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令和2年度第1回(令和2年7月13日開催)議事(2)

更新日:2020年10月26日

(2)地方独立行政法人堺市立病院機構の令和元年度の業務実績に関する評価結果報告書(案)について

後藤委員長

 それでは、議事(2)地方独立行政法人堺市立病院機構の令和元年度の業務実績に関する評価結果報告書(案)について、でございます。まずは、令和元年度の業務実績について事務局より説明をお願いいたします。

事務局

 令和元年度の詳しい業務実績について、法人に説明をお願いしております。法人の方から説明をよろしくお願いいたします。

大里院長

  • 令和元年度の具体的な業務実績と取り組み状況について説明。

池之内法人本部長

  • 令和元年度の決算状況について説明。

後藤委員長

 ありがとうございました。新しく院長になられた大里先生に業務実績をご説明いただいた後、同じく新しく法人本部長になられた池之内さんに決算状況をご説明いただきました。
 続きまして、令和元年度の業務実績に関する評価結果報告書(案)について、事務局より説明をお願いいたします。

事務局

  • 資料2、資料3により、地方独立行政法人堺市立病院機構の令和元年度の業務実績に対する評価案と判断理由について説明。

後藤委員長

 ありがとうございました。ただいま事務局から令和元年度の業務実績に関する堺市の評価案についての説明がありました。それでは、堺市が実施した評価案について、大項目ごとに意見を述べていきたいと思います。特に、資料3の色付けされている項目が、重点ウエイト小項目や堺市がヒアリングを実施すべきと判断した項目ということですので、委員の皆さまにご意見をいただきたいと思います。
 それでは、まず、第1の大項目に含まれる小項目について議論していただきたいと思います。
 13ページの1-1-(1)救命救急センターを含む救急医療 から、22ページの1-1-(4)災害その他緊急時の医療 までの項目について、堺市の評価は、救命救急センターを含む救急医療は評価5、小児医療・周産期医療は評価3、感染症医療は評価5、災害その他緊急時の医療は評価4となっております。特に、救命救急センターを含む救急医療は、重点ウエイト小項目でございまして評価5、感染症医療についても評価5となっております。これらの評価に対して、何かご意見・ご質問はございますか。

西川委員

 私自身もこの評価でいいと思うのですが、この評価は5段階で評価5までしかありませんので、本当でしたら感染症医療に対する評価は評価6でも良いのではないかという風に考えております。というのは、評価の判断理由の文章を見させていただきますと、病院としての機能を評価しておられますが、今回のCOVID-19の感染に対しては、感染症指定医療機関として中心的な役割を担っていただきました。先ほどの業務実績の説明の中で、医師会とも連携したという話が出ましたが、堺市の新型コロナウイルス対策本部には、残念ながら堺市の各局同士の連携ということがメインにありまして、保健所や衛生研究所などの医療系が全く入っておりませんでしたので、医師会から、プロジェクト会議をしませんかということで河野先生らにお話をして、やはり森田先生、河野先生を中心として、今まで8回開催しました。その時に本当に思ったのは、堺市立病院機構は感染症指定医療機関としての役割を心から考えておられて、堺市の二次医療圏の中心として非常によくやっていただいたと思っております。また、COVID-19に対応するための病床には、堺市民以外の患者も入院されましたし、きっと疑似症例に対して足りなくなるということで、周辺の病院にお願いをして、その中心になって本当によくやっていただきましたので、これは評価5どころか評価6でも良いぐらいだと思っております。
 それから、救急医療については、ここに書かれているとおりで、評価5で良いと思っております。
 災害等については、これは感染症を災害というのか分からないですが、昨年度は大阪又はこの堺地域では大きな災害が幸いにしてなかったので、評価4かなと思っております。
 第1の大項目の市立病院として担うべき医療というところの評価についての意見は以上ですが、3ページに記載されている全体評価にあたって考慮した内容の感染症医療の部分については、病院の中での取り組みしか記載されておりませんので、この病院を中心とした感染症の対策のシステムが堺市二次医療圏の中で構築できたこと、そのために堺市立総合医療センターには非常に頑張っていただいたということも、文章として書かれた方が良いと思います。「周辺の医療機関との連携を構築して」という文言や、「システムを構築して新型コロナウイルス感染の患者数の増加に対応できるようにした」というような文言を少し入れられたらいかがかなと思っております。

後藤委員長

 ありがとうございました。
 先生がおっしゃったのは3ページの感染症医療の記載の部分に、行政だけではなく地域の医療機関との連携も記載された方が良いということですか。

