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第5回堺市自転車利用環境計画策定検討懇話会議事録

更新日:2013年4月2日

日時

平成25年2月5日(火曜) 14時から16時

場所

堺市役所 本館地下1階 職員会館 多目的室

出席者

議題

1 堺市自転車利用環境計画(素案)の報告について
2 その他

議事内容

開会挨拶

自転車まちづくり推進室 渡邊室長より挨拶

議題1 堺市自転車利用環境計画(素案)の報告について

事務局説明
 素案の報告と計画策定から条例制定に至るスケジュールについて説明

初谷座長
 前回の懇話会の時に龍野委員から質問と指摘を頂いています。前回の議題で、自転車通行空間の確保や自転車ネットワークの形成に向けて議論をしましたが、その中でやはりこの懇話会の性格を考えた場合に、例えば素案の27ページの真ん中に自転車レーンについて、規定はあるが、まだまだ少ない現状にあるという表現が出てきます。その辺りで、龍野委員から、今後の道路開発というものは、自動車と自転車を分離することについて、何か指針を作らないと、地域の希望が強い所に、部分的に対応し、パッチワークのように繰り返すのでは大きな方針として望ましくないのではないかという意見がありました。
 また、パブリックコメントが4月~5月に予定されていますが、それまでに、ある程度はっきりとした、市民にご判断頂くための縁(よすが)になるものを示すべきではないか、そうすることが本当に住民の声を大事にするということではないかという質問がありました。これについて、事務局、経過と状況を説明頂けますか。

事務局
 新金岡地区の通行環境について、新金岡80号線、並びに金岡公園の周辺で自転車道、自転車レーン、そして、歩道の中に青いペンキで通行空間が分かるような、この3つのパターンで、整備を進めています。昨年7月~8月にかけて、1500件の方々にアンケートを配布し、四百数十件の回答を頂いて、昨年結果を集計したところです。しかし、皆様のご意見が多岐にわたっており、現在精査しています。貴重な意見をいかにして有効に活かすのか、現在その内容と意見への回答のし方について、検討しています。目途として、3月末にまず新金岡地区がある北区の龍野会長に回答すること。そして関係の方に回答を直接お示しし、その回答内容が分かるように、ホームページにも掲載しようと考えています。また、不足部分は随時アップしていこうと考えています。

初谷座長
 アンケートを取っても、住民の皆さんの意見が分かれている中で、どのように解釈し、どう活かすかについて市でも丁寧に作業をしたいという話です。3月の末に回答をして、かつホームページでどなたでも閲覧できる状態にするということです。ですから、自転車通行環境の整備効果がどうだったのかという質問であると同時に、整備を進めるための考え方や指針をもう少し示して、パブリックコメントにかけてほしいというニュアンスの質問だったということで、龍野委員、よろしいでしょうか。
 皆さんも特にご異論がなければ次の話題へ入りたいと思います。
 第1回から第4回の懇話会で皆様に意見を頂き、事務局は計画の素案を作成しました。頂いた意見は資料2の概要の計画の理念や、施策の展開等に反映されていますが、改めて計画の策定に向けたスケジュールを資料3に沿って確認をし、これから素案をどのように考えていくか、あるいは今日さらに煮つめるかという議論になってきます。
素案がまとまってきましたが、実際に、市民の方々に周知されて、よく理解して頂くことが特に大事だと思います。本日の懇話会の1週間後の庁議で計画案が諮られ、翌日に市長記者会見が予定されていて、計画についての話題も盛り込まれる可能性もあるということです。やはり、市長から一番に計画について発信してもらうというのは大変良い機会だと思いますので、それを1つの吉所にして、ここに集まっている委員の皆様方、この計画をご覧頂いた方が、次々とこの計画をPRして頂いて、市民の皆さんに広く伝えていく。そこで、この計画で特にどういった点を配慮し、力を入れていることを強く案内し、またPRすべきなのか、意見を頂きたいと思います。
 もちろん、この部分はこうするべきではないかとか、もう一度ここを見直したらどうかといった意見も含めて、この案をパブリックコメントにかけた暁には広く市民に知って頂き、利用して頂かないといけないという目線でご意見をおっしゃって下さい。

三船委員
 全体的に非常に分かりやすくまとまっている中で、自転車利用のメリットには、確かに経済、健康、移動の優位性の3点はありますが、タイムリーな話題として東日本大震災が起こった際、堺市から大槌町に、自転車を60台送りましたので、「災害に強い」自転車という文言がどこかに入らないかと思います。自転車利用のメリットの中に入るのか、「使う」の施策の中に入るのか、環境に優しいこととまちづくりに加えて、もう1つ、「災害に強い」という文言が入らないかと考えています。

初谷座長
 私も昨年の夏に大槌町を拝見しまして、高台から、かつての赤や青の屋根の町並みが広がっていた景色を見渡すと本当に言葉を失いましたが、その中でも着実に復興への取り組みが進んでいます。たくさんの応援が各地から入っており、堺市もその一員として、積極的に応援の一端を担っていますが、そういうことを、どこかに記せば良いのではないかと。   
 また、堺市の防災会議でも、やはり沿岸部の今後の課題として、非常に真剣に取り組んでいる問題でもあるので、何か触れないといけないと考えられたと思いますが、どうですか。

事務局
 東日本大震災の時に、堺市は「自転車のまち」であることから、災害支援として自転車を送りました。地面に瓦礫などが散乱している時に、自転車で通るとパンクするということで、まず、コミュニティサイクルの自転車を100台ノーパンク化して、災害支援として送りました。ノーパンク化した自転車ですので、瓦礫があっても走ることができ、災害の支援等に役立てて頂きました。また、本市でも災害が発生した場合に対応出来るように、現在運用しているコミュニティサイクルの自転車50台をノーパンク化し、利用者の方々に使って頂いています。災害発生時には、その自転車を使って災害支援や移動が出来るよう対応しています。

三船委員
 コミュニティサイクルのシステム自身が防災の一端を担っているということですね。

中村委員
 災害に強いメリットということに同感ですが、メリットというのは3つに分類できると思います。1つは津波が来た時に逃げる手段としての自転車の優位性。2つ目が東日本大震災の時に大停電を起こった際、いわゆる帰宅難民という方が大勢おり、そういう状況で自転車が非常に有効でした。3つ目としては、災害復興にあたる時のコミュニケーションツール、あるいは道具を運んだりする。そういう3つの面があると思うので、災害に強い自転車のメリットを説くのであれば、その施策の中で3つのメリットをどう活かすという、備えというのが大事かなと思います。

