査会ですので、会長、副会長の選任をお願いしたいと存じます。審査会規則第2条第1項に、「審査会に会長及び副会長を置き、委員の互選により定める。」となっております。いかが取り計らいしましょうか。

田中委員

 会長には、前回も会長でいらっしゃった瀬川委員に、それで、副会長には、中谷委員にお願いすることでいかがでしょうか。

辻尾環境共生課長

 それでは、異議がないとのことでございますので、会長は大阪府立大学教授の瀬川委員に、副会長は大阪府立大学教授の中谷委員ということで決定させていただきたいと思います。
 それでは、瀬川会長、中谷副会長におかれましては中央の席にご移動お願いしまして、一言ご挨拶を頂戴したいと存じます。

瀬川会長

 座ったままで、すみません、失礼いたします。皆さんも、この後も座ったままでご発言等お願いいたします。
 ただいま、審査会の会長にご指名いただきました瀬川でございます。
 会長にご推薦いただきまして引き受けさせていただきましたが、考えてみますと、比較的長く委員を務めさせていただいておりまして、そういったことから、その経験を活かせということだと理解しております。ただ、その経験といいますのは、それほど大きなものではございませんし、私の能力を考えましても、委員の皆様のお力をいただくことで、この審査を円滑に進めていくことができると考えておりますので、ご発言も含めまして、ご協力のほど強くお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。
 では、中谷副会長どうぞ。

中谷副会長

 改めまして、大阪府立大学の中谷と申します。
 副会長に選出していただきました。私はまだ2期目ということで、それほど経験はないですけれども、1期務めさせていただいて、環境行政の難しいところも少し見えたのかなと思っています。若輩者なのですけれども、少しでも堺市民にとって、または日本にとって、良い環境影響評価というものができたら良いかなと考えておりますので、委員の皆様に対して、ご支援、ご協力のほどお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

辻尾環境共生課長

 ありがとうございました。
 それでは、審査会規則第3条第1項によりまして、「審査会は会長が議長となる」となっております。この後の議事進行につきましては瀬川会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

瀬川会長

 承りました。
 では、次第の2番、議題の2項目になります「(仮称)堺市美原区黒山東計画に係る準備書について(中間審議)」の事務局からのご説明をお願いしたいと思います。ご準備よろしいでしょうか。
 では、ご説明よろしくお願いします。

事務局

 事務局でございます。
 今回、新体制となって初めての審査会の開催となりますので、最初に「環境影響評価制度」及び「これまでの経緯」について、簡単にご説明させていただきます。
 まず、「環境影響評価制度」についてですけれども、こちらの制度は、規模が大きく環境に著しい影響を及ぼす恐れのある事業の実施にあたり、その事業が環境に及ぼす影響について、事業者みずからが調査、予測、評価を行いまして、その結果を公表し、市民や専門家等の意見を聞き、それらを踏まえまして、環境の保全の観点から、より良い事業計画をつくり上げていく、そのための制度でございます。

 では、お手元の資料「今後の審議の進め方」の裏側、環境影響評価の手続を示したフローがございますので、こちらをご覧ください。
 環境影響評価の手続は、事業の実施までに大きく4つの段階、「配慮計画書」、「実施計画書」、「準備書」そして「評価書」に分かれております。

 最初の「配慮計画書」は、事業の計画段階におきまして実施される手続でございまして、事業計画が固まる前の早期の段階で、環境配慮の内容を事業計画に採り入れてもらうことを目的としております。

 次の「実施計画書」についてですけれども、こちらは、当該事業を実施した場合に、どのような環境影響を与えるのかを評価するため、事業者が環境配慮の内容を加味した事業計画に基づき、その調査方法や予測評価の方法を決定する手続となっております。
 なお、規模の大きい事業につきましては、「実施計画書」ではなく「方法書」と呼ばれる手続となります。

 こうして決定いたしました調査、予測、評価の方法に基づいて、実際に事業者が、調査、予測、評価を実施し、その結果及び環境保全措置等を記載したものが「準備書」となります。「準備書」段階の審査につきましては、調査、予測、評価の結果や環境保全措置の妥当性につきまして、主に検討することとなります。

 そして事業者は、「準備書」の段階で提出された意見を勘案いたしまして、「準備書」の内容に検討を加えて「評価書」を作成いたします。なお、事業者は、この「評価書」が公告されるまで事業を実施することができないようになっております。

 なお、「評価書」の手続が終わり、事業に着手した後も、予測結果と実際の環境影響の間に著しい違いがないかを把握するために、事業者は「事後調査」を行いまして、その調査結果を取りまとめて報告書を作成し、公表いたします。
 以上が、環境影響評価の手続の簡単な流れとなりますが、今回は「準備書」について委員の皆様に審査していただくこととなります。
 委員の皆様には、各々の分野につきまして、専門的、技術的な観点からのご意見をお願いしているところではございますが、専門分野に限らず、お気づきの点につきましてご意見いただければ幸いでございます。