西川委員

 地域の司令塔のような役割を担うということはやはり大事でありまして、大阪府全体は大阪府入院フォローアップセンターが患者さんを振り分けるのですが、その中でも例えば堺の方から出てくるPCR検査の陽性の患者さん、もしくは陰性だけど怪しいというような患者さんを保健所に話をして、保健所から話がいきますので、そういう意味では、患者さんの振り分けの中心的な役割を担ったということを書かれるべきだと思います。
 救急についても、救急患者は全てグレーで全てPPEを着ないといけないので、PPEが足りないときに本当にみんな大変な思いをしましたので、そのことは少し書かれるべきだと思います。
 あと、もう少し先の項目になるのですが、がんの患者数などの実績は予定手術が延期などしてしまいましたので、当然件数や収入は減るはずですが、そのことについても書かれていない。
 本来ならばこの新型コロナウイルスの感染がなければ、ここに書かれている以上の実績をこの病院は残せたと私は思っていますので、思いもかけないパンデミックが起こったけれども、前半頑張っておられたのが効いてきて、良い結果になったということは、どこかに文章として記載していただいたらありがたいなと思います。

後藤委員長

 貴重な指摘ありがとうございます。1点質問ですが、医師会と堺市が一緒の会議でディスカッションされたのですか。

西川委員

 はい。地域医療支援病院と堺市の衛生研究所、保健所にも出ていただいてそういうことをやることで、みんな胸襟を開いて、しっかりとシステムにできていったと思います。

後藤委員長

 それはすばらしいことですね。医師会と直接話し合うということが堺市ではできたということは、より地域に密着した形の全体的な体制が確保できたのではないかという風に思います。

事務局

 事務局より、いただきましたご意見に対しましてご回答させていただきます。行政との連携という部分につきましては、先ほど法人からスライド等でご説明いただいたかと思いますので、3ページの感染症医療の記載につきましては、関係機関との連携について少し文言を追加するということで対応させていただきたきたいと思います。
 もう1点、収益につきましては、今回ご審議いただく評価は3月31日までのいわゆる年度評価でありますので、ご意見のとおり影響は少なからずはあったかと思いますが、今後、その影響が実際に響いてくる可能性もありますので、いただいたご意見を踏まえ、来年度以降の評価につなげていきたいと思っております。

河野副院長

 堺市との連携ということで、堺市医師会の主導でプロジェクト会議というものを計8回開いていただいて、医師会の先生方、地域医療支援病院、一般の病院が参加する中に当院も参加させていただいたという形になりました。そこで、5月末ぐらいまでに保健所の相談センターに約2万件の相談があり、感染症指定医療機関ということで中等症ないし重症に移行する患者さんを診るべき医療機関である当院が、それができなくなってしまうということで、それぞれが協力し合って患者さんを受けるという形で周りの医療機関に非常に協力をいただいたという経緯です。そのようなことをそのプロジェクト会議で話し合い、医療機関の機能によって分担するということができましたので、当院としてはその会議を開催していただいたことが非常にありがたかったということです。
 さらに、相談のあった2万件を上手に振り分けていただけたことで、堺市内では医療崩壊を防げたという経緯がありますので、この場をお借りして、保健所の相談センター及び各病院にお礼を申し上げたいと思います。特に国や大阪府、堺市からの受診の指針、要するにおうちで様子を見てくださいということを堺市民の方々に守っていただけたということで、院内感染も起こらず、医療崩壊も起きなかったという経緯もありますので、市民の方々も含めて、ここでお礼申し上げたいと思います。

西川委員

 河野先生は謙遜されていますけれども、やはり私の意見としては、この病院が中心となって動いていただいたおかげで、1つの二次医療圏で何とか第1波を幸運にも乗り切ることができた。やはりクラスター発生がなかったということが大きいと思います。
 また、第1波の際には、早い時期からアルコールがなくなりましたので、消毒どうしたらいいということが出てきました。そのようなこともあって、一般への啓発ということも本当によくやっていただいたと思います。それは、もちろん堺市も一緒になってやったということで、今回本当に上手くいって、次は第2波をどうするかということだと思います。

後藤委員長

 重症患者さんの対応は堺市の中でされたのですか。

大里院長

 スライドでも少しご説明しましたように、重症患者もおられて、年齢にもよりますけれども、致死率も30%や40%と言われる中で、ECMOを使用した患者さんもいたかと思いますが、その人たちを含めてほぼ全員が現在は当院を退院して、日常生活に戻っておられるのではないかなと思います。