初谷座長
 災害やその復興過程での自転車の活用利用、その優位性も、3つぐらいに分けて考えられるという意見です。

大町委員
 点字ブロックが雨で濡れると非常に滑りやすく、また、盛り上がったり、跳ね上がっているところもあります。これは、歩行者も危ないですが、自転車も滑って転んで事故になることが非常に多いと聞いています。水に濡れても滑らない素材の点字ブロックを使ってもらえたらという意見を聞いていますので、参考にして頂けたらと思います。

初谷座長
 その話題に入る前に、先程の災害と自転車の問題について、整理をいたします。意見の発端は、このメリットに書き込んではということでしたが、これは自転車利用環境計画の所管部局だけではなく、防災担当の部局における市の計画で、災害時の移動手段として自転車をどのように位置づけているかということと整合性を図る必要があるので、表現は考えていくとして、何らかの形でどこかに触れるとすれば、どの辺りがよろしいでしょうか。

武田委員
 「利用促進」かと。災害に役に立つということで、「使う」というところ。

初谷座長
 素案の34ページ 第4章第1節の利用促進のところです。先程、さかいコミュニティサイクル事業について、ノーパンク自転車が現実に活用されているという、事務局の話もあったので、例えば第4章第1節(1)の文章の中に、現状を踏まえ、今後も取組んでいきたいという形で入れ、かつ、ここだけではなく、何か計画の目標を、総論的なところで少し配慮する必要はないでしょうか。ここで用いている安全という言葉は、歩行者や運転者といった単体レベルの安全といった問題ですが、もっと災害に対するまちの安全と自転車の関わりみたいな形になる、という議論です。
 行政の計画というのは、例えば43ページの自転車ネットワークの案にしても、自転車の計画という立場からはこういう絵柄ですが、防災や災害想定といった図面と重ね合わせた時に、これがどう見えるのか、いろんな他部局の様々な地図と重ね合わせた時に、どのように書かれていると有効に働き得るのかということを、実際に動かしていく上では考えていかないといけません。

吉田座長代理
 東日本大震災の時に、防災会議からいろんな資料が出ており、避難時の交通手段のデータがありました。残念ながら東北沿岸部は、それほど自転車を持っている方がおらず、それでも持っている方は、自動車と徒歩と自転車を比較した場合、やはり徒歩よりもかなり長い時間、長距離を避難している実態は確認できています。それから、車に関しては、渋滞や信号が停止したなどの問題があり、なかなか思うように自動車で避難することができなかったというケースが出ており、避難、復旧、復興、帰宅困難という新しい課題を、これからの防災計画で作っていかなくてはいけない中、どんな活用ができるかは未知数だと思います。計画の中身が日常的な自転車利用になっていますが、どんなシチュエーションで活用出来るかというのは、これから研究や、いろんな団体を通じて可能性を探っていく必要性があります。例えば、避難訓練で自転車を使って広域の避難所まで逃げた時にどれぐらい時間がかかるのか、皆で知るような活動をするとか、いろんな利用ニーズがあると思います。まだどんな効果があるか分からないものに関して、全く書かないよりかは、それらの活用の可能性について、いろんな市民団体活動やいろんな勉強会の中で、上手く将来性に向けて書くという程度でしか、今の段階ではできないと思います。
 書くところに関しては、施策の展開で良いと思うので、その中で可能性について、もう少し幅広く書いてはどうでしょうか。例えばノーパンク自転車も初めて知られた方が多いでしょうし、知っていたとしても利用したことない方がほとんどでしょうから、広く市民の方々に認知してもらいながら、どうやって活用していくのか、非日常的な災害という時にも活用するためにはどうしたら良いのかといったことは、今後、議論を重ねていくべきだと思います。前回の地震等でいくつかの可能性が示されているのは間違いないですが、それに関わるきっちりとしたインパクトのあるデータを私の方でも探してみたいと思います。

武田委員
 堺市がノーパンク自転車を送った件は、我々の組合がお手伝いをさせて頂いたので、具体的に分かります。今回が初めてではなく、阪神大震災の時に、水を運ぶなど色々な援助に行った際、自転車自体はすごく役に立って良かったが、パンクで困るという問題が教訓となりました。その時から十数年経って東日本大震災の際に、先に300台の自転車を送っています。地震があってから2週間で品物が到着したそうです。2週間というのは、一番初期の段階、まだ片付けも出来ていない段階の中で援助が出来ないかという時に送られました。だから、被災地では早くから自転車を持っていたので、役に立ったと思います。阪神大震災の時にはそういう事が分かっても何も出来なかったが、東日本大震災のときにはノーパンク自転車ができていて、それがタイミングよくうまく使われたと思います。

初谷座長
 堺市は自転車のストックがある分、いち早く災害時に対応出来るという強みを持っていることを、武田委員の方から紹介頂きましたし、吉田座長代理からは、色んな場合が想定されるので、これからもう少し勉強していきたい課題だということです。
 先程の帰宅困難の問題についても、堺市の場合はどの程度の状況になるか分かりませんが、昨年、千代田区の防災担当の方と話をする機会があったときに、同区の場合は、やはり帰宅をできる限り控えて頂きたいと言っておられました。そのあたりとの兼ね合いも、防災部局ではどのように受け止めていて、これから堺においてどのように展開したいと思っているかを、よくヒアリングして頂き、書く場所としては34ページの第4章第1節の前に6行ほど文章があります。この文章に少し足す形で、今のような問題意識と、これからも引き続き課題として検討していきたいということを述べ、なおかつ(1)のコミュニティサイクル事業の文章のところに、現に堺の特性や、優位性というものを活かして、こういう支援活動も行われているというくだりを少し書き加えて頂くのはいかがでしょうか。

吉田座長代理
 19ページの第2章の第4節、これまでの取り組みというところに、武田さんから案内頂いた事例について、これまで防災面とか震災の時に、どのように自転車が活用されてきたのか、その時にどのような取組みをし、支援してきたのかということをここに書いておくだけでも可能性は十分示されると思います。それで、先程の文章とセットになっていれば、これからさらに検討していくということで、事実に基づいて、次に続くと思います。

