このページの先頭です

本文ここから

平成29年度第2回堺市博物館協議会 会議録

更新日:2018年8月30日

日時

平成30年2月27日(火曜) 午後2時から3時30分

場所

堺市博物館 ホール

出席者

協議会委員

 今西幸蔵会長、中村浩副会長、足立久美子委員、、菅原真弓委員、谷晃委員、森範子委員、山中浩之委員、吉川真一委員(欠席:伊藤廣之委員、岩間香委員)

事務局職員

 須藤館長、谷口副館長、白神課長、矢嶌みはら歴史博物館長、宇野学芸係長、渋谷副主査、倉橋副主査(司会)

会議録

委員・事務局の紹介、館長あいさつ

司会

 定刻になりましたので、ただ今より、平成29年度第2回の堺市博物館協議会を開催いたします。
 早速、議事の方に進めさせていただきます。
 本日の出席者は、現時点で委員10人中8人でございますので、過半数の出席を頂いております。堺市博物館協議会規則第4条第1項により、協議会が成立していますことをご報告いたします。
 ここで、各委員のご紹介をさせていただきたいと思います。今西会長でございます。中村副会長でございます。足立委員でございます。谷委員でございます。森委員でございます。山中委員でございます。吉川委員でございます。菅原委員でございます。
 なお、伊藤委員、岩間委員におかれましては、所用のため、今回の会議欠席の連絡を承っております。
 また、傍聴者の方2人おられるということでございます。
 続きまして、事務局職員を自己紹介させていただきます。
 (事務局の紹介)

司会

 須藤館長よりご挨拶申し上げます。

須藤館長

 館長の須藤でございます。本日、平成29年度の第2回目の堺市博物館協議会の開催にあたりまして、今西会長、中村副会長をはじめ委員の皆さま方のご出席を賜りまして心から感謝しております。誠にお忙しい中、ありがとうございます。
 委員の皆さま方にはご承知のことかと思いますけれども、博物館事業における専門的内容や活動の活性化を図るために、本年度から博物館協議会を年2回の開催としまして、それぞれテーマを絞り込んだ上で、専門的見地から貴重なご意見を賜りたいと考えております。
 昨年8月に第1回の協議会を開催いたしました。テーマは教育普及事業に特化して行いました。そして、その活動や利用について、皆さまから深く議論をして頂きまして、非常に建設的なご意見や厳しいご批判もあったかと思いますけれども、いろいろなご指摘、本当にありがとうございました。
 その後、当館といたしましては、皆さまのご指摘に基づきまして、小学校への校外学習の参加を呼びかけ、そして、みはら歴史博物館が対象ですけれども、交通の便が悪いので、区にバスを借り上げ要請しました。それが実現しまして、何クラスでしたか、かなりのクラスがみはら歴史博物館へ来るような、そういうことを実現しております。これも皆さまのご指摘を現実のものとして、私たちが受け止めて改善を図ったところでございます。
 今回、この会議におきましては、当館の今後の企画展・特別展を取り上げまして、そのテーマや方向性等について、皆さまからご議論頂きたいと存じております。
 当館としましては、百舌鳥・古市古墳群の再来年度の登録を目指しまして、特別予算を組んで来年度以降、常設展のリニューアルあるいは企画展・特別展を古墳に焦点を当てた展示を計画しております。
 後ほど提案があると思いますけれども、皆さまからご意見を頂きまして、それを今後の当館の企画運営に活かしていきたいと考えておりますので、何卒、本日はよろしくお願いいたします。どうも、ありがとうございます。

司会

 それでは、今西会長、一言ご挨拶をお願いできませんでしょうか。

今西会長

 ご指名に預かりました、今西でございます。今日は少し春の気候になってきて、私、堺東駅から歩いてきたのですが、とても暖かくてポカポカした気持ちになっております。市役所の前、東側になるのですが、かつて、ダイエーがあったところ、そこが新しく出来ていて、堺の町もどんどんと新しく変わってきて、驚いています。
 また、私が10年ほど非常勤で勤めておりました府立大阪女子大学ですが、跡地が色々と整備されていくということでございまして、堺市のハード面での改革がどんどん進んでいるなと思いながら来ておりますが、一方、ソフトですね、私たちの仕事場、そのソフトでございますが、先程も館長からお話がありましたように、再来年度、百舌鳥・古市古墳群の登録という大きな課題がございます。こういったことを踏まえて、みんなが一緒に心を合わせて実現できる堺市、最後により良い堺市を目指して我々の活動をしていかないといけないなと、かように思っております。
 本日は、今から先生方と一緒に様々な討議をするわけでございますが、先程も、これも館長のご挨拶にありましたように、テーマを絞ってということでございまして、来年度、30年度、それ以降も一応原案が出ておりますので、こういったところをしっかりと見ながら、どうなのかということを、先生方から、ご専門の立場からご意見を頂戴したいと思います。
 以上、よろしくお願い申し上げます。

議事1、報告案件

今西会長

 では、ただ今より、平成29年度の第2回目の堺市博物館協議会の議事に入らせて頂きます。
 なお、先程のご報告では、傍聴の方は2人というご報告があったと思います。
 それでは、報告案件である平成29年度の第1回博物館協議会(教育・普及事業)についてのふりかえりについて、および来年度、平成30年度の展示事業計画等について、事務局の方から報告およびご説明の程をよろしくお願いしたいと思います。