後藤委員長

 分かりました。
 他にご意見はございますか。

北村委員

 ご説明を聞いていて感じますに、この世界的な感染に対して病院機構が努力された内容は、計画どおり進んでいるどころか、計画を阻害しているような状況があっても乗り越えていると思ったとき、この評価Sはいつ付すのかと思いました。病院の機能が社会のために貢献したという意味においては、私は特筆すべき進捗状況を今のご説明で聞いたような気がしますので、それらのことが記載されていないようにも思いますから、そこは評価すべき内容としてきちんと書かれてはいかがかなと思います。 
 今、医療が医療に対して自分たちで評価しなければ誰もが評価してもらえないわけではなく、多くのものが評価はしてもらえるのですが、正しく評価することが重要ではないかという風に感じております。

後藤委員長

 ありがとうございます。この評価に関しては評価Sから評価Dがあって、この単年度の動きで評価Sとなり得るかどうか、あるいはこの動きをもって、リスクに対する対応力を評価という点で、ポテンシャルを持っているということで評価Sとする評価があり得るのかどうか、ということですけれども、事務局としてはいかがですか。

事務局

 ご意見がありました評価Sにつきましては、資料2の最終ページに記載しております(3)堺市による大項目評価の評価Sのところにありますように、小項目全てが評価3から評価5の状況であり、かつ堺市が特に認める場合という基準とさせていただいております。感染症医療及び救急医療の小項目については評価5とさせていただいておりますが、評価委員の皆さまのご意見も伺いながら、堺市として評価していきたいと思っておりますので、現在のところは、評価Aとさせていただいておりますが、評価委員会でのご意見を踏まえての対応を考えていきたいと思っております。

後藤委員長

 対応を考えていくというのは、具体的にはどうされるということですか。

事務局

 今回、現時点での堺市の評価は評価Aとさせていただいておりますが、今、委員の先生方からもっと上の評価でも良いのではないかというご意見をいただいておりますので、それを踏まえて考えていきたいと思いますが、できましたら他の委員さんのご意見もお伺いできればと思います。

西川委員

 少し補足説明という形で書いていただけたら良いかと思います。中期計画として、感染症対策としてはありましたが、パンデミックということはやはり考えていなかったと思います。それに対して、この年度の中では2月、3月だけですが、乗り越えたわけですので、そこのところに焦点を当てることも私は必要だと思っております。それはここの病院だけではなくて、もちろん堺市、保健所、衛生研究所がそれぞれ自分たちの能力を最大限引き出していただいて、さらに、病院機構が中心的に周辺としっかり連携し、行政との連携もしっかりできた結果、この2月、3月の混乱時期を乗り越えることができた、ということは書いておく方が良いと思います。

後藤委員長

 ありがとうございます。
 篠藤委員は今のことに関しまして何かございますか。

篠藤委員

 医療の専門の委員の方々が非常に評価をされておりまして、私も何回も読ませていただいて、今のご説明を聞いていて本当にありがたいことだなと、このような病院があることによって私たちが安心して生活していられるんだなという風に思いました。
 評価Sにするか評価Aにするかということに関しましては、感染症だけのことであればもちろん評価Sだと思うのですが、この大項目は小項目の数が非常に多くございますので、1つの項目をもって全てを評価Sとしてしまうことの是非は少し考えておくべきかなと思いました。

後藤委員長

 ありがとうございます。
 高橋委員はいかがでしょうか。

高橋委員

 私も、こちらの病院のコロナ対応や現時点まで院内感染もなく対応されているというお話を聞いて、非常に苦労されていると感じると同時に心強く思っています。その中で、今回は3月31日までの対応の評価になってしまうのですが、可能ならば、それに引き続き現時点まで対応がよくできているというようなことを、評価Sとするか、特別に考慮した特筆すべき点はこういうところがあるというような表現を入れていただく形で評価することを考慮していただければ良いかなと思っております。

後藤委員長

 ありがとうございます。3月31日までの評価という形式の中で、どれほど現況のことを含めた文章になり得るのかということが心配されるのですが、事務局としていかがですか。

事務局

 今、委員の皆さまからご意見いただいておりますように、行政的な手続上、今回の評価は3月31日までの実績に対してということになります。ただ、先ほど収支のところでもお話しさせていただきましたように、今回いただいたご意見は、もちろんそれを踏まえた上で、来年度、次の計画に対する実績の評価をさせていただくことにはなります。

