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平成30年度 第1回 堺市環境影響評価審査会

更新日:2022年7月11日

日時

平成30年11月20日(火曜) 午前10時~正午

場所

堺市役所本庁舎 本館3階 第1会議室

出席委員

梅宮 典子    大阪市立大学大学院教授
小田 和広    大阪産業大学工学部教授
瀬川 大資    大阪府立大学大学院教授
田中 晃代    近畿大学総合社会学部准教授
中谷 直樹    大阪府立大学大学院教授
野村 俊之    大阪府立大学大学院准教授
水谷 聡     大阪市立大学大学院准教授
安田 龍介    大阪府立大学大学院助教

欠席委員

犬木 努     大阪大谷大学文学部教授
大野 朋子    神戸大学大学院准教授
加賀 有津子   大阪大学大学院教授
柏尾 眞津子   大阪人間科学大学教授
中川 智皓    大阪府立大学大学院准教授
吉川 正史    近畿大学法学部准教授
柳原 崇男    近畿大学理工学部准教授

傍聴者

2人

議題

南海高野線連続立体交差事業(浅香山駅~堺東駅付近)に係る 配慮計画書について(事業者説明)

配布資料

議事録

※今回、当審査会からの事前質問に対する事業者からの補足説明が事業者説明に含まれているために、議事録に事業者説明の部分を掲載しておりますが、読み上げのためにホームページ上に直接掲載している議事録につきましては、事業者説明の部分の分量が膨大であるため、省略しております。

辻尾環境共生課長

 定刻となりましたので、ただいまより、「平成30年度 第1回 環境影響評価審査会」を開催させていただきます。
 本日はお忙しいところ、ご出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日の司会を務めさせていただきます、環境共生課長の辻尾でございます。よろしくお願いいたします。
 本日の会議の定数は15人ですが、ただいま8人の委員にご出席いただいております。堺市環境影響評価審査会規則第3条第2項の規定により、本会議は成立しておりますことをご報告申し上げます。
 なお、犬木委員、加賀委員、柏尾委員、柳原委員、吉川委員につきましては、ご欠席の連絡を頂戴しております。よろしくお願いいたします。
 また、本日の会議は、同規則第5条第1項の規定により公開となっております。
 傍聴についてですが、2人の傍聴者が来られておりますことをご報告いたします。
 傍聴者の方へのお願いですが、堺市環境影響評価審査会傍聴要綱の遵守事項をお守り頂きますようお願いいたします。
 携帯電話をお持ちの方は、電源をお切りになるか、マナーモードにして頂きますようお願いいたします。
 それでは、始めに、環境局長の池田よりご挨拶を申し上げます。

池田環境局長

 おはようございます。環境局長の池田でございます。堺市環境影響評価審査会の開催にあたり、一言、ごあいさつを申し上げます。
 委員の皆様におかれましては、本日は大変お忙しい中、本審査会にご出席を賜り、まことにありがとうございます。また、平素から本市の環境行政につきまして多大なご指導・ご協力を賜りまして、この場をお借りして厚くお礼を申しあげます。
 さて、今回の審査会案件でございますが、「南海高野線連続立体交差事業(浅香山駅~堺東駅付近)に係る配慮計画書」でございます。本事業は、南海高野線の浅香山駅から堺東駅付近までの約3キロメートル区間を立体交差化するものでございます。
 各委員におかれましては、本事業において適切な環境の配慮がなされるように、それぞれ各分野の専門的・技術的な観点からの活発なご議論をお願い申しあげまして、簡単ではございますが、開会にあたりましてのご挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

辻尾環境共生課長

 ありがとうございました。
 次に、お手元にお配りしております資料の確認をさせていただきます。
 本日配布させていただいております資料でございますが、本日の「次第」、「堺市環境影響評価審査会 委員名簿」、「今後の審議の進め方」及び事業者から提出されております「南海高野線連続立体交差事業 事業者説明資料」、「南海高野線連続立体交差事業(浅香山駅~堺東駅付近)に係る配慮計画書」及び「その要約書」をお配りしております。資料の漏れ等ございませんでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 なお、今回の事業は都市計画法に定める都市施設である「鉄道」の改良事業であるため、「都市計画決定権者」つまりは、「堺市」が環境影響評価を実施することとなっております。
 よって、「事業者」という表現は、正しくは「都市計画決定権者」となりますが、便宜上「事業者」とさせていただいております。
 また、今回、審査会で審議していただくにあたりまして、この場での議論をより活発なものにするために、事前に瀬川会長から事務局が委任を受け、本件に関する質問を事業者に送付しております。それについては、事業者の事業説明の中で補足説明という形で説明するよう伝えております。
 それでは、議事進行につきましては、瀬川会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