 それでは次に、これまでの経緯等につきまして、簡単にご説明させていただきます。
 配付しております参考資料1の「(仮称)堺市美原区黒山東計画に係る環境影響評価手続の経緯」をごらんください。
 まず、事業の概要ですが、美原区黒山東地区において、延べ床面積約9万2,000m2の商業施設を整備するもので、約3,200台の駐車場の新設ということで、堺市環境影響評価条例の対象となっております。また、事業者は三井不動産株式会社となっております。
 続きまして、今までの経緯ですけれども、平成29年2月から6月にかけまして、まず環境影響評価の最初の手続であります、配慮計画書の手続が行われております。
 配慮計画書は事業者が複数案を設定し、どのような環境への配慮のあり方があるのかを、みずから比較、検討するとともに、その結果を公表して広く意見を求めることで事業による重大な環境影響の回避、低減を図るためのものでありまして、本案件では3案の複数案というものが設定されておりました。
 また、手続の中で住民意見が1件ありまして、その内容といたしましては、既存ため池が事業により消失することから、新設する農業用のため池に生息、生育する動植物への配慮を求める内容となっております。
 そして、5月31日に審査会から答申いただき、6月13日に市長意見を事業者に送付しております。その内容につきましては、次のページに概要を載せております。
 また、同年10月から12月にかけまして、環境影響評価の手法を示した実施計画書の手続が行われました。本事業につきましては第2種分類事業ということで、環境影響の程度が特に著しいものではないということから、堺市の条例におきまして手続を簡略化する目的で、住民意見の募集、事業者による説明会の実施、審査会への諮問はない規定となっております。ですので、市で作成いたしました検討資料をもとに市長意見を作成し、12月28日に市長意見を事業者に送付しております。その内容につきましても、次のページに概要を載せております。
 そして、このたび平成30年11月20日に環境影響評価の結果を記載した準備書が提出され、12月13日に本審査会に諮問したところでございます。
 また、事業者による準備書の説明会が12月16日に実施されまして、その報告書が提示されました。参考資料2がその報告書となっております。
 当該説明会の質疑応答では、渋滞や生活道路等における安全への影響、騒音、自然環境への影響といった内容の質問が出ておりましたので、参考までにこの場でご報告させていただきます。
 そして、今回の審査会で審議いただくものが、諮問の日に委員の皆様からいただきました質問や意見、事務局で出しました質問、また、それらに対する事業者の回答をまとめたものであります検討結果の素案、となっております。
 以上が、これまでの経緯となっております。
 では、引き続きまして、検討結果(素案)の内容の説明に入らせていただきます。
 

     【準備書の検討結果(素案)について事務局から説明】

 

瀬川会長

 ご説明ありがとうございました。
 以上で、比較的長い時間だったですけれども、事務局からご説明いただきました。
 素案のご説明の他に、手続きやこれまでの経緯等のご説明もあったかと思います。それも含めてで結構でございますので、委員の皆様からご質問をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
 では、まず私から。150ページの景観のところで、最後に黒丸の指摘事項がございます。ここには下線が引かれていないのですが、これはまだこれから検討するということでしょうか。

事務局

 その通りです。
 その黒丸の部分につきましては、下線を引いて指摘事項にする方向で考えております。

瀬川会長

 ただ、まだ確定していないと。

事務局

 はい、そうです。

瀬川会長

 では、そちらの方、またよろしくお願いします。
 では、(質問を)よろしくお願いします。

中谷副会長

 全体の手続の進め方で、ちょっと教えていただきたいです。
 策定した事後調査計画に基づいて、事後調査を実施して、そのあとで評価をするということになると思うのですけれども、その評価が予測と異なった場合、例えば予測を超過するということがどの項目でもありえますよね、そういう場合は、そのあとはどういう手続になるのですか。

事務局

 事後調査報告書の方で、もし予測結果と異なっていた場合は、まず事業者の方になぜそういったことになったのかという形で、原因について報告というものを基本的には求めております。その結果、環境への影響が大きく、追加措置が必要ということになれば、住民意見を求めるとともに、審査会において、追加の措置の必要性というものを議論していただいた上で、追加の措置を事業者に求めていくということになります。

中谷副会長

 措置を求めることができるということですね。ありがとうございます。

瀬川会長

 よろしいですか。ありがとうございます。
 では、(質問を)よろしくお願いします。

野村委員

 事後調査計画のところで、少し気になるところがありまして、調査項目が騒音・振動・廃棄物となっていますけれども、なぜこの3つに絞ったのでしょうか。
 検討結果(素案)の項目ごとのページ数を見ていくと分かりやすいかもしれないですが、大気質などにはかなりのページ数を割いていて、結構重要な項目に感じるのですけれども、大気質は調査項目に入っていなくて、なぜこの3つに絞られたのか、そのあたりを教えていただけませんか。

事務局

 大気質については、検討結果(素案)で説明しましたように、特に短期濃度がかなり高い濃度となっている点が問題と考えております。ただ、事後調査を行う項目を選定する際の基本的な考え方としまして、予測の不確実性が大きい場合ですとか、効果が良くわからないような環境保全措置を講ずる場合に事後調査を行う、ということになっておりますので、恐らく事業者の認識としては、大気質は騒音や振動・廃棄物に比べるとそういった不確実性ですとか、環境保全措置といった面で、必要性が低いと考えてこのようにされているのかと思いますが、今の委員からのご質問を踏まえて、再度事業者には確認をしたいと思います。

瀬川会長

 またご対応のほど、よろしくお願いいたします。
 他に、ございませんでしょうか。どうぞ。

久末委員

 151ページの文化財についてです。
 埋蔵文化財包蔵地に関連している事案なのですが、以前にこういった例があったのかということをお伺いしたいのと、この件に関して、既にどこかの部署が動き始めているのかということをご教示いただければと思います。よろしくお願いいたします。

事務局

 埋蔵文化財包蔵地での開発ですので、堺市の部局であります文化財課と既に調整が行われており、試掘という形で事前に調査に入ると聞いております。

久末委員

 ありがとうございます。

瀬川会長

 今、ご質問の中に、事例があったのかという質問がありましたが、それについては。

犬木委員

 例えば、この近隣地でつながっている史跡を掘っているかどうかという、そういう話ですよね。

久末委員

 こういう施設のようなもので、同じような例があったのかどうか、ということです。

犬木委員

 他の商業施設とかですか。

久末委員

 そうです。

犬木委員

 大きな施設等を造れば大抵埋蔵文化財が出てきますので、文化財保護法において、全国で調査が行われています。今はちょっと少なくなっていますけれども、多分全国で1万件ぐらいは事前調査を実施していると思います。

瀬川会長

 ありがとうございます。
 あと、(犬木委員に)前回の審議でお話しいただいた条里制の区画の話をご説明いただけるとありがたいのですが、お願いできますでしょうか。
では、お手数をおかけしますが、検討結果(素案)の151ページの最後の丸の部分について、ご説明をよろしくお願いします。

