12 13 特集 広報さかい 令和4(2022)年9月1日 ------------------------------------------------------------------------------------------- 救急救命士に聞く 「目の前で人が倒れたら?」 命を救うために皆さんができること 救急車を待つ間、“命のバトン”をつなぐためにできることを 救急の現状を踏まえながら、救急救命士が解説します。 堺市消防局 救急部 救急課長・指導救命士 堀 英治 データが語る救急とAEDの“今” 救急搬送は急増中 ■7月の救急出動件数※1 4,364件 2020年 4,995件 2021年 6,782件 2022年 高齢化の進展に加え、猛暑による熱中症と新型コロナウイルス感染症の拡大により、救急出動件数は急増。体制を強化して対応しています。 AEDをもっと活用してほしい ■「まちかどAED」の登録台数※2 305台 2020年4月 402台 10月 509台 2021年4月 629台 10月 756台 2022年4月 1,004台 8月 AEDを有効活用するために、2019年10月に開始した市消防局の「まちかど救急ステーション事業」。 AEDの登録台数は増加中です。 救命は時間との勝負 ■時間の経過と救命率※3 100% 50% 0% 5分 10分 応急手当 救急車到着 応急手当が1分遅れるごとに救命率は約10%低下します。救急車を呼んでから到着するまで平均8分38秒※4。その間の処置が生死を分けると言っても過言ではありません。 応急手当で社会復帰率も増加 ■一般市民が心原性心肺機能停止を目撃した症例の社会復帰率※5 AEDによる電気ショック なし※6 9.2% 実施 44.8% AEDで適切な処置を受けられれば、日常生活ができる状態まで戻る社会復帰率が高まります。 ※1 市消防局「過去10年間の月別救急出場件数の推移」より ※2 市消防局「まちかどAED設置施設登録台帳」より ※3 公益財団法人日本AED財団ホームページを基に作成 ※4 市消防局の統計資料より(令和3年中) ※5 市消防局の統計資料より(平成29年~令和3年の合計) ※6 除細動適応でなかった場合も含む 119番オペレーターが あなたにできる応急手当をサポート 私たちが分かりやすくお伝えします。 1人で対応する場合 ◦肩をたたくなどで意識があるかどうかを確認 ◦倒れたところを見たかどうかを伝える ◦最後に意識があった時間を伝える ※1人の場合は心肺蘇生を優先するため、AEDを取りに行くことは指示しません 複数で対応する場合 ◦1人は心肺蘇生法の実施 ◦他の1人はAEDを取りに行き、パッドを装着 ◦サイレンが聞こえれば、1人が救急隊員を誘導 通信指令課オペレーターからのアドバイス 意識・呼吸の有無を確認後、なければ勇気を持って心肺蘇生(胸骨圧迫)をしてください。 呼びかけても反応がない、急な胸痛や経験のない後頭部の痛みのほか、話し方がいつもと異なる、体の一部が動かしにくいなどの症状があれば重篤な病気の可能性があります。 その時はすぐに救急車を呼んでください。 救急車を呼ぶべき?判断に困ったら#7119 ※つながらない場合は☎06-6582-7119 突然の病気やけがで困った時に、電話で相談ができる「救急安心センターおおさか」。 看護師が医師の支援体制のもと、24時間・365日電話で応対し、適切なアドバイスを行います。 詳しくはこちら➡ 「まちかどAED」で救われた命があります 昼休み、社員の1人が突然いすから崩れ落ち、尋常ではない大きないびきに居合わせた社員が直ちに119番へ通報。「オペレーターの指示の伝達」「胸骨圧迫」「近くのコンビニへAEDの受け取り」「AEDのセッティング」を4人で分担し、救急車が来るまでにAEDによる電気ショックを与えました。 4人がつないだ命のバトンによって、倒れた社員は後遺症もなく社会復帰を果たしています。 Qオペレーターからの指示で冷静に対処できましたか? その時はとにかく必死で…。胸骨圧迫やAEDの知識がなかったので、対処できたのはオペレーターさんの的確な指示のおかげだと後から思いました。 Qこの経験で「救命」に対する 意識は変わりましたか? いざという時、知る知らないの差は大きいと痛感し、すぐに消防局の応急手当講習を受けました。必要時以外、AEDは作動せず怖くないなど知識が増えました。 Q助ける勇気を持つためのアドバイスをお願いします 今でも思い出すと怖さに涙が出ます。知識を持つことは、人命救助の一歩を踏み出す勇気になります。AEDはためらわず使ってほしいです。 心停止直後には「いびき様呼吸」など普段どおりでない呼吸がみられます。 そんな緊迫している中、同僚4人が分担し、チームワークで対応されたことが救命につながりました。 患者さんの回復をうれしく思います。救命の連鎖を開始した勇気ある行動に敬意と感謝でいっぱいです。この事例を多くの方に知って頂きたいです。 耳原総合病院 総合診療センター長/副病院長 大矢 亮 医師 オペレーターの指示でAEDを取りに 行ったコンビニエンスストア 「まちかどAED」ののぼりとステッカーが目印 市消防局管内に約1,000台! 「まちかどAED」は身近なところにあります 市消防局では、AEDの設置情報を登録し、日ごろから確認できるよう公開しています。119番通報時には公共施設、駅、スーパーなど近くのAEDを速やかに案内します。 「まちかどAED」マップ いざという時のためにブックマークをお願いします GoogleマップでAED設置施設を確認できます。 詳しくはこちら➡ AEDの使い方を動画でチェック⬇ こんな時どうする? 女性の場合、AEDの電極パッドを直接素肌に貼ることができれば、服を着たままでも使用できます。 応急手当講習を受けてみませんか AEDを含む心肺蘇生法をはじめ、止血法などを習得する講習会を行っています。あなたにできることを学びませんか。 ※新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い一時中止しています  再開時期はホームページでお知らせします 詳しくはこちら➡ 問 救急課(☎238-6049 ℻221-9740) ※撮影時のみマスクを外しています