白神課長

 まず1点目でございます。平成29年度第1回博物館協議会(教育・普及事業)を中心にさせて頂きました。それをふりかえって、その時に頂きましたご意見を少しご紹介しながら、どうしていくのかというところをお話したいと思います。
 まず、レプリカではなく実物をもっと示すべきではないかというご意見がいくつか出ておりました。見せるよりも体感・実感できる、そちらの方向を目指すべきではないかというご意見でした。実際、博物館は実物もありますがレプリカ類も多いです。その中で、頂いたご意見を反映すべく、来年度予算事業で古代の部分について古墳の実物資料を多くしていく計画をしております。また、中世以降も、後ほど説明いたしますが、リニューアルを少し進めていくなかでご意見を反映出来ればと思っております。
 それから、多言語化についてのご指摘がございましたが、色々な方面から言われておりますが、なかなか進まないところでしたが、今、世界遺産という大きな目標が本市にございまして、その関係で、先程も申し上げました古墳のリニューアルに絡めまして、外国語の出来る派遣の職員を要求しているところです。
 予算につきましては、内示は出ていますが議会の議決前ですので、確定とはならないのですが、語学力のある方に来て頂いて、進めていきたいと考えております。
 それから、アンケートをしてはどうか、若い方対象のものをというお話しもありました。私どもの館も加入している日本博物館協会のホームページ上に「博物館自己点検システム」がありまして、そこに入力しますと採点していただけるものでありましたので、一度試してみました。資料1です。横長の表がありますが、こちらが「自己点検システム」による客観的評価となります。当館で実施している項目、丸印か無記入かとなっている列がありますが、程度の差はともかく、実施か未実施かでの評価であり、かなりの幅がありますが、当館で実施したものには丸印を付けました。総合評価では8.6点で、他館の平均値よりは高い数値ですが、中身についてはまだまだなところも当然あります。
 また、丸印を付けられなかった項目があります。6番の博物館の利用方法の講座やバックヤードツアーなどの教育普及活動は、なかなか出来ておりません。8番のアウトリーチのように出かけていくものですが、講演依頼などでは館外へもいきますが、出張博物館的な形での活動は、実際出来ていません。6番、8番、どちらも、当館が目指すのであれば人的ゆとりも、当然仕事の再構築も必要かもしれません。その辺も見据えないと思いきったことは出来ないと思います。以上が「博物館自己点検システム」での評価となります。
 続きまして、平成30年度展示事業計画につきまして、ご説明いたします。資料2です。お手元のカラーチラシと同じものになります。これは平成30年度年間の展示スケジュール、計画です。当館では、このようなチラシが初めて出来ました。本来はこのようなチラシは、早い段階で作成して皆さんにお知らせするものですが、当館では来年度用がようやく実現しました。各学芸員の意識もかなり高くなってきていると思っているところです。
 こういう形でお示しいたしましたのが平成30年度のスケジュールです。これに付け加えまして、リニューアル計画があります。資料3です。展示場の平面図です。逆U字型となっております。右側の方が入口で、古代、中世、近世、近代という形で通史展示をしております。この平面図上に黒い直線で注記している一番入口に近い側が25年度のリニューアル部分で、以下、27年度、28年度の実績が記載されています。当館は昭和55年、1980年に開館し、2002年に、一度大規模にリニューアルして、入口と出口を逆にしました。
 それ以降はリニューアルとしては25年度がスタートとなります。一度に出来ればよいのですが予算などから、少しずつ進めており、来年度、30年度につきましては、古代から中世の部分、こちらをリニューアルしていくため、予算を付けていただく方向です。
平成30年度のリニューアルについては、後ほど、担当の渋谷からご説明させていただきますが、この図面の中では注記がありませんが、平成25年度にリニューアルした古代の部分、一言で言うと古墳の部分ですが、この部分を実は平成30年度に手入れをしようと考えています。
 先程の実物資料のところでも触れましたが、市の文化財課では古墳の発掘調査がかなり進んでおります。出土品もかなり蓄積されてきています。特に、大型の御廟山古墳やニサンザイ古墳の発掘資料が増えてまいりました。その辺が、今、全然展示されていませんので、組み替えて展示したいと思っております。これは、世界遺産の機運醸成にも関わってくるべきものと考えています。30年度の特に前半が勝負かと思いますので、実施していきたいと思っています。
 それでは、続きまして、中世のリニューアルにつきまして、担当の渋谷から説明させて頂きます。

渋谷副主査

 渋谷でございます。よろしくお願いいたします。今日の資料で言いますと、資料4が中世の常設部分のリニューアルについての簡単な説明となります。
 リニューアルの概要は、当館の中世の部分は「自由都市堺」を単元にして、それを単一で扱っています。開館以来、中世以降の部分はリニューアルが少なく、現在の研究成果等を反映する形には、なかなか追いついていません。
 もう一点は、「自由都市堺」というコーナーで、戦国時代から安土桃山時代に展示内容も偏っています。それをもう少し中世全体に広げて紹介するコーナーに変えていきたいと考えています。
 主な内容は、2番目のところにありますが、(1)、(2)、(3)、(4)というようにナンバーを振っています。それぞれが単元だと思ってください。今の「自由都市堺」の展示は、(2)の後半から(3)、(4)位が中心になっています。そうではなく、今度のリニューアル計画では、(1)と(2)の前半位、南北朝時代位までの分について少し取り上げる部分を多くしようとするものです。
 一つ目は、堺の町の始まりということで、堺というものが史料上に初めて出てくる、町の成立にかかわるところを中心に取り組みたいと思っております。(2)は、当館で新しく、平成27年度に寄託を受けた「和田文書」などで、南北朝時代のことも非常に良く分かってくるような状況になりました。それらと、今まで言われているような堺の自治などを盛り込んだ構想にしたい。
 それから、(3)と(4)にしても、今までの紹介の範囲と重複するところはありますが、この間、色々な研究が進んできましたので、それらを含めたことをバックパネルや展示資料の複製品を新たに作製することも含めて、リニューアルを行っていこうと考えております。

白神課長

 説明は、いったん終わります。以上でございます。

今西会長

 はい。ご苦労様です。それでは、先程学芸課長からの説明と渋谷さんのリニューアルに関する説明がございました。先生方からご意見ご質問を頂戴したいと思います。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。山中委員どうぞ。

山中委員

 始めの「点検システム」のアンケートの評価、3番の参加者数の目標を掲げているかいないか、というのは、わりとそうではない館が多いです。実際上、これを見ますと目標数を掲げることの良し悪しといいましょうか、その辺については、いかがでしょうか。堺市博物館としても、目標を掲げる、ずっと掲げて来られていると思いますけれども、掲げる必要があるのだろうか、という気がします。この辺についてのお考えはどうでしょうか。