瀬川会長

 瀬川でございます。それでは、審議に入る前にまず、市長からの諮問を受けたいと思います。
 事務局よろしくお願いします。

辻尾環境共生課長

 それでは、環境局長、瀬川会長の前までよろしくお願いします。

池田環境局長

 堺市環境影響審査会 会長 瀬川大資様。堺市長 竹山修身。
 南海高野線連続立体交差事業(浅香山駅~堺東駅付近)に係る配慮計画書の審査について。諮問。
 平成30年10月10日に都市計画決定権者から提出のあった「南海高野線連続立体交差事業(浅香山駅~堺東駅付近)に係る配慮計画書」について、堺市環境影響評価条例(平成18年条例第78号)第10条の規定に基づき、平成31年2月1日までに環境の保全の見地からの専門的な事項に係る貴審査会の意見を求めます。

瀬川会長

 お受けいたします。

辻尾環境共生課長

 ありがとうございました。環境局長はお席にお戻りください。
 なお、諮問文につきましては、写しを各委員の席に配布しておりますのでご確認ください。
 それでは、引き続き瀬川会長よろしくお願いいたします。

瀬川会長

 では、議題の「南海高野線連続立体交差事業(浅香山駅~堺東駅付近)に係る配慮計画書について」の、事業者の説明をお願いしたいと思います。では事務局、よろしくお願いします。

  【事業者入室】

 ご準備よろしいですか。事業者におかれましては、準備も含めまして、この堺市環境影響評価審査へのご協力、それから本日お越しいただきまして、大変ありがとうございます。
 それでは、自己紹介も含めて、ご説明のほど、よろしくお願いいたします。

事業者

 堺市建設局道路部連続立体推進課です。よろしくお願いいたします。
 本事業は、南海高野線の大和川から堺東駅南側の中央環状線までの延長約3.0キロメートルを連続立体交差化するものでございます。連続立体化することで、自動車や歩行者のボトルネック踏切などを含めて10箇所の踏切を除却し、交通渋滞を解消するものでございます。また、線路で分断された街の一体化などにも寄与する事業でございます。
 また、この事業の特長といたしまして、堺東駅を再整備することで、交通機能結節点としての機能強化をいたしまして、中心市街地の活性化に大きく寄与する事業でございます。また、平成21年度に新規着工事業採択を取得いたしまして、平成32年度都市計画決定を目標に進めている事業となります。
 それでは、配慮計画書の内容について、ご説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 【南海高野線連続立体交差事業(浅香山駅~堺東駅付近)に係る配慮計画書について説明】

瀬川会長

 ご説明ありがとうございました。
 ただいま、事業者さんの方から説明がありましたが、審査にあたって委員の方から質問させていただきます。まず、私の方から質問させていただきます。
 今回、堺市マスタープランのもとに、堺東周辺の都市基盤整備への波及効果を期待して今回の事業を実施するということから、まず堺東で実施する、というように聞き取れたのですが、これは間違いないですか。

事業者

 はい、間違いございません。

瀬川会長

 そうしますと、堺市内には地上を走っている鉄道軌道が、南海本線、南海高野線、JR阪和線とあり、更にその中でも堺市内の交通拠点として、南海本線なら堺駅、JR阪和線ならば三国ケ丘駅や鳳駅、南海高野線では、堺東駅のほかに、三国ケ丘駅や中百舌鳥駅、北野田駅と、連続立体交差事業の対象となる駅は数多くあると思うのですが、なぜ堺東駅が対象となったのか、これまでの検討の経緯や堺東駅以降の今後の立体交差化のスケジュール等があれば、簡単で結構なので教えていただけませんか。

事業者

 堺東駅の立体交差事業が決定されるまでの検討経緯といたしましては、まず立体交差事業の要件に合致する区間を様々な路線や区間から抽出し、その中でも堺東駅周辺については、堺市の大きな街づくりの方針として、堺東駅周辺を含む中心市街地の活性化を行っていくという目標とも合致していましたので、連続立体交差化の実施区間として選ばれた経緯がございます。

