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地方独立行政法人堺市立病院機構中期目標(案)に対するご意見の要旨とそれに対する本市の考え方

更新日:2012年12月19日

ご意見の要旨とそれに対する本市の考え方

(1)基本的な本市の考え方

 市立堺病院は、基本理念である「すべての患者さんの権利と人格を尊重し、安心・安全で心の通う医療を提供します」に基づき、人権と人格を尊重して医療提供を行ってきました。
 地方独立行政法人への移行にあたっても中期目標(案)において、市立堺病院の理念を継承し、地域医療機関との連携及び役割分担のもと、引き続き、救急医療等の政策医療も含め質の高い医療を安全に、安定的、継続的かつ効率的に提供するという公的使命を果たすとともに、市民及び患者へのサービスの向上と効率的な病院運営を行うことを地方独立行政法人に求めていきます。
 市立堺病院における障害者児への医療提供に関する具体のご要望や対応のご意見をいただきました。中期目標(案)では、障害者児への医療提供に特化した記述はしていませんが、市立堺病院の理念に基づき、障害者児をはじめ、すべての患者さんの権利と人格を尊重し、安心・安全で心の通う医療の提供を求めていきます。
 頂いたご意見を堺市地方独立行政法人堺市立病院機構評価委員会に提出し、意見を聴取してまいります。また、地方独立行政法人堺市立病院機構に伝えてまいります。