犬木委員

 6.18-11ページをごらんいただければと思います。
 これは前回お話しした内容なのですが、事業計画地というものが書いてあって、左下のところの三角の敷地が事業計画地から外れていますけれども、それも含めると全体として正方形になっております。実は、これは、それぞれ上とか下とか、左右に拡がっていまして、(正方形は)奈良時代以降の条里制という水田とかを区画した都市計画制度の、ちょうどその1単位ですね、3町×3町という大きさです。これはたまたまではないと思うのですが。それの7割8割が今回の事業地ということになりますので、恐らく、掘ってみないと分からないですけれども、何らかの奈良時代以降の遺構が出てくる可能性はあるかな、と思います。

瀬川会長

 ということと、この区画が残っていること自体が条里制(の遺跡)であるということで、それに関する記録をこの施設に残すようなことを考えてほしい、という内容の指摘を入れていただいているという段階です。よろしいでしょうか。

久末委員

 ありがとうございます。

事務局

 先ほどご質問いただいた、文化財包蔵地における他の事例があるかどうかという件なのですけれども、アセスメント対象事業の商業施設でいいますと、前回堺市の鉄砲町のイオンの手続きがありましたが、そこは工場事業地の跡地で一度開発された場所ですので、そういった遺跡の調査というのは、おそらく実施していないと思います。
 また、他のアセスメント対象の事案に関しましても、臨海の工業地帯で廃棄物焼却施設の設置といった内容になっていますので、環境影響評価の対象事業でそういった埋蔵文化財の包蔵地に開発を行うようなものというのは、今回が多分初めての事例だと考えております。

久末委員

 ありがとうございました。
 保存が後手に回ると怖いなと思ったのですが、先ほど試掘も実施されるというお話でしたので、伺って安心いたしました。ありがとうございます。

瀬川会長

 よろしいですか。
 では、他にございますか。無いようでしたら、(話が)少し前後するのですけれども、説明会開催結果報告書が参考資料2にありますが、これについて何か、内容についてのご説明を事務局からいただくようなことはございませんでしょうか。

事務局

 参考資料として、配布させていただいております説明会結果報告書について少し説明させていただきます。堺市環境影響評価条例では、準備書の内容について周知を図るため、住民意見を提出できる縦覧期間中に、事業者が住民説明会を開催しなければならないと規定しております。この規定に基づいて開催された説明会の実施結果報告書が、今お配りしております参考資料となります。
 審査会につきましては、専門的な知見からご議論いただく場となっておりますので、提出された住民意見や説明会での質疑の内容からは独立した観点からご意見をいただくということになっていますので、直接的にこの意見を何か取り上げて議論いただく必要というのはありません。しかしながら、実際に議論していただく上では、住民の方々がこういったことを意見としておっしゃっているということは、やはり知っていただく必要はあるだろうということで、参考資料とさせていただいた次第でございます。

瀬川会長

 こちらの資料をもとにして、質問事項として挙がったようなことはございますでしょうか。

事務局

 説明会の中で、夜間工事について言及されているところがあったかと思います。準備書では、夜間工事は行わないという前提で予測もされているのですけれども。

瀬川会長

 3ページの4ですかね。

事務局

 そうですね。工事に伴う車線規制の影響を緩和するため、事業者が夜間工事を行うなどの対策を検討しますと。これは、準備書の前提とは異なる話ですので、事業者に対して質問しようと考えております。

瀬川会長

 ご説明、ありがとうございます。
 ご意見、お願いします。

平粟委員

 騒音に関して、1点お伺いしたいのですが、事後調査を20カ月目にするという話ですけれども、工事期間が長期間になる場合、それだけでいいのかという点について、ちょっと意見をしたいと思います。
 例えば、仮囲いをする予定ですというお話があったと思うんですね。その仮囲いをどうするかをきちんと適切に検討していただくためにも、やはり20カ月目まで待つのではなくて、その前の段階で一度工事中の騒音調査をしていただいて、その結果を基に仮囲いなどをしていただくという方がいいのかなと思うんですね。といいますのは、70ページに、月別の建設機械のパワーレベル合成値が記載されていますが、10カ月目あたりからやはり急激に増えています。ですので、これぐらいの期間を目安に事後調査を一度やっていただいて、基準を超過するようなところがあれば、やはり適切に仮囲いをしていただくというのがいいのではないのかなと思いました。

 それと、今回初めてですので、お教えいただきたいところがございまして、例えば、84ページの事業者様からの回答があって、4階からの音源の回折点はここにしましたと記載がありますが、この場合の回折減衰量の計算はどのような方法でされているのでしょうか。一般的な遮音壁と異なりまして、エッジが、要するに厚みを考慮しない、いわゆる一般的にナイフエッジと呼ばれる遮音壁のようなものではなくて、直角のエッジになりますので、回折減衰量自体が2.5デシベル変わってくるんですね。なので、実はナイフエッジで計算していると、危険側の推定になっている可能性がありますので、ちょっとそこをご確認いただければなと思っております。
 あと、すみません。また思い出しましたら、意見させていただきます。

瀬川会長

 ありがとうございました。
 まず、最初のほうは工事途中での騒音調査ということかと思いますが、手続上可能かどうかとか、そういったことも含めてご説明いただければ、お願いします。

事務局

 ピーク時1回だけの調査を行うというのは、調査としては若干不十分ではないかと考えております。そのため、例えば、鉄砲町のイオンの事例でしたら、敷地境界で常時監視をするということになっていましたので、少しそういう他の事例も踏まえて、再度もう少し詳細な事後調査をすべきではないか、ということを事業者に投げかけて見解を求めたいと考えております。

 それから、回折減衰の計算の方法につきましては、準備書の中で、6.4-33ページに示されているような式で計算されている、ということでございます。

平粟委員

 これ、まさにさっき言ったナイフエッジの回折減衰の計算方法になっているんですね。ですので、恐らく厳密に物理現象を考えると、この式ではなくて、ここから2.5デシベル引いた値を使う直角エッジの式を使った方が妥当な結果になるのではないかなと思います。

事務局

 わかりました。そのあたりは私どもも少し不勉強でございましたので、後ほどお教えいただいて、事業者にその点を確認したいと思います。

瀬川会長

 では、よろしくお願いいたします。
 ほかに、ご質問ございませんでしょうか。

田中委員

 ちょっと先ほど、会長が説明会についてお話しされていたので、それに関連して。
 説明会のところで、住民さんが60人ぐらい出席されているんですね。60人ということで、多分周辺の住民の方も、すごく注目している施設ではないかなと思います。ただ、商業施設であるので、施設を使われるのは、周辺の住民の方だけじゃなくて、結構広域的にいらっしゃると思うんですね。ですので、多分近隣の住民の方だけの問題ではない問題が生じてくると思います。