瀬川会長

 堺東駅が立体交差事業の対象に選ばれたことは理解できるのですが、例えば、なぜ堺駅で先に高架化が実施されたのか、というような、これまでの経緯というものを、もし説明できるのであれば少しご説明をお願いします。

事業者

 南海本線の堺駅につきましては、堺市が政令指定都市になる前に大阪府によって都市計画決定された区域でありまして、関西空港からのアクセス等も含めて様々な考慮する背景があったと聞いております。

瀬川会長

 なるほど、分かりました。ありがとうございます。
 では、委員の方で何か質問があればお願いします。

田中委員

 お話を伺う限りでは、A案とD案が一番妥当な案であるという印象を受けますが、概要の資料を見た感じでは、A案とD案の間にそれほど大きな違いは無さそうに見えますので、A案とD案の違いについて、特に2案の間で大きく違うポイント等があれば、その部分についてもう少し詳細な説明をお願いします。

事業者

 A案につきましては、一旦隣接する部分に仮の線路を建設し、その仮の線路に列車を通します。その間に、元の線路の上に高架構造を作り、最終的には元の線路の直上の高架を列車が走ることになります。

瀬川会長

 つまり、A案は現状の線路の上に高架構造ができるということですね。

事業者

 はい、その通りです。
 続いてD案につきましては、現在の線路の隣の部分に高架構造を建設し、完成したらその高架を列車が走行することになります。すなわち、現在の線路の東側に高架構造を建設する計画でありますので、現状よりも線路が東側に寄る形になります。

瀬川会長

 A案もD案も現状の線路の隣接する場所に仮の線路や高架構造を建築する計画だと思いますが、そもそも実現可能なのでしょうか。今回事業を計画している場所は、何も無い原野ではなくて、市街地ですので、当然周辺に大きな環境影響を与えると考えられますが、そのあたりの環境影響についてはどのように考えられていますか。

事業者

 事業計画地である南海高野線の沿線には、商業地域と住居地域の差はありますが、東側と西側の両側とも建物が張り付いているという状況であります。そのため、例えばA案の場合は、西側に仮の線路を作るために、そこにある工場等の建物については、用地のご協力をお願いする必要があります。一方、D案につきましては、東側に線路がずれると同時に、高架の横に側道も建設する予定であるので、その範囲の住宅の方に対しても用地のご協力をお願いすることになると思います。

瀬川会長

 つまり、用地買収が発生するということですね。

事業者

 その通りです。

中谷委員

 ちょっと気になったので、まず1点お伺いしたいのですが、ボトルネック踏切の解消が事業目的の一つだと思うのですが、供用前後でボトルネック踏切の解消により交通量がどのように変化し、それによって大気質や騒音や振動の環境影響がどのように変化するのかを、配慮計画書の中で検討していないのはなぜですか。

瀬川会長

 今回の事業の目的の一つとして、交通の円滑化というのがある以上、交通に影響がある訳で、それが最終的に環境に影響を及ぼす、というストーリーが考えられるのに、この段階で環境への影響を考慮していないのはなぜですか、という質問だと思うのですが、例えば、今は配慮計画書の段階ですが、今後検討していくのか、一切考慮しないのか、現在でもある程度考えられているのか、そういった部分について、少しご説明をお願いします。

事業者

 ボトルネック踏切の解消により、幹線道路である大堀堺線の交通円滑化が達成できると想定していますが、4案全てにおいて交通の円滑化という目的は達成される見込みでありますので、今回の4案の比較検討の中では考慮しておりません。ただ、連続立体交差事業による交通量の変化については、定量的な評価も必要であると考えておりますので、今後検討してまいります。

瀬川会長

 今後の手続きの中で、交通量の変化に係る環境影響も見ていくということですね。

事業者

 その通りです。

梅宮副会長

 説明資料の6ページにおいて、上町断層帯が線路の東側を走っており、この情報をもとに断層変位を考慮すると、地下構造よりも高架構造の方が良いというご説明だったと思うのですが、断層変位が生じた時の影響については、高架構造を採用している全ての案において同じなのでしょうか。

事業者

 専門委員会の中で、断層変位に対応できる高架構造の構造形式について助言をいただきましたが、この構造形式につきましては、全ての高架案において共通して採用する予定ですので、断層変位が生じた時の影響というのは全案共通となっております。