初谷座長
 19ページがこれまでの取り組みなので、そういう風に加えて、今後について触れている34ページにおいても文章のところで引き続きの検討と、それからさかいコミュニティサイクル事業の部分では、新たな活用についても少しだけ触れておく。文章の入れ方等については、私ども座長、座長代理にお任せ頂けますでしょうか。
 それでは、先程、大町委員から頂いた意見について、事務局で何かコメントございますか。

事務局
 点字ブロックの滑りについては、点字ブロックに限らず、歩道を歩いたり、または通行する場合、どうしても雨が降った時に滑ることが多いということで、堺市ではバリアフリーに関係する舗装面の透水性舗装なども条例化しております。滑り止めの材質についても、配慮した形に変えていったり、整備をしています。主には、道路部と、各地域整備事務所の部局がタイアップして整備しています。

浦委員
 先ほど点字ブロックについて発言があったので、聞いていると、少し不安を抱きます。点字ブロックというのは、視覚障害者が一人歩きするのに必要な補助であって、これを一般の人が点字ブロックで滑る危険性と比較すると、視覚障害者が一人で歩行するには、点字ブロックなしでは安全に歩けません。こういう認識が一般の人には欠けているのではないかと思います。だから、自転車が走行するのに点字ブロックで滑ると言っているのは、点字ブロックに対する認識が欠けているのではないかと思います。点字ブロックの滑りよりも、もっと危険な障害物があると思います。点字ブロックは目の代わりであり、これを足で辿って歩くという、我々にとって欠かせない1つの補助ですから、計画を策定する際には、十分考えて頂きたいと思います。自転車に乗る人にとって、危険性があることかもしれませんが、やはり何のためにあるのかという、認識を持って頂きたいと思います。

大町委員
 誤解があってはいけないので説明しますと、点字ブロックのことを言われた方は、障害を持たれた方が危ないという意味でおっしゃったと思います。自転車でも滑って転ぶのだから、歩いている障害を持たれた方が跳ね上がっているブロックで転倒しているというのもあると思います。だから、滑りにくい素材で点字ブロックを整備してほしいという意味だと思います。点字ブロックがあるから滑るのではなく、濡れた時に危ないからそこを滑らないような形にした方が良いのではないかという意見だと思います。

初谷座長
 大町委員がおっしゃった、点字ブロックのことですが、案で言いますと37ページに点字ブロックの話題が少し出て来ますが、さっきはここをご覧頂いたんでしょうか。

大町委員
 27ページです。滑らないような素材を使いますということが分かったら良いと思ったのです。滑ることが多いので障害を持たれた方も危ないのではと聞かれたので。

江原委員
 通行環境の整備の中で距離とかスタイルとか書いていますが、この中で路面がどうかということも加えておいたらいかがかなという提案だと思います。

大町委員
 滑ると危ないから、整備の際には気を付けたらということです。細かいことなので文章として入りづらかったら、あくまで参考にして頂いたら良いと思います。

事務局
 26ページの整備方法のところで、この青いペンキを塗る場合も、実際に、材料に滑り止めを混ぜていますので、文章の書き方としては、整備の中で滑りについて配慮した材料を使っていくというように変えさせて頂くということでよろしいですか。

初谷座長
 今、事務局がおっしゃった26~27ページの話は点字ブロックの問題ではないですよね。

事務局
 大町委員がおっしゃったのは、一般的に歩いていて、滑りにくい素材を使ってくださいという認識かと思い、説明いたしました。26ページの整備方法(3)歩道の視覚分離という形で、歩道の中に青く塗る場合は特に歩行者の方と自転車が錯綜するので、マナーとして歩道部分、特に点字ブロックのところは自転車で通らないよう指導しています。
 青い塗装をするところは滑り止めを配慮という表現の方が、青いラインを自転車は通ってくださいというように明確化できるかと思います。点字ブロックを通行する場合はという表現だと、矛盾するかと思いますし、あえて書くことで、間違った解釈をされると困ると思います。

初谷座長
 その通りですが、大町委員と浦委員の意見を反映するならば、むしろ37ページの第2節の守る、安全利用のところの、点字ブロックに触れているのが事業8の3番目、協働による交通ルールとかマナーとか啓発のところになります。ここに浦委員がおっしゃったことを踏まえて、点字ブロックの整備そのものが、非常に重要なことだと改めて念押しするとともに、重要なことなのでここに書いている啓発を徹底したいということで、納めておいてはどうかと思います。材質の問題などはこの計画に事細かに書くよりは、懇話会での意見を踏まえて配慮して頂くということでよろしいですか。
 それでは、堺市は堺の特色・強みを積極的に生かしていこうという考えのもとで我々も集まっていますので、そういう観点から、今後パブリックコメントを経てPRし、浸透をはかっていく上でどういう点を、我々自身が訴えていく必要があるのか、再度お尋ねしたいと思っています。その前提として、各地の計画、条例等にも通じておられる吉田座長代理に少しお伺いしたいと思います。今回の案で、堺の特色や、他の自治体より進んでいる点など、自負できる部分はどういう点ですか。

吉田座長代理
 私の学科は都市学科というインフラ関係の整備に関わるところで、自転車に関しては、例えば交差点の処理はどうするかなど、国の基準がそもそも決まっていない状況の中で、その辺りをサポートしています。その関連で、いろんな自治体の計画も見せて頂いています。
 大まかな特徴としては、1つはやはりソフト面で、様々な、楽しい自転車のイベントや教育を、具体的にどのようにして市民活動の中で位置づけていくかということが多いと思います。通常、こういう計画では、物をどれぐらい、どの程度いつまでに作るかという計画に落ち着いてしまいますが、堺市の計画は、いろんな意見を頂いたので、具体的に10年後がイメージできるようになってきたと思います。ただし、堺には他の都市にはないいろんな資源があるのに十分に生かしきれていない部分があるので、どうやって引き出していくのかというところは、ポテンシャルがあると思います。具体的なアイデアをどのような形で出していくか、もしくはこの計画の中で具体的に書けなくても、今後10年の間に着実に実行していくというように、何らかのプロセスを規定するような文言を入れられないかご検討頂けたらと思います。「楽しい」ということを10年後に実現するためには、どんなことをすべきなのか、是非アイデア等出して頂けたらと思います。
 以前、事務局と話していたのは、自転車というと皆さん、通常思い浮かべるのはママチャリです。時代が変わって、パフォーマンスの良い乗りやすい自転車もたくさん出ている一方で、市民のイメージとしては古い自転車のまま残っている。そういった意識改革をどうやっていくのか、いろんなアイデアを出して頂けると良いと思います。

