青少年から在大阪インドネシア共和国総領館ディアナ総領事へ質問しました
更新日:2022年11月11日
2022年6月に、インドネシアに興味のある人、外交官をめざしている人など、青少年を対象としたディアナ総領事への質問を募集したところ、約100の質問をいただきました。類似質問などは整理し30の質問にお答えいただきました。
ディアナ ES スティクノ総領事のプロフィール
Consul-General Mrs. Diana Emilla Sari SUTIKNO
2020年12月に在大阪インドネシア共和国総領事館の新総領事として任命され、2月に着任。インドネシア共和国ジャカルタ出身。ディアナ総領事の公役は1998年に始まり、インドネシア国内外において22年以上になります。
これまで国内外における多くの「MoU」(Memorandum of Understandingの略:契約や条約、協定などが正式に締結される前段階の合意書)の策定、締結等に携わっておられ、また、貿易交渉にも参加されるなど、外交官としての経験を積まれてこられています。
日本以外には、国際連合ジュネーブ事務所インドネシア代表部や国際連合本部インドネシア政府代表部での海外駐在の経験があり、社会的弱者(女性、子ども、高齢者、少数派など)の人権における外交をはじめ、平和維持、紛争後の平和構築、調停、国連安全保障理事会を含む国際平和と安全保障の問題など広範囲に携わってこられました。
また、2017年8月にはインドネシア食品医薬品協力局長に任命され、新型コロナウイルス感染症におけるパンデミック初期からワクチン、薬、研究所における政府のパイプ役として絶えず取り組まれました。
【学歴】
インドネシア大学 政治学部 政治学学士号取得 (ジャカルタ、1994年)
インドネシア大学 社会政治学部 国際関係修士号取得 (ジャカルタ、2000年)
イギリス政府が提供するチーヴニング奨学金を取得し、ノッティンガム大学 法科大学院 国際人権法 法学修士号を取得 (イギリス、2001年)
みなさんからの質問と回答
To see the original answers from Cosul General (in English) /総領事からの回答原文(英語)はこちら(PDF:115KB)
質問1. インドネシアを一言で言うと?
回答: 「ユナイテッド」 (意味)連合、団結、提携
質問2. インドネシアには自然が多いイメージがありますが、日本では珍しいが、インドネシアでは日常でよく見かける生き物はいますか?
回答: インドネシアは、世界で2番目に大きな熱帯雨林がある本拠地です。インドネシアの異なる地域にたくさんの違った野生生物が生息しています。私自身は、ジャカルタ郊外に住んでいますが、小さな爬虫類、例えばトカゲ、サンショウウオ、さらには数種類のサソリなどを見たことがあります。また、近くには、野生の猿がみられるエリアがあります。私は、一度、マクドナルドのドライブスルーを通過する時に、フェンス越しにこちらを見ている猿の家族に出くわしたことがあります。
質問3. インドネシアと日本の違いは?
回答: 気候が大きく違っていて、日本にはとても素敵な四季があることです。インドネシアでは、毎日が夏のようで、雨の多い「雨期」がありますが、暑いことには変わりありません。そして、日本には私たちの日常で使われているたくさんの優れた技術があります、例えばトイレはすべて自動(洗浄など)なことに驚きました。日本のどこに行っても(掃除されており)綺麗で、これもまた素晴らしいです。
質問4. インドネシア人は辛いものが好きですか?
回答:私を含む多くのインドネシア人は辛い食べ物が好きですね。でも、辛い物が苦手な人でも食べやすいインドネシア料理がたくさんあるのでご心配なく。
質問5. 日本では気にしない(問題ない)が、インドネシアでしてはいけない行為はありますか?
回答:インドネシアと日本には似たマナーやエチケットがたくさんあります。しかし、インドネシアでは、お酒を買うことができるものの、飲むという文化はありません※。ほとんどのインドネシア人はお酒を飲みません。また、インドネシア人は、食事の時などは左手を使わないようにしています。
※宗教上の理由により(インドネシアはイスラム教徒が多く、お酒を飲まないことから、公の場でお酒を飲む習慣がないそうです)
質問6. ユニークな生物や固有種がいれば教えてください。
回答:インドネシアにはたくさんの固有生物がいます。先にも述べたように、インドネシアには世界で2番目に大きな熱帯雨林の本拠地です。そこでは多くの生物が生息しています。インドネシアで最も有名な固有生物の一つは、コモド島に生息する「コモドドラゴン」という爬虫類です。聞いたことがあるかもしれませんが、コモドドラゴンは絶滅危惧種です。
質問7. 僕はサイが好きなのですが、インドネシアに絶滅危惧種や危険生物はいますか?