野村委員

 夜間工事を実施されるとのことですが、大体何時から何時までの工事を想定されていますか。

事業者

 堺東周辺では直上高架施工を予定しておりまして、列車の走行中は工事ができませんので、終電の運行が終わってから始発までの時間に工事を実施することを予定しております。

野村委員

 そうなると、堺東駅周辺は夜間工事、それ以外の区間については昼間に工事をするということになると思うのですが、その場合、例えば夜間工事の工事車両から発生する騒音についても考慮する必要があると考えられますが、全ての案において影響が同じであり、比較検討する必要がないから今回は特に考慮していない、ということでしょうか。

事業者

 その通りです。

野村委員

 比較という観点からは考慮しなくても問題ないのかもしれないのですが、やはり夜間工事は周辺環境に与える影響が大きいと思いますので、夜間工事に伴う騒音等についてはもう少し考えられた方が良いのでは、と思います。

事業者

 分かりました。

瀬川会長

 地下案についてはシールドマシンの騒音の問題が、直上施工案についてはまた別途、騒音・振動・光害の問題があるとまとめられていて、事業者の見解としては、両案を比較すると環境影響は同等、もしくは地下案の方が劣ると判断されているように見受けられるのですが、その通りですか。

事業者

 おっしゃる通りです。

野村委員

 騒音の図を見ていますと、2層構造と1層構造では騒音発生源の位置が大きく異なっており、それに伴い環境影響も変わってくると思いますので、もう少し詳細に検討していく必要があるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

事業者

 ご意見ありがとうございます。今後検討してまいります。

安田委員

 4案のうち、総合的にみるとA案とD案が同じぐらい良い、ということになると思うのですが、A案とD案で工期が2年程異なっています。物凄く色々な要素が関わっているとは思うのですが、工期の幅については、どれぐらいの幅をみれば良いですか。こういう工事の場合、非常に長期にわたるので難しいとは思いますが、B案やC案がA案を逆転することはないと思うのですが、どれぐらいの振れ幅があると想定すればよろしいのでしょうか。

事業者

 幅、と言いますと。

安田委員

 工事期間の振れ幅ですね。見込みとしては13年とか11年とかになっていますけれど、プラスマイナスどれぐらいの幅があるのでしょうか。

瀬川会長

 それは非常に難しい質問で、いくつか他の事例を引用して算定されているとは思うのですが、もう少し国内の他の事例を引用してもよいのではないかなと思いました。この近くでいうと阪急電鉄さんが今、淡路で工事されていますけれども、7年程遅れていますよね。そのようなことも含めてもう少し追加で情報があればいただきたい、ということかなと思うのですけれども。

安田委員

 あと、10年ぐらいの差と2、3年の差があると思うのですが、この差はどれぐらい考慮に値するのかもお聞きしたいのですが。

事業者

 A案とD案の差が2年程度というのは、あくまでも他の連続立体交差事業の例から算定したものでありまして、D案がA案よりも2年程度短いというのは、仮線を敷設する工事がないのでその分差し引いたものとなっております。そのため、A案とD案の2年の差については、短くなって1年程度の差になったり、同じぐらいになったりすることはあると思います。ただ、B案やC案についても同様の他事例を参考にして算定したものですが、これが極端に縮まってA案やD案と同程度になるということはないと考えております。

安田委員

 ということは、A案とD案はほぼ同等と考えても良いけれど、A案とD案、B案とC案の間には差があるということでよろしいですか。

事業者

 はい、その通りです。

安田委員

 あと騒音についてなのですけれども、高さがあがると高いところに影響がありますよ、ということですが、平均的な沿線の住居の高さというのは、どれぐらいですか。階数といいますか。

事業者

 一番多いのは2階建ての住居となっております。

安田委員

 では、沿線にはあまり高いものはないということですね。

事業者

 そうですね。今お示ししている2層高架の24m相当の建物については、沿線に1軒存在しておりまして、1層高架の18m相当の建物については、沿線に2軒程度あります。そのため、沿線の主な住居の高さとしては、2階建て相当ということになっております。

水谷委員

 中谷委員のご質問にも関わってくると思うのですが、32ページの総合評価結果の表を見ていると、騒音や振動については工事中の影響に併せて供用時の影響も評価されていますが、それに対して大気質については供用時の影響の評価は必要ないという判断をされていますが、車の流れなどが色々違うということであれば、大気質のところでも並べて供用時の影響についても評価すべきではないかなと思いましたので、ご検討いただければと思いました。