初谷座長
 全国に共通する課題なので、類似の取り組みをしている自治体も多い中、やはり堺ならではの取り組みの支えとなる計画が出来たということを、市長からもしっかりと発信して頂けたらと思うので、事務局から市長に伝えて頂く。今回の記者会見には入らなかったとしても、いろんな機会を捉えて市長が自転車のことに触れる時には、ポイントを、繰り返し発信していくことで、たくさんの市民の耳に触れ、あるいは市以外の方の話題に上ってくると思います。
 吉田座長代理がおっしゃるように、今回の素案が他と比べて非常に市民の活動を具体的に示唆しており、その辺りの手掛かりがずいぶん盛り込まれています。地域資源について、実際どう活かすのか、もっと潜在的にいろんな可能性が広がっているという意見です。

武田委員
 一番新しい指針が、昨年11月下旬に国土交通省と警察庁から出た「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」です。この中に、自転車をどう利用するかということが、詳しく出ていました。このガイドラインにあって、堺市の計画にないもの、堺市の計画にあってガイドラインにないもの、どちらにもないものというのがあると思います。今までの条例も国の大きな指針に基づいていると思いますので、我々が議論している内容は、今回のガイドラインにも含まれているものも、足りないものもあります。我々がずっと議論していた交差点に関しては、自転車レーンや専用道があれば交差点はそのまま直進しなさいということが、そのガイドラインにも書いてあります。現在の堺市の状況は、自転車道やレーンがある一方、歩道があれば歩道の横に自転車の横断のラインをひいている場所もある。そのような場所で、法律に従うと、車道を走っていても、交差点を渡る時は歩道まで行って、そして歩道の横を走らないといけない。そうしないと、厳密に言うと罰金ということにもなります。そういうこともこのガイドランで整理して出ていますので、上手く我々の計画と整合性をとらなければいけないと思います。
 自転車は安全性が大変大事で、必ずメンテナンスや点検が必要です。ところが、消費者のほとんどは、自転車というものはただ乗っていれば良い、空気ぐらいは入れるが、ほとんど点検をしないで乗っていても良いという認識であり、点検不良とか整備不良によって事故が起こることもあります。しかし、ガイドラインにも堺市の計画にもメンテナンス、点検ということがあまり大きく入っていない。点検ができることは非常に大事なことなので、販売店や技術を持った販売店に対してどうするかということが必要ではないかと思います。以前、自転車販売店が自転車のルールを教えるべきで、業者の協力が必要という意見もあったので、販売店等も利用しないといけないと思います。また、技術を持った人しかできない点検については販売店、専門店に任せると。点検を怠ることにより、大きな事故が起こることも多いので、計画の中には入れるべきだと思います。
 もう1つ、ガイドラインの中には車道で自動車と自転車が混同するという場面で、3つに分かれて整備していて、市の計画でも分かれていますが、違うのは混同のところ。計画には混同のところがあまり載っていなくて、ガイドラインによると120万kmのうち本当に整備されているのは10万kmで、ほとんど110万kmが自転車と自動車の混同だと。だから、そこを自転車が車道を走った時に安全性を保てるのか。自転車と自動車が混同する時には、注意しながら走りなさいや、優先して走りなさいなど、言葉はいろいろありますが、何かそういうことが配慮された、条例なり規則等があればもう少し事故が減るのではないかという気がします。その2点を、計画にも少し付け加えたらどうかと思います。

初谷座長
 まず吉田座長代理から頂いた意見、自転車がどんどん革新していくに合わせて、市民の旧来のイメージを塗り替えていく必要がある。そういう意味では、自転車の物としてのそのものの意識改革を踏まえた、つまり楽しさや大切にするということも派生してくる面もありますので、どのように表現するかという問題についてまず整理させて頂きます。どの辺りで触れれば良いでしょうか。

三船委員
 堺市の特色の地域資源の中で、堺市役所の中に、資源がたくさんあると思います。1つは52ページのアクションプランの中の事業7で、堺エコロジー大学との協働とあります。計画では、安全教育というエコロジー大学の活用として触れていますが、私はエコロジー大学で、サイクリングツアーを組み、エコ街道サイクルツアーの募集をかけて、我々がリーダーで引っ張っていく。堺市内にある資源を利用して勉強して、かつ自転車で旧街道を楽しく走って利用促進をしようと。啓発のところにそういう楽しみを入れて、行政の中にある橋渡し的なところを活用できるのではないでしょうか。
 また、商工労働部の商業流通課の中に、地域コミュニティ形成支援事業があり、これは商店街等の活性化という事業支援を行っています。例えば商店街にコミュニティサイクルポートを置いたり、自転車で行ったら割引があったり、そういう自転車利用者にメリットがあり、まちおこし側の商店街にもメリットがあるという、そういう利用のされ方、まとめると、楽しむことと利用促進という意味から言うと、もっと地元を活性化する切り口、キーワードがあると思います。

初谷座長
 1つ目の吉田座長代理のご指摘は、我々の取組んできた素案の特色というのが確かに見て取れるということです。しかも地域資源について、前段のあたりでかなり書いており、これは、今後まだまだポテンシャルがありそうだと。そのポテンシャルということに絡めて、自転車の形態も、どんどん進化し多様化していることを、もっと市民の方々が知れば、面白い色々な自転車と組み合わせた楽しみ方や、活かし方というような発想が広がるのではないかという意味で、意識改革の必要性をどこかに入れてはどうかという提案でした。

江原委員
 吉田座長代理のおっしゃった、最新の自転車が集まるのが、5月に行われるツアーオブジャパンだと思います。35ページの(3)、自転車を活かした観光推進の中に観光サイクルサポーターの育成講座等ありますが、この4つ目にツアーオブジャパンや同時開催されている堺国際クリテリウムで、世界最先端の自転車が見られるということをPRしてはどうでしょうか。(3)のコメントのところでスポーツとしての自転車をPRし、市長がコメントして頂けるならば、堺市には自転車メーカーや部品メーカーがあるので、「作る」「使う」の先進事例をこの計画で行うことも入れて、両イベントのPRもしてはどうかと思いました。

