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令和5年度第1回(令和5年7月10日開催)議事(3)

更新日:2024年2月26日

(3) 地方独立行政法人堺市立病院機構の令和4年度の業務実績に関する評価結果報告書(案)について

嶋津委員長

 それでは、議事の(3)令和4年度の業務実績に関する評価結果報告書(案)について、まずは令和4年度の業務実績を事務局から説明お願いします。

事務局

 令和4年度の業務実績及び決算の概要の説明をさせていただきます。
 説明につきましては、法人に説明をお願いしておりますので、法人からの説明をよろしくお願いいたします。

大里院長

 令和4年度の業務実績について説明

池之内法人本部長

 令和4年度の決算について説明

嶋津委員長

 続いて、令和4年度業務実績に関する評価結果報告書(案)について事務局から説明お願いします。

事務局

 資料3、参考資料2により、評価の方法について説明
 資料2により、令和4年度業務実績に関する評価結果報告書(案)について説明

嶋津委員長

 ただいま事務局から令和4年度の業務実績に関する堺市の評価案について説明がありました。
 今回の会議では、1-1-(1)救急救命センターを含む救急医療から1-2-(3)健康寿命の延伸に向けた予防医療の推進までの項目について審議し、残りの項目については次回の会議で審議するとのことです。
事務局から重点ウエイト小項目と評価が5で一致している小項目について説明があり、特にこの項目について委員の皆様のご意見をいただきたいということです。
 委員の皆様には、評価結果に関し疑問を感じたところを適宜堺市や法人に対して質問していただき、幅広いご意見をいただきますようお願いしたいと思います。
 まず、今回説明いただきました1-1-(1)救命救急センターを含む救急医療(重点ウエイト小項目)についてご意見、ご質問がございましたら委員の皆様からお伺いしたいと思います。  
いかがでしょうか。

西川委員

 西川でございます。少しお聞きしたいことは、この救命救急センターを含む救急医療が、コロナがオミクロン株になったとはいえ、感染者の数が増えると重症になる人も増えてくる、中等症も増えてくるということで、かなりご苦労されていたと思います。そのあたりの質の問題で、実際、救急搬送応需率や3次救急搬送応需率は数で話をされています。
 13ページで、例えばリエゾン、精神科等の話も出てきますが、かなり精神科リエゾンチームの介入件数も増えておりますし、この大変なときにドクターカーも出ているということですが、救急は法人自己評価4ということで、数字でそうされているのだと思います。質の問題から考えると、堺市で全病院長会議を医師会中心でさせていただいて、病床の割り振りをしたということもあり、堺市としてはうまく対応し、その中で中心病院として動かれたのです。重症の人はうちが診るので、中等症の人をお願いしたいという話で一般病院のほうに回されたと。先ほどトリアージという言葉が出ましたけれども、そういうことをやっておられたので、実際の応需率、やはりある程度重症用に空けておかないといけないという話もありますので、質から考えると、法人の自己評価4というのは低いような気がいたします。ですから数字だけで話をされているのですが、質のほうの話の評価というのはなかなか難しいですが、この辺はどのようにしたらいいのでしょうか。堺市にお聞きしたいです。

嶋津委員長

 ありがとうございます。
 堺市からお願いできますか。

事務局

 我々としましては、評価のスタートとして、数字や実績というところを見ざるを得ないというところはご理解いただければと思います。
 応需率については、今回目標を下回っているという状況ではございますが、コロナの中で受入れ件数等はしっかりと対応していただいているという点は高く評価させていただいております。
 質というところにつきまして、救急で重症化を取るというところでいきますと、少し入院率は下がっていたりはしますが、搬送件数が増えたということであれば軽症者が増えていると理解しておりますので、その点もしっかりと対応していただいているというところはおっしゃるとおりかと思います。
 質的な面につきましては、なかなか実績からは見えてこないところもありますので、法人評価も尊重しながら評価させていただいているところであり、今回、法人評価4ということありまして、実績につきましては、目標を達成していないところもありますが、しっかりやっていただいたというところを踏まえて、法人評価と同じ4を今回堺市も評価案として提示させていただいたところでございます。以上です。