白神課長

 目標値の設定が必要かどうか、ということですが、行政サイドでは、すぐ数値を求められるという安直なわけではありませんが、事業をしている以上、目標はある方が良い部分もあると思います。ただ、数字さえ満たせばいいのかというのは別問題です。当然、来られた方、出られた方のご意見など、中身の評価があると思います。そちらの方が、実は大事であると思っています。

山中委員

 そうしましたら、見学等来られた方の中身に関する意見などをどのように把握するか、という問題があります。その辺はについて、何か今現在、何らかの形で行われているのでしょうか。

白神課長

 教育で学校団体が来られる場合は、先生の方からご意見を頂いたりすることはあります。その中で、特に、昔の道具を中心とした展示で、小学校3年生の児童の団体が来館する時、アンケートでご回答は頂いております。昔の道具展・暮らし展につきましては、例年冬場に開催するものであり、頂いたご意見を元に、工夫をしていくことに留意しております。

今西会長

 よろしいですか。評価の問題というのはとても難しい問題と思います。教育評価は、数値だけで以って、つまり、今の場合、山中委員がおっしゃったように、参加者数だけで以って、どうこう言えるものではありません。しかし一方では、数値目標を求めるという行政サイドのご意見もあるかもしれません。中身の問題としてということで、今うかがっております。
 先程の資料1の(2)のところに、「アンケートを実施するなどして、教育普及活動への参加者の満足度を把握している。」で丸が入っております。こういったところを含めて、その中身を反映させていくというのかな、いわゆる、PDCAでいうところのCからAというところです。その辺のところを考えていかなければならないということを思いながらお聞きしました。
 先生方、ご意見をください。はい、どうぞ。森委員どうぞ。

森委員

 森でございます。よろしくお願いいたします。資料3のリニューアルをされる展示場配置図というのを拝見しましたが、実際には、中身はどうなるのでしょうか。何か構造上に替わるのでしょうけど、中身は?

白神課長

 全体通して、中身の詳しい話をしていなくて申し訳ありません。今から補足という形で説明いたします。
 平成25年度は古代の部分、古墳という言葉で括りましたが、当館は通史、歴史の古いところから新しいところまで年代順に並べて展示するのが当初のスタイルでした。今もそこはほとんど変わっておりませんが、古墳に特化しようということで、古墳よりも古い時代、旧石器、縄文、弥生のものを省略しました。これら古墳時代以前のものはパネル1枚としました。実物展示は、古墳時代の埴輪からスタートしています。それは、世界遺産との兼ね合いもあり、古墳時代の資料を多く展示するためにはキャパが限られているなかで、そちらを優先したところです。そこが平成25年度のリニューアル部分です。
 平成27年度のリニューアルは町屋ステージと書いているところから、その左側長方形の独立ケース、こちらは通史で行きますと古墳時代から飛鳥時代、奈良時代、少し飛んでも平安時代かなと、お客様は思って来館されるのですが、実はこの町屋は江戸時代のものです。古墳時代が終わってここは江戸時代になっているのです。なぜ、このような矛盾が生じたかと言いますと、平成14年度の入口と出口を逆転させてことに起因しています。では、なぜ入口と出口を逆転させたのかと言いますと、当初、今出口になっている左側から古代でした。そのまま進むとちょうど町屋ステージの辺りが江戸時代となり、最後のところが企画展示コーナーでありました。しかし、バックヤードからの導線は左側が近いわけです。展示替え等を考えると、やや疑問を感じざるを得ないような設計でした。その辺りの作業をやりやすくするためが目的だったと思います。私は当時在籍しておりませんでしたので、想像も入っておりますが。そういうことで、入口と出口を逆転させた結果、町屋が現在の場所にありことになりました。
 この町屋については撤去しようとの議論もありましたが、それなりの経費もかけて博物館で復元した町屋ですので、それなりにきっちりと作られており、壊すのもどうかという意見もあって残ったという経緯があります。ただ、このままでは違和感が強いというなかで、町屋の壁面に上からスクリーンを下げて隠すような格好で、そこで堺の古代から中世、近世等をスクリーンで表現しているというところです。ですので、町屋を直接には見えない形に、今はなっております。
 左側の独立ケースは、大阪府指定有形文化財「慶長大火縄銃」のケースを、このリニューアルにあわせて特注し、360度周囲から見られるようにいたしました。元々は、平成30年度にリニューアル予定の内側のケースで展示していたものを、貴重な火縄銃ですので、じっくりご覧いただけるよう組み替えたところです。
 平成28年度につきましては、その大火縄銃を中心として堺のものづくりのシンボルである火縄銃について充実させたいという思いから、火縄銃の作り方や細工、特に江戸時代のものは装飾豊かです。そういう工芸的美しさですとか、火縄銃本来の機能は殺傷兵器ですが博物館では前面に出せませんので、ものづくりの視点から火縄銃を見ていただくということで、展示を構成しました。動画を導入したりして最近の博物館風にリニューアルいたしました。ちなみに火縄銃の数も従前11挺でしたが今は恐らく倍以上になっていると思います。館の収蔵庫にあるものを大体見ていただけるようになりました。
 平成29年度の記載が無いと思われるかもしれませんが、当館は昔ながらの展示ケースで、近年の技術的進歩が取り入れられていません。文化庁の要求する展示環境を整えるため、今年度エアタイトケースを導入しようということで29年度予算を頂き、今業者と打合せをして製作しているところです。その導入が29年度です。
 30年度につきましては、先程渋谷が説明しましたように、古墳からあと自由都市に飛んでいたところを、町のおこりである「堺」という言葉が初めて出てくるのが平安時代後期ですので、そこまで繋いでいければと思いますが、それでも古墳から平安まで飛ぶというのは若干違和感がある方もおられるかもしれません。その点はまではっきりとは申し上げられませんが、課題として来年度の古代の展示、古墳の部分を少し修正したいと思っていますが、そのなかで少し繋がるような工夫もしたいと思っています。
 以上、補足でございます。失礼いたしました。

今西会長

 はい。色々苦労しながら工夫しながらやっていらっしゃることです。森委員どうでしょうか。

森委員

 楽しく見られるように変化しているのでしょうか。小学生が見たり、一般の方が見たりした時に、色々苦労はしている割には、楽しい見学になっているのか、変化が見られるのかどうなのか。