吉田座長代理
 スポーツももちろん大切な要素ですが、アメリカで自転車を推進しようとした時にツールドフランスで優勝した人のイメージを出したら、女性が引いてしまったという例もあります。いろんな利用の仕方があるので、クロスバイクやシティバイクから、もう少し機能性の高いものに乗り換えていくことを上手く体験できるようなところが増えていかないだろうか。そのために、1つはイメージを改善することで、ママチャリに乗っていた人がいきなりレース用のバイクに乗るというのは、なかなかハードルが高いとうちの学生も言っていて、だけど皆、ママチャリからクロスバイクに乗ってみた時に軽いショックを受けましたと。要するに、今まで安い自転車ばかりを探していたけれども、これだけ進化した自転車に1回乗ってみると、その便利さに気付いたということです。そういうことを市民の中で体験出来るようなことがあればイメージが変わっていくと思います。自転車といっても幅広く、スポーツだけではなく、いろんな自転車があり、例えば、タンデム自転車のように前後に乗れるような自転車で障害者が外出する機会が増えないかということもやっています。それぞれが持っている自転車のイメージを重ね合わせていくと、より豊かな、自転車が楽しいと思えるような雰囲気が伝わっていくのではないかと思います。

江原委員
 ツアーオブジャパンの開催時は、自転車のお祭りということで、一般人もとっつきやすい自転車を当社のブースで展示したり、自転車博物館を無料開放しており、博物館では現代の自転車も展示しているので、35ページの中にツアーオブジャパン、自転車博物館を入れるべきではないかと思います。それで、吉田座長代理のおっしゃることはカバー出来る部分もあると思います。実際に自転車を持ってくるとなると、メーカーが関わってきますので、今、一般的に出来ることで言うと、こういうことはここに書けるかなと思います。

初谷座長
 入れ方の案として、35ページ(3)の自転車を活かした観光の推進の文章の2~3行目にかけて、観光コースを設定し気軽に参加できるサイクリングイベントを実施しますという形で終わっていますが、ここに、最先端の自転車を気軽に体験できるイベント等も実施しますというようなことを入れ、具体的な、ツアーオブジャパン等のイベント名を青い枠の中に入れる方法。または、36ページのように、イベントやコンテストというような書き方もあるので、そういったツアーオブジャパンを始めとする様々なイベントの開催という程度に留め、その2つに特定せず、今後新しいイベントを開催するかもしれないというような案があると思います。
 同時に、今の吉田座長代理の意見を反映するなら36ページの(7)の自転車利用の啓発の中で、先程の三船委員の発言とも重ねて、多様に進化し続ける自転車を市民が知り、体験出来ることによって利用の促進を図るというような表現を盛り込めば良いかと思います。

中村委員
 市民サイクリングの開催を自転車イベントの開催という形で、ツアーオブジャパンもその中に入っているという形でも良いかと思います。
 吉田座長代理がおっしゃったような、堺ならではのものを考えたら、堺には500~600年前から環濠があり、現在そこは土居川公園になっています。木がすごく茂っていて、堺市を縦断するような長さがあります。こういう所に自転車の通行環境を作れば、夏も涼しく走れますし、内川沿いの道も比較的空いていますし、その間の大道筋も広いので、そういった所を1つのネットワークとして作り上げる。まちの真ん中に自転車のネットワークを持っている所は「自転車のまち」と言っている他の市にもまだないと思います。堺には歴史的なものとしての土居川公園があるので自転車のネットワークをつくると、堺には他の市にはないものがあり、しかも、歴史に根差したものなので、観光にも活かせるし、買い物にも使えるし、場合によっては津波の避難ルートにも使えるので、是非57ページの、通行環境の中に具体的に入れて頂ければと思います。
 自転車通勤をもっと促進していこうという話がありますが、やはり泉北ニュータウンと旧市街を結ぶルートがしっかりしていないと、安心して通勤できません。泉北1号線の上は通行出来ないし、2号線は走りやすい環境になっていないので、石津川の管理用のスペースを活用すれば新たな土地の買収をせずに、泉北ニュータウンと堺の旧市街を安全快適に走れるコースを作れると思います。ネットワークがあって初めて自転車の通勤というのが現実味を帯びてくると思うので、あわせて57ページに入れて頂ければと思います。

初谷座長
 これは中村委員が繰り返しおっしゃっており、ライフワークとも重ねた、思いのこもった発言です。58ページの、事業3の事業概要のところに、自転車で周遊出来るように取り組むと書いてありますが、取り組み内容の中身が達成目標として項目に挙げられていません。中村委員の発言を、57ページの事業15で取り組み内容のところに具体的に項目出しで入れるか、実際にこれを展開していくとなると、事業3なり事業15なりに今のような周遊ルートを、庁内の各部局と調整してもう少し具体的に書くことは可能ですか。

事務局
 自転車を安全に通行して頂くためにも、確かにネットワーク図を43ページで記載をしていますが、ネットワークが今後どこをどう通って行くかは、あくまでも庁内それから関係者の方と協議をしていきます。中村委員のおっしゃるルートについても、今後いろいろな方々と協議して、できる所は推進していきたいと思います。
 また、57ページの事業15の自転車通行環境整備事業の中で当面取り組むべき路線名は府道堺狭山線、深井73号線、府道大堀堺線、宮山台茶山台線というように書いています。今、委員から頂きました路線と、土居川公園の自転車道整備等については、その他の路線ということでまとめております。その他の路線については、先程のネットワーク図等を踏まえて効果的な路線、また早急に整備する路線、地元の意見等を聞きながら、順次整備をしていきます。当面、取り組むべき事業のみを名指しで上げており、それ以外のところについては、その他の路線に含んでいるということで、ご理解をお願いします。

初谷座長
 事業3では自転車で周遊出来るように取組むと書かれていますが、先程の環濠の問題なども、そこに反映されてこういう表現になっているわけですが、3つの取組み内容にはあまり周遊できるように取り組むという内容が書いていませんが、どうですか。

事務局
事業3で、自転車で周遊できるように取り組むと謳っています。特に事業等で、項目出しはしていませんが、環濠等の名称を自転車地図のコースに載せて、コミュニティサイクル等で周遊できるよう現在取り組んでいます。サイクルサポーターの育成事業の中でも、こういったルートを活かしながら周遊を図るというように考えています。