西川委員

 評価Aで私は良いと思うので、そういった意味では篠藤委員の意見に賛成です。しかし、何度も言いますけれども、もしこの2月、3月の混乱がなければ、この計画に対する評価はおそらく変わったはずです。そういったことを考慮していないのかという話にもなりますので、そのようなことから考えると、予定手術の延期など、新型コロナウイルスの影響が多少はあったということをどこかに記載しておけば良いと思います。

後藤委員長

 確認ですけれども、2月、3月に手術症例や入院症例が少し減少したというデータはありますか。

大里院長

 その時期でいうと、患者さん自身が当院でこの時期に手術することを躊躇されるということや、当院側から特定の手術については当院ではお断りしましょうかということがあり、病床稼働率や手術件数が減少しました。現在は元に戻りつつあるのかなというところだと思います。

西川委員

 実はあの時期は、市立総合医療センターはなかなか一般の患者さんの紹介を受けにくいということがありました。なぜかというと、COVID-19のことでいっぱいだということもありますし、新型コロナがうつるというような風評被害の影響もありましたので、そのことを少しどこかに記載しておけば、対外的にも説明しやすいと思います。

後藤委員長

 今、おっしゃっていただいた結果があるようですので、手術症例や入院患者数等の評価のところで、そのような文言を入れてはどうかというご意見ですけれども、いかがでしょうか。

事務局

 いただいたご意見につきましては、病院機構から実績等をヒアリングさせていただいた上で、経営状況のところに入院収益、外来収益等についての記載がありますので、そちらにそのときの状況を記載するという対応で病院機構と相談させていただきたいと思います。

後藤委員長

 ありがとうございます。他にご意見ございますか。
  (特になし)
 それでは、1-1 市立病院として担うべき医療 については以上とさせていただきたいと思います。事務局におかれましては、今のご意見を反映したような内容に文言の修正等をお願いいたします。
 続きまして、24ページの1-2-(1)がんへの対応 から38ページの1-3-(3)法令・行動規範の遵守 までの項目について、堺市の評価は、がんへの対応は評価4、脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病への対応は評価3、高度専門医療の推進は評価4、医療安全対策の徹底は評価4、医療の質の向上は評価4、法令・行動規範の遵守は評価4となっております。特に、がんへの対応は重点ウエイト小項目となっております。これらに関しまして、何かご意見・ご質問はございますか。

西川委員

 1-1 市立病院として担うべき医療 のところでも言いましたが、いろいろな先進的な医療に対して、残念ながらうまく対応できなかった。それはなぜかというと、COVID-19の感染拡大があったことが影響していると思います。ですので、評価はこれで良いと思いますが、この件についてもどこかで、影響は受けているということを書かれた方が良いと思います。

後藤委員長

 ありがとうございます。これは、そのような見方で加筆すべき点があるかどうかという点を検証していただくようにお願いいたします。

事務局

 先ほど、1-1 市立病院として担うべき医療 の項目でもご意見いただきましたように、事務局としましては、3ページに記載しております「全体評価にあたって考慮した内容」という箇所に、先ほどいただきましたご意見も踏まえて、全体としてこういったところを評価しましたということをまとめて記載させていただくということでいかがでしょうか。

後藤委員長

 それでよろしいですか。

西川委員

 結構です。

後藤委員長

 他にご意見ございますか。
  (特になし)
 それでは、次に進ませていただきます。次は、40ページの1-3-(4)患者の視点に立った医療の実践 から52ページの1-4-(3)医療、保健、福祉、教育などの行政全般等との連携と協力 までです。堺市の評価は、患者の視点に立った医療の実践は評価4、患者サービスの向上は評価4、地域の医療機関との連携推進は評価4、地域での医療従事者の育成は評価5、医療、保健、福祉、教育などの行政全般等との連携と協力は評価4、となっております。地域での医療従事者の育成は評価5となっておりますが、これらの評価に対して、何かご意見・ご質問はございますか。

西川委員

 私はこの評価で良いと思っております。ただ、33ページの1-3-(1)医療安全対策の徹底 という小項目については、医療安全という意味合いで感染症のクラスター発生や院内でのアウトブレイクを防いだということもあります。この医療安全対策の徹底に関する取り組みの結果が、今回の感染症で出てきたと私は思っておりますので、これは評価5でも良いのではないかなと思います。
 地域での医療従事者の育成については、評価5で良いと思います。