回答:悲しいことに、インドネシアには絶滅危惧種の生物がたくさんいます。インドネシアには絶滅の危機に瀕している「ジャワサイ」が生息しており、現在、世界に残っているのは推定67頭だけです。「オランウータン」もまた絶滅危惧動物です。これらの生物を失ってしまう前に保護していくことは大切なことです。
質問8. どうして外交官になろうと思ったのですか?また、いつ頃から?
回答:私が10代の頃、1985年にイギリスのマーガレット・サッチャー首相がインドネシアを訪問され、お目にかかれることがありました。その訪問に刺激を受け、インドネシアの外交や政治について学び始めました。1990年にインドネシア大学の政治社会科学部で政治を専攻しました、そして、1998年に私のインドネシア外交官としての職務が始まりました。
質問9. どうやって外交官になったか、またはどれだけの勉強が必要ですか?
回答:政治学学士号を取得したインドネシア大学で国際関係学修士号を取得しました。また、イギリスのノートルダム大学チェイブニング奨学金を得て、国際人権法修士号を取得しました。1998年に外務省で外交官採用募集があり、いくつかの外交官採用試験に合格し、私の外交官(外国サービス事務官)としての仕事が始まりました。
質問10. 外交官のやりがいは何ですか?
回答:外交官としてのやりがいはたくさんあります。インドネシアや他国における多くの人々と出会える機会ができ、また、その人々のために、問題解決のお手伝いができることです。
質問11. 外交官になって良かったと思ったことはありますか?
回答:外交官になってよかった思うことはたくさんあります。中でも達成感があるのは、インドネシア国民に助けが必要となった時、私と総領事館チームが、彼らを支援できた時です。彼らの人生(生活)が良い方向へと解決できる一助となれることが光栄に思います。
質問12. 外交官に1番必要なことは何ですか?
回答:外交官にとって多くのスキルが必要です。効果的にそして明確にコミュニケーションが図れることが大切です。正確に書けて、迅速に返答ができるということが大切です。そして、自分の上司(指導者)に誠実・忠実であることが大切です。効果的であるためには、タフであるが、公正な交渉者である必要があります。海外在住国民の保護を含め、あなたの国とその国益を代表しているので、適応性と機敏さだけでなく、困っている人々に対して共感と連帯感を持つ必要があります。
重圧の中で効果的な取り組みができる能力と、問題解決に向け自分の仲間を助ける能力が必要です。最後に、外交や国際関係に対して情熱が必要だと思います。
質問13. 外交官として心がけていることがあれば教えてください
回答:必要に応じて助けることができるように、敬意を払い、プロフェッショナルであり、注意深く耳を傾けることが重要です。さらに、(あなたの)行動が持つ政治的影響への可能性に注意してください。
質問14. 外交官の仕事(ミッション)で何か国行きましたか?
回答:24年の外交官としての仕事で、運良くこれまで3か国で職務に就き、50か国以上を訪問しました。
質問15. 色々な国でお仕事をすることについて不安などありませんか?
回答:いいえ、ありません。外国で仕事をすることに不安を感じたことはありません。インドネシアの素晴らしさを他国に発信しながら、新しく出会える人々、新たに学ぶ文化を経験できる機会を楽しんでいます。
質問16. 外交官をしていて、難しいと思う事や場面、経験などあれば教えてください。
回答:困難な場面はたくさんありました。それは外交官として私を成長させてくれることですが…私が抱えていた最大の課題は、ニューヨーク市での国連勤務での4年間、非同盟諸国の交渉を主導することでした。私は、119の非同盟国の有力な交渉者の一人であり、彼らを代表して交渉しました。私は119カ国のさまざまな職務(立場)を代表しているためプロフェッショナルに取り組まなければなりませんでした。
※非同盟主義の立場をとる国々。対立する大国や陣営のいずれにも組せず、中立の立場で積極的な平和維持をはかろうとする主義。
質問17. 人前で話したり、外国の方を含む多くの人と話をすることがあると思いますが、緊張したりしないのですか?