初谷座長
 事業15のその他路線で何とか読んで頂けないかということと、事業3については、事業概要の3つの文章に対応させる形で取り組み内容が掲げられております。ですから、周遊できるよう取り組むというのは、駅からecoマップの作成及び情報発信(継続)と対応しており、今の事務局の話も含めると、表現がマップの作成と情報発信だけだとイメージが湧きにくいと思うので、マップの作成等で周遊ルートの整備に向けて検討というような表現で、具体的な周遊ルートのニュアンスを入れることは可能でしょうか。

事務局
 検討させて頂きます。

初谷座長
 先程の武田委員の指摘ですが、国の指針、国交省と警察庁のガイドラインと見比べた場合、ご指摘のような課題があります。1つ目はメンテナンスや点検の問題。2つ目は現状では混在する方が多い中で、3つのパターンの問題があるので、触れていない部分について注意を喚起する必要があるのではないかという指摘です。
 1点目、整備不良等による事故を防止するためのメンテナンスや点検の必要性については36ページ(7)に各利用者に啓発を図るということを文章で入れる案はいかがですか。

武田委員
 37ページの守る(安全利用)の中でルールを教えるということがあるので、この中に入れては。メンテナンスには自分でするのも販売店でしてもらうのもあります。本人が、メンテナンスがルールだと思ってするぐらいなので、ここではないかと思います。

浦委員
 ルールとマナーを遵守させるために広報活動を色々やっていると書いていますが、ルールあるいはマナーというものが、どんなものであるか書かれていません。自転車がものすごいスピードで走行して来た場合、警笛を鳴らして自転車が近付いていることを知らせるのは、ルールかマナーかどちらでしょうか。そして、白杖を持った人に近づいた時に、速度を落とすことはどちらになるのでしょうか。ただルール、マナーという言葉だけが出ていますが、弱者にとってこれは具体的にどういうことなのか。ルール、マナーを計画の中に謳うなら、やはり弱者に対しての心がけをきちんと啓発していかなければいけない。その辺り、具体的にどういうマナーとルールがあるか、説明して頂けませんか。

初谷座長
 まず武田委員のおっしゃったメンテナンスや自主点検について、37ページに入れるのが良いのではないかということで、皆さんに諮りました。
 交通ルール、マナーとだけ書いて分かるのかという浦委員の意見です。交通ルールとは、一定の法的な強制力が伴う、守るべきものという意味合いで、マナーとは、任意的であるが努力して頂きたいことという意味合いで使い分けています。しかし実際にどちらがどうなのかということについては、付録に自転車に係る交通ルールを警察庁のホームページから抜粋する形で掲げています。ですから、ここに掲げられていない、あるいは任意的な努力を求めたいということがマナーの範疇に入って来ます。その辺りがこれだけで分かるのかという指摘ですが、いかがですか。

武田委員
 今の、浦委員さんが言われたことはよく分かります。法律的には、ベルを鳴らしてはいけません。危険を感じて初めて鳴らしなさいというのがルールです。しかし、今の浦委員のように、前もって知らせてもらった方が良いという意見もあります。法律的にはまず鳴らすな、危険を感じたら鳴らしなさい。杖をついている方が危険であれば、鳴らしなさいということも付け加えておかないと、今のルールの中では鳴らして良いのか悪いのかという事になってきます。ルールやマナーを教えるのも、警察から年1回出張に行くぐらいで、以前は総合学習等でやっていたが、今はすべての生徒が学べるわけではないので、やはり正式な授業の中に交通ルールを教える時間が必要だと思います。

中村委員
 私も、ルールとマナーをもう1回整理しておくべきだと思いました。ほとんどがルールなので、マナーという言葉を外した方が良いと思います。歩道をゆっくり歩いている人がいたらベルを鳴らすのもマナーのうちと誤解している人も多いと思いますが、実は歩道の上でベルを鳴らすことは違反です。歩道は歩行者が優先で、歩行者の通行を妨げてはならないというのが、ルールです。通行を妨げるような警笛音を鳴らすことはルール違反なのに、それをマナーだと多くの方が考えていると思います。ですから、素案についてもマナーという言葉を全部外して考えても良いと思います。

初谷座長
 そのように考えると、武田委員や浦委員の意見はどうなりますか。

中村委員
 マナーの範疇に入る自転車利用の場面を考えた時、例えば「さすべえ」は、両手を離さなくて良いから法律に抵触しないという考え方もあれば、あまり使わない方が良いという考えもあるので、あれは1つのマナーにあたるかもしれません。自転車は原則車道を通行というのがルールですし、傘差し運転は片手運転なのでルール違反になります。また、点字ブロックの話も、意味の取り方によっては、歩道の上を自転車で走っても良いような便宜を図るというような考え方にも取れますので、ちょっともう1度考えた方が良いのかなと、私も思います。そういう意味で、私はルールという言葉で統一した方が皆さんの誤解を防ぐには良いかと思います。

吉田委員
 歩行者がいれば自転車から降りて押して歩くというのが正式なルールですが、それを出来ないならば、ベルを鳴らして知らせて欲しいという浦委員の思いでしょうが、そもそもその時点でルール違反なので、それを前提にすると話がおかしくなるという話だと思います。現実困っているならば、そういう問題があるということを計画の中にきちんと書いておく。要するに、横をヒュッと抜いて行くということが歩行者にとってすごく怖いということを皆さんが知って、ルールを守るべきだというような論理構成にしておかないといけないと思います。

武田委員
 浦委員から、我々が気付かなかったことを言って頂きました。法律的にはベルを危険以外では鳴らしてはいけないが、障害者の方が歩いていたら、それを危険と感じてベルを鳴らしても良いというぐらいの、配慮を入れておく必要があると思います。

吉田座長代理
 危険にならないように自転車が止まらないといけません。だから、自分が危険だと思ったらベルをならせば、歩行者がいるところを自転車がずっと走っていけるということになってしまいます。その論理でいくと、基本的には歩行者にベルで知らせてほしいということになるので、元々のルールとは違う次元の話になりませんか。

武田委員
 障害を持った方は一般の人と比べて、安全を確保するために必要な範囲が広くなると思うので、入れても良いのかなと思いました。3m離れていたら安全だが、それが 1mになってしまったら、それは早めに危険だと感じてベルを鳴らすことも1つの方法だと思います。