白神課長

 観覧者の方の変化が見えているかということですか。

森委員

 観覧者の方が変化を感じ取って楽しめるかということです。

白神課長

 観覧者アンケートでは、古墳のことがすごく分かったというプラスの評価も結構多いと思っています。ただ、楽しいかどうかについては、なかなか難しいことで、今回の古代の25年度のリニューアルでは、少し触れるもの、ハンズオンといいますが、触ったり着用したりということで、例えば、仁徳天皇陵古墳の前方部に収められていたであろう黄金の甲冑、よろいかぶとを実際の素材で作ってみて持つことが出来るようにする、被って着用できるようにする、そこで写真も撮っていただける、最近良く写真を撮っておられる方も拝見いたします。写真をアップして拡散していくというプラスの効果もあるのかもしれません。それがどれだけ使われているのかというのは、そのよろいかぶとが如実に物語っております。何かというと、手擦れがすごいのです。黄金の甲冑ですが金が剥げて、毎年年度末にメンテナンスをするのですが、私は4年目ですが観察している限りでは、今年度の金の剥げ具合がすごいです。そういう意味では、結構人気なのかと思っています。
 あと、石棺の部材を触ってみたりとか、あるいは、埴輪の重さを実感しようということで、樹脂で作った埴輪、実物の半分の重量のものを作ったりして置いているのが25年度のリニューアルでありました。
 こちらの鉄砲のリニューアル、28年度の分の時、顔出しパネルを設置しました。鉄砲足軽二人のうち一人顔出しできるような形で、その時の担当者は渾身の自信作であると言っておりましたイケメンの顔で作っていますが、特に若い女性の方が写真を撮っているのは良く見ます。構造的に引きが無いので少し撮りにくいのかと思ったりしますが、そういう工夫を少しずつ増やしていると思っています。以上です。

今西会長

 はい、どうぞ。

森委員

 ありがとうございました。一昨日琵琶湖博物館に行ってきたのですが、非常にたくさんの年齢層の方たちがいらっしゃっていて賑わっておりました。費用もかなりかけているのだろうなあと分かりましたし、こちらではバックヤードツアーもしてはどうかというようなご意見が前回あったと思うのですけれども、研究室みたいなところをセットしてあって顕微鏡で化石を見るとか色々な剥製であるとか昆虫採集の標本などがあるのですが、非常にきれいで興味深く、写真をみんな撮れるようになっているので、皆さんがインスタ栄えではありませんが写真を撮って楽しんで笑い声が聞こえる。そういうものと、また違うのかもしれませんが、足を運ぶ人が「また来たい」というようなことを館内の何ヵ所かで聞こえたので、どうしたらいいのかなということを思いながら観覧してまいりました。
 どのようなアイデアがここに当てはまるのかわかりませんけれども、こういう硬い会議とは違って、もっと意見交換出来るような柔らかい会議も必要なのかなあというような印象を受けているところです。

今西会長

 はい。ご意見だと思います。ありがとうございました。菅原委員どうぞ。

菅原委員

 私は長年こちらの館に寄せていただいていますけれども、平成25年度以降のリニューアルでハンズオンの展示を導入されたことで、とても活気のある展示になった、参加できる良い展示になったなあという風に思っておりますところです。
 特に、課長の方から町屋の場所の唐突感というのがありましたけれども、あの場所は素敵ですよね。周りで子どもたちが楽しそうに過ごしているというのも見られますし、とても良いリニューアルになっているのではないかなと思います。
 今後もまた少しずつリニューアルをお続けになるということで、渋谷さんの方から平成30年度のリニューアルの話しを頂きましたけれども、今、現在、概略プランというかそういうのが、今出来ているのかどうかということと、あるいは、これは私、博物館経験者だから分かるのですが、いわゆる、映像機器の類を使うとすぐに陳腐化してしまうという危険があり、それが少々心配です。新しい機器の導入であるとかメディアの利用等もお考えになっているのか、等々少し、今話して差し支えない辺りは教えていただけたら楽しみですし、あるいは、その中で、委員の先生方ほとんど社会教育のご経験がある先生方ですので、もっとこんなのやったら良いとかという風な具体的な、僭越かもしれませんけれども、プランなども私どもがワイワイという風に言うことができるかもしれませんので、もしお決まりでしたら、少し、ほんのちょっとで良いので教えて頂けたらと存じます。
 よろしくお願いします。

今西会長

 事務局よろしくお願いします。

白神課長

 厳しい予算ではありますが、リニューアルは最後までやりたいというのは一つあります。
 時代を追ってやっていっておりますで、30年度に古代から中世の部分が出来た後は、江戸時代が中心になってくると思います。資料3の平面図では、30年度が終わったとしても半分済んでいないと見えるのですが、最後の企画展コーナーは常設展ではないので、そこを外して見ていただくと、半分位は済んでいるという感じになると思います。
 あと残りの半分位が何年かかるかということは、私がお約束できませんので、軌道修正しながらということになろうかと思いますが、最後までやり遂げたいと言う決意は表明しておきたいと思います。それに合わせて、新しい映像などは、先生もご指摘のありましたように、陳腐化するということがあって、あと例えば、機器が故障してそのままになるというような不細工なこともあるので、あまりそういう方向には行かないだろうとは思っています。
 色々この協議会でもご指摘いただいていますように、博物館は実物だというところ、ここも忘れてならないことだと思っておりますので、その辺りも非常に、実物を如何に見ていただくか、実物から何かを感じていただけるような展示にしていかなければいけないと思っています。実際、これからリニューアルするべき江戸時代以降のところに関しても、実際見ると実物ではないものも結構あります。その辺りも課題であると思っております。このような観点で、残りのところは考えて行きたいと思っております。ありがとうございました。

今西会長

 よろしいですか。では、谷委員どうぞ。

谷委員

 谷です。教えていただきたいのですが、平成30年度の展覧会スケジュールで、色々なものが、七つほどの企画が並んでいるのですが、企画が企画展というものと、特別展、それから普及教育展という三つに分かれているわけなのですが、これらはどういう違いがあるのでしょうか。