 これはお願いになるのですが、説明会でも資料の閲覧の要望が出ているのですが、当日に配布する資料は、できるだけ住民の方にわかりやすい提供を、事業者さんにはお願いしたかったなと少し思いました。

 通常、説明会だと通り一遍の説明で、資料も結構ささっと説明されてしまって、難しい言葉がたくさん出てくるので、住民さんも60人もいらっしゃる中でたくさん意見が多分あると思うのですけれども、言えないでそのまま不満を抱えてしまうという方もたくさんいらっしゃると思います。ですので、後で問題が出てこないように、住民対応をもう少し丁寧な形でしていただきたかったなと思います。

 この後のプロセスを見ていますと、意見書を提出するという形になっているみたいですので、そこのところで一定の対策となっているかどうかはまた別の問題ですけれども、プロセスの中では、事業者側が特に住民さんの意見を聞くことは他に無い、ということでよろしいのでしょうか。

事務局

 環境影響評価の手続におきましては、準備書が11月20日に提出されまして、縦覧期間が11月30日から1月15日ということですので、この1月15日までが準備書に対する住民の意見提出期限となっておりました。環境影響評価の手続においては、準備書の手続きが終わりましたら、評価書の提出ということになりますので、住民の意見を出す機会というものはございません。ただ、まだ工事の施工に入っておりませんので、審査会の意見としまして、検討結果の中でも、例えば光害であったら、照明の配置等の決定に際しては住民と関係機関、そういったところと調整しながら決定していくように求めておりますので、施工までの間に何回か、そういった住民の意見というものを採り入れる機会を事業者側で設けることを求めるというのは、可能と考えております。

田中委員

 ありがとうございます。そのように対応していただきたいなと思います。
 不特定多数の人が出入りすることになると、やはり周辺の住民の方の中には快く思わない人が出てくると思います。せっかくこれから良い開発をしていこうという中で、そういう反対意見が何らかの形で出てくると、ちょっと困るなという気がするので、どうぞそこのところ、丁寧にしていただくようお願いしたいと思います。
 以上です。ありがとうございます。

瀬川会長

 ありがとうございます。
 この審査会でも、当初から住民との意見交換の場を多様に設けるようにお願いしてきたと思います。また、こちらの検討結果(素案)を拝見していても、何カ所かで、地元の団体であったり、住民であったりとの意見交換や協議を行うような記述は見られます。ですので、我々が心配している内容の一部は、そういったことがどこにどう反映されているか、ということが、準備書を詳細に拝見できていないせいかもしれませんけれども、少しそこがわかりにくいということが、1つの原因ではないかというように思われます。ぜひとも、事業者さんには丁寧な住民との意見調整と、それをもう少し丁寧に公開していただくようなことを、採り入れていただきたいと伝えていただくのが良いかと思います。

事務局

 わかりました。

瀬川会長

 よろしくお願いいたします。
 他にご意見がございましたら、お願いいたします。

犬木委員

 今日の素案ですけれども、151ページの文化財のところで、先日の審査会で私が申し上げたことも反映していただいているので、大筋は特に問題ないかと思います。
 ただ、151ページの一番下の白丸と次のページの黒丸の「空間」という表現につきましては、趣旨としては問題ないのですけれども、若干漠然とした言葉でもありますので、もし差し支えなければ、「歴史的空間」とか、そういう文言にしていただいたほうが分かりやすいのかなと。

事務局

 「空間」を「歴史的空間」と修正させていただいたらよろしいでしょうか。

犬木委員

 お願いいたします。以上です。

瀬川会長

 それら文化財の取り扱いについて、こちらでは「活用方法」という表現になっていますけれども、それは問題ございませんでしょうか。

犬木委員

 はい、前回事業者の方から回答をいただきまして、それが152ページの四角の所ですね、オープン後のことも多少言及していただいたので、非常に良い試みだとは思うのですけれども、ただ余り文化財が出土しないというケースもあるかと思うんですよね。

 その場合、当然近隣地はいろいろな物が出ているわけですし、ちょっと欲張りなお願いかもしれませんけれども、今回の事業地だけに限定せずに、すぐ近くにもいろいろな物が出ていますので、そういったものを展示するようなスペースとして生かすというように、もうちょっと広く考えていただければありがたいな、というふうに思ったりもするのですけれども。

瀬川会長

 私なりに解釈いたしますと、2点ございまして、まずこの条里制がはっきりとわかるという、その歴史的空間に対する記録を示して、それを活用していただくということと、それに加える形で周辺での出土物といったものを採り入れて、組み合わせて展示するということで、積極的に活用してもらいたいと、そういうことかと思います。

犬木委員

 旧美原町の知り合いもいますけれども、案外知らないんですよね、そういうこと。
大きな航空写真で碁盤の目の中のここ、という写真を展示してもらうだけでも全然違いますので、それは今後の具体的な作業の話になるかと思うのですけれども、ご検討いただければと思います。

瀬川会長

 よろしくお願いいたします。
 他に、ありませんか。お願いします。

柳原委員

 交通についてですが、21ページの黒丸のところで、交通計画について周辺交差点の需要率は1を下回っており、と書いてあるのですが、基本的には交差点需要率は0.9を使いますので、0.9に直しておいた方が良いかと思います。0.9を上回っているというのが混んでいるというか、一回で処理できないという値になりますので。
 それから、19ページにある事業者の回答がちょっとわからないのですけれども、バスの需要予測で、「想定している来店者はピーク時間帯で252人/時を予想しており、既存のバス路線で賄える」ということが書いてあるのですが、これは具体的にどこからどの方面にどれぐらいの人数が来て、そのときの時間帯に本当にバスの本数があるのかというようなところまできちんと検討してこの記載なのでしょうか。よろしくお願いします。