嶋津委員長

 ありがとうございます。
 西川委員から、これは5でもいいのではないかというご意見かと思われますが。

西川委員

 15ページ見ていただきますと、精神科身体合併症救急患者ということで、精神科と一般の科のリエゾン、要するに一緒にやるということですが、リハビリテーション部門と精神看護専門看護師、他院からの応援による精神科医と連携し、精神疾患の患者に介入するということで、リハビリテーションの進捗が遅延することなく退院、転院につなげたという。これはなかなか大変でございまして、一般の中規模の救急指定病院ですと、こういう自殺企図の方の対応をどうするかというのは本当に難しいことで、私も過去に苦い思い出があります。こういうことをコロナの中でもきちんとやっておられたということです。このような精神科の身体合併症の救急患者というのはどの病院でも困っていまして、堺市には精神科の病院、それから一般科も診るという病院が何件かございますが、そのおかげで何とかなっていると思いますが、480床の堺市立総合医療センターもコロナの中でやっておられるということで、私は5でもいいのではないかなと。
 応需率が低いのは3次救急のためで、これは堺市だけではなくて大阪市からも流入しています。堺だけではなくて他の医療圏からもたくさん来たということで、そういう方々のために空けているということを、全病院長会議で市総合がおっしゃって、そのとおりやっておられた。3次救急は断らない、つまり重症の救急の患者はコロナであろうとなかろうと断らないということでベッドを空けているので、簡単に応需率だけではなくて、文章書かれていますようにドクターカーも大変な中で出ておられるわけです。実はコロナだったということも多いです。そういうときは全て消毒しなくてはいけないから2時間ぐらいはドクターカーを使えないという状態になると思います。それでもなおかつこうしてやっておられるということで、私は5でもいいのではないかなと思いますが、いかがでございましょうか。法人の方のご意見も承りたいと思うのですが。

嶋津委員長

 大里先生、お願いしてよろしいですか。

大里院長

 西川先生、ありがとうございます。
 コロナということでいうと、令和4年度はほぼ、在宅から夜間に高齢者が救急で来る、または施設から少し症状が悪くなって来られる、そういうことでなかなかその他の救急患者を取れなかったということが確かにありました。
 ただ、非コロナをしっかりと救急頑張りましたかというと、やはり院内のドクターの体制で、循環器、消化器は、地域と一緒に連携して市民が困らないような救急体制をつくっていきたいと、そういう中で少し周りの病院から助けていただいて、そういう意味で、私は4でいいのではないかなと思っております。

西川委員

 法人がそうおっしゃるのであれば、そのとおりでということで。

嶋津委員長

 4にしても年度計画を上回って実施しているということで、高い評価だと思います。
 ほかの委員の皆様、いかがでしょうか。北村先生、お願いします。

北村委員

 今、西川先生がお話しされた新型コロナにおいて目覚ましくよい活動をなさったということは、23ページの災害・感染症のところで記載がされており、一時的にトリアージ病院としての役割を担うといった中核病院としての大きな働きは、5で評価されているので、そこはここで評価したと思っているところでした。
 もう一点は、応需率ということで、2,000件以上救急搬送受入件数が前年度より増えた状況で、職員含め尽力されたというところは高く評価できると思い、ただ、それを含めて今回4というご判断をされたのだろうと、今年はそのように理解をしていたところです。

門田理事長

 法人から少し話をさせていただきます。院内のディスカッションの中で、西川委員におっしゃっていただいたようなディスカッションはありました。ここで話題になったのが、目標指数というのと関連指数という表現にしている今の決め事からいけば、これは目標指数というのが一番有効だという表現になっているわけです。実際、救急での応需率というものの考え方で、病院のようにハードは全て決められて、ベッド数も全て決められた中で率を高めるとはどういうことだという話をしました。率を高めるということよりも、できるのは件数を精いっぱい受け入れるということを一生懸命やっていかないと。だけど、率を高めるというのは、何かの判定を変えて、入院させるとか受け取るという、その率を高めたり低めたりするという、そこらに課題があるならば率が話題になるのだけれども、こういう設定そのものがおかしくはないかと、私はそのときに発言しました。ここの応需率を目標指数と考えて、それで件数を関連指標という考え方、もう一度見直す必要があるのかなと思い、西川委員がおっしゃっていただいた関連事項としてお伝えします。

