堺市立図書館サービス方針

図書館は、単に「本が無料で借りられる」場所ではなく、市民が調べごとをしたり、学ぶための材料としたり、新たな発見や創造をしたり、その成果を他のひとと分かち合ったりするなど、さまざまな活動を行うことができる場です。図書館には、ひとが学び、出会い、成長することを支え、市民生活を豊かにする力があります。そうした「図書館の力」を十分に発揮できるよう、図書館は多様な資料・情報を収集・整理・保存し、誰もが気軽に利用できる環境を整え、市民の活用を促す必要があります。
そして、堺市の全体計画、関連計画にある世界に誇る豊かな歴史・文化資源を生かし、次の世代へとつなげ、新しい堺の魅力を創造していくために、100 年にわたり堺に地域資料を蓄積し地域研究に寄与してきた「図書館の力」を発揮することが必要です。
以上を踏まえて、堺市立図書館は、「地域の知の拠点」として、「市民のくらしに身近な課題、地域の課題を把握し、課題解決に導く資料・情報を提供する」こと、「多様な利用者が気軽に利用でき、自発的な学習・交流が行われるようにする」こと、そして「歴史文化のまち堺」という市民の誇りを支えていくことを目標とします。
そうした図書館の活動が、市民の生きる力を育み、豊かな学びをひろげ、未来を創り出していくこと、その成果が次の世代に受け継がれ、新たな創造を生み出していくことをめざし、本基本指針では「ひとを育み、共に学び、未来を創る力を、市民とともに生み出す知の拠点」を基本理念として定めます。

図書館は、ひとが幼いころから本に親しむ環境を整備し、豊かな心を育みます。さらに、本を読むことで知識を得ること、さまざまな資料・情報を使って調べることで、変化の激しい現代社会を生きていく力を養う場でもあります。
図書館が収集し提供する資料・情報は、市民のくらしに役立つものです。くらしの中でわからなかったり困ったりする課題について、図書館はその課題を持つ市民に寄り添い、資料・情報を活用することで解決する過程を、具体的にわかりやすく提示します。
そのために、次のような取り組みを行います。

図書館は、ひとがその生涯においていつでも、学びに行くことができる場所です。子どものころから図書館に親しみ、ライフステージに応じて図書館を使いこなしていくことで、豊かな学びを持続することができます。また、インターネットなどを通じて、いつで
も・だれでも・どこからでも情報にアクセスできるようにすることで、さまざまな学習機会を支援していきます。
そのために、次のような取り組みを行います。

図書館には、その地域の歴史・文化を伝える資料を残していく役割があります。市民が、堺の歴史文化を学び、世界に向けて発信していけるよう、資料を保存し、活用・発信の手法を整えます。
これからの図書館は、図書館の資料・情報を活用し学習した市民が、その成果を活かしたさまざまな活動、交流を図書館で行えるよう、支援していくことが求められます。
市民が自発的に活動、交流するために、図書館は必要な情報と環境を用意します。テーマに応じて専門家や専門機関、市の関連部局等とも連携し、市民とのマッチングを行うなど、市民交流の場をコーディネートします。
堺の歴史文化を時代に継承して活かしていくうえでも、多様な世代が交流する場を設けることで地域の記憶の継承に繋げます。
そして、資料・情報の活用をもとに、多様な人々が出会い、交流し協働することから新しい価値を生み出す場を作り、新しい堺のまちづくり・地域づくりのお手伝いをします。
そのために、次のような取り組みを行います。