事務局

 その点につきましては、追加で事業者の方に確認させていただきます。また、需要率に関しましては、0.9と修正させていただきます。

瀬川会長

 よろしくお願いします。
 関連して、説明会報告書の(2)の2の所で、これは、こちらの審査会の方でも質問があったことなのですけれども、自動車交通のトラブルはもう少し深刻なのではないかという意見がございました。
 数字上は問題ないということが出ていますが、審査会の委員の感覚としてはもう少し深刻なのではないかという思いがあるのですけれども、それについては何か追加でご説明していただけませんでしょうか。難しいですか。
 柳原委員はいかがでしょうか。

柳原委員

 私も、多分この住民さんと同じ意見で、感覚的には渋滞するのではないかと思っています。
 計算上は大丈夫なのですが、そういった懸念がありますので、事後調査では騒音の場所でしか交通量を調査しないということですが、交差点でも交通量の調査をしっかりやったほうがいいかなと思っております。
 それと、これはあくまでも交通の流れだけですので、恐らく供用後は駐車場待ち、駐車場が満車で、結局道路で待つという状況が多分発生すると思います。こういう大規模な店舗になると必ずそれが発生するので、それを考慮して渋滞がどうなるのかというようなところまで評価をしていただけないと、供用後、実は計算とは全然違うような状況になるんじゃないかなという、ちょっと懸念しているという指摘です。

瀬川会長

 それに関して、事業者さんの回答を拝見していると、できる範囲のことは最低限やるというようにも見えるのですけれども、ただそれでは、事後でもうだめだということになると、手の打ちようがなかなか無いと思いますので、そのあたり、柳原先生いかがでしょうか。

柳原委員

 事業者の方で対応するというのはなかなか難しいと思います。今回、道路の拡張計画が入っていますので、そのあたりがどう影響するのかなというようなところがあるかと思います。
 恐らく事業者側が対策するとしたら、道路に並んでいる車に対して別の駐車場が空いている場合、そちらの方に誘導するというようなことをきっちりしていただくのと、バス事業者との連携も今回考えておられますので、道路混雑の緩和のため、あるいは環境にも良いのでという理由から、極力そういう公共交通を使って来ていただけるよう、公共交通を使った来店を促す、ということになると思います。
 事業者と交通事業者の間の調整にはなると思うのですが、ここにも少し書いてありますが、お買い物ポイントみたいなのをつけて、極力公共交通を使っていただくような取り組みをしていただけると非常に良いかなと思っています。

瀬川会長

 そうしますと、ここに約束というか、ここで対策としてあげられていることはきっちりと対応するとともに、事後の調査に基づいて修正して、対策をより効果的なものにしてくれと、そういう意見になりますかね。事務局の方でもそういったような意見に、配慮していただくという対応をお願いしたいと思います。

野村委員

 関連するところで、20ページですけれども、バスの本数が書かれていますが、普通こういう商業施設は土日のほうがたくさん来られますよね。現状は平日よりも土日の方がバスの本数が少ないですが、この状況でよろしいのですか。
 また、公共交通機関として想定しているモデル駅として、4つ挙げられていますけれども、そこからこの商業施設まで何分かかるのか、例えば、北野田からだったら難波のほうが早いですよ。本当にこのエスティメートでどれぐらい交通混雑緩和に寄与があるのか。公共交通機関の利用時のポイント付与だけで解消できるものでしょうか。恐らく難しいように、個人的には感じます。そのあたりもしっかり確認しておかないと、これで対策をやっていますよと言っても、ほとんど機能していないということに陥る可能性が高いような気がします。

瀬川会長

 付近には美原区役所がありますが、堺市の他部局等でこういったことに対して、問題意識を持たれていたりするのでしょうか。いかがでしょうか。
 堺市としても施設に来てもらえることは、美原のことを考えると、悪い点もあるでしょうけれども、良い点もあるかと思いますので、ぜひ、しっかり情報共有をして、問題解決にあたっていただければと思います。

事務局

 貴重な意見、どうもありがとうございました。

瀬川会長

 他に、いかがでしょうか。
 では、私の方から。37ページに、近隣の中学校の通学路を生徒が利用する場合の交通誘導に関して書かれております。この問題は後ろにあります、他の問題とも共通する課題かと思われます。しかし、下校時間帯の交通対策に関しては、この箇所でだけ取り上げられていて、交通誘導を実施するかどうかというレベルでしか言及されていません。それはぜひとも必要な話で、さらに安全の面からも重要で、それについてはもう少し積極的に事業者さんの方でも対応していただきたいですし、事務局の方でも、共通して取り上げていただきたい問題であるように感じたのですけれども、いかがでしょうか。

事務局

 37ページに示しておりますのは、35ページからつながっているのですけれども、予測条件ということで、全ての環境要素に共通している予測の前提としてある条件のことになりますので、この下校時間帯の交通誘導計画ということは、車両の走行に関する環境要素ですね、大気、騒音、振動、安全の全てに関係することでございます。

瀬川会長

 その対策が、まだここではっきりしていないということですか。こう書かれているということは、共通することとして配慮はそれほどしない、という事業者さんの意見ということになるんですよね。

事務局

 これは、そうですね。

瀬川会長

 工事期間もそうですし、供用後も非常に注意すべきことかなと思いますし、特に住民意見でも静かな街だというようなことが挙げられていましたので、それを少し先送りして、全体の話を進めるというのは、ちょっと心配になったのですけれども、いかがでしょうか。

事務局

 そうですね。事業者回答の趣旨は、具体的な出入り口の運用方法は開業後の交通実態を踏まえながら適時行うということで、現時点ではそういう実態が分からず、まだ具体的な出入り口の運用方法は決まっていないので、予測上はそれを考慮していないということだと思うのですけれども、開業後の交通実態を踏まえてということは、最初は対策をしないで、実態を見た上でそういう対策を取るというように読めます。しかしながら、それは望ましくないことだと思われますので、開業後直ちに周辺に配慮した交通誘導をされるのかということを事業者に確認していこうと考えております。

