12 13 特集 広報さかい 令和4(2022)年8月1日 ------------------------------------------------------------------------------------------- 市では、子育て支援の取組の一つとして ひとり親の方の「今」と「未来」を応援しています 「将来の夢なんて考える年齢でもないし…」「お金や仕事に老後のこと。将来に不安ばかり」5年後、10年後、その先の「未来」のこと、考えたことはありますか。 仕事、子育て、介護、新型コロナ…自分の「今」に精いっぱいで、「未来」を考える余裕がない方も多いのではないでしょうか。 ひとり親の方が「未来」を考えるにあたっては、「ひとりで悩まないこと」「今からできる将来への備え」が大切です。 今回、ひとり親の方とファイナンシャルプランナーに話をお聞きしました。 あなたらしい「未来」を描くヒント、探してみませんか。 ひとり親の方にお聞きしました  ヒント1 とにかくひとりで悩まない “つながり”は、将来への希望になる 一番下の子が生まれた直後に離婚し、最初の1カ月くらいはずっと落ち込んで、 お金の不安も抱えながら過ごしていました。 それから約5年。今は仕事と育児に加え、ひとり親の交流会で自分の経験談を話すなど、充実した日々を過ごせています。 私が前向きになれたきっかけは、いろいろな人に頼った結果、“つながり”ができたことだと思います。 最初の相談先 堺市母子寡婦福祉会の交流会に参加。年配の方が多かったので、母親に相談するような感じで安心して話ができました。 前向きになれたきっかけ 離婚直後、賃貸を借りるのが難しく、市営住宅にも入居できませんでした。そんな時、友人からのアドバイスで、「子どもへの財産に」という思いから、一大決心をして家を購入しました。 交流会での活動 ひとり親の方を勇気づけたいと思い、ひとり親支援協会の「エスクル」や市の交流会で自分の経験を話しています。同じ立場の人と話をすると、自分に生かせることもあるし、元気をもらえることもありました。 子どもには、できるだけ楽しんでいる姿を見せています 人とのつながりで、私の「未来」が変わりました。 ひとり親の相談先や支援団体はたくさんあるので、勇気を出して一歩踏み出せば、きっと自分に合った所が見つかります。もし合わなくても「よし、次探そう!」くらいの気持ちで、たくさんの人に相談してみてください。 →相談先は11ページに掲載しています  ファイナンシャルプランナーにお聞きしました ヒント2 ライフプランを考える あなたの「未来」のことも大切にしませんか お子さんの成長で出費が増えたり、手当が終了したり、 先行きが見えなくて何となく不安に感じたりするひとり親の方もいるかもしれません。 まずは「今」を知ることが大切です。そして将来に備えることで、お子さんとの暮らしや、 その先のあなた自身の生活を見通すことができるようになります。 「今の生活で精いっぱい!将来を考える余裕なんて…」と思う時こそ、少し立ち止まって考えてみましょう。 ファイナンシャルプランナー 株丹さんのアドバイス 1 ライフイベント表でこれから必要になるお金を知る 今から数年先までの、家族の予定を年表にしてみましょう。 年 2022 2023 … 2032 家族の年齢(歳) 自分 35 36 45 長男 6 7 16 長女 2 3 12  ライフイベント 長女が保育園入園 長男が小学校入学 … 長男が高校入学 かかるお金 金額(円) 50,000 80,000 150,000 内容 入園費用 入学費用 入学費用 ※記載の金額は一例で、園や学校によって異なります これからお金が必要になるし、収入を増やしたいな… 資格を取ってみよう! 2 家計簿で家計バランスをチェックしてこれからに備える 無意識に使っている出費を見直し、貯蓄できる額、増やしたい収入額を考えましょう。 よくあるお悩みにお答えします 今の生活で精いっぱいで 老後の年金のことまで考えられません… 年金は、未納の分だけ将来もらえる金額が減ります。追納や一部免除の制度もあるので、うまく利用しましょう。 収入が増えると 児童扶養手当がなくなってしまうのでは? この手当は、一定の収入を超えると10円から段階的に変わる仕組みです。急に全くもらえなくなったり、収入が増えた分減額されたりするものではありません。また、将来の年金などを考えると、収入を増やすメリットの方が大きい場合が多いです。 ひとり親の方を対象にファイナンシャルプランナーによる家計相談を行っています。 詳しくはこちら➡ 収支を把握してライフプランを考えるきっかけにしませんか。 「忙しくて考える機会がない」という方こそ、ぜひセミナーや家計相談に来てください。 ファイナンシャルプランナー 株丹 いずみ さん フードパントリー「エス・パン!」 食を通じて、笑顔を増やしたい 私たちは「頑張っているひとり親を応援したい」という思いで「エス・パン!」に参画しています。月1回食料品をお渡しするだけで劇的に暮らしは変わりませんが、その食料で皆さんが笑顔になり、人の温もりを感じてもらえればうれしいですね。 コロナ禍で人と人との関わりが薄れがちですが、フードパントリーやフードバンクは食料を通じてたくさんの笑顔とつながりを生み出す仕組みです。食料寄附やボランティアなどさまざまな形で支えられながら一人でも多くの笑顔を増やしていきたいです。 NPO法人 ふーどばんくOSAKA 事務局長 森本 範人さん 「子どもを笑顔にしたい」とお菓子の寄附が多いという お渡しする食料品には相談先などの情報と、心を込めた手書きメッセージを添えている 「エス・パン!」についてはこちら➡ 「未来」はあなたのもの 「未来」を描くことは誰にとっても簡単ではありません。育児、家事、仕事を一人で懸命に担うひとり親の方にとってはなおさらです。けれど、かけがえのないご自身とお子様の人生です。少しだけ立ち止まって考えてみませんか。 「未来」につながる「今」を正しく知ること。一人で考えるよりも、いろいろな人の意見や経験談にヒントがあるかも知れません。行政はもちろん、民間支援団体や地域のさまざまな方が応援しています。まずはあなたにとって話しやすい人に相談してみてはいかがでしょうか。 子どもの未来応援チーム ※撮影時のみマスクを外しています 問 子ども家庭課(☎228-7331 ℻228-8341)