後藤委員長

 評価の判断理由という記載のところですか。

西川委員

 そうです。今回の感染症をここで評価するべきかどうか難しいのですが、私自身は院内の医療従事者や、他のCOVID-19に感染していない患者さんの安全を守ることができたということが医療安全ということで評価できると思います。感染症指定医療機関の中でもクラスターが発生しているところもあるように、少し油断するとやはりクラスター発生しますので。ただ、それをどの項目で評価するかと言うと、従来の医療安全とまた違うのでなかなか難しいのですが、職員に対して、我々が媒介者にならないという義務を果たしたと言えると思うのですが、いかがでしょうか。PPEやN95マスクがない時にどうするかという話がきっとあったと思うのですが、そのときの苦労がどこにも文章に出ていないので、記載していただけたら良いと思います。

後藤委員長

 そうですね。物がないときにいかに異なるものを使って安全を確保するかということや、あるいは安全対策のグレードを少し下げても良いものは下げて対応するなど、今までとは違った方法論を導入しなければやっていけないような状況があり、対応したということを、医療安全の項目の評価に入れられるのかどうかということだと思います。

事務局

 今回の評価につきましては、例えば20ページに記載されている感染症医療の小項目の評価の判断理由に「院内感染を発生させることなく日々変化する状況を予測しながら柔軟に対応した」とあるように、マニュアル等の整備もしながら院内感染を発生させることなく対応していただいたということについて評価させていただいております。ですので、今回堺市としては、新型コロナウイルス感染症対策という点につきましてはこちらで全体的な評価をさせていただきながら、医療事故や院内感染対策等の日々の院内感染防止という点につきましては医療安全の項目で評価させていただいているということで、医療安全対策の徹底の小項目については評価4という評価をさせていただいております。

後藤委員長

 そのような整理をしておられるということですが、西川委員いかがですか。

西川委員

 書かれてはいるのですけれども、ここの病院の努力をもう少し認めてあげても良いかなと私は思っております。本当にこの病院には感謝してもしきれないと思っていて、先ほども言いましたけれども、この病院がなければもっと大混乱になっていたと思いますので、やはりもう少し評価を上げてもいいのかなとは私は思っています。

後藤委員長

 今のご意見について、皆さんいかがでしょうか。
 北村委員はいかがですか。

北村委員

 20ページのことで考えたら良いですか。

西川委員

 少し話を戻しまして、感染症医療の項目なのか、それとも医療安全対策の項目なのかということで、院内感染を防ぐためになさった努力が確かに感染症医療の項目の中では評価されていますけれども、この評価は評価5までしかありませんので、医療安全対策の項目で評価しても良いのではないかと思うのです。

北村委員

 ちょうど西川委員の言われた、物資を確認して今後の流行を見据えて在庫管理を徹底したことや、あるいは院内感染を発生させることなく役割を果たしたということが19ページにそのまま記載されていて、評価の判断理由のところにも、「感染症については、長期に渡った対応が求められることが予想されるため、引き続き、職員の安全を十分に確保した上で」という文言や、病棟編成についても看護についても尽力したということが全て書かれてありますので、西川先生がおっしゃったことがここに書かれてしまっているがゆえに感染症医療のところがこれ以上高く評価されないので、医療安全対策のところで評価するというご意見だと理解できました。

後藤委員長

 例えば、これを災害と捉えた形の緊急対応であるという意味では、災害その他緊急時の医療という項目で評価されてもいいかなとは思います。

西川委員

 北村委員がおっしゃった病棟の再編ということは、ドクターはすぐに動くような気がするのですけれども、看護局からすると非常に大変なことだと思うので、そういう意味では、災害その他緊急時の医療ということで、その評価を評価4から評価5に上げるということであれば私も納得できます。

後藤委員長

 いかがでしょうか。BCPを活用した災害の訓練ということも書かれているのですが、横田副理事長は災害という視点で新型コロナ対応ということをどのように見られますか。

横田副理事長

 即座に答えるのは難しいですが、確かに救急医療も災害医療も感染症のパンデミックも、おそらく広く捉えれば共通点が多々あるわけです。そもそも医療を個別に評価していくということは評価をするための手法の1つであって、やはり第三者の方に病院を評価していただくときには、個別の議論は必要だけれども、最終的には包括的に評価していただいて良いのではないのかなということが1点。
 それと、もともと災害医療や今回の感染症でもそうですけれども、そこだけを捉えて評価しても、実は病院にはその論点について非常に繋がりのある他の業務もあります。患者さんについての医療安全はどうかということや、患者さんの取り違いがないのかなど、そのような評価も含まれているので、そこはもう先生方の見識ある評価に期待したいと思います。