回答:もちろん、最初の頃は緊張しました。そうは言っても、海外の人と話したり、スピーチをしたりするときにあまり緊張はしません。一番大切なことは、私自身がしっかりと準備ができているかを確認することです。話す相手の人数は違っていても、毎日のように人前で話をすることが多いのですが、それは私の仕事における大部分を占めています。
質問18. 有名人にあったことはありますか?
回答:はい、たくさんの著名人にお会いする機会がありました。アメリカ・ニューヨークで、俳優のジョージ・クルーニーさん、マイケル・ダグラスさん、そして歌手のロッド・スチュワートさん(乗り合わせたエレベーターの中で)に会いました。ジュネーブの国際連合では、プリンス・オブ・ウェールズ(現在のイギリス国王チャールズ3世)が演説をされる際に参加しました。
質問19. 総領事は大変ですか?やめたいと思ったことは?
回答:総領事館の仕事は時に困難な場面があり、多くの異なる問題や課題が発生したりすることです。私の仕事はこれらの課題を乗り越え、誰にとっても良い結果となるようにサポートしていくことです。総領事館の仕事には任期があり、2~3年の任務となり、そして新たな挑戦へと続いていくでしょう。それはとてもやりがいのある経験であり、日本での時間を有意義に過ごしています。
質問20. 食べたい故郷の食べ物は何ですか?
回答:私は辛くてとてもおいしい西スマトラ州のパダン料理が好きです。
質問21. インドネシア料理のおすすめは何ですか?
回答:パダン料理がお勧めです。中でもレンダン(牛肉をココナッツミルクと香辛料で煮込んだ料理)と牛の脳みそのカレーの2つが私のお気に入りですね。
質問22. 大阪(日本)に来てびっくりしたことはありますか?
回答:すべてのものが(場所が)本当にきれいなこと(汚れていない、掃除されていること)が本当に驚いています。それが素晴らしいです。
質問23. 何の動物が好きですか?
回答:以前日本でキリンを見に行った時に、餌やりができる機会がありましたが、とても楽しめました。だから「キリン」が好きです。
質問24. 生まれ変わったら何になりたいですか?
回答:正直、他に何も思いつきません。今の仕事に就けたことが本当にラッキーであり、この仕事を愛しています。たくさんの素晴らしい経験ができ、インドネシアの素晴らしさを海外の人々と共有できることを楽しんでいます。
質問25. ディアナさんがインドネシアで一番おすすめの場所(お気に入りの場所)はどこですか?
回答:インドネシアにはたくさんの素晴らしい場所がありますが、中でもジョグジャカルタにあるボロブドゥール寺院がお勧めです。たくさんの美しいビーチと寺院、探索ができる火山や山々もあります。
質問26. インドネシアに戻りたくないですか?
回答:はい、いつもインドネシアが恋しいですが、外国で生活しお仕事することも楽しんでいます。
質問27. 夢はかなうと思いますか?
回答:夢を持つことは良いことだと思いますが、もし、あなたが本当にその夢を叶えたいと思うなら、しっかりと計画し一生懸命取り組む必要があると思います。そして、神様にもお祈りする必要があります。そうすれば、夢が叶うかもしれませんね。
質問28. 家族とよく食べるものは何ですか?
回答:私は、よく家族とかなり辛いサンバルソース(チリソース)を添えて、バクソスープ(お肉と魚のつくねスープ)とテンペゴレン(揚げテンペ)を食べます。
質問29. これからどんなことをしていきたいですか?
回答:私の最大の目標は、積極的に社会に貢献し、インドネシアの繁栄に貢献することです。
質問30. 日常は何をしているのですか?