西川委員

 ありがとうございます。
 法人資料の10枚目と11枚目のスライドのところを見ますと、令和3年度と令和4年度と比べてやはり救急搬送受入件数は増えているのですよね。災害・感染症のところでは5ということですが、それはそれで関連していて、例えば重症の患者が来て、その人がコロナにかかっているかどうか分からないときに、実はコロナだったというのはなかなか大変だと思います。ですから、これだけの件数を受けられたというのは、限られたマンパワーの中で、メディカルスタッフのマンパワーの中で、非常に大変だったと推察するわけです。
 理事長おっしゃいましたように、件数から見ればすごく頑張っているというような形で考えられたらどうかと。それはもちろんこの1万3,000件できたというのは、それが最終的にいろんな病院に救急隊が電話をして、それからORIONというシステムが大阪府にありますからそれを見ながらやるのでしょうけれども、その中でも最終的に最後の砦という形で救急隊から来る。救急搬送依頼件数も、令和3年度と4年度と比べたら1.5倍ぐらいになっていて、でもそれは、令和3年度よりも多い件数を受けているということで、今回はこれでいいとしても、次年度からというより本年度から、どのように見ていくかということを考えていただきたいと思います。

嶋津委員長

 ご指摘ありがとうございます。
 去年、おととしも少し問題になりましたけれども、数値目標で、パーセントがいいのか絶対値がいいのか、あるいはそもそもコロナという予定していなかったものに対して計画とどう比較するのかということがあったと思いますが、そういった意味でも、ただいまの数字、あるいはパーセントというのは、同じものを見ているようで随分違った意味が出てくるということだと思います。
 何か具体的にご提案おありでしょうか。あるいはパーセントやめて全部数字、何百何十というほうがよろしいでしょうか。

西川委員

 私自身考えているのは、全体数と応需率その両方を数字で出す。そして、救急搬送依頼がそれだけ増えたというのはそれだけ社会の変化があったわけです。それに対して一応院内の体制等を含めて対応しようとしたけれども十分ではなかったというので、応需率が出てくるのでしょうけれど、そんなにマンパワーはどんどん増やすことできないです。
 それから、看護師の方の離職率が大阪府の平均よりも小さかったというのがスライドの22にございました。8.5%というので、全国は11.6と書いていますけれど、これが社会問題になっていました。ですから、看護師を養成するというのが社会の義務であるというような雰囲気がやっと伝わったなと僕は今回のことで思っているのです。
 この離職率が低いということは一体どんな魔法を使われたのかと聞きたいです。それは、やりがいのところであったと思うのですが、具体的にその中でもいろいろなことがあったのではないかなと思いながら話を聞いていました。
先ほどおっしゃいましたように老人施設が非常に問題でありまして、堺市が改善を要求しているけれども、なかなか改善しないというか、その高齢者施設からの救急がかなり問題になっています。例えばそれを診るドクターがいるはずですけれども診ない。亡くなった患者を救急隊として運んで例えばこの病院で診る。でも亡くなっているので死亡診断書をという話になるのです。
 そういうところのことも含めて非常に大変な状態でやっておられたということで。この離職率が低いというのも、それが全ての項目に関わってきます。がんとかに特化された看護師がおられますから、そういう看護師がどのように活躍されたとかいうのは少し話があってもいいと思っていました。谷口理事、いかがでしょうか。

