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第21回 堺市地域介護サービス運営協議会 議事録(要旨)

更新日:2015年1月29日

日時

平成26年3月24日(月曜) 午後2時から4時

場所

堺市役所 本館3階 第1会議室

案件

(1)地域密着型サービス事業所の整備状況について
(2)第5期介護保険事業計画中に公募を行った地域密着型サービス事業所について
(3)定期巡回・随時対応型訪問介護看護及び複合型サービスの事業所運営状況について
(4)地域包括支援センターの自己評価について
(5)平成26年度地域包括支援センターの運営方針(案)について
(6)介護保険制度の改正案について

出席委員(50音順、敬称略)

井口 利喜夫、井元 真澄、大坪 勇、鹿嶋 重二郎、上野 秀香、桑原 隆男、鶴谷 衣江、中辻 さつ子、西野 種悦、堀江 伸祐、前川 たかし、宮田 英幸、山本 晃  13人

欠席委員(50音順、敬称略)

金銅 克典 1人

出席職員(説明者等)

  • 長寿社会部副理事(土生 徹)
  • 高齢施策推進課参事(岡 康之)
  • 高齢施策推進課(道家 祥)
  • 介護保険課長(上野 光一)
  • 介護事業者課長(足立 栄太郎)
  • 介護事業者課参事(宇都宮 藤教)
  • (社福)堺市社会福祉協議会包括支援センター統括課長(藤川 桂祐)

傍聴

なし

議事録

1. 開会

2. 資料確認

3 .議事

案件(1)地域密着型サービス事業所の整備状況について

案件(2)第5期介護保険事業計画中に公募選定を行った地域密着型サービス事業所について

案件(3)定期巡回・随時対応型訪問介護看護及び複合型サービス事業所運営状況について

[案件説明]

(宇都宮参事)
案件1 資料1
前回の本協議会以降に指定した事業所の報告を行う。
●小規模多機能型居宅介護事業所
9月1日と10月1日にそれぞれ1法人を指定
●定期巡回・随時対応型訪問介護看護
公募、選定ののち、9月1日に1法人を指定
●認知症対応型共同生活介護
12月1日に2法人を指定
地域密着型の小規模特養、認知症対応型通所介護、複合型サービスの事業所については、新たな指定はない。

案件2 資料2
第5期介護保険事業計画期間中に公募選定を行った地域密着型サービス事業所について報告を行う。
●地域密着型の特別養護老人ホーム
資料の網掛け部分は平成25年度に公募し、選定された事業所であり、それ以外のものは平成24年度中に公募し、選定された事業所である。
中区と北区は24年度に公募選定し、東・美原区は24年度に公募選定したが、平成25年4月に辞退となった。南区については、24年度に1法人の応募があったが、審査基準に満たなかった。
そのため、東・美原区と南区については25年度に再度公募を行い、2法人を選定した。
●グループホーム
24年度に3か所、25年度に4か所を公募した。
堺区と西区は、圏域によりグループホームが偏在しているため、堺区は2区と3区、西区は1区と3区に絞って公募し、東・美原区と南区については、区内全域で公募した。
大阪府社会福祉事業団のグループホームについては、小規模特養との併設である。
●定期巡回・随時対応型訪問介護看護
サービス提供区域を堺市全域とし、事業所の設置を堺・西区と中・南区、東・北・美原区として、24年度に公募した。中・南区では応募がなかったため、25年度に再度公募した。

案件3 資料3
定期巡回・随時対応型訪問介護看護と複合型サービスは、第5期介護保険事業計画から新設されたサービスである。定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、24年度と25年度に公募を行い指定。複合型サービスについては平成25年7月1日に指定。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、事業所から、各月の最終週の利用者数と要介護度別利用者数、訪問介護と訪問看護の延回数の報告をもらっており、資料には、10月、11月、12月分を記載している。
複合型サービスは、12月1カ月間の契約者数と利用の内訳を記載している。

[質疑応答・意見]