龍野委員
 この会議では議長と個人とのやりとりではないことを前提に議事を進めて頂くようお願いします。今の議論が全然分かりません。さっきから何回も手を挙げていますが、当ててもらえないような偏った会議では駄目だと思います。
 どのようにして市民に周知するのか、その辺が全然明確にされていません。ルールとマナーの問題にしても、これを誰がどうやって教え、啓発していくのかということが出てこないというのはどういうことですか。いろんな良い意見が出ていますが、最終的には行政は何をするのか、行政も多くいますが、交通指導員というのも3000人いるのです。これは警察の任命ではなく、市長任命です。民生だったら約2000人いる中で、1人は児童専門の児童主任というのがいるわけです。もっとそういうことも考えながら文章を作っていったらどうですか。交通指導員は地域の中で3000人近くいるのだから、この方々を1人でも良いから担当してもらえば、こういうプロジェクトと市民とのパイプ役が出来るのではないか。ここで市民と言っているが、現実的にはどこを相手にした市民なのでしょうか。漠然とした形ではなく、もっと組織立てて繋げていく方法を、示して頂きたい。この素案にこれを入れて頂かなくても結構ですが、そういう精神だけは表して、議会にも出して頂きたい。漠然とした形では、何も市民に浸透しないということを前提に置いて頂きたい。
 堺市での全事故件数に占める自転車に関わる交通事故は30%で、なぜ、この自転車の計画を作らなければいけないのか、交通事故削減という、基本方針をまず作ってから、そういうことも検討に入って頂きたいなと思います。

初谷座長
 3つの指摘を頂きました。1つ目は、この会の運営につきまして、順番がきちんと配慮されていないのではないかということでした。これは本当に非常に活発なご意見が交錯していましたので、前後関係が逆転してしまい大変失礼いたしました。お詫び申し上げます。ただ、座長と個人の委員とのやりとりに終始しているではないかという指摘については、そうではなく、個々の発言があったので、私としては要約しながら、次の委員に繋ぎたいと思い紹介していたつもりです。
 2点目、周知をどうするのかについては、交通指導員のお話もあり、堺市には人的な支援がたくさんいらっしゃることを、具体的にもっと組織的に考えるべきではないかということです。
 3点目に、全体のトーンとしてこの計画を実現していく上での具体的な組織戦略みたいなものが見えないではないかということ。龍野委員がおっしゃった、この2点目と3点目の点については、私が今日是非お伺いしたいということで、この計画ができるだけではなくて、今後、浸透するためのポイントをお伺いしたことに、まさに正面から答えて頂いており、大変有難く思っています。その辺りのことを、どこに書きこんだらよろしいでしょうか。

龍野委員
 素案の中に入らなくても良いが、そういう精神を議会・市に提案して頂きたい。だからあえてここで入れるとすると、別項目で組織という形の文言を入れないといけないと思います。いろんな会議で素案を見てきましたが、この計画は方向性が全然見えてこないまま素案だけ出来てしまっているという事に対して、私は言っているのです。この計画によって、地域の皆様にどういう形で知らせ、どういう形で協力を求めていくのかということが出て来ないから、もっと方向付けをしてほしいということです。

吉田座長代理
 ごもっともなご意見ですが、先程の楽しさも含めて、この会議で基本計画を作成するにあたり、具体的にどうするかというところまでは時間的にも決められないと思います。それで、プロセスを規定するということであれば、そういう具体的なことを決める何らかの組織や会議などが必要だとお考えでしょうか。そうであれば、具体的にそれを展開するための組織や体制を作りますということをこの中に宣言することは可能だと思います。
 10年間の計画ですが、10年間何も途中経過でしないというわけにはいかないので、いろんな機関等ありますので、行政ではなく市民が中心となった会議を設置して、途中の進捗状況や、それに基づいて強化すべき所を議論できる場を作ってはどうでしょうか。

龍野委員
 小学校を含めていろんな形で市民に対する啓発活動をやっていくということですが、年間を通じて3人の方、2班で6人の方が93回しかやっていないという表が出てきます。93回といったら、この堺市の中には94校区あるので1年に1回しか行けない。それだけの人数で、今のお話が出来るのか。子ども達にも教えられるのか。この項目を読めば、自転車の利用度が一番高いのは買い物で、50%と書いてあります。そういう自転車も含めていけば、一般の人にどうやって啓発をしていくのでしょうか。ただやっているだけでは駄目で、組織的な形をとってやっていかなければ。そうすることで、基本計画の頭にくる交通事故、安全安心なまち、第9次交通安全計画が達成出来るのでは。この会議は安全の問題だけではなく、まちづくりと自転車の問題だというのは理解していますが、やはり前提は安全安心なマナーや交通事故のことではないかということを、もう少し具体的な形で出して頂けたらと思っております。

初谷座長
 48ページの計画の推進のところが第1節(1)アクションプラン(2)進行管理(3)推進体制となっています。龍野委員の発言は、堺市が既に持っている様々な自治会や地域の仕組み、制度、そういうものをフルに活用して、着実に実施出来るように連携、連絡を密にし、何をどのように浸透させることが地域住民のためになるのかということをお互いによく相談しながら進めなければいけないということかと思います。いろいろと新しい会議を作るという手法もありますが、むしろ市内にくまなく巡らされている、人の資源、組織の資源を活用すべきという、指示・指摘かと思います。ここの第1節のところへ、計画の推進の(1)(2)(3)というのは、あくまでアクションプランのメニューをどのように進行管理して、推進体制を図るかという、書き方です。そのアクションプランの推進の体制の(3)に、「相互で連携し」とだけ、さらっと書いていますが、この辺りに、今ご指摘のあった交通指導員や色々な既存の地域の組織の名前等も挙げながら、様々なネットワークや組織と連携を図りながらというような文言を入れてみるというのはいかがでしょうか。どういう組織をどこまで含めるかということは、事務局、この辺りの感覚は庁内調整をしてこられていかがですか。