瀬川会長

 生徒さんへの対応については、開業前から、つまり工事開始時点から必要だと思いますので、ぜひ、よろしくお願いします。

事務局

 わかりました。それも含めて、事業者に確認いたします。

瀬川会長

 ありがとうございます。
 ほかに、ご意見、ご質問ございませんでしょうか。

中谷副会長

 陸域生態系についてです。
 138ページにあります、「不確実性が高いから今後事後調査において予測結果などを当然確認する必要がある」という指摘事項については、基本的には問題ないと思っているのですけれども、問題はこの生態系に対する事後調査のやり方だと思っています。
 生態系に対する影響というのは、他の騒音とか振動とか、そういうもののように簡単に測って、簡単にわかるというものではありません。特に前回の審査会で、私が問題にしたのは、冬季の冬鳥の分布状況に影響が出る可能性があるということでして、近隣の船渡池が水抜きや池干しをしている場合は特に強く影響が出てくることになります。たまたま事後調査をしているときに水抜きをしていなかったら、また評価が変わることは想定されますし、1年だけで評価できるかというと、かなり難しい部分があると思いますので、どこまで要求できるのか、ちょっとわからないのですが、調査の時期や回数などというのもある程度指定できるならば、指定した方が良いのではないかな、と考えているのですけれども。

事務局

 事後調査の手法や期間に関しましては、今いただいた意見に対する事業者の見解というのは確認できてはいないのですが、あまり長く事後調査の期間を設定すると、やはり事業者の負担というところも大きくなってきます。ただ、先ほど委員もおっしゃられたように、供用後1年であったり、工事中の事後調査のみであれば、たまたまその年は渡り鳥が少ない年であったりとか、そういったところでなかなか妥当な影響の検証というか、その1年だけの調査の妥当性の判断というのは非常に難しいとは我々としても感じているところではあります。ですので、この審査会の場で、どういう方法があるのかとか、そういったところも今回ご意見いただければと思い、このような形で素案を作らせていただいたところなのですけれども。

中谷副会長

 事後調査のやり方や方向性に関しては、また後日意見することができるのですか。

事務局

 今回、準備書の中に、事後調査の方針ということで、案という形で記載されておりますが、今のところ今回の準備書には、水鳥についての事後調査を実施するというような形では書かれておりません。審査会の中で、もしすべきであるということになれば、市長意見で事後調査をする必要があるという意見を事業者に返して、事後調査計画書というものに反映してもらうという流れになります。
 ただ、評価書の手続き後に提出されます「事後調査計画書」に関しましては、市長意見を返すという手続がございませんので、基本的には事後調査計画に沿って事業者に報告をもらうことになりますので、事後調査について言及するタイミングとしては、この準備書の段階となります。

瀬川会長

 陸域生態系の事後調査について言及している部分は181ページの上の表の一番上ですね。「陸域生態系」の「調査時期及び頻度」というのが、「施設供用開始後1年経過した後の春から夏の適切な時期」となっています。
 ただ、2ページ前、179ページを見ていただきますと、工事期間中も対象とできると。これらをあわせて考えますと、工事開始から供用開始後1年の期間、もう少し本当なら長くとりたいところではあるのですけれども、例えばそういった期間を対象に、更に適切な時期という文言を事後調査計画の表現に加えるよう、意見を出すということは可能ではないか、というようにお話を聞いていて思ったのですけれど、いかがでしょうか。

中谷副会長

 そうですね。この181ページの陸域生態系のものは恐らく植生に対してなので、春から夏というターゲットになったのだと思います。
 予測結果に不確実性が高いというのは、やっぱり鳥関係が多いと思いますので、そう考えるとこの事前調査でやっているような四季調査が必要になってくるのではないかなと考えますが、そのあたりをどこまで入れることができるのでしょうか。

瀬川会長

 中谷委員からもご意見をいただいて、例えばこの工事期間を見ても2回程度は工事期間中で可能ではないかと思われますので、そのあたりでその後も考えると3回でしょうかね。例えばですけれども、そういったような意見調整を事務局と委員でしていただければというように思います。
 事務局もそれでよろしいですか。

事務局

 そうですね。堺市の環境影響評価条例の技術指針の中では、事後調査としましては、影響はあると考えられるものについては、基本的に供用後5年まで求めることはできるのですけれども、今回の陸域生態系であれば、事業者の追加の保全措置というのがなかなか難しいような状況で、また調査の方法というのが、準備書の現地調査と同じようなやり方となるとやはり負担が大きくなるのかなというところもありますので、もし施設周辺で野鳥の会などの団体が実施している調査の文献調査とか、そういったものをもって事後調査とするのもあるのかな、というのは少し考えておりまして、例えばそういった調査は審査会としていかがでしょうか、ということをこの場でお聞きしたいのですけれども。

中谷副会長

 クオリティーが一定に保たれるかどうかというところが一つのポイントであるのと、あとそれはそれで調査としてはいいのですけれども、事業者の責任というのはどうなるのかっていうのが、ちょっと私には疑問に思うので、やはりある程度事業者主体で継続的にやっていただく必要があるのではないかと思います。期間は決めないといけないと思いますけれども、そういったことがポイントではないかというふうに私は考えますけれども。

瀬川会長

 この事業に関しては、配慮計画書の段階から地域コミュニティとの関係、それから今ありました渡り鳥、といったことが住民意見にも出てきて、安全対策とともに非常に関心を持っているところでございますので、もう一歩事業者の積極的な関与を引き出すようなアプローチを事務局の方からお願いできればと思います。
 ほかにご意見、お願いします。

今西委員

 今の陸域生態系のことに関連いたしまして、先ほども代償措置が難しいというお話を伺ったのですけれども、ここで失われる環境として大きなものとしては、ヨシ原だと思うのですが、そのヨシ原を新設のため池に移植するといったような、そういった代償措置というのは難しいというお話なのでしょうか。

事務局

 その件につきましては、最初の手続であります配慮計画書の時から、可能であれば移植して欲しいという意見がございまして、また、住民意見でも同様の意見が提出されておりましたので、代償措置として新設するため池にヨシ原を移植できないかどうかを、事業者に対して確認しております。
 新設池に関しましては水利組合が農業用のため池として使うということですので、造成後の管理主体は水利組合になります。水利組合としましては、農業用に使うということですので、ヨシ原を移植とかということをされますと、池の管理が大変だということでそういったことはしてもらいたくないという意向であり、また事業者として、もし新設ため池に移植した場合も、そのヨシ原の管理ができないということですので、そういった理由で移植というのは難しい、という回答はすでに受けております。