回答:日本国内で、たくさん素晴らしいところを探求し、たくさんの素敵な人々に出会い、おいしい料理を食べてみることが最近の私の楽しみです。
参考
在外公館の仕事
1954年 兵庫県神戸市内に在神戸インドネシア共和国領事館開設
1973年 在神戸インドネシア共和国総領事館に昇格
1995年 阪神・淡路大震災により入居していたビルが損壊したため大阪へ移転し、在大阪インドネシア共和国総領事館として業務を開始する。
3つの主要な地方等からなる、17府県で構成されています。関西地方(大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県)、中国地方(岡山県、島根県、鳥取県、広島県、山口県)、四国地方(徳島県、香川県、高知県、愛媛県)とその他2県の三重県と福井県です。
西日本にある市民サービスの窓口である在大阪インドネシア共和国総領事館は、インドネシア国民の保護や領事業務を行い、管轄内の17,600人ものインドネシア国民を保護するため、非常に重要な役割を担っています。
在大阪インドネシア共和国総領事館のビジョンは、関西、中国、四国地方とその他2県内でインドネシア国民を保護するとともに、経済や、社会文化の交流を強化することにより、積極的かつ効果的な外交を実現することです。
そのビジョンを実現させるために、以下の4つのミッションを行います。
(1) 在大阪インドネシア共和国総領事館の管轄内で、インドネシアと利害関係者の間の協力と戦略的パートナーシップを経済と社会文化の分野で強化し、かつ発展させる。
(2) 在大阪インドネシア共和国総領事館の管轄内の地域住民に、行政、貿易、投資、観光、そして人的交流の分野でインドネシアに対して好意的なイメージを抱いてもらうように促進する。
(3) 在大阪インドネシア共和国総領事館の管轄内で、インドネシア国民に、卓越した最善の保護とサービスを提供する。
(4) 質が高く、標準化されたパフォーマンス管理と、あらゆる形態の腐敗を排除した官僚改革を実現させる。
具体的に在大阪インドネシア共和国総領事館は、以下の主な活動を行います。
・インドネシアの輸出業者と日本の輸入業者を結びつけるためのビジネスマッチングの実施と貿易協定への指導
・日本市場への参入が可能なインドネシア製品の展示会の開催
・管轄内からの様々な業種をインドネシアへ投資する誘致を行う
・インドネシア語を含むインドネシアの文化芸術を普及促進する
・管轄内のインドネシア国民と日本人への領事サービスを提供
【参考】URL KJRI Osaka (HP) https://kemlu.go.id/osaka/id
在外公館は、外国と外交を行う上で重要な拠点です。現在、世界各地に大使館、総領事館、政府代表部がありますが、それぞれに異なる機能を備えています。
大使館は、基本的に各国の首都におかれ、その国に対し日本を代表するもので、相手国政府との交渉や連絡、政治・経済その他の情報の収集・分析、日本を正しく理解してもらうための広報文化活動などを行っています。また、邦人の生命・財産を保護することも重要な任務です。
総領事館は、世界の主要な都市に置かれ、その地方の在留邦人の保護、通商問題の処理、政治・経済その他の情報の収集・広報文化活動などの仕事を行っています。
政府代表部は、国際機関に対して日本政府を代表する機関で、国際連合、ウィーンにある国際機関、ジュネーブにある国際機関と軍縮会議、OECD(経済協力開発機構)、EU(欧州連合)に対する政府代表部等があります。
出典: 外務省ホームページ:https://www.mofa.go.jp/mofaj/annai/zaigai/shigoto.html
在大阪インドネシア共和国総領事館について
主に領事業務を担当するインドネシア共和国の在外公館であり、同国外務大臣の直属である総領事が館長になります。
インドネシア共和国総領事館と堺とのこれまでの主な交流について
在大阪インドネシア共和国総領事館は、インドネシアの舞踊や音楽の公演会、インドネシア料理交流会などを堺市で開催したり、インドネシア伝統楽器「アンクルン」を市内小学校へ寄贈したり、また、堺まつりや堺市博物館などの視察や、インドネシア青少年団が毎年本国からクリーンセンター臨海工場への見学で堺を訪問したりするなど、多くの交流を堺で行っています。
堺市内小学校にてインドネシア料理教室
インドネシア高校生堺市クリーンセンター臨海工場視察
日本インドネシア国交樹立60周年記念コンサート ソフィア堺
ディアナ総領事の堺市長表敬訪問
在大阪インドネシア共和国総領館 ディアナ総領事プロフィール(PDF:203KB)
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