谷口理事

 ありがとうございます。
 局長からお話させていただきます。

澤田看護局長

 看護職員の離職率に関しては、確かに救急もかなりな人数を受け入れていましたし、コロナの患者も多かった上に職員の就業制限も多い中で本当に大変な状況でしたけれども、その中で、どうすればコロナの患者を受け入れられるか、コロナ以外の患者の病床稼働を上げられるかというところも、現場の管理者、現場の師長たちの意見を聞きながら、現場は今何が困っているのかというのをとにかくボトムアップで上げてきてもらいながら、それに対して説明をしていくということをできる限りやってきたというところが1つです。
 あとは、日頃から定期異動をしているのですが、その中でしんどくなった部署に対して、例えば救急がしんどいときであれば救急の専門性の高いスタッフで応援体制を取り、小児が増えたときには小児の経験者にお願いし応援体制を速やかに取って、その部署だけでしんどい状況にならないようにということを工夫しながらやってきたことが影響したと思っております。

西川委員

 今の話は、来週の話になりますが、2-1-(3)やりがいを感じ働くことができる職場環境の整備というところで、法人の自己評価が4で堺市が3ということです。これはまた次回ですね。

嶋津委員長

 次回に詳しくお話をさせていただきたいです。
 どこも有機的に関連してくる項目だと思いますので、ご指摘ありがとうございます。
 どうぞ、北村委員。

北村委員

 救命センターを含む救急医療の点の質的な評価については、私はやはり今後の課題としては大きいと思っております。令和4年度、1万3,250件、実際に応需したのはこの件数ですが、率にするとそうではなかった。相対評価したときに、クオリティーが高いというのはもう理解済みとはいえ、その中でも2,000件以上というのは、猛威を振るう中、相当な尽力だったということ自体が数値に表れず、評価として十二分かと言われると、本当に5に近しいところかなと所感として持ちます。
 同時に、全体を見れば、参考資料3の部分で、重点項目の中のがんへの対応、ここもコロナ禍とはいえ、恐らくいろんな業務が偏流していく中で、先生方もナースも尽力しているのは小児医療の対応、ここは数値に表れた形の達成率が100%以上という数値になり、救命センターの分はそれを若干反映、この評価でいくと明瞭にし切れないというところが大きな課題ではないかなというようにして、今、皆さんのご意見を交わしているところの中身を理解しているところです。
 私の意見としては、やはり件数で補完する、あるいは、トリアージの中での特徴立ったものも既に件数が出るような、応需しているのがもしかして近隣であるとか、あるいは重症であるとか、何か重要なデータを付け加えることはすごく大事かなと思いました。

嶋津委員長

 ありがとうございます。
 救急の出動に関して、昨年は史上最多、全国で720万件出動しています。それまでは令和元年の660万件がトップでしたが、令和2、3年とコロナで十数%下がって、少し上がって、昨年は720万件。全国的にも搬送困難症例、現場で30分以上、電話が4回以上というのが東京をはじめ全国的に史上最多になったと言われておりましたので、この数字だけ見ると67%かと思うかもしれませんが、全国、これは皆様が苦労された結果ということで、今日ご指摘がありましたように、パーセントだけではなくて可能なものは絶対数を併記した上で、その評価を併せて、来年以降でいかがでしょうか。

西川委員

 ありがとうございます。私はそれで構わないと思います。

嶋津委員長 

 ありがとうございます。
 中礒委員、ございますか。

中礒委員

 私は、このパーセントのことについて、個人の方や病院の方、とても頑張っていらっしゃると思うのですが、これで評価する必要があるのかという疑問があります。
 応需率というのは、その方の評価を表しているわけではないということを分かってらっしゃったら、ここで評価する必要がそれによってやりがいがとても上がるのかもしれないですけれども、他で評価されたほうが。堺市から、3であれば十分と私は説明を受けているので、ほかでとても頑張ってらっしゃることは、ここで評価する必要はあるのですかという、ちょっと素朴な疑問です。とても頑張ってらっしゃると本当に思います。

嶋津委員長

 結果的にどういう実績だったかという評価ということでやったらいいのではないかと思います。
 堀内委員、いかがでしょうか。何かございますか。

堀内委員

 まだ完全に理解し切れていないですけれど、今のお話を聞いて、やはり何となく67.6と言われるとかなり低い、未達成というところが、いろいろな理由を解きほぐしていったときに、これがしようがなかったのか、必然、改善するような余地があるものなのかというのが、様々な見方があるのだと思いました。そうであれば、あまりこれが独り歩きするような感じに指標として置いておくと、今みたいな議論がどうしても付きまとってしまうと思いますので、きちっと意味を、これによってどういうことが引き起こされるとまずいとか、因果関係をもう少し分かるようにしていただいた方が、この数字の意味が生きてくるのかなと思いました。

嶋津委員長

 ありがとうございます。
 確かにコロナの1年目ですと何が起こったか分かりませんが、2年目、3年目になりますと、例えば年度計画の指標というところで工夫の仕様もあるのかなと私は思いましたので、先ほど申しましたけれども、数字とパーセント、可能なものは併記ということで、最終的な判断はそれに委ねるということで、事務局、あるいは病院の先生方にもご検討いただきたいと思います。
 少し時間が経ってしまいましたので、次に、1-1-(4)災害・感染症・その他緊急時の医療ということで、これは23ページから26ページになります。これはいずれも法人の自己評価が5、堺市の評価も5ということですが、いかがでしょうか。
 コロナの会議も発足以来300回、年間60回以上と、毎週やっているような感じだと思いますけれど、それ以外にもトリアージ、それから社会福祉施設の訪問、心の健康、産業医、幅広く活動されているということで、いずれも5という評価になっていると思います。
 23ページには年度計画の項目として(1)から(8)までということで上がっておりますけれども、それぞれの項目について具体的な内容が記載されておりますし、26ページの堺市評価の判断理由でもそれぞれの項目について、高く評価した、高く評価する、あるいは達成できているという形で非常にポジティブな評価がされていると思います。
 北村委員、どうぞ。

北村委員

 総合5というのはこれより勝るものなしと判断いたしました。中でも、質も関係しますが、関連指標、23ページ、DMATの資格保有者が、このような状況下でも維持することができ、むしろ向上というか、一部増えた状況下の中でずっとコントロールされているというのは、そういう資質のある方がこのことに対応したということも見えてとれると感じます。
 また、新型コロナウイルスの緊急対応計画のときにもDMAT隊として、恐らくは能力を発揮されたのではと思って、1番から全て、24ページのところを拝見いたしました。
 よって5に賛同いたします。

嶋津委員長

 ありがとうございます。
 ほかの委員の皆様も5という評価で特にご異論ございませんか。
 (異議なし)
 それでは、委員会としても、災害・感染症・その他については5という評価でさせていただきたいと思います。
 続きまして、1-2-(1)がんへの対応、これは重点ウエイト小項目ということで、法人自己評価は4、堺市の評価が4ということで、27ページから具体的な記載がありますが、いかがでしょうか。
 目標指標を見てみますと、全て昨年よりも増えておりますし、かなり大きな増加というところも少なからずあるかと思って拝見いたしました。
 いかがでしょうか。西川委員、お願いします。

西川委員

 件数が増えているのですけれども、中期計画に対して、少し下回っているということでこういう評価になったと思いますが、これも先ほどからの話で、数字と絶対数と、それから例えば中期計画をもう少し小さくしているとこれはいけますよね。ですから目標が高過ぎたような気がします。でも、それはそれだけやりたいということですけれども。例えば緩和ケアスクリーニング件数は増えています。このようなコロナのときでも、シームレスでがんの患者を順繰りに在宅に促しているということだと思います。ということで私は、これはこれでいいのではないかと思うのですが。

嶋津委員長

 中期計画の数字に関しては、たしか1回目、ボールを蹴ってからゴールを動かしていいのかという話があったかと思いますけれど、そういった意味でも計画は計画ということで、それを年度計画に落とし込むときに少しまた工夫なりがあるのかもしれないと思って聞かせていただきました。がんに関するところでは、急性期、フォローアップ、遺伝子カウンセリングなど幅広くやっておられるということが伺われました。
 委員の皆様いかがでしょうか。北村委員、お願いします。

北村委員

 私も西川委員と同じ意見で、この中身がよく出ていると思いながらも、数値に関しては次回への課題を感じるところです。特にがんゲノムの、29ページの(3)遺伝子パネルの検査を含めカウンセリングを始めたと。令和4年度からカウンセリング技術を有したということで、このカウンセリングも恐らくは緩和ケアのスクリーニング件数と同等ではないものの、特徴立ったところだろうと思い、そういったところもまたいずれ評価指標として出していただければと思います。堺市民の方々に医療者がどう尽力するのかという指標が見えるものとして、併記される状況になれるように、次回は評価の項目が必要なのかなと思って見ておりました。

嶋津委員長

 ありがとうございます。
 こういった目標指標、関連指標というのは毎年設定されるのですか。

事務局

 今年度は中期目標の策定年度となっております。目標指標というところもご議論していただき、目標は文章で書くことになりますので、中期目標を達成するに向けてどちらを向いて行くか、関連指標や目標指標を設定するに当たって、市民の皆様に分かるような形を取れたらと思っておりますので、そういったところもご意見いただきたいと思います。
 今回、皆様からご意見いただいておりますように、我々も目標指標だけで判断するとは考えておりません。今回のがんのところでもあるように、その年度での特徴的な取組ということで、関連指標、目標指標にはなくても、法人からこういった実績を記入していただいているところを含めて評価に反映していけたらと思っております。
 今、4という評価させていただいておりますけれども、実際に数字的なところでいきますと、令和4年度はコロナの中、数字を維持している、もしくはそれを上回るところを達成できているというところは我々としては高く評価しておりますが、現時点では高く評価するということで4という評価をさせていただいております。
今回のご議論踏まえまして、質的な面というところで修正も含めて検討させていただく形にはなるかと考えております。説明は以上です。

嶋津委員長

 ただいまご意見いただいたのは、評価の項目という意味で、4を5に変えようという意見ではなかったように私は思ったのですが、北村委員、あるいは西川委員、よろしいですか。中礒委員、特にご意見ないですか。

中礒委員

 大丈夫です。

嶋津委員長

 堀内委員もよろしいですか。

堀内委員

 評価はいいと思うのですが、その評価に至るところで、数字が達成していないというのは、普通で考えたら何でそれが達成していないのにいいのかという話になると思うので、そこは説明責任というか、こういうことで、今この時代でいくとそれよりもこっちを優先した、あるいは目標をもともと立てたときから比べると状況が変わっているので今の時代でいうとこういう意味合いは実は薄れているとか、きちんとした説明を踏まえてこういう評価にしました、というのであれば分かりやすいと思いました。この評価については、この評価の4で構わないのかなと思っております。

嶋津委員長

 ありがとうございます。評価の決め方の一般論として、恐らく企業ではそういう数字があればそれに基づいて厳密に判断するということですよね。

堀内委員

 それがきちんと理解できるように説明できないといけないのかなというのは思います。

嶋津委員長

 ありがとうございます。
 これは確かに事前に評価し切れない部分があると、不確定要素もあるといったことも含めて、若干、数字がありながらファジーになっているところもあるのではないかと思いますけれども、それはどうですか。企業と違って医療業界というのはある程度やむを得ないような気もするのですけれども。
 西川委員、いかがでしょうか。

西川委員

 今お話あったようにいろいろな状況があって、その中に不確定要素というのがあって、100%保障できるということはないのです。そういうことから考えると、あれだけの大変な時期にがんのこともやっておられた、こういう結果が出てくるというのはすばらしいことです。恐らく低い状況ではないかなと僕自身は思っていました。それだけコロナ対応をやっていただいて、これだけのがんのことやっていただけたので、やはりすごいなと思いながら見ていました。がんゲノム医療というのはこれからのメインになっていきます。これは全体でやらないといけないですが、がんの遺伝子を持っている人が全部そのがんになるかといえばそうではなくて、いろいろな要素でがんが発現してきますので、そのときに、あなたはこうだけれどもそれは悲観することないよというような話をしてあげないといけないのです。そのカウンセリングをするためのナースも、メディカルスタッフも用意しているということなので、本当に最新の医療に対する体制がきちんとできてきているということで、本当は4.5ぐらいあげたいですけれども、私もそのまま4でいいかなと思っています。

嶋津委員長

 ありがとうございます。
 確かに数字で再現性があって透明性があるというのは理想ですけれども、サイエンスで割り切れない部分や、発展途上の技術、あるいは人を相手にするといった言わばファジーな部分が結構ありますので、オーバーオールで評価するという形になるかとは思います。
 ただ、できる限り数値の目標に基づいてやれる部分を増やしていくというのが今後の方向性だと思います。

西川委員

 そこの就労支援、29ページの一番上のところに書いていますけれども、がんは、今は治る病気になってきましたので、どちらかといえば慢性期の病気という考え方をします。ですので、就労支援というのはすごく大切で、僕は産業医部会の会長もしていますけれども、患者には何を言うかというと、辞めたらいけないよという話をするのです。会社はあの人はもう駄目だという感じがいまだにあるのですけれども、実はそうではなくて、がんの治療をしながら社会生活もできるということで、大阪府の社会保険労務士会とのホットラインまでつけてやっておられるということで、社会的な責任も果たしておられると私は取っていました。これは今、物すごく大きな問題になってきているのです。だから、がんというのは早期発見すれば治る病気です。

嶋津委員長

 ありがとうございます。
 ということで、この重点ウエイト小項目ですけれども、がんへの対応については両方とも4ということで、委員会でも一致した判断ということにさせていただきたいと思います。
 それでは、続きまして1-2-(3)健康寿命の延伸に向けた予防医療の推進、34ページから37ページというところですけれども、これはいずれも5ということで高い評価がされておりますが、いかがでしょうか。

西川委員

「堺ふれようプロジェクト」ですけれども、これは本当に良い話です。ただ、この良い話が堺市民全員に伝わっていないというところが不十分であると思います。口腔ケア、これは歯科医師会も一緒にやっていることで、今やオーラルヘルスという、認知症対策でもあると、それからがん対策でもあるという話になってきていますので、長期の寿命の延伸ということはよくやっておられると思います。
 ただ、もう一つだけ、年間2,000人の方が子宮頸がんで亡くなっているとなっています。子宮頸がんのワクチンもそうですが、こういう感染症でがんになる病気があって、その感染症に対してワクチンがある、そのワクチンをすることでがんの発症を抑えることができる、ここのところの教育をやっていっていただきたいということです。それから子宮頸がんに関しては、性教育にもつながっていきます。それともう一つは喫煙ということも絡んできます。先ほど中学校でこどもたちに教育したというのがありましたけれど、そこのところは教育委員会と一緒になってやっていかないといけない。これ本当に難しくて、最新の知識をあまりご存じない方が多いので、一緒にこれからのテーマとしてお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

嶋津委員長

 ありがとうございます。
 今後の健康寿命の延伸に向けた予防医療の一環として、只今ご指摘いただきました項目というのもぜひ記録に上げていただきたいと思います。
 企業、大学との共同事業であるとか、厚労省からの補助事業といった形でもいろいろと取り組んでおられます。人間ドックの受診に対しても非常に増えているということで、地道な活動を積み重ねておられるという印象を非常に受けております。5という評価はまさにそれにふさわしいのではないかと私は読ませてもらって思ったのですが、委員の皆様はいかがでしょうか。よろしいですか。
 (異議なし)
 それでは、これについても5ということで委員会の評価とさせていただきます。
 本日の4つの大きな部分は皆さんからご意見いただきました。けれども、それ以外に1-1-(2)小児医療、1-1-(3)周産期医療、1-2-(2)高度専門医療の包括的提供と、3項目にもしご意見がございましたらお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 小児医療は、17ページからです。小児医療はいずれも4評価ということになっております。特にご覧になってご異論ございませんか。
(異議なし)
 それでは、続きまして周産期医療、20ページからです。これは3ということで評価がされております。3というのは計画を順調に実施しているという評価になります。特にこれも、よろしいでしょうか。