●介護保険施設等の併設について
(井口委員)
以前から、できるだけグループホームは特養との併設が望ましいと言ってきた。初めてグループホーム併設の特養ができたことは一定評価したい。国の動向をみると、特養と医療と住宅を一体的に提供してくことを経済成長戦略の中でもはっきり示している。医療まで含めて一体的に提供していく流れになっている中で、今後単独のグループホームというのはいかがなものかと思う。
特養やケアハウスを運営する法人がサテライトでグループホームを設置することが望ましいと考える。
このような形をますます進めていただくようお願いする。

(大坪会長)
グループホームや小規模多機能は小さいから、街中で開設できるというメリットもあるが、経営的に大変厳しい中で職員を配置していると、職員の給与を上げられないという問題もでてきている。相反する矛盾した課題がある中、市としてどう進めるべきなのか。
介護福祉士の養成状況は極めて厳しい状況であり、職員の身分の安定も必要となってくる。
スケールメリットの中には、職員の賃金の面だけではなく、利用者の方にとっても施設を出なければならなくなった時、どこかに行けるという安心感もあると考えられる。

(西野委員)
堺市としては理想の将来の姿というものをもっているのか。

(土生副理事)
平成26年度から、法改正に合わせて次期高齢者福祉計画・介護保険事業計画の策定を行う。地域包括ケアシステムの中では、医療と福祉と住まいはすべてつなげいく考え方が示されており、次の計画では堺市としての方向性を示していかなければならない。現在の計画では、住まいの部分については書き込めていないという認識がある。また、次期計画では医療と介護の連携については、必ず記載していかなければならないので、すでに庁内的に検討は進めてきているが、何とか堺市としての方向性を示していけるように取り組みたい。

(山本委員)
いろいろなサービスをひとつにまとめることは、運営効率はよくなる面はあるが、それぞれの特色がなくなる。すべてがユニットで形成されていると、中は特色が全くなく、利用者にとっては、単に利用料の違いだけがおこる。そうすると補足給付があり安くなる特養が空くのをずっと待つことになり、グループホームが空いても入所するわけではない。
併設するのであれば、運営面でもしっかりした事業所を選定していかないと、間違った方向に向かうのではないかと思う。

(大坪会長)
介護保険制度創設以降、自分の住まいは自分で選ぶ、自分の生活費の中から選べるというのが大前提であるが、現実問題としては入れるところがない。
今回の診療報酬の改正の中で、在宅医療の費用がサービス付き高齢者向け住宅の部分で、ほぼ算定できなくなってきており、医療も一体的にということが現実的にできなくなっている。

(前川委員)
自分の足で歩いて外来通院して来られる方は、今後、どんどん少なくなり、その一方で、超高齢化し、何らかの障害をもって在宅で暮らす方はどんどん増えてくる。これは、考え方の違いの問題ではなく、現実としてそういう方向である。それに対して我々医師はどうしていくかという考えを本来持たなければならないが、残念ながらまだ意識が低い。
今回、在宅の点数が厳しくなったが、悪徳医療ビジネスに注意を喚起するくらいの意味合いが強かったのではないかと思う。世の中の大きな流れと医療はどういう方向に進まなければならないのかということを医師会の先生方にもしっかり認識してもらい、また、20年、30年後にわれわれと同じ立場になるかもしれない病院で勤務している若い医師に対しても働きかけていくことに努めたい。

(大坪会長)
いろいろなサービスの複合化が進められていることは間違いない。相反するように、今回の診療報酬の改正では在宅診療の大幅な削減があり、全国で大変大きな問題になっている。
今後、堺市として、どう複合化を進めていくのか、また特色をいかに担保するのかという議論はこれまで全くなされていない。全国的にも議論されているものではないと思う。市の方針として複合化を進めていくのであれば、どこかで議論しなければならない。

●スーパーコート堺白鷺の実績について
(大坪会長)
資料3で、スーパーコートという事業者はとびぬけて数字が高くなっている。「見守り」はほとんどの事業者で実績がない中、3ケタの数字があがっている。身体介護についても抱き合わせになっているのかと思うが、カウントの仕方の問題なのか、実際にこうなっているのか知りたい。