後藤委員長

 ありがとうございます。
 花房前病院長はどのように考えて対応なさったのでしょうか。

花房疾病予防管理センター長

 2月、3月は私が院長でしたけれども、2月初旬から本部を立ち上げて、患者さん自体は3月の初めまでは順調に来ていました。ただ、3月の中頃から少し減り出したなという感じで、4月に入ったというところです。その間、各部署みんな協力して、フェイスシールドやガウンを自作するなど、各部署が本当にいろいろな工夫をしながら対処をして何とか乗り切ってきているというところかなと思っております。

後藤委員長

 ありがとうございます。大変苦労されたけれどもうまく乗り切られたということで、西川委員の方からぜひ評価を上げことができる項目へ入れて欲しいということですので、堺市の方で少し検討していただいて、評価が上がる可能性のある小項目に加筆できるなら、そのようにしていただければという風に思います。よろしいでしょうか。

篠藤委員

 今の医療安全のところですけれども、中期目標や中期計画の文章を読みますと、大きく分ければ医療事故の予防と院内感染防止の対策という2点が書かれていますので、今回、医療事故に関しても取り組みがなされていて、院内感染防止に関しましては、西川委員がおっしゃったように非常に高いレベルで徹底されているということであれば、やはり一定の評価ができると思いますし、堺市の評価の判断理由のところをもう少し工夫して書いていただかないと、頑張って院内感染を防止されたということがあまり伝わってこないのかなという気がいたします。

後藤委員長

 ありがとうございました。それでは、今のご指摘の点を踏まえた形で、少し文章を考えていただけたらと思います。他にご意見ございますか。
  (特になし)
 それでは、第1の大項目に含まれる小項目評価についてはここまでとなりますので、続いて第1の大項目評価に移りたいと思います。
 第1の大項目評価については、資料2の4ページに記載されています。ここは先ほど指摘がありましたので、修正される可能性があるかと思います。例えば医療安全のところになりますか。

西川委員

 はい。医療安全対策の徹底の小項目について、今、評価4ですけれども、先ほど篠藤委員がおっしゃっていただいた院内感染を予防するということで、これは当たり前と言えば当たり前なのですけれども、その当たり前をあの混乱の中で行うことは本当に難しかったと思います。それから、病棟を入れ替えるときに患者が動くとやはり感染も動くのですが、それをうまく乗り切られたということで、全ての方が本当にチームステップスで当事者として対応されたのだと思います。ですので、そういうことであれば、医療安全対策の徹底については評価5で良いと思います。

後藤委員長

 確かに、病棟を閉鎖して、そこの人たちが新しい病棟に移るということは非常に大きな変革だと思います。今、ご指摘いただいた内容を踏まえてご検討ください。

事務局

 堺市の意見としましては、法人からの取り組み内容として、19ページの感染症医療の小項目において、【新型コロナウイルス感染症関連】の中に院内感染の防止についても記載していただいているところではありますが、ご意見いただきましたように、33ページからの医療安全対策の徹底の小項目において、評価の判断理由のところに院内感染の防止等というような文言で整理させていただき、評価を評価4から評価5に上げるということで検討させていただきたいと思いますので、大項目評価につきましては、医療安全対策の徹底の小項目は評価5という前提でご審議いただければと思います。

西川委員

 ありがとうございます。

後藤委員長

 では、そのようにお願いいたします。他にご意見よろしいでしょうか。
  (特になし)
 それでは、次に進ませていただきます。続いて、第2の大項目に進みます。55ページの2-1-(1)自律性・機動性の高い組織づくり から64ページの2-2-(2)働きやすい職場環境の整備 までですが、自律性・機動性の高い組織づくりは、昨年は評価2でしたけれども、評価4に上がっております。質の高い経営は評価4、外部評価等の活用は評価4、職員のキャリアアップにつながる人事・給与制度の整備は評価4、働きやすい職場環境の整備は評価4となっております。これらの評価に対して、ご意見・ご質問はございますか。

高橋委員

 自律性・機動性の高い組織づくりの項目について、不適切な契約行為があったので、それに対応する組織ということで内部統制室と専門の弁護士との体制などを整備され、窓口も整備されたということで、新たに整備されたことに対しては、しっかりとできたということで、評価4で良いと思います。
 ただ、コンプライアンスのこのような対応組織はハラスメント等のコンプライアンス全般の話になるのではないかと思うのですが、もともとは契約行為に対するコンプライアンスという意味合いが強い感じがします。組織ができて、その中で具体的に対応できるかどうかということが重要だと思うのですが、できてから半年ぐらいたってどうでしょうかということを少しお聞きしたいです。