事業者

 はい、分かりました。

田中委員

 28ページの景観のところなのですけれども、古墳がある中で高架化されるということで、しかも部分的に防音壁が付くということですが、その部分の景観ですとか、あるいは圧迫感、景観は変化しない、と表現されているように思われました。断面図は載っているのですが立面図はなく、これの定量的あるいは定量的な分析というのが書かれていなくて、圧迫感はないと評価されているようです。世界文化遺産登録に向けて動いているという中で、別途景観の審議に出されていて、あまりこちらの方で説明がなかったと理解していますが、少しこちらでも説明していただけたらな、と思います。

瀬川会長

 多分、7ページの方でご説明いただいた方がよいのではないかと思います。つまり、高架から掘割に至る路線の変化、平面図上での仁徳天皇陵古墳や他の古墳との関係について、少し追加説明という形で説明いただければ、ご理解いただけるかと思うのですが、どうでしょうか。

事業者

 ご指摘の通り、堺市は現在、世界文化遺産登録を目指しておりまして、色々な観点から審査をいただいております。その中でも、この高野線連続立体交差事業が古墳群の景観にどう影響するのか、というところもありまして、別途、遺産影響評価という手続きを進めているところでございます。仁徳天皇陵の周辺から高野線の高架というのがどのように見えるのかというシミュレーションをしておりまして、一番近い大きな古墳として反正天皇陵がございますが、こちら側の見え方というのも確認しております。
 この辺りの地形というのが、断層があって、高野線を挟んで東側よりも10mほど低くなっておりまして、高架がこの辺りから立ち上がってくるのですが、古墳のある東側の方が10mほど高くなっている関係で、それほど景観に大きな影響を与えないようになっております。
 また、今、周辺の古墳からの高架の見え方というのを整理しておりまして、一番近い永山古墳からは、現況と同様掘割区間となっているため、それほど景観に影響はないと考えております。

瀬川会長

 その部分については、27ページの方でご説明していただいた方がよいですかね。方違神社の方からも見えないと。田中委員がご指摘のところは、南側の取り付けの部分で、すでに地上まで下がっているために見えない、ということですよね。

事業者

 はい、その通りです。
 この辺りは高架なのですが、永山古墳や仁徳天皇陵にたどり着くまでには、路線が掘割構造、周囲の地面よりも低い構造になっているために、A、B、D案でもそれほど大きな影響はない、と考えております。
 ただ、高架付近にお住まいの方からすると、近景では圧迫感が出てくる可能性がありますので、そういうシミュレーションを増やしていきたいということと、定量的な評価ができるのであれば、できるだけ取り組んでいきたいと考えております。

瀬川会長

 今の話に若干関連するのですが、今回A、B、C、Dの複数案をご用意いただいたのですが、C案を除くA、B、D案については、南側の取り付けについては、ほぼ同じ計画になっているようなのですが、この部分については複数案というのは難しいのでしょうか。

事業者

 この区間というのは除却する踏切がないため、立体化の対象としておりません。ここから三国ケ丘まで1.2キロメートル程度掘割構造で離れておりまして、堺東3号踏切まで立体化した後は、中央環状線までに掘割に取り付けたいと考えております。

瀬川会長

 それは逆に言うと、三国ケ丘駅周辺については立体交差の予定がない、ということでしょうか。

事業者

 現在堺市では、南海本線の高架化の工事に取り組んでおりまして、高野線についてもこれから事業化に向けて進んでいくという状況の中で、当面はこれらの事業を推進していく必要があると考えております。
 連続立体交差事業につきましては、工事期間と事業費がかなりかかってしまいますので、一定現在の事業の目途が付いてから、次の区間について検討していこうと考えております。

瀬川会長

 B案では、大阪和泉泉南線を地下化し、北花田口跨線橋を撤去して立体交差化を維持するという計画ですが、B’案として、この部分を平面交差化するという可能性はないのでしょうか。つまり、少子高齢化や低炭素化という社会状況の変化を鑑みて、立体交差ではなく平面交差を選択するという可能性はないのでしょうか。堺市全体で見てみますと、同じような道路状況での立体交差の達成状況を考えると、平面交差化の可能性もあるのではないでしょうか。