(宇都宮参事)
スーパーコートの場合は、有料老人ホームを併設しており、入居者のほぼ全員に週2、3回の見守りや身体介護を行うとこのような数字になる。
つくしの会とスーパーコートについては、事業所を訪問し意見交換を行った。スーパーコートでは施設外の利用者もいたが、現在のところ利用者は有料老人ホームの入居者だけである。

(土生副理事)
サービスをどう組み合わせていくかということのひとつの顕著な例と考えている。国としてもひとつの業態として想定しているところでもある。堺市としては、あまりこの状態が望ましいとは思っていない。今後どういったかたちで事業として展開していくのかもう少し時間をかけてみていきたいと考えている。
スーパーコートは併設型であるが、意見交換のときには、施設外からの利用者についても断らないことは確認している。スーパーコートはしっかり利用者数を確保しており、それ以外の事業所はまだ20人に満たない利用者数で、日々努力されているのが実情である。
どういった形が利用者にとって望ましいのか、それはいろいろな形があっていいと考えている。堺市としては、これだけでないといけないというものではなく、いろいろな業態があって、利用者にいろいろな選択肢があるという状態もあっていいのかと思う。いずれにしてもいろいろなパターンを研究し、堺市としてどういったものが望ましいかを考えていきたい。

(大坪会長)
上野委員にご意見をいただきたい。
スーパーコートの実績で、訪問介護のうち「身体介護のみ」は200回前後の数字になっているが、「生活援助のみ」は0回となっている。ケアマネの立場から見ると、このようなことがあり得るのか。

(上野委員)
通常であれば、生活援助と身体介護がミックスされたプランとなる。重度の方であれば、訪問看護や早朝夜間帯に何度か入ってもらうということがあるかもしれないが、いずれにしても中身を見なければ、どのようにされているのかは見えない。
スーパーコートについて適正化ということでケアプランのチェックは行われているのか。

(上野課長)
スーパーコートについてはまだ行っていない。

案件(4)地域包括支援センター自己評価について

[案件説明]

(岡参事)
本協議会でご意見をいただき進めてきた地域包括支援センターの自己評価について、今年度後半に実施したプレ実施の結果がまとまったので報告する。
このプレ実施について、評価期間は平成25年4月~9月の半年間、10月に各地域包括支援センターで自己評価を実施し、自己評価票の提出をいただいた。その上で、11月末から1月にかけて高齢施策推進課の職員が全地域包括支援センターにヒアリングを行った。そこでの聞き取りした内容について資料にまとめている。全体的な印象としては、どの地域包括支援センターも努力し、経験を重ね、頑張っていると感じる。しかし一方では、ネットワークの構築関係では、評価が低くなっており、他の関係機関との関係の構築に苦労している様子がうかがえる。