後藤委員長

 ありがとうございます。私も同じように、実際に形ができて、物事がうまく動き出したのかということが疑問だったのですが、その点いかがでしょうか。

大里院長

 ハラスメントについても内部統制室の方で取り組んでおりまして、相談窓口ということで、同じように内部統制室が窓口になって幾つかの案件について既に取り組んでおり、ハラスメントについての勉強会等も実施しておりますので、そのようなことを解決していこうということで、病院全体で取り組んでいると私は思っております。

松本内部統制室長

 内部統制室の方から補足させていただきます。確かにちょうど1年前、契約案件で不適切な事案があり、法人として取り組みを強化しようということで、堺市からもこの点につきましては改善命令がありまして、それに対して1年かけて取り組んでまいりました。
 高橋委員から体制を整備して、いろいろなことに取り組んでいるというご評価をいただいたのですが、現理事長が着任しました平成28年頃から内部統制の必要性ということを言われており、内部統制室は昨年の1月に設置しておりまして、その過程でこの不適切な事案が浮上してまいりました。それで、内部統制の強化を図っていこうということで、先ほど言いましたように、堺市からの改善命令に対してしっかりと取り組みを進めてまいりました。
 1年間でどのようなことをしていくかという計画ももちろん立て、職員のコンプライアンス意識そのものが非常に甘いということが原因の1つであるという認識がありましたので、研修の実施やコンプライアンス・コードの提出の義務化により、しっかりとしたコンプライアンス意識を植えるということを実施してまいりまして、1年間かけて、非常に意識が変わってきたというところがあると思います。医療現場の方でも、個人情報の管理や、ハラスメントへの取り組みも実施していただいており、内部統制室がいろいろな形でサポートしながら法人全体で取り組んでおりまして、4月以降もいろいろな委員会をつくったり、ハラスメントも含め、事案対応していこうということで取り組んでおります。まだまだ途上ですけれども、いろいろな形で職場環境がよくなるように実施していこうと思います。

後藤委員長

 高橋委員、よろしいですか。

高橋委員

 はい。

 具体的に進んでおられるようです。他にご意見等ございますか。
  (特になし)
 それでは、ただいま確認しました項目については、特に修正の意見はありませんでしたので、堺市の提示した評価案のとおりとさせていただきます。
 第2の大項目に含まれる小項目に関してはここまでとなりますので、続いて第2の大項目評価に移ります。第2の大項目評価は6ページに記載されておりますが、記述内容など、よろしいですか。
  (異議なし)
 ありがとうございます。では、堺市の評価案のとおり承認させていただきます。
 次は第3の大項目に進みたいと思います。第3の大項目は66ページの3-1安定した経営基盤の早期確立 のみとなっており、堺市の評価は評価4となっております。この項目は、重点ウエイト小項目となっておりますけれども、ご意見・ご質問はございますか。

西川委員

 先ほども申しましたが、このCOVID-19のことがなければ、おそらく財務の方はもっと良かったと思います。約4,000万円の赤字と出ていましたけれども、先ほどのご説明のような、3月の病床稼働率や外来患者数が減少したということがなければ、それはおそらく帳消しになったと思います。ですので、評価はこのままで良いと思いますが、その影響を少し受けた可能性があるということぐらいは記載された方が良いかなとは思うのですが、いかがでしょうか。

事務局

 先ほど西川委員からご意見いただきましたように、全体評価にあたって考慮した内容のところで、全体を総括するような形で少し記載させていただこうと思います。また、実際、堺市としましてもこちらの小項目の評価をするにあたり、新型コロナウイルス感染症の影響が少なからずはあったという考えの下、評価4とさせていただいているところでございます。繰り返しになりますが、文章につきましては、3ページにまとめて記載する方向で検討させていただきたいと思います。

西川委員

 分かりました。結構です。

後藤委員長

 他にご意見等ございますか。

高橋委員

 費用の削減について、いろいろな項目で費用削減されているので、そこは良いと思っているのですが、入札金額と技術提案の評価で総合評価するという取り組みが費用削減に直接つながらない、相反する項目ではないかと思ったのですが、この辺はいかがでしょうか。やはり、技術的に良いものを評価したいと思うのですが、それで入札の金額が高くなると費用削減にはならないのかなと思いました。