今西会長

 白神課長、どうぞ。

白神課長

 はい。企画展、特別展の名称ですが、明確な基準があってないようなところが正直あるのですが、一言で言いますと予算ということになってきます。予算とお借りするものの量と言いますか、そういうところから特別展は大体、今、年に一回、多い時でも年に二回という形です。展示事業という枠のなかで予算がつきますので、残りはその中で上手に割って執行するという形です。普及教育展なる言葉は、今回初めてになるのですが、推進係の学芸員が中心となって行う企画展です。
 それから、展示の回数をたくさんにしようとすると一人年に二回ということになったりもしますけれども、博物館の本務である調査研究をしっかりしていくことにより、展示の質が上がっていくと私は思っています。

今西会長

 はい。谷委員、よろしいでしょうか。どうぞ。

谷委員

 資料3の配置図なのですが、左の、下を向けて左のところに企画展コーナーというものがあるのですが、企画展というものはこの部分でされるということになるわけですか。

今西会長

 よろしいですか。事務局どうぞ。

白神課長

 企画展コーナーは通常この範囲で行うのが多いことは多いのですが、特別展まではいかないけれども企画展でも、例えば、展示面積を広く取りたいという場合は、その上の布団太鼓、「祈り祭り」と書いている辺りまで常設展示を片付けて企画展を開催することはままあります。

谷委員

 しかし、スペース的に言えば、右側の常設展部分が多くを占めるという、展覧会内容からすればそういうことになるというわけですね。特別展の場合は、常設展のところを全て撤去して特別展をされるということですか。

白神課長

 特別展も全部撤去というわけではなく、お尻の企画展コーナーから布団太鼓、「祈り祭り」とありますが、もう一つ先の「堺の産業・文化」の辺り位までのどこかまで潰しての形が最大です。

谷委員

 はい、わかりました。

今西会長

 よろしいですか。予算やスペースなど、なかなか難しい面で苦労されていると思います。中村委員どうぞ。

中村副会長

 先程、白神課長から説明がありましたように、子どもたちがカブトを被るとか、あるいはヨロイを着けるとか、そういう、いわゆる体験コーナーというのは非常に人気があるのですけれども、場所が展示のちょうど中央部分になっていると思います。そこで子どもたちが、ある程度やはり黙るように言いましても騒ぎます。そこで写真を撮ったりしていると、他の観覧者の方に少し注意がやはりいってしまうと思いますので、体験コーナーは中庭に面した部分、ここに集中的に持っていかれてはいかがでしょうか。そうしましたら、そこで写真を撮ってもどうでもかまわないと思います。特に、入口のところに写真撮るなとか色々注意書きがありますが、撮らないでほしいというところと撮ってもかまわないというところが区別はされていると思いますが、注意書きまでは、撮っている人には全然目がいかないと思います。そうなると、中庭の方がどうぞご自由にお撮りくださいという風にした方が良いのではないかと思います。こちらの思い込みかもしれませんが。
 もう一つ、先程エアタイトケースをかなり導入されるということ、これは基本的に展示としては良いことだと思います。ただ、指定文化財等となってきますと、公開承認施設ということになってきますと、なかなか難しい問題があって、かつてそれに認定されていたところも、今取り消しであるとか要注意であるとかになってきています。
 そういうところも、年次計画の中で全部をエアタイトにしていくとか、色々計画的にしていかないと、市の予算はいっぺんには出ませんから、そういうところも大事ではないかと思います。
 古墳のコーナーですが、世界遺産は前にガイダンス施設が出来て、ガイダンス施設には基本的にモノは置かないのだということで、モノを見る人は博物館へ行ってくださいということでしたので、そうなると、ここに須恵器のようなものが置かれているというかレプリカが置かれているというのは、やはりどうかなと思います。レプリカではなく、やはり本物を見たいという人は、ガイダンス施設で満足しない人はここへ来るはずなので、そういうところを満足させるには、この博物館の役割ではないかと思います。
 それと、この前公開された文化財保護法の改正の要点が出ていましたが、その中に博物館の役割というのが、わずかですけれども書かれていました。中核的施設としての博物館の位置付け、文化財公開施設としての博物館の位置付けがあると思います。ここの場合は、堺市の中核施設ですし、大阪府下でも中核施設だと思いますので、それを意識して今後その整備をやっていかれた方が良いのではないかと思います。

今西会長

 はい。今、中村委員から三点ほどのご意見を頂きました。どうぞ、答えられるもので結構でございますので、お願いします。

白神課長

 体験のコーナーを中庭側にというお話しでしたが、確かに展示場の真ん中で試着や写真撮影は決して良いことでは無いと思います。一つは、仁徳天皇陵古墳の甲冑の説明している前に置いてあることの利点があることはご理解ください。
 あと、内側の中庭側のスペースですが、そこは、基本、パネル展示のコーナーとしていて、世界遺産関係のパネルと、もう一つの柱である無形文化遺産のパネルを置いているコーナーが従前ありましたが、今年度の半ばから「VR」という仁徳天皇陵古墳を空から見るという体験が出来る装置を作りました。私ども博物館が事業として行っているものではなく、堺観光コンベンション協会というところが、博物館の、今先生がおっしゃった中庭部分の真ん中を使って実施しています。そのような関係から、今後どうなるかは分かりませんが、スペース的には厳しいという状況が一つあります。
 エアタイトケースを増やしていくということは、先生もおっしゃったように予算のこともあり、難しいことでありました。館全体のなかで環境ということを整備していかなければならないので、エアタイトケースを導入したからもう大丈夫というものでもありません。なかなか厳しいのですが、文化財保存の観点から展示環境の整備を目指して行きたいと思っております。
 中核的な施設として、この館が、市の中核であるのはもちろんですが、南大阪でも、やはりここは大きな館であります。その辺り、もっと主張したいところですが、市内のものを並べるにしても充分ではない状況です。
 端的な例では、大阪府から引き継ぎました府立泉北考古資料館、名称を改めて市立泉北すえむら資料館という形で堺市が五年間持たしたのですが、今閉館して国指定重要文化財2585点が当館の収蔵庫に入っています。今展示場にあるものは10点です。もっと多くを見ていただけるような形にしていかなければいけないということです。陶邑というのは市域を越えて広がっている大きな遺跡ですので、責任も感じているところです。
 本当に色々とご期待いただけるのはうれしいことですが、なかなかキャパが限られている中で、どうしていくのか、実際、本当に悩ましいところですので、大所高所から色々なご指導ご助言を頂ければ、うれしく思います。
 よろしくお願いいたします。