(2)各項目のご意見の要旨とそれに対する本市の考え方


意見項目 ご意見の要旨 本市の考え方
1 第2-1
(1)救急医療
 いつ発作が起こるかわからない不安と戦っている「てんかん発作」を持つ障害者児の親と本人への配慮をお願いします。
 自傷・他傷・パニックのため、民間の医療機関では断られることが多い、自閉傾向の強い障害者児を断らないでください。
 救急の場にも手話通訳者を常駐させてください。
(1から4について)
 市立堺病院の理念に基づき、障害者児をはじめ、すべての患者さんの権利と人格を尊重し、安心・安全で心の通う医療の提供を行うことを中期目標に示しています。
(1について)
 コミュニケーションに配慮が必要な方が安心して医療を受けることができ、誰もが利用しやすい病院づくりを行うことを中期目標に示しています。
(2について)
 それぞれの患者の視点に立った医療の提供を行うことを中期目標に示しています。
(3について)
 災害拠点病院としての役割について中期目標に示しています。
(4について)
 それぞれの患者の視点に立った医療の提供を行うこと、地域の医療水準の向上の観点から地域医療に貢献することを中期目標に示しています。
2 第2-1
(3)感染症医療
 感染症について、隔離の環境・トイレへの誘導・汚物の処理・清潔への意識等は、一般の患者以上に障害者児には配慮してください。
3 第2-1
(4)災害その他緊急時の医療
 障害特性によって各々の対応と全障害者に必要なことは異なります。指示の仕方・誘導の仕方・トイレの状況など具体的に把握していますか。具体的な把握のためにも、通常の受診時から、障害者児を「断らない」で対応してください。
4 第2-2
(1)がん・脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病への対応
 障害者も「がん」になりますが、自分の体の不調を訴えること、それ以前に「不調」と認識することが難しいことが多いです。特に、知的・自閉などの障害があると発見がはるかに難しく、その上、「検査の意味がわからない、検査時の諸注意(息を止める、じっとしている、向きを変える、内診台にあがる)、検査機器への不安・恐怖、せまい暗い場所への不安・恐怖、待ち時間をまてない、パニックになる、自傷・他傷をしてしまう」等のため、通常の検診が受けられず、地域の医院や病院で、検診・受診を断われることがあります。
 市立病院では「断わらない」で対応してください。そして地域の医療機関への啓発・指導を行ってください。
5 第2-2
(1)がん・脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病への対応
 障害者にとって特に「糖尿病」は自己管理が難しいです。食事の偏り、薬の管理・自己注射は難しく、家庭では親の負担、施設では看護師配置・派遣が必要です。  糖尿病治療に限らず、障害者児をはじめ、すべての患者さんに安心・安全で心の通う医療の提供を行うことを中期目標に示しております。
6 第2-2
(2)高度で専門性の高い医療の提供
 「必要に応じて診療科の再編や医療センターの機能を充実する」とあります。障害は、単独は少なく、色々な合併症や二次障害の中に精神科が必要な場合があることから、「精神科」が欲しいです。
 精神・知的・自閉症・発達障害・高次脳機能障害の人々には精神科の医師がチーム医療に加わって欲しいです。
 患者動向や医療需要等の変化に即して診療科の再編や充実等を行い、より病態にあった質の高い医療の提供や優れた医師の確保を行うことを中期目標に示しています。
 また、患者の視点に立った最良の医療を提供するために総合的な診療とチーム医療の推進を行うことを示しています。
7 第2-2
(3)総合的な診療とチーム医療の推進
 患者(障害者)の視点に立った最良の医療を提供するために「障害当事者や家族」との良好なコミュニケーションのもと、職種をこえた「医療+福祉」のチーム医療を推進してください。  患者の視点に立った最良の医療を提供するために総合的な診療とチーム医療の推進を行うことを中期目標に示しています。
 また、十分な説明を行い、同意を得るインフォームド・コンセントの徹底を行うことを示しています。
8 第2-3
(2)患者の視点に立った医療の実践
 障害者児が、医療の内容を理解できるための工夫をしてください。
  • 図・絵・パンフなどの活用
  • 手話通訳・要約筆記・点字の資料
  • 自宅に戻った後でも確認できるよう「確認票」の活用
 十分な説明を行い、同意を得るインフォームド・コンセントの徹底を行うこと、また、患者の視点に立った医療及びサービスの提供に取り組むことを中期目標に示しています。
 具体の工夫は、法人が行うものと考えます。
9 第2-4
(2)誰もが利用しやすい病院づくり
 「外国人など」とありますが、コミュニケーションに配慮が必要な方は、外国人に限らず障害者児にもいます。  障害によりコミュニケーションに配慮が必要な方が含まれることを、より明らかにするため、「外国人など」を「外国人や障害のある方など」に変更します。
10 第2-4
(3)待ち時間の改善
 「待つ」ことが難しい障害者児はたくさんいます。予約時間帯の配慮、別室での待機などは、患者へのサービスではなく、多様な患者が出入りする病院として必要な工夫だとおもいます。  待ち時間の短縮に取り組むとともに、患者の視点に立った医療及びサービスの提供に取り組むことを中期目標に示しています。
 具体の工夫は、法人が行うものと考えます。
11 第2-5
(1)地域医療機関との連携推進
(2)地域医療への貢献
(3)人材の育成
(4)疾病予防の取組