安井法人運営室長

 契約業務については、それぞれの所管部署が業者選定までを担っておりましたが、そうすると業者とのつながりなどの部分で不適切な行為が発生しかねないということもありますので、この不適切な事務処理の対応以降、一定額以上の契約については法人運営室の方で業者選定をするという形に変更しました。その中で総合評価方式を取っておりますが、それは入札金額だけではなくて、技術的な提案の評価を含めて業者を決定するという形であり、評価の配点を考えましても、金額の部分も割と配点を多く取った形にしておりますので、一定の費用削減効果があるかなという風に考えております。

高橋委員

 法人運営室として取り組んだ結果が費用削減につながっているということなのですね。この文章だけを読むと少し読み取れないものでしたので、質問させていただきました。

後藤委員長

 文章を変えたほうがよろしいですか。

高橋委員

 ここの表現が「透明性を担保しつつ、より質の向上に繋がった」という文言で終わっているので、「費用の削減とともに」などの表現を記載していただいたら良いかなと思います。

後藤委員長

 貴重なご指摘ありがとうございます。それでは、事務局におかれましては、今のご意見についてご検討ください。

事務局

 そうしましたら、68ページ、69ページが該当するかと思いますので、堺市の評価判断の理由のところに、今いただきましたご意見を踏まえて少し文言のほうを修正させていただきたいと思います。

後藤委員長

 よろしくお願いします。他にご意見等ございますか。

篠藤委員

 68ページの最後の文章の意味を教えていただきたいのですが、「継続して査定・返戻の担当職員による分析を行い、査定事例を現場へフィードバックし、対策を講じた」とありますが、これはどちらかというと費用削減というよりは、収入額を上げるというお話ですね。

後藤委員長

 文言を変えたほうがよろしいですか。

篠藤委員

 費用の削減ではないので、記載する場所を変えればよろしいかと思います。

佐々木医事運営室長

 篠藤委員のご指摘のとおり、こちらは費用の削減ではなく収入の確保ということになりますので、上段に記載するということでよろしくお願いします。

後藤委員長

 ありがとうございます。他にご意見等ございませんか。
  (特になし)
 続きまして、第3の大項目評価に進みたいと思います。
 第3の大項目評価は7ページに記載されておりますが、ご意見等ございますか。
  (特になし)
 それでは、堺市から提示のあった評価結果報告書案のとおり、承認させていただきます。
 最後は第4の大項目になりますが、第4の大項目に含まれる小項目は70ページの4-1環境にやさしい病院運営 のみとなっております。堺市の評価は評価3となっておりますが、こちらに関して何かご意見等ございますか。
  (特になし)
 では、こちらも堺市の評価案のとおりとさせていただきたいと思います。
 続いて、第4の大項目評価に移りたいと思います。こちら8ページに記載されておりますが、記述内容にご意見・ご質問はございますか。
  (特になし)
 なければ、堺市の提示された案のとおり承認させていただきたいと思います。

 
 これで、小項目、大項目の評価の確認は終わりました。
 最後に全体評価ですが、資料2の2ページから3ページに記載されている内容について、何かご意見はございますか。

西川委員

 先ほど私が少し触れさせていただきましたけれども、3ページの全体評価にあたって考慮した内容のところで、感染症医療について、堺市の二次医療圏における感染症対策の中心を担ったという文言、それから周辺の施設との連携を図ったという文言を書いていただけたらと思います。

後藤委員長

 今の西川委員のご意見を活かしていただけますか。

事務局

 先ほど感染症のところでご意見いただいた際にこちらから発言させていただきましたように、連携・協力というような観点での言葉をこちらの全体のところに加えさせていただきたいと思います。

西川委員

 ありがとうございます。

後藤委員長

 ありがとうございます。他にございますか。
  (特になし)
 これで全て通して検討していただいたことになりますけれども、最後に、業務実績評価の基本方針では、評価結果の決定をする際、法人に評価結果(案)に対する意見申立ての機会を与える、ということになっておりますけれども、法人から何かございますか。

門田理事長

  • 意見提示への謝辞
  • 評価への意見はなし

後藤委員長

 ありがとうございます。
 いろいろなご意見が出ましたが、その後の事務手続に関して事務局からご説明をお願いします。

事務局

  • 参考資料3により、評価結果報告書(案)に対する意見書について説明。

後藤委員長

 事務局から、評価結果報告書(案)に対する意見書(案)について説明がございました。最終の評価結果報告書及び意見書の確認については、委員長一任ということでよろしいでしょうか。
  (異議なし)
 それでは、そのようにさせていただきます。

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