今西会長

 はい。中村委員どうでしょうか。よろしいですか。はい、では、他の委員の先生方、いかがでしょうか。よろしいですか。
 では、私から一点お伺いしたいのですが、資料1、調査がありましたが、丸印がついていない部分がありますね。これは、どういう問題、課題があるのか、少しご説明いただけるとありがたいです。

白神課長

 6番と8番です、丸印を付けていないところになります。このような学芸員の仕事体験やバックヤードなどは、正直、企画して出せるところまでいけていないのが現状です。何故かというと、それらよりもやらねばならないと我々が思っている通常の講座などが優先されているからかと思います。バックヤードツアーに関しては、前回もお話ししたかも知れませんが、新成人のプログラムで、堺市の新成人の方に二十歳の記念に博物館に、一度同伴者一名とともに無料にしますのでお越しくださいということをやっておりましたが、なかなか来て頂けないというようなお話しをさせていただいたと記憶しておりますが、その時に、月に一回日を決めてそのようなツアーを実施しますということもやりましたが、来てくださる方がおられなくて、考えさせられたところです。正直言いますと余力が無いということで、一言で片付けて申し訳ありません。
 出張活動についても、堺市には出前講座がありまして、各行政のところが、希望があれば出向いて、出張して話しをするというものが、様々な分野で行われております。そこのメニューには博物館は入っておりませんが、調整がつけば、個別の対応という形ではさせていただいています。普通の講座、お話しになりますが、トータルしますと年間十数件はいっていると、感覚的には思っています。それ以外のメニューになりますと、やはり人的な部分で、躊躇しているという風に思います。

今西会長

 はい。ありがとうございました。8番についてのことですが、先程、谷委員から博物館は調査研究が中心であると、また今、白神課長の方から博物館は来て頂くところであるという先輩のご意見ですか、ということもおっしゃっておられました。こういった出前講座的なアウトリーチもいるのかとも思います。
 かつて、今の陶邑のところで府文化財協会、府立泉北考古資料館の時代に、近くの府立泉北高等学校や府立堺東高等学校に、文化財の中で少しレベルが低いと言うわけではありませんが、少し位痛んでも良いものを、実物を陳列ケースに入れてずっと展示されておられたということがあります。私も見ています。そういう意味で、今後、先程も言われましたが、人の問題でとても手が回らないということもありますでしょうし、経費の問題もありますが、検討課題として意見として申し立てました。以上でございます。
 先生方、どうでしょう。無ければ、次の議題に移らせてよろしいですか。では、次に審議案件の、今後の企画展・特別展で取り上げるべきテーマ、方向性について、ということで事務局からお願いします。

議事2 審議案件

宇野学芸係長

 今後の企画展・特別展で取り上げるべきテーマ、方向性について、資料5・6について、お話しさせていただきます。
 一番最後のところのアンケート、お客様から頂いているアンケートの集計結果をご覧いただけるでしょうか。
 堺市博物館は歴史博物館ですので、歴史に興味を持っている方がアンケートにご回答頂いている方が多いです。その中から、今後どんなものを、どんな展覧会を見たいのかということを拾って見ますと、堺で活躍した人物のことや堺の古墳時代の歴史のこと、そのようなところに知りたいことがあるということが分かります。
 前のページに今後何年後かの間の何周年みたいなものを挙げてありますが、そういう世の中の状況に合わせて、展覧会を行っていかなければならないということもあります。
 一番大きなものとしては、2019年、再来年度ですが順調に行けば百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産に登録されるということで、これに合わせて古墳関係の展示を行ってほしいという要望があります。
 また、翌年には堺市博物館開館40周年を迎えます。それに合わせても何らかのイベントをやらなければならないという状況です。
 その前のページをご覧ください。資料5になりますが、学芸員それぞれに専門の分野がありまして、それぞれ個人的に暖めてきているテーマ等もありますので、まずは学芸員たちにどんな展覧会をやっていきたいかということを、出してもらったものと、それとともに、先程お話したようなお客様からの要求や何周年、世界遺産登録など、そういうものを考え合わせて表に簡単にまとめたものが、この資料になります。
 特別展の案としては、先程言いましたように、古墳の展覧会を二本考えております。一つは、古墳‐巨大墓にエネルギーを投じた時代‐ということで、日本国内の古墳に関連する遺物を展示し、百舌鳥古墳群の位置付けを考える、というものです。
 また、(2)として、墓を造る‐人類史と巨大墓‐ということで、これは大きなテーマとなりますが、世界の中での古墳文化を位置付けるために、海外の墳墓からの出土品を含めて展示する、という案が出ています。考古を専門とする学芸員が博物館には五人いますので、その方たちで考えている企画になります。
 他に歴史の学芸員、美術の学芸員がいますので、もう少し総合的にと考えていますのが、百舌鳥・古市の仏教美術という企画で、百舌鳥・古市に伝わる優れた仏教美術を展示する、というような内容です。
 先程、特別展と企画展の違いの話しがありましたが、特別展は、予算規模が比較的大きく、それとともにお客様から頂く観覧料も変わってきます。それらに対して、企画展は、小規模にやっている展覧会です。
 企画展案としては、「堺と芝居」は、都市・堺では近世以降、芝居の興行が行われ、堺を舞台にした作品も多い。文学資料や歴史資料から堺の芝居を探り、曽我廼家五郎など堺にゆかりの芸能人についても紹介する。
 二番の「一休宗純と堺」は、ゆかりの酬恩庵や真珠庵に伝わる堺の史料を紹介する。
 三番、「堺と蓮如」、蓮如ゆかりの堺市域の真宗寺院の所蔵品から堺の町と真宗のつながりを探る。
 四番、「河口慧海」、堺の有名人、歴史上の有名人を取り上げるものが続いていますが、近年収蔵した河口慧海関係資料などを紹介する。
 五番は、もう少し範囲を広げて、「堺の名産・特産大集合」、古代の須恵器から近現代の自転車まで、堺のものづくりの歴史を紹介する。
 六番は、「光明院の仏教絵画」、堺市博物館に市内の光明院というお寺から寄託されている資料をきちんと調査して展示する。
 七番、「住吉祭展」、住吉祭を描いた絵画、住吉祭に関する文書、古写真、記録動画のほか、住吉祭に関わる品々を紹介する。 
 八番は、「茶室寄贈40周年記念 立花大亀和尚展」、堺市博物館の開館と合わせて寄贈された「伸庵」「黄梅庵」という登録有形文化財の茶室が前庭にありますが、その寄贈に当たっては、堺出身の禅僧の立花大亀和尚がご尽力をされましたので、それを顕彰するような展示をしてはどうかという案です。以上です。