(道家職員) 資料4-1 資料4-2
この資料では、下線部が改善指導事項となっている。カッコとじの部分が大項目、中項目と順に記載しており、小項目の【】内が全28か所の地域包括支援センターの平均点となっている。
●基本項目(運営全体に関すること)
運営全体としては、各職員が地域包括支援センター業務を理解し、包括内の情報共有、ケース会議、定例会議を行いチームアプローチに努めているように感じた。主担当は、ほとんどの包括で、ケースの特性により決めていた。しかし、校区単位で担当地区制をとっている包括もあり、総合相談や介護予防のプラン、民生委員や校区福祉委員会に対する地域活動のすべてを同一職員がひとつの校区に対して行うことで、民生委員等との連携強化が図られている。それにより、個別支援や包括と地域の連携に非常に効果をあげている様子がうかがえ、担当地区制も有効であると感じた。夜間・休日対応は、各地域型包括21か所とも携帯電話の転送等で24時間対応しており、また、区役所の地域福祉課と基幹型包括支援センター、地域包括支援センター間の連絡網が整備されており、夜間・休日に何かあった場合の連絡網は整えられていた。
●総合相談支援業務
包括により手法は様々であるが、自宅訪問を原則としたアセスメント、複数職員の検討による支援方針の決定などしっかりとした取組が行われていたが、同じ包括の職員間での経験、力量の差があり、継続支援ケースや困難ケースが特定の職員に集中している包括も見られた。どの職員でも一定の対応ができるよう、職員の技量向上に努める必要があると考えられる。ネットワーク構築関係について、社会資源についてはすべての包括で把握されており、相談支援に活用されていた。ネットワークの構築は、民生委員会や地域のサロンに参加して、民生委員や校区福祉委員、ボランティアとの関係づくりを積極的に進めている。また、区単位で「高齢者見守りネットワーク」の構築を進めている。これは地域住民だけでなく、高齢者と接する機会の多い民間事業所とも協力体制を築いて、日常生活や日常業務の中で支援が必要と思われる高齢者を包括に連絡してもらうための啓発等を行っている事業である。この取り組みを推進し、さまざまな関係機関と連携を図り、地域の中で認知症の方を支えていく認知症支援ネットワークや虐待の予防、早期発見を図る高齢者虐待防止ネットワークの構築につなげていく必要があると考えている。
●権利擁護業務
虐待対応については、通報があれば、地域型と基幹型の職員が同行訪問を行い、事実確認、区役所地域福祉課を含めての支援方針会議の開催という流れができているが、この業務が特定の職員にかたよっている包括もあった。権利擁護のケースは経験やより専門的な知識、専門機関との連携が必要になってくるため、包括内での検討や情報共有、振り返りを行い、今後に活かせるように包括内で事例を積み重ねていく必要があると考えている。次に、消費者被害について、消費者被害の情報がケアマネジャーや民生委員から包括に集まる仕組みをつくっており、集まった情報をFAXで地域のケアマネジャーに送付する仕組みを整えている包括があった。消費者被害については、特定の地域で連続することも多いことから、他の包括でも同様の仕組みの導入を進める必要があると感じた。
●括的・継続的ケアマネジメント支援
堺市医師会と包括の協働による多職種の事例検討会や、包括により異なるが、区単位や圏域単位でのケアマネ連絡会等、区、圏域単位でのさまざまな活動が行われていた。包括により、地域特性が異なるため、一律の活動は難しいと思うが、他区や他包括の取組を参考に、より積極的に進めていく必要があると考えている。
●介護予防ケアマネジメント業務
要介護状態になる恐れの高いとされている特定高齢者向けの介護予防事業に参加するためには、過程が多く、参加につながらない現状がある。市としても法令の範囲内で参加しやすい介護予防事業を実施していく必要があると考えている。

(岡参事) 資料4-3
続いて資料番号4-3「地域包括支援センターの自己評価の変更について」について説明する。
今年度は、年度当初は試行、年度後半はプレ実施というかたちで行っており、来年度は本格実施を行うと本協議会で説明した。現行の予定では、評価期間を平成25年4月1日から平成26年の3月31日までとし、平成26年度の前半に実施することとしていたが、このスケジュールではプレ実施の結果を各地域包括支援センターに示した時には、すでに評価期間が終わっており、今後の業務に反映することができないことや、評価期間がプレ実施と重なることなどから、評価期間を平成26年4月1日から平成26年9月30日とし、年度後半に自己評価を実施したいと考えている。
内容については、今回は全体的な改善指導事項を示したが、平成26年度については、ヒアリングの結果も踏まえ、地域包括支援センターごとに示していきたいと考えている。
評価票の内容もプレ実施のもので固定するのではなく、国の動きや本市の方針、例えば地域ケア会議の開催など、運営協議会の意見を伺いながら柔軟に変更していきたいと考えている。

[質疑応答・意見]

●自己評価全般について
(大坪会長)
プレ実施を行い、改善すべきだった点や良かった点について市の評価はどうか。

(岡参事)
日頃の業務の中ではいろいろな職種が一堂に会して定期的に会議をされているが、なかなか運営について議論する場がなかったが、自己評価ということで、包括の業務内容について振り返りができたという点は非常によかったと思っている。
今年度と来年度は自己評価というかたちで実施するが、やはりゆくゆくは第三者評価が必要ではないかと考えている。