今西委員

 わかりました。ありがとうございます。

瀬川会長

 この池の少し特殊なところは、昔から自然にある池、もしくは非常に古い時期につくられたため池ではなく、比較的近年に整備されたため池である、というところなのです。そういった関係から水利組合さんの意見というのは非常に重視されているということと、ヨシ原についても放置されていた結果、発生したというような位置づけになってしまっていることで、事業を進めるという立場から考えると対処が難しいという意見であり、審査会としてはそれで良しとはしませんが、そういう背景は審査会でも認識しているということでございます。
 何かもう少しございましたら、ご意見いただければと思うのですけど。以前の(審査会での)話ですので、別に違った意見を言っていただいても結構かと思います。

今西委員

 先ほども事後調査をしっかりしていただきたいというお話がありましたけれども、今拝見していますと、植栽だけの事後調査になっていますので、周辺環境も含めまして本当に他のヨシ原で代償できているのかとか、水鳥は来るのか、といったところもきちんと調査をしていただきたいな、というのは思っております。

瀬川会長

 それに関しましては前回の審査会でも話が出ていまして、それに対する事業者さんのご意見が、「基本的に対処方法がないので、調査も行わない」という考え方だったのですけれども、もちろん事業者さんのできることに限界があることは確かなのですが、この事業を行う以上はある程度の情報を収集して開示して残して、それを事業者に限らず、いろいろな立場からそれを利用できるようにしてほしい、ということを伝えているところでございます。
 よろしいですか。
 ほかに、ご意見、ご質問は。はい、お願いします。

木下委員

 地球環境のところで少しお聞きしたいのですけれども、施設の稼働段階でのCO2の排出量の予測になっているのですが、これは今回計画されている施設の評価をするのに、既存の建物4棟の情報をベースにしているということでよろしいのですか。
 その時に気になるのが、その導入される建物の建物自体の性能というか、空調の設備ですとか、それから壁の断熱性能とか、こういったものを照らし合わせた上で、同等と判断されているのでしょうか。

事務局

 施設の年間のCO2排出量の算定にあたりましては、事業者は複数の商業施設を所有されておりますので、その中から近年開業した4施設で事業規模が大体同じ施設、実際は少し大きいですけれども、そういったところを選定したと聞いております。基本的には同じような構造の商業施設ですので、そういった空調設備や建物の構造というのは同じだろうというところで、4施設の平均を取って(算定根拠として)いると聞いております。
 ただ、先ほど事務局からも申しあげました通り、施設規模が大きくなるほどエネルギー効率は良くなることから、算定根拠とした4施設に比べて、規模が小さくなる今回の施設については、単位店舗面積当たりのCO2排出量というのは、もっと多くなるのではないかということで、追加で事業者に質問しております。

木下委員

 評価を通じてさらに改善を求めるとか、そういうことはあるのでしょうか。

事務局

 評価指標に堺市の温暖化対策実行計画をあげておりますので、もし単位店舗面積あたりのCO2排出量が目標値を超えるようであれば、審査会としても、もう少し対策する必要があるのではないかという意見を出すことになると思います。
 準備書では目標値を下回っているという評価がされておりますが、この部分については先ほど申し上げた疑問点が残っておりますので、その部分について事業者に確認を行い、その結果目標値を超過することになれば、追加でCO2排出量を減らす対策を求めていくことになると考えております。

木下委員

 わかりました。

平栗委員

 何度も騒音に戻ってしまって申し訳ないのですが、87ページに設備騒音が夜間基準値を超えているので、遮音壁を2mの高さで設置するというご説明があったかと思います。この遮音壁をこの位置に設置するという根拠は、何かご説明をいただいているのでしょうか。
 恐らくE2地点、南側敷地境界の予測地点で規制基準値を超えたから、その周辺に遮音壁を立てるという雰囲気なのかなと思っているのですが、これ地図とか、グーグルマップの航空写真を見てみると、この図でいうと遮音壁の右下の方に住宅があるんですね。E2で規制基準値を超えているということは、恐らくここも超えていると思います。なので、E2という地点だけではなくて、もう少しきちんとこの周辺に住宅等がどのように分布しているのかということをご確認いただいて、できる限り周辺の住民への影響が少なくなるような環境影響評価、人に対する影響の評価というのも考えていただいた方が良いと思いますので、ご検討いただけるといいかなと思っています。
 現状、遮音壁の背後には田んぼがありますので、ここが住宅地に変わることを見越せば、もちろんここにも遮音壁が必要になるのですが、現状一番優先して遮音壁を立てるべきところは、ここではないのかなと思いましたので、ご検討いただきますようお願いいたします。

瀬川会長

 それに関しましては、88ページの最後の黒丸で、施設の運用形態の変更や遮音壁の設置場所の検討も含めて騒音対策をしっかり実施していただきたいということを指摘しております。これについても比較的何度か質問をしておりますが、例えばこの二つ上の事業者回答にもあるように、対応できないというような回答を事業者は結構されるのですけれども、そこはそれでは困るという意見を出している、ということも考慮いただけましたら(有り難いです)。

平栗委員

 既に何回かやりとりがあって、その結果、遮音壁をこの位置に高さ2mで設置しますということでしょうが、どうもよく検討したようには思えないんですよね。なので、やはりそのあたりの根拠資料をきちんと示していただいた方がいいかなと思います。このままだと恐らく住民の方から苦情が来ることになると思います。

瀬川会長

 これは工事中、それから供用時の騒音の測定値が、誰が調べるかはともかく、調べて問題があった場合には、事業者に対応していただくよう申し入れるという手続はできるのでしょうか。

事務局

 騒音につきましては、騒音規制法に基づく規制基準ですので、当然にこれは遵守しないといけないものとなっております。そのため、これを超えた場合には事業者は当然環境保全措置を講じなければならないというものでございます。