 堺市内の医療向上のための役割は大きいと思います。「健康福祉プラザ」との連携をしてください。障害者児はあらゆる病気・症状を合わせ持ち、地域では受診も難しいです。「外来受診」への協力、プラザ内での「障害者のためのがん検診・予防注射」などを行ってください。
 「障害者児が心おきなく入っていける病院」の第一歩としての「健康福祉プラザ」でのノウハウを市立病院から地域の病院へ広めてください。
 健康福祉プラザでのノウハウは、健康福祉プラザから発信してまいります。
 地域医療への貢献、保健福祉行政等との連携を行うことを求めており、健康福祉プラザとの連携も含まれます。
12 第2-5
(5)保健福祉行政等との連携
 これまでは、市の障害者児の担当所管との連携を、なかなか感じることができません。これからは繋がりをもってください。  保健福祉行政等との連携を行うことを中期目標に示しており、障害者児の担当所管との連携も含まれます。
13 第3-2
(2)教育研修の充実
 これからの医療を支えていく若い研修医の方々には、特に障害者児に対して、早くなれ親しんで頂きたい。  市立堺病院の理念に基づき、障害者児をはじめ、すべての患者さんの権利と人格を尊重し、安心・安全で心の通う医療の提供を行うことを中期目標に示しています。
 医療スタッフの教育研修の充実として、知識技術のみならず、患者への対応も含めた研修に努めることを示しています。
14 第3-4
(1)組織・診療体制・人員配置の適切かつ弾力的運用
 診療科の変更について、突然の診療科の変更は患者の不安につながり、受療権を奪うものです。次の医師が見つかるまでの地域医療でのフォローや紹介をしっかりお願いします。特に知的・自閉の場合に、医師の変更は、受診に大きな影響があります。  患者動向や医療需要等の変化に即して診療科の再編や医師等の弾力的な配置を行うことを中期目標に示しています。
 また、患者の視点に立った最良の医療を提供するために、医療の中心は患者であることを常に認識し、すべての患者の権利と人格を尊重した心の通う医療の提供及び地域医療機関との連携推進を行うことを示しています。
15 第3-4
(1)組織・診療体制・人員配置の適切かつ弾力的運用
 様々な雇用形態について、病院にとっては必要なことでしょうが、患者にとっては、派遣、パート、正職などの雇用形態の区別は関係なく「チーム医療」をしっかり行ってください。  質の高い医療を安全に、安定的、継続的かつ効率的に提供するとともに、患者へのサービスの向上と効率的な病院運営を行うことを中期目標に示しています。
 また、患者の視点に立った最良の医療を提供するために、チーム医療の推進を行うことを示しています。
16 第3-4
(1)組織・診療体制・人員配置の適切かつ弾力的運用
 外注化について、どのようなことを外注化するのでしょうか。情報の漏洩につながらないようにお願いします。  効率的・効果的な業務運営を行うため、業務の外注化などにより人員体制の効率化に努めることを中期目標に示しています。また、すべての職員に個人情報保護の重要性の認識とその管理の徹底を行うことを示しています。
17 第3-4
(3)医療資源の有効活用
 病床の適正配置について、「病院ショートステイ」の制度が、未だほとんど使われていない状況です。病院サイドの協力がないとせっかくある制度も使われませんので、ご協力ください。  現在、市立堺病院では「病院ショートステイ」事業を実施しており、法人に移行後も継続して実施していきます。
18 第3-5 (3)市民意見の活用  ボランティア、モニター以外にも、「障害福祉部」にあがってくる障害者児の意見を収集し、活用してください。また、各障害者団体との懇談会を実施してください。  保健福祉行政等との連携、患者のニーズや患者満足度を把握したうえで必要な改善策を講じることを中期目標に示しています。
19 第4-2
(2)収入の確保と費用の節減
 「病床利用率の向上」「高度医療機器の稼働率の向上」などの収入の確保策は、障害者児への配慮、対応をしっかり行ったうえで実施してください。  安定した経営基盤の確保ために、収入の確保を行うことを中期目標に示しています。また、患者の視点に立った医療の実践と地域医療機関との連携推進を行うことを示しています。
20 第5-1
(1)積極的な広報
(2)適切な利用の啓発
 積極的な広報や啓発には、「ホームページ」や「広報さかい」では、全く不十分です。
 本気で積極的な広報をするには、
  • 診察時に医師や看護師が、パンフなどわかりやすいものを見せながら説明する。
  • 受付や会計時の窓口で、もう一度啓発する。
  • 各々の薬局で薬の受け渡しの時に話をする。
    また、発信だけでは不十分です。
  • 広報・啓発を行ったときにしっかり話をきく、書きとめる、そのきいた話を医師に返していく。
 積極的な広報や啓発を、目的や対象に応じて適切に実施することを示しています。また、患者の視点に立ったサービスの提供に取り組むことを中期目標に示しています。
 具体の工夫は、法人が行うものと考えます。
21 第5-3
新病院整備の推進
 新病院が津久野に移ることで、この中期目標を下回ることなく、今まで以上に良いアクセスを確立し、障害者児が通院・受診・入院しやすい病院をめざしてください。  新病院の整備にあっては、市立堺病院の理念であるすべての患者さんの権利と人格を尊重し、安心・安全で心の通う医療を提供するに基づき整備を行います。
 また、ユニバーサルデザインの導入、新病院への利便性の確保など、患者さん・家族本位の病院をめざしています。

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健康福祉局 健康部 健康医療政策課

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