事務局
 自転車の安全を図るためには啓発関係が大変重要になります。これは、行政だけでなく、市民、事業者、行政が互いに協働して取り組むように考えています。もう少し具体的に書き込めば方向性がよく分かるということであれば、自治会や既存の組織を最大限に活用しながら、市民の安全を高めていくというような書き込みも必要だと感じております。
 それと、事務局では、この計画だけに終わらず、25年度に自転車の条例を作る予定で、この条例制定では、市民の責務、事業者の責務、行政の責務、様々な責務が出てきます。この中で、自ら行政自体が地元に赴いて、いろんな形で協力をお願いしたり、また事業者には自転車を売るだけではなく、同時にルール・マナーの啓発もして頂く。こういった事業もアクションプランの中に、事業としては個別に位置づけをしているところです。表に文言を書き込んでいない部分もありますが、自転車販売店に日ごろ通って自転車のメンテナンスをして頂いたり、年に1回、安全点検を受けることでTSマーク保険に加入したりと、より安全に自転車を利用できるための取組みを進め、計画と条例が対応する形を考えているところです。より市民の安全が確保出来るよう、条例の中でも一層各団体等と連携を図っていきたいと考えています。
 今日頂いたご意見等については、加筆出来るものは、座長、座長代理と相談の上、加筆していきたいと考えています。また、ベルの関係ですが、警音器の使用は、道路交通法に規定されており、むやみに警音器を鳴らしてはいけないと規定されています。さらに、白杖を持った人を見た場合には、止まるか徐行しなければならないと道路交通法で規定されています。こういった法律については、なかなか市民の方々もご存知ないところもあるので、より広くいろんな細目まで周知をしていきます。
 そして、ルールを知っていても守らない人には、違反しにくい環境を作っていきたいと考えています。行政だけではなく、地元の自治会、各種の団体、市民、事業者の方々と協働し、いろんな機会を通じてルール・マナーの啓発をすることで事故を減らし、基本理念にもあるように、安全に楽しく使って頂けるよう取り組みたいと考えています。

初谷座長
 龍野委員、大町委員、澤本委員は地域団体の代表であり、たくさんの構成員を抱えている団体から代表として加わって頂いています。実際にこの計画が展開していく時には、周知や連絡という意味では本当に要(かなめ)になって頂かないといけない団体の方々ばかりです。推進体制のところで、先程の事務局の発言のような表現を加味するということでよろしいですか。
 ルールとマナーの問題ですが、議論がかなり交錯しましたが、やはり37ページの交通ルール・マナーと続けて表現しているところを、間に1つクッション置いた方が良いと思いました。交通ルールとして絶対に遵守しなければいけない部分は、もちろん啓発を徹底していきますが、加えて、堺の現状に照らして必要なマナーを向上させるという意味で、交通ルール・マナーとさらっと言ってしまうのではなく、マナーとは何かということについてもう一度、今のような両方が衝突するような事例があるというような指摘と議論になったわけです。ルールとマナーについて、少し別の形で考えている表現として、本文で「交通ルール・マナーの啓発」「交通ルール・マナーの啓発及び情報提供」と書いてあるところを、間を「・」で結ぶのではなくて、言葉を補いたいと思いますが、いかがでしょうか。
 さらに、懇話会では「自転車を大切に」ということをキーワードとして出していましたが、この大切にという意味の中身も、さらに掘り下げたいと思います。まさに今日、ルールとマナーの問題ですとか、大切にという風に言葉で言っても実際にその中に含まれている様々な課題というのを示して頂き、合わせてそういう大切にという意味の中身を考える議論にもなったかと思います。皆さんの意見を加えまして、これから計画の策定に市として取り組んで頂きたいと思いますが、この計画を発信する際には、この計画が持っている意味や策定する意義、これを今日の意見もさらに踏まえて、市長はじめ市当局、また参画した私達、それぞれの団体からも発信して頂きたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、「議題2、その他」について、委員の皆様、事務局から何かございますか。

議題2 その他

江原委員
 計画の中で、「止める」というのは駐輪のことを差していると思いますが、これはSTOPの方の「止める」が書いてあるので、これは停車の停ではどうかと思います。現状の「止める」というのは「やめる」ともとれるので、辞書を引いてみたら停車の「停」も同じでしたので、細かいですが、変更を提案します。

初谷座長
 停車の「停」に字を変えてはどうかというご意見ですが、皆様いかがでしょうか。この表現が出てくる全ての場所で、字の変更をしてよろしいですか。急にお尋ねしても難しいと思うので、事務局の方で精査して頂き、基本的に感じは「停」ということにしつつ、他の意味を含んでいる部分があれば、平仮名の「とめる」という形で表現するということでよろしいですか。
 公共交通関係で出席頂いている委員の皆様、いかがですか。

上畑委員
 駅前駐輪、「止める」というところで、鉄道事業者として関係することが出てくると思います。できることとできないことがあると思いますが、それについても行政と話をさせて頂きながら、前向きに考えていければと思います。

脇本委員
 計画を拝見し、また議論に参加させて頂きまして、すごく立派なものを作られたと感じています。内容的には、4章の展開が6章のアクションプランの中で具体的に記載されており、今後どう実行されていくのか、今後も楽しみに拝見させて頂きたいと思います。

藤井委員
 これからの日本社会で、堺市が先駆者になれば有難いという希望的観測を申し上げます。違反者に対する罰則規定はありますが、正直取り締まりにくく、自転車だと、警察官が見たら注意だけで終わっています。いま社会問題になっている飲酒運転にしても、これだけ厳罰化されても治らないという中で、堺での新条例として、違反についての罰則規定を変えたり、いかに自転車の交通ルールを完全に守らせることができるかについて、堺市が先駆者となってやって頂けたら有難いなと思いました。

澤本委員
 とても良い計画案ができて良かったと思います。計画ができたあとには、ツアーオブジャパンのコースを一般の方が走れるような体験ができたら良いなと考えています。それと、自転車に乗る時のファッションをもっとアピールするのも良いと思います。これから楽しみにしております。

小山委員
 堺ならではのことをずっと考えていて、堺市では自転車に乗っている人達が必ず何か声をかけています。左側通行のことや無灯火のこととか、堺市で、声掛け運動をしてみてはどうかと思います。

初谷座長
 本日の議題は以上で終了です。懇話会も全5回を終え、皆様いろいろとご議論を頂き、ありがとうございました。吉田座長代理の支えもあり、5回まで参りましたので、後は、事務局で、今日お預かりした点も含めてまとめまして、パブリックコメントにかけられたらと思っています。ありがとうございました。進行を事務局にお返しいたします。

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