(西野会長)
どの程度であれば満点に近いのかなど基準を決めているのか。
市で、理想的な結果はどのようなものか示す必要がある。

(岡参事)
今回は、項目ごとに市が担ってもらいたいことを一定示している。
市のほうで何点以上が望ましいということは特に示していない。

(山本委員)
この自己評価である程度質の担保をしていけると思う。他の包括と比べてどういうところを強化していかなければならないのか見える形で結果が示されているので、非常に有効だと思う。

●担当地区制について
(宮田副会長)
説明の中で、担当地区制が有効であるという内容があり、実際の地域包括支援センターからも聞いているが、専門性を否定しているのではないか。3職種を置いているのはチームアプローチができるようにするためである。具体的には何でもこの人に聞けば分かるという状況は、地域からすると助かるのだろうが、それが本当にいいのかと思う。市がこのような形で、有効であると示すことには違和感がある。専門職が専門性を発揮できていないというところは、専門職が反省するべき点である。

(大坪会長)
専門性の問題は、双方とも検討していかないといけない。
日本の保健師は質が高い。保健師の持つ医療や看護の知識は、寝たきりの家族を介護されている人には重宝がられる。しかし、社会福祉士の分野については、まだまだ知られていない部分が非常に多い。社会福祉士自身の力量の問題もあり、今後質を高めていかなければならない面もある。しかし、市として担当地区制を勧めるのはいかがなものなのか。検討していただきたい。

●虐待対応について
(宮田副会長)
虐待対応について、資料には「相談・通報が入れば、地域型と基幹型の職員が同行訪問を行い事実確認、区役所地域福祉課を含めての支援方針会議の開催という流れができている」とあるが、そもそも虐待対応は行政の責任と権限で行うものであり、主体は包括ではなく、地域福祉課である。事実確認については包括が行う場合もあり得るが、原則は地域福祉課が行うべきである。虐待の認定は、行政が行わなければいけない。地域福祉課が主体となり、他の機関が協力してくという体制が必要である。

(大坪会長)
高齢者の見守りネットワークの構築が進んでおり、その中にはコンビニなども含まれる説明があったが、最近、買い物難民をターゲットにしたコンビニ戦略として、高齢者宅にお弁当を届けるなどの宅配を行っているところもある。そこで仮に虐待ではないかというケースを発見した場合、民生委員に届出たというような例は、実際にあるのか。

(岡参事)
気になるサインがあれば、地域包括支援センターなどの関係機関に連絡してもらい、関係機関が対応することになっている。実際には、民生委員に限定せず、地域包括や区役所の地域福祉課に情報が入ってくると聞いている。
新聞の配達員から、何日か新聞がたまっていて気になるので様子を見に行ってくれないかという連絡があったということは聞いている。

(大坪会長)
コンビニなどは地域にとってなくてはならない施設になってきている。その中で、コンビニの宅配などをネットワークに利用させていただくことを積極的に考えていかなければならないのではないかと思っている。
区役所の地域福祉課の役割についてはいかがか。

(岡参事)
虐待対応については、措置の権限があるのは行政であるが、虐待者、被虐待者を含めて支援が必要になってくることから、地域福祉課だけではなく、地域包括支援センターや基幹型包括支援センターと一緒に連携して動くことになっている。最終的な権限は、市にあるので、そこについてはしっかり対応していきたい。

(山本委員)
虐待等の問題では、夜間等に受け入れる施設の側からすると、地域福祉課との調整が難しいケースがあると聞いている。施設の状況を地域福祉課の方に聞いていただくことも必要性があると思う。多くの関係機関がかかわって地域包括ケアを進めていく必要があると思う。

●人員体制について
(山本委員)
ネットワークの構築というと、非常に広い範囲になる。21カ所で1包括あたり4万人近くの対象者を抱えており、現在の包括の人員ではかなり厳しい。認知症の対応であったり、医療との連携であったり、もっと身近な単位で取り組んでいく必要があるのではないか。財政の問題もあるかと思うが、それだけではすまない状況に来ていると思う。早い段階で2,3万人に1包括という配置をしていくべきだと思う。

●まとめ
(大坪会長)
地域包括支援センターの人員配置については、条例化するということで、人数を定めていくことになる。人口4万人を担当するのにふさわしい包括の職員の数なのかという指摘があった。また、包括の職員間での力量の差、質の担保をどうするのかということで、職員の研修など具体的にどう進めていくのかということになる。
地域福祉課との関係は措置権の問題であり、包括が設置されるときにも措置権の具体的な執行をどうするのかということが懸念された。スムーズな連携がなされないといけないところであるので、あえて大きく取り上げておきたいと思うので、よろしくお願いしたい。

案件(5)平成26年度地域包括支援センターの運営方針(案)について

[案件説明]

(岡参事)
介護保険法では、地域包括支援センターを委託する場合、運営方針を示さなければならないと規定されている。この規定は平成24年度からあるものであるが、平成24、25年度については、委託仕様書やネットワーク構想図などの資料の中で方針を示しており、特に運営方針としては示していなかった。
地域包括支援センターを再編して3年目を迎えることや、今後ますます地域包括支援センターの役割が重要になってくることから、運営方針を別途作成して示すこととしたものである。

(道家職員) 資料5
平成26年度の堺市の地域包括支援センターの運営方針について、基本方針と重点取組事項に分けて記載している。
基本方針は、被保険者が要介護状態になることを予防するとともに、要介護状態となった場合においても可能な限り地域において自立した日常生活を営むことができるよう支援するということで、地域包括支援センターの4つの業務にしっかり取り組んでもらいたいということで、次の項目をあげている。
(1)総合相談支援
高齢者の実態把握と適切な支援の実施、地域ネットワークの充実
(2)権利擁護
行政との連携による高齢者虐待や困難事例への対応、認知症や消費者被害、高齢者虐待等の啓発と早期発見
(3)包括的継続的ケアマネジメント支援
医療と介護関係機関との連携体制の強化、地域のインフォーマルサービスとの連携強化
(4)介護予防ケアマネジメント
地域住民への介護予防の普及啓発、二次予防事業対象者への適切なケアマネジメント
重点取組事項としては、地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みをあげている。高齢者ができる限り住み慣れた地域で安心して過すことができるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが切れ目なく提供される地域包括ケアシステムの構築に向けて、高齢者個人に対する支援とそれを支えるネットワークの充実として3つの項目をあげている。
(1)高齢者個人に対する支援の充実
高齢者支援の基本となる高齢者個人への支援の充実ということで、地域包括支援センター職員個人の支援力の向上と、介護支援専門員の支援力の向上をあげている。
(2)適切なサービスを円滑に提供するしくみを整えるための関係機関とのネットワークの充実
民生委員やボランティアなどの地域組織との連携強化、見守りネットワークの充実発展、医療と介護の連携強化をあげている。
(3)地域ケア会議の開催
地域ケア会議は、個別支援の会議などに第三者の多職種の参加、意見を交えることで、出席者の問題解決の向上を図るとともに、個別課題の解決だけでなくその背景となる地域の課題にも目を向けることにより、地域の課題の積み重ねや解決をはかる会議である。地域ケア会議の積み重ねによる地域課題の集積、関係機関での地域課題の検討やネットワークによる地域資源の充実を重点取組事項としてあげた。

(岡参事)
基本方針に加えて、来年度については重点取組事項を3点あげている。重点取組事項については、地域包括支援センターの運営方針ではあるが、市として当然取り組まなければならない課題である。
特に、3番目の地域ケア会議については、地域包括ケアシステムを構築していく中で非常に重要な位置づけとなるため、市として積極的に進めていく。地域包括支援センターで十分取り組んでもらいたいと考えており、重点取組事項とした。

[質疑応答・意見]

●研修の予算について
(大坪会長)
特に、重点取組事項というものがあげられているが、1番目に職員の支援力の向上やケアマネジャーの支援力の向上とあるが、支援力の向上のための研修の実施や受講の予算はどうなっているのか。

(道家職員)
地域包括支援センターの委託料の中に研修の費用も含まれている。

(大坪会長)
いままでもあったものか。

(道家職員)
平成25年度から含まれている。

(大坪会長)
重点的化するということは、回数を増やすなど強化していくことになるので、予算がそのままというのはおかしいのかもしれない。運営方針に見合った予算化を図らなければ、絵に描いた餅に終わってしまうので、よく検討してもらいたい。