事業者

 大阪和泉泉南線は幹線道路でございまして、現在立体交差しております。連続立体交差事業は、交通状況の円滑化というのを一つ大きな目的としておりますので、現況立体交差している幹線道路を連続立体交差事業に併せて平面交差に戻す、ということになりますと、交通混雑が現況よりも悪化することが見込まれますので、平面交差化は難しいと考えております。

瀬川会長

 交通状況が悪化するという想定は確かにできますが、数値上ではどうなのでしょうか。つまり、連続立体交差事業によって、北にある築港天美線は逆にかなり交通状況が改善されると思うのですが、その場合でも平面交差化による問題は顕在化するのでしょうか。
 極端な話を申し上げますと、堺市全域で立体交差化できているというのは、なかなか無いと思いますので、その中でバランスということを考えられないか、と思いました。線路を上げて道路を地上に戻すことで非常に甚大な影響が出るということを数値で予測できるのであれば、それはやるべきことではないのですけれども、バランスを考えた時に、堺東駅を1層高架化することで全体として良い効果が得られる、といった考え方というのは難しいものなのでしょうか。難しいですか。
 前提として立体交差をすでにした道路があって、それを超えるように事業を進めるというのは、もちろんこういう事業は非常にお金も時間もかかるものですので、更に良いものを目指すのは仕方がないのかなと思う一方で、もう少し整理できないものかな、と思いましたので聞いてみたのですが、これはこの場ではコメントという形にさせてください。そういう案もあったらよいなと思いました、というコメントです。

事業者

 ありがとうございます。

瀬川会長

 あと、細かな点について質問させてください。21~22ページの日照阻害のところなのですが、東側の影響がですね、A、B、D案いずれも2時間で同じになっているのですが、ここはそれで間違いないのでしょうか。高架高さが違うので、数字が異なるのではないかと思ったのですが。何か計算した結果、こうなるということでしょうか。

事業者

 計算したところ、実際には若干の差は出ているのですが、この絵では同じような線になってしまっております。東側の差が出にくい形になっております。

瀬川会長

 差というのは、例えば1.5時間になる、ということはないですか。

事業者

 そこまでの大きな差はございません。

瀬川会長

 もう1点質問なのですが、33ページの騒音振動の環境配慮の項目で、ロングレールの採用や列車走行の記載があるのですが、これは今回の事業に係る話なのでしょうか。これは南海電鉄さんの話だと思うのですが、いかがでしょうか。

事業者

 記載している環境配慮の方針につきましては、一般的なところも含めて記載しているところがございます。

瀬川会長

 技術的な問題で、これまでロングレール化できなかったけれども、高架化によってできるようになった、ということであればそれも理解はできるのですが、そういった技術的な問題はあったかな、と思いまして。

事業者

 騒音等の予測によっては現状よりも悪化する場所が発生する可能性がありますので、ロングレールの採用につきまして、検討の余地は十分にあると思いますので、対策として挙げさせていただいております。

瀬川会長

 この事業で、軌道の形式として何を採用するか、といった話は含まれているのですか。

事業者

 含まれております。

瀬川会長

 他にご質問はないでしょうか。およそ出尽くしましたでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、長々と色々と質問させていただいたにもかかわらず、ご回答のほどありがとうございました。事業者の皆さんにはこれでご退席をよろしくお願いします。ありがとうございました。

  【事業者退室】

 それでは、今後の審議の進め方につきまして、事務局の方からご説明の方をよろしくお願いします。

  【今後の審議の進め方について事務局の説明】

 はい、ご説明ありがとうございました。今、事務局からご説明いただきました、今後の進め方につきまして、何かご質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 では、以上で本日の議題は終了ということになります。これも含めまして、全体を通して何かご質問等、委員の方からございませんでしょうか。ございませんか。
 では、以上で議事を終了とさせていただきますので、この後、事務局の方、引き続きよろしくお願いします。

辻尾環境共生課長

 本日は、瀬川会長を初め、委員の皆様方には大変お忙しいところ、ご審議を賜りまして、まことにありがとうございました。
 会議終了にあたりまして、傍聴者の方はご退席いただきますようお願いします。なお、お配りしております資料のうち、配慮計画書の冊子は回収いたしますので、お席に置いてご退席をお願いいたします。
 それでは、これをもちまして、「平成30年度 第1回 堺市環境影響評価審査会」を終了させていただきます。本日はどうもありがとうございました。

以上

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