今西会長

 はい、どうも。ただ今、堺市博物館の今後の企画展・特別展で取り上げるべきテーマ、方向性について、ご説明を頂いたと思います。委員の先生方、どうぞ、忌憚の無いご意見を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。
 どうぞ。それでは、菅原委員お願いいたします。

菅原委員

 拝聴いたしますと、2019年に世界遺産登録ということになれば、更に大きな予算が世界遺産で付いて、大きな展覧会も出来るのだろうと、とても楽しみに思います。堺市を上げての祭りのように、堺市内の利晶の杜などと一緒に展覧会ができたら素敵だという風に思って伺いました。
 また、堺には本当に様々な歴史上の有名な人物もいるのだということ、阪田三吉師匠が堺出身であるということを今日初めて知りました。専門的な歴史の展覧会であるけれども少し柔らかいテーマの展覧会を、年間六回、七回やるうちの一つや二つ、入っていましたら楽しいと思いました。
 絵画というか、美術資料の展覧会ももう少しあっても良いのではないか。焼き物の展覧会などもありますが、見てすぐに学ぶということも良いですが、目で、視覚で感じることが出来る資料の展覧会も、もう少し、年間二回位、ニ・三回位やっても良いのではないかという風に伺っていました。是非、古墳の大きな展覧会、2019年度に出来ますことをお祈りして終わります。

今西会長

 はい。どうか、ご意見を参考にしてください。先生方、いかがでしょうか。どうぞ。山中委員どうぞ。

山中委員

 特別展は、世界文化遺産との関係で、うまくいけば、こういう展示になるのだろうとは思いますが、これ、しかし、見ましたら、ここで出来る規模なのかと、少し思ってしまいます。どの位の規模になるのか、特に(2)番などはものすごい規模で楽しみですが、実際、ここでやるとなった時も、やり方はとても難しいことになろうかなと思います。
 企画展も、学芸員の方、あるいはその周辺の研究者の方々が蓄積されてこられたその上に立ってのテーマが、基本的には設けられていると感じます。これはまさに、博物館の研究・調査成果そのものを示されるということで、博物館でやられるべき基本的な内容とは思うのですが、とても堺にとっては大事な問題が全部並んではおるのですが、学芸員さんが、研究されてきた方々の立場から見てそういうようなものという感じが、どうしても強いのです。つまり、こういうのが、一般の方々、あるいは若い人にとって、どう興味、関心を引き立てさせるかという点がとても大きな問題です。それは可能であるとは思いますが、どのようにこれを示すか、例えば、「堺と芝居」というようなテーマでポスターを作りますと、とても難しい感じがします。一部の歌舞伎ファン位しか来ないということになりかねません。「一休宗純と堺」、であれば、一休のとんち話の方が、ずっとずっと有名な訳で、そういうものとどういう風に結びつけるか、というところがとても大事であると思います。芝居にしましても、このタイトルでやると、なかなかイメージが湧きません。だから、それぞれはとても魅力的であると私は思います。
 大事なテーマで、ここの博物館としての蓄積の豊かな内容が並んでいると思います。だから、それだけに、一般の方々に、どう、それを、インパクトを持って示すかということです。ポスターからということになります。その辺を工夫されるととても内容的に充実した面白い展示になるのではないかと思います。だから、どのテーマを取っても一般の人に、どの部分がどう受けるかということを、色々思い描いていく必要があるのではないかと思います。皆どれも興味を引く部分は絶対あると思います。その辺の工夫がとても大事と言いますか、ここでやってこられたものは、ずばり、研究者のテーマがそのまま出ているものが多いようです。それはそれで大事なのですが、やはり、そこをどう見せるかという工夫、人々の関心をどうかきたてるかというところの工夫が、とても大事と思います。それでこそ、この展示が生きてくるのだろうと思います。という感想です。
 あと、最近で言いますと、鉄砲も面白かったです。鉄砲屋敷、あれは特筆すべき資料のように感じました。未だ展示にまではいかないとは思いますが、将来的にはとても楽しみな膨大な資料群です、文書もモノも含めまして。それもいつかというようには感じます。こう言うところです。

今西会長

 はい。今後、進めていく課題として、まず一つは、19年ですか、古墳の問題です。規模が大きくてどうなのかということが一点。
 それから企画展、すばらしいテーマが並んでいますが、これを崩すと言うか、大衆的にしていくやり方が難しいであろうという先生からのご意見です。事務局の方は、いかがでしょうか。

白神課長

 世界遺産の展示ですが、もし世界遺産登録がなったということになると、これは博物館としても、一言で言うと、大きな特別展をという話しが考えられる訳です。この博物館でやります世界遺産の関連展示については、今年度になり、文化財課と世界文化遺産推進室と博物館とで三ヵ年位かけて、どういう形でやろうかということを議論してきました。
 特に、先生もご懸念されました海外からのモノに関して言いますと、我々にノウハウがない、実績が無い、外国から借りるので未知数のことがかなり多いということと、外国から借りるとなると予算規模もかなり膨れてくる。このような中で、予算が取れるのかというような悩みを抱えながらも、やるしかないという思いもありまして、調整を進めております。
 この三ヵ年の予定については、事前準備が必要ですので、30年度に調査・研究の予算も要求したところ、財政当局のご理解を得て、一定の額については認められました。只、不安が完全に払拭された訳ではありません。
 最初に多言語化のところでも紹介しましたが、英語の堪能な派遣の職員を採用する見込みです。体制の充実も含めて、学芸員のいる部署とも連携しながら、館全体でこの事業を実現していくために、館全体でというより市全体で、文化観光局内でも議論をしながら、必要なものは必要であると言いながらやっていきたいと、私は思っています。只、役所のことですので予算に限りがありますので、その予算の範囲内でという形に最後は落ち着くでしょうが、やはり無理をして失敗すると逆に汚点となりますので、実現可能な部分を探りながら、色々な方と相談してやっていきたいと思います。規模的には、おそらく特別展の範囲を超えることはないと思っていますが、いくつ外国から借りてこられるかはっきり決まっていませんが、先生方からかなり厳しいというご意見を頂いて、更に気を引き締めているところです。
 企画展の中身について、専門的であるということが大事であるが一般の方にはどうかということは、私もこれだけ見ますとそう思います。どんなところもそうですが、私たち専門家は一般の人たちの意識と乖離しているところがあり、専門家は面白いのですが、一般の方にとっては何が面白いのか分からないということは多々あります。先程、山中先生が一休さんとんち話とつなげるというようなお話しをして頂きましたが、そういう視点がまさに大事なことと、子どもたちでも知っているような話しがあることで、もう少し良く分かるようになるというような持っていき方で、という大変魅力的なご意見と思います。

今西会長

 はい。今、課長から話しがありましたが、私自身は博物館の専門家ではありません、社会教育の人間です。むしろ私たちが、私の立場の人が、実は、今の企画展の課題について、意見を出していけば良いのではないかと思いながら聞きました。例えば、山中委員から一休さんのとんち話が出ましたが、一休という人は長く住吉大社に居たのです。あの方は、大道芸の元締めみたいなことをされていました。かつて、堺市が大道芸展をされていますよね。そのようなことを考えながら、今話しを聞いていました。そういったことを委員の先生方は是非、事務局の方にご意見を出していただければ良いと思っています。よろしくお願いいたします。他、どうでしょうか。どうぞ、足立委員。

足立委員

 私は、博物館や社会教育の専門家ではありません。ですので、一般の方のひとりとして発言させていただきます。
 大学で社会学を学び、その後、放送局、歴史・文化を生かしたまちづくりに関わる仕事をしてきましたので、人と人との関係性、人と社会との関係性といったことに着目してものごとを見るくせがあります。
 ですから、博物館の展示にしても、そのような関係性に関心がいき、地域とのかかわりでは、風土性のようなことが気になります。
 例えば、堺のものづくりに関する風土性。堺にはたくさん古墳がありますが、それをつくるには、かなり高度な技術がいるわけで、古代から多くの専門の工人たちがいたわけです。また、巨大なものをつくるには、かなりシステマティックにものごとを進めていく体制や物流の仕組みが必要です。そうした技術や合理的な方法が、古代から脈々と受け継がれ、現在の堺のものづくりを形成してきたのではないか。また、その過程で進取の気性や自由な雰囲気を愛する堺人の気質が培われてきたのではないか。そんなことを博物館の常設展示をみると連想したりしてしまいます。
 実際、古墳づくりの技術と堺の地場産業のつながりを知ってからは、古墳を見る目が変わりました。今とつながっているのです。ですから、町中を歩いていて、若い人たちがものづくりの新しい取り組みをされているお店などを見つけると、古代からつながる大きな時間の流れがあるような気がしてしまいます。
 今、申し上げたのは、私の感性での展示物の見方ですが、いろいろな文化背景を持つ一般の方々は、たぶん、専門家の方々が思っていらっしゃるより、もっと自由にご覧になっているのではないでしょうか。専門の研究者としてではない、日常的な自分に立ち返って捉え直してみるということ、たまには研究対象として見ることから自分を解放するのも面白いのではないか、という気がしました。

今西会長

 はい、ありがとうございました。大変貴重な発想に関わるご意見であったと思います。時間が来ていますので、最後に吉川委員、学校の立場から。時間が無くて申し訳ありませんが。

吉川委員

 30年度のところの普及教育展というのは、実際、うちの小学校もこの一月に昔の暮らしということを3年生が学習しておりますので、来させていただいて非常に勉強になって帰ってきたという風に、実際に行った者からも聞いています。
 古墳の研究、夏休みの研究ですが、来させていただきまして、うちの児童の方も今年セスナに乗せていただいて、非常に感動しておりました。実際、たくさんの子どもたちが夏休みに古墳の研究をしてまして、大きなものだけではなく、本当にこの辺り一帯の古墳を自分で、親御さんと一緒に回って写真を撮って資料を作って、結構な作品と言っても良いようなものをたくさん作っていたのです。やはり、堺には、古墳を身近に見られる子どもたちが、古代に対してすごく興味を持つ子どもたちが多いと思います。そういうものをあまり見られない地域と比べると、堺の子供たちは、そういうところに関心を持ちやすい条件に育っている子どもたちが多いと思います。
 そう考えると、全体のことで言いますと、企画展・特別展のことについて、未だ若い子どもたちや中学生・高校生位までの子どもたちが、今度の博物館は面白い、来たいというようなおもてなしが弱いかと感じています。
 ここに来れば自分の知りたいこと、興味のあることがわかる場所であるということが、そう思える部分というものをもっと出していただきたいと思います。ここにはたくさんの資料があり、本物がたくさんありますので、どんどん、前に来た時とは違う物が出ているという形で見せていただくようにしていただければ、非常に子どもたちが、ここを拠点に学習していくのではないかと思います。
 特別展の案のところで、古墳のことが書かれてますが、今日百舌鳥駅の方から歩いてきましたが、ついこの間と比べても、整備がされていて、ここへの道すがら、すごく人が集まりやすい状況になってきていると、外部環境としては今までよりも、博物館がクローズアップされる場所になってきていると感じながら、歩いてまいりました。そういう意味で、ここで思い切って、拠点としての博物館としてアピールして頂くとありがたいです。
 また、学校の方