●地域ケア会議について
(大坪会長)
地域ケア会議を地域包括支援センターで開催する場合、市が警察や消防署などにお願いをしたうえで、地域包括支援センターに開催を要請するというほうがよいかもしれない。

(井元委員)
ネットワーク構築による地域資源の充実というのは、具体的にどういうことをすれば、各地域包括支援センターが資源を充実したということになるのか。

(道家職員)
地域ケア会議には関係機関がいろいろ出席することになるが、その中で地域課題を検討して共有することや解決に向けて関係機関が協力して動いていくこと、それ自体がネットワークの構築となる。また、地域の中で足りないものがあれば、そこを補っていくという話にもなると思うので、会議の中で課題解決に向けて取り組むことが資源の充実につながると考えている。

(井元委員)
ここでいう地域資源というものの定義がどのようなものなのか質問した。
今の説明はよくわかる。今、制度化されていないもので地域で解決できるようなことがあれば、地域でサービス提供となるような仕組みをつくるであるとか、供給主体を検討していくということになるのか。

(岡参事)
地域ケア会議の中で、様々な課題が出てくると思う。今あるネットワークの中では解決できない課題もあるので、そういったことも踏まえて、地域でよりよい方向に進むような仕組みづくりを考えている。
地域ケア会議については、堺市版の地域ケア会議をどのようにしていくか、十分に検討し、今年度ガイドラインを作成していきたいと考えている。地域ケア会議というとイメージ的にはわかりにくく、今ある既存の会議とどう違うのかということも踏まえて、できれば模擬会議を開催していきたいと考えている。地域包括ケアシステムを構築していくためには、地域ケア会議が非常に重要な位置づけになっていくので、地域包括支援センターを中心に運営していけるように、市としては積極的に取り組んでいきたいと考えている。

(井口委員)
市として地域資源を充実してくことは難しいと思う。これは社協の仕事かと思っている。大きな方向性については、基本は市に頑張ってもらわなければならない。社協の区事務所で地域の資源を掘り起こして、地域ケア会議にはできるだけ参加してもらえるようにと考えている。地域包括支援センターのほうから、こういった方々に参加してもらいたいというような意見があれば、社協の区事務所所に相談いただいて、できるだけ参加してもらえるように働きかけていきたい。

●ネットワーク構築について
(中辻委員)
中区では高齢者関係機関会議を毎月1回開催している。消防にも参加いただいており、来月からは堺西警察署にも入っていただくことになっている。地域福祉課、保健センター、基幹型、地域包括、民生委員などが集まり、月に1回いろいろな問題の話し合いをしている。
また、会議ではないが、見守り活動として各校区福祉員会で、お元気ですか訪問を行っている。なかなか全域というと難しいが、できる限りのことをさせていただきたいと思っている。

(鹿嶋委員)
町の中で店を構えている薬局では、日常生活雑貨の購入や薬の処方で、薬局を訪問していただける患者さんは毎日おられる。立ち話になったりするが、いつでも相談してもらえるような体制を整え、まちかど相談薬局をもっと充実していきたいと考えている。

(大坪会長)
ネットワークの充実の中で、我々専門職種はいろいろなことに取り組むが、実際に利用する立場になって考えることが非常に重要になってくる。そういった意味で、ネットワークの中に老人クラブ連合会として参加するなどの活動方針はどうか。

(鶴谷委員)
今のところ、そういうことは行っていないが、個人的には、元気な高齢者にいかに働いてもらうかということだと思う。
民生委員も校区福祉委員も少ないので、いかに声を聞き取れるかとなると、地域にいる元気な高齢者がちょっとでもその役割を担っていけるようになれば、みなさんがもう少し楽になるのではないか。一番大勢近くにいるのは元気な高齢者で、近くだからわかることもたくさんある。

(大坪会長)
実際にサービスを提供している事業者の立場から、これは言っておかなければならないことがあれば。

(堀江委員)
堺市内の事業所の数は相当ある。事業所ごとにそれぞれ方針や考え方がある。そういった事業所を利用者のためにという方向でまとめていくことは相当大変である。

●医療と介護の連携について
(大坪会長)
地域包括ケアの充実ということで、地域包括における国の方針の中で、医療と介護の連携強化が出ているが、地域包括支援センターが具体的にどうすればよいのか正直わからない。

(藤川統括課長)
医療と介護の連携は、多職種連携だと考えている。地域で高齢者がすこやかに、安心して暮らしていくためには、医療と介護、福祉の多職種が連携していかなければならない。堺市は「いいともネットさかい」が医師会の主導のもと、平成20年度から連携を進めてきた。今後は、平成26年度にむけて、全市的な医療と介護の連協強化に合わせて、地域での医療と介護の連携強化ができないかと検討を進めている。

(前川委員)
「いいともネットさかい」では、6年前からいろいろな議論をしてきた。
ケアマネと病院の意思疎通が難しいという話があれば、包括とケアマネ協会とMSW(医療ソーシャルワーカー)がグループワークを重ね、新しい提案をしてくれるなど、全国的にも注目される成果を上げてきた。今後は、これまで議論してきたことを本当に機能するものにしていけるかである。

(大坪会長)
医療の中には、口腔ケアの関係も当然出てくるが、そのあたりについてはどうか。

(桑原委員)
各区、あるいは地域包括単位で、すでに在宅診療をしていただける先生方をピックアップしている。
そういった先生方に、地区での多職種協働の事例検討会等に参加をしていただき、より顔の見える関係づくりを進めていただいているとこである。

●まとめ
(大坪会長)
今後は、地域包括支援センターがさまざまな方の協力を得ながら、資質の向上をしていかなければならない。基幹型や地域包括支援センターが強力な人材を持っておかなければ乗り切っていけない状況にきている。介護保険法が改正され、地域にどんどん仕事が増えていくことになり、地域包括支援センターにさまざまな仕事が集中していくことが容易に予想される。その中で人材の確保が喫緊の課題になってくると考えられるのでよろしくお願いしたい。

(案件6)介護保険制度の改正案について

[案件説明]

(土生副理事) 資料6
資料6は、平成26年2月25日に全国の介護保険担当課長を集めた会議で出された資料であり、国の法改正、制度改正の内容となる。この方針に従って、今後1年間かけて、それぞれの市町村なりにどう咀嚼して制度化していくかという基本となるものである。
いろいろな制度を改正するために今回国会に提案されているのが、「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律等の整備等に関する法律案」であり、医療と介護の総合的な確保を図っていくことが今回の主眼である。
医療分野では、効率的、質の高い医療の確保ということで療養所の機能分化、連携、有床診療所の役割の位置づけ、在宅医療の推進、介護との連携がある。
介護分野では地域包括ケアシステムの構築ということで、地域支援事業の充実(在宅医療・介護の連携、認知症施策の推進、生活支援サービスの充実強化)、予防給付の地域支援事業への移行、特別養護老人ホームの入所者の要介護3以上への重点化がある。
医療の分野の3つ目に在宅医療の推進、介護との連携があり、介護分野の地域支援事業の充実の1つめに在宅医療・介護の連携の推進があり、両方に医療と介護の連携を進めていくことが入っている。
改正の趣旨としては、2025年に団塊の世代が後期高齢者となるため、医療施設も介護施設も不足し、在宅での生活が必要となるが一人暮らしも増えている中で、地域包括ケアシステムや在宅医療と介護の連携が必要になるということである。
今回の法改正で一番話題になっているところは、予防給付の地域支援事業への移行であるが、最終的に移行することになったのは、訪問介護と通所介護だけであり、既存の事業所のサービスは残り、そこで支えきれないもの、今後増えていく部分についてNPOやボランティア、民間事業者が担っていく部分もつくっていこうという概念となったようである。
この方針に従って、今後1年かけて、堺市としてどう新たな制度構築していくかを検討していくこととなる。この協議会でもいろいろ議論をいただくことになると思うが、よろしくお願いしたい。

4.閉会

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