瀬川会長

 この2mの壁というのは、例として考えていただければ良いかと思います。

平栗委員

 分かりました。

瀬川会長

 ただ、逆にこんな壁を建てて良いのか、といった観点もあるかと思いますので、この場所にこの大きさの遮音壁を建てるというように限定的に考えていただくのではなくて、これを一例として、ご経験等をもとに少し拡大して考えていただきまして、工事中や供用時の結果や予測されることを想定していただいて、ぜひご意見をいただければと思います。いかがでしょうか。

平栗委員

 そういう点につきましては、例えば今、設備騒音が夜間50デシベルとなっていますよね。設備騒音の音源位置を見ますと、4階のレベルとか、屋上のレベルなんですね。そこから到来する音が2mの遮音壁で防げるわけがないと思います。何の意味もないと思うんですね。
 ですので、いろいろ検討していただくという点では、敷地境界に遮音壁を建てるだけではなくて、屋上とか、4階の設備の周辺にきちんと囲いをつけていただくという手続を取っていただく必要があるのかなと思います。ただ、一つ懸念しているのは、私もたまに大店法とかの審議会で柳原先生とご一緒させていただくことがありまして、その時も同じ話をしたと思うのですが、設備の周辺に囲いをつくると逆にそれに反射してあらぬ方向に強いエネルギーが放射されてしまうことがありますので、そのあたりもしっかりと精査していただく必要があるかなと思っております。
 すみません。よろしくお願いします。

瀬川会長

 複合的に対応していただくといった内容を加えていただくということになるかな、というふうに思いますね。

事務局

 ありがとうございます。この位置に遮音壁を設置している理由というのは、委員からご指摘のあった通り、E2地点がそこにあるからここに設置する、ということだと思われますが、もう少し地点を別に配置してどこでどういう騒音レベルになっているのかということは、当然計算できるものと思いますので、そのあたりを事業者に確認しながら、この部分の妥当性についてさらに確認したいと思います。

平栗委員

 可能であれば、何点かではなくて敷地境界の周辺、例えば境界から50メートルとか、そういう範囲全体の推計をしていただいた方が良いのかなと思います。

事務局

 コンター図を示すということでしょうか。

平栗委員

 コンター図で示していただいて結構です。より正確に検討できるかなと思いますので、よろしくお願いします。

事務局

 わかりました。

瀬川会長

 それは対応できそうですか。

事務局

 事業者の方に伝えまして、計算を行うということなので、それなりに費用負担が発生するかもしれませんが、ただ審査会でこういうご指摘があったということで、できるだけ対応していただけるようにお願いしたいなとは思います。

瀬川会長

 よろしくお願いします。
 他にご意見いかがでしょうか。全体を通したことも含めて、もう一度お考えいただいて、ご意見がありましたらお願いします。
 前回景観についてご意見がございまして、二人の委員の方からコメントがありました。本日そのうちのお一人が欠席だと思うのですけれども、そのあたりは事務局から確認といいますか、ご発言いただいた部分について素案を注意して見ていただくようなお願いは、していただけるのでしょうか。

事務局

 前回、ご意見をいただいた委員の皆様にも、今回の内容につきましては、次の検討結果(案)を作成するに当たりましては、個別で確認させていただく予定としております。
 前回の審査会では、景観の他に廃棄物につきましてもご意見をいただきましたので、そちらにつきましても確認させていただく予定です。

瀬川会長

 よろしくお願いします。
 少し素案を拝見していますと、廃棄物のことについて、もう少し対応が必要なのかなというような段階かと思ったのですけれども、いかがでしょうか。(対応は)おおよそ収束しているのでしょうか。たしか、非常に予測が粗いのではないかというご意見だったと思います。そのあたりを拝見していますと、対応していただいているような面も見られますが、この予測で問題ないというような事業者意見も含まれていたようにも感じたのですけれども。

事務局

 そちらにつきましては、前回の内容の確認というものを今回素案に載せておりまして、この回答で問題ないのかというところにつきましては、直接専門の水谷委員の方にまた案を作成するに当たって、相談させていただくことを予定しております。

瀬川会長

 そうですね。よろしくお願いいたします。
 他にいかがでしょうか。
 今お気づきになることについては、おおよそここまででよろしいでしょうか。
 それでは、この場での質問、コメントというのはここまでにさせていただきまして、次に移りたいと思います。
 では、続きまして今後の審議の進め方について、事務局から説明をお願いいたします。
 

     【今後の審議の進め方について事務局の説明】
 

瀬川会長

 ご説明ありがとうございます。
 今、事務局から説明がございました今後の進め方につきまして、何か質問、コメント等ございませんでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 では、本日の議題はこれで終了となります。
 全体を通しまして、コメント、質問等ございませんでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 それでは、議事については以上とさせていただきまして、事務局に司会をお返しいたします。

辻尾環境共生課長

 本日は瀬川会長を始め、委員の皆様方には大変お忙しいところ、ご審議を賜りましてまことにありがとうございました。
 では、ここで事務局より1点事務連絡をさせていただきます。

事務局

 事務局から1点事務連絡させていただきます。
 会議開催のお知らせの際にもご案内させていただきましたが、本日会議終了後に、ご希望される委員の皆様を対象に事業計画地をご案内させていただきます。事業計画地の周りをぐるっと回り、埋め立てられる池のそばにも寄ることを予定しております。
 所要時間につきましては、事業計画地までおよそ30分から40分程度かかりますので、こちらに戻ってくるまでおよそ1時間半程度を見込んでおります。
 まだ現地を確認されていない委員の皆様で、時間が許される場合は、参加いただければと思いますので、視察をご希望される場合で、まだその旨のお返事をされていない委員におかれましては、会議終了後に事務局に一言お伝えくださいますよう、よろしくお願いします。
 会議終了後に事務局が車までご案内いたします。
 以上、事務連絡でした。

辻尾環境共生課長

 それでは、これをもちまして、平成30年度第4回堺市環境影響評価審査会を終了させていただきます。
 本日はどうもありがとうございました。

以上

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このページの作成担当

環境局 環境保全部 環境共生課

電話番号:072-228-7440

ファクス:072-228-7317

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