西川委員

 21ページの(5)ですけれど、新型コロナウイルス陽性妊産婦が急増するということで、実はその出産を受け入れるところはないです。そこで書いていますように、数少ない受入れ医療機関として体制を整えたということで、これは本当に助かっています。だから救急対応としても助かっていたと思いますけれど、この辺のことも含めて、件数が少ないから3でもいいのでしょうけれど、できたら4という形、感染症のほうで5になっていますから難しいですけれども、本当は4かなという。そういうシステムをつくっていただいたということがありがたかったです。

嶋津委員長

 ありがとうございます。
 そういうご意見もございますが、ほかの委員の皆様、いかがでしょうか。
 確かに透析とか妊婦さんとか小児は受入れ先がなくて、大阪、非常に困っていましたね。そういった意味で非常に大きなご尽力をされたと思います。私個人的には、頑張られたのですが、絶対数が比較的少ないので、全体を1つ上げるほどではないのかなという印象を持ちました。
 いかがでしょうか、委員の皆様、このままということでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 このままで3ということにさせていただきます。
 次に、1-2-(2)高度専門医療の包括的提供です。これについても3ということになっておりますが、いかがでしょうか。心疾患、脳血管疾患、ストロークケアユニットとか幾つかの取組がされていて、数字としても、令和4年度は増えていっているところが多いと思いました。

西川委員

 高度先進医療ですけれども、ダビンチが2台になったということですよね。ロボット手術というのはこれから主流になっていって、外科医でいえば、要するに心臓でしたら開胸する、お腹でしたら開腹するというような、我々が肉眼で見てやるというようなことはこれからなくなっていくと思います。ロボットにAIが支援をしていくということだと思いますが、このダビンチを2台そろえられたということで、かなりお金もかかっていると思います。今年は黒字でしたけれど、堺市には返さなくていいのですか。

事務局

 中期目標の期間が本年度までになっておりますので、今後その点については考えていくことになると認識しております。

西川委員 

 これからということで、了解いたしました。

嶋津委員長

 ダビンチも2台になってこれからますます件数増えるだろうと期待できるかと思います。
 この項目、1-2-(2)については3と、これも計画を順調に実施しているということでよろしいでしょうか。
 (異議なし)
 本日の部分、1-1-(1)から1-2-(3)までご検討いただきました。以上で本日予定されていた項目の審議については終了いたしました。次回の会議で残りの項目について審議をしたいと思います。
 議題以外のことで特に何かございませんでしょうか。

事務局

 1点ご確認させていただきます。
 今回ご議論いただきましたご意見等につきましては、今後いろいろな事項を検討する際にも含めて考えていきたいと思います。今回ご審議いただきました評価項目については、評価委員会の皆様のご意見の総意として評価の修正等はなしと認識しておりますが、それでよろしいでしょうか。

嶋津委員長

 数字の評価については特に変更なしということで結構だと思います。
事務局から次回の日程等のご案内をお願いします。

事務局

 次回、令和5年度第2回評価委員会の日程につきましては、事前に各委員に日程の調整をお願いしております。次回の会議は7月18日火曜日午後2時から、会議の場所は本日と同じ堺市立総合医療センターのホールでの開催を予定しておりますので、何とぞよろしくお願いいたします。
 また、次回会議では令和4年度業務実績評価案について引き続きご審議いただく予定としております。本日配付しました資料を用いてご審議いただく予定としております。この後、資料を机上に置いたままにしていただきますと、次回、事務局で机上にご用意いたします。一度お持ち帰りいただく場合は、お手数をおかけして誠に恐縮ではございますが、次回会議時にご持参いただきますようお願い申し上げます。
 以上をもちまして、令和5年度第1回堺市地方独立行政法人堺市立病院機構評価委員会を終了いたします。本日はどうもありがとうございました。

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