中期目標 その2
更新日:2012年12月19日
第3 業務運営の改善及び効率化に関する事項
自律性、機動性、透明性の高い病院運営を行うための業務運営体制を構築するとともに、効率的な業務運営を行い、安定的な経営基盤を確立すること。あわせて職員満足度を向上させ、職員に魅力のある病院づくりに努めること。
1 業務運営体制の構築
(1)業務運営体制の構築
市立病院機構の運営が自律的かつ的確に行えるよう、組織体制を整備するとともに、機構内で適切な権限配分を行い、効果的かつ効率的な経営が可能となる業務運営体制を構築すること。
(2)質の高い経営
ア 病院のビジョンを明確にするとともに、全職員がビジョンや経営状況に関する情報を共有することにより、自律的に運営を行う仕組みを整備すること。
イ 中期目標、中期計画及び年度計画に掲げる目標を着実に達成できるよう、理事長のリーダーシップのもと、各部門責任者がマネジメントを実践すること。
ウ 診療科別及び部門別の損益分析等の手法を用いて、経営改善のために取り組むべき課題を明らかにし、効率的な病院経営に努めること。
(3)事務経営部門の強化
ア 経営企画機能を強化するとともに、経営効率の高い業務執行体制を構築すること。
イ より戦略的な病院経営を行ううえで必要となる医療経営、医療事務に係る専門知識及び使命感を持った人材の確保や育成を行うこと。
(4)業務改善に取り組む組織風土の醸成
ア 各職場における業務改善のための様々な取組を通じて、職員の積極的な経営参画意識と士気を高め、業務改善が常に実行される風土の醸成に努めること。
イ 病院全体として、医療の質や患者サービスを向上させるため、常に患者、市民、職員等の意見を取り入れ、業務運営を改善する仕組みを構築すること。
2 優れた医療スタッフの確保
(1)優れた医療スタッフの確保
ア 市立病院としての役割を果たし、安全で安心できる質の高い医療を安定的に提供できるよう、医師や看護師をはじめとする優れた医療スタッフの確保に努めること。
イ 教育病院として教育研修機能の充実を図り、臨床研修医及び後期研修医を積極的に受け入れること。
ウ 関係教育機関等と連携を強化し、優れた看護師及び医療技術者の確保に努めること。
(2)教育研修の充実
ア 医療スタッフの専門性や医療技術の向上を図るため、教育研修を充実するとともに、専門資格の取得等の自己研鑽や研究を支援するなど、教育研修制度を充実すること。
イ 知識、技術のみならず、患者への対応も含めた人材の成長を促す研修に努めること。特に研修医の研修においては、幅広い総合的な診療能力を有し、全人的な医療を推進できる医師の育成に努めること。
3 やりがいを感じる病院づくり
(1)意欲を引き出す人事給与制度の構築
医療現場の実情を踏まえつつ、職員の業績、職務能力、職責等を適正に評価し、職員の意欲を引き出す人事給与制度を構築すること。
(2)職員のやりがいと満足度の向上
各職種の適切な役割分担による診療周辺業務の負担の軽減や、職員の意見が反映される仕組みを構築するなど、病院で働く全ての職員のやりがいと満足度の向上に努めること。
(3)働きやすい職場環境の整備
ア 職員のワークライフバランスや職場の安全確保、コミュニケーションの活性化などを通じて職場環境の改善を図り、働きやすい病院づくりに努めること。
イ 病後児保育や短時間勤務制度の充実など、育児と仕事の両立を支援し、安心して働ける仕組みを整備すること。
4 効率的・効果的な業務運営
(1)組織・診療体制・人員配置の適切かつ弾力的運用
ア 患者動向や医療需要等の変化に即して診療科の変更や医師等の配置を弾力的に行うなど、効果的な医療の提供に努めること。
イ 様々な雇用形態の職員の活用を行うなど、柔軟な人材採用制度を検討するとともに、採用手続の迅速化にも努めること。
ウ 業務量に応じた適切な人員配置や業務の外注化など、人員体制の効率化に努めること。
(2)予算執行の弾力化
中期目標及び中期計画の枠の中で、予算科目や年度間で弾力的に運用できる会計制度を活用した予算執行を行うことにより、効率的かつ効果的な事業運営に努めること。
(3)医療資源の有効活用
他の医療機関との連携、病床の適正配置、医療機器の共同利用など、医療資源の有効活用を図ること。また、医療機器等の設備投資を行う際には、費用対効果を明確にし、その機器を有効に活用すること。
5 外部評価等の活用
(1)監査の活用
監事及び会計監査人による実効性の高い監査を実施するとともに、監査結果に基づき必要な見直しを行うこと。
(2)病院機能評価等の活用
病院機能評価等の評価項目に基づき、日頃から病院運営の改善に努めること。
(3)市民意見の活用
市民ボランティアや市民モニターを活用するなど、市民からの意見収集を通して、市民目線でのサービスの向上に努めること。
第4 財務内容の改善に関する事項
診療収入の増収及び費用の節減に取り組み、市立病院の役割を果たせる安定した経営基盤を確保すること。
1 経常収支の黒字の達成
市立病院としての役割を果たしながら、安定した経営基盤を確立するために、中期目標期間中の経常収支の黒字を達成すること。
2 収入の確保と費用の節減
(1)収入の確保
診療報酬改定や法改正に的確に対処し収益を確保するとともに、適正な病床管理による病床利用率の向上、手術及び検査の枠の見直しによる件数の増加、高度医療機器の稼働率の向上などにより、増収をめざすこと。また、診療報酬の請求漏れや査定減の防止、未収金の発生防止対策及び早期回収に努めること。
(2)費用の節減
後発医薬品の採用促進、長期契約の導入による診療材料等の調達コストの縮減、人件費比率の適正化、各種委託契約の見直しなどにより、費用の節減及び合理化を図ること。
第5 その他業務運営に関する重要事項
1 わかりやすい情報の提供
(1)積極的な広報
質の高い患者中心の医療、病院に蓄積された専門医療の情報、専門外来等の市立堺病院が提供するサービスを積極的に広報することにより、多くの患者に選ばれる病院づくりに努めること。
(2)適切な利用の啓発
地域医療における市立堺病院の役割等について、市民及び患者に情報提供し、地域における貴重な市立の医療資源として適切な利用が図られるよう、啓発に努めること。
(3)経営状況の情報提供
市立病院機構の経営状況について、市民の理解を深められるように、目的や対象に応じた適切な内容や媒体による情報提供を行うこと。
2 環境にやさしい病院づくり
温室効果ガス及び有害物質の排出抑制、廃棄物の減量、省資源及び省エネルギーの推進など、地球温暖化対策の推進と限りある資源の有効な活用に取り組むことにより、持続可能な低炭素社会の形成に寄与すること。
3 新病院整備の推進
(1)確実な整備の推進
新病院については、大阪府地域医療再生計画、市立堺病院将来ビジョン(基本構想)及び新病院整備基本計画に基づき、平成26年度中の施設完成を目標に整備を進めているところであるが、次の機能を備えた地域の中核病院として確実に整備を推進すること。
(ア)救命救急センター等の救急医療の機能
(イ)がん等の高度専門医療の機能
(ウ)小児・小児救急・周産期の医療機能
(エ)感染症医療の機能
(オ)災害拠点病院としての災害時医療の機能
(カ)地域医療連携の機能
(2)経費削減効果の確保
施設整備費及び新病院開設後の運営費について、民間の経営能力、技術的能力や管理手法を活用することにより、従来手法と比べて経費削減効果を確保すること。
(3)新病院の機能充実に向けた計画的な準備
新病院の機能拡充に伴う職員の増員に対応するため、医療従事者を計画的に採用するなど、新病院での機能充実に向けた必要な準備を計画的に行うこと。
(4)救急医療のネットワークの構築
新病院が、広域における三次救急機能を併せ持つ救急医療の基幹病院として機能すべく、関係機関とのより緊密な連携による救急医療のネットワークシステムを構築すること。
(5)救急病床からの転床・転院先の確保
救急医療の核となる病院として、その機能を十分に発揮していくためにも、救急医療用の病床からの転床、転院など、急性期を脱した患者の受け入れ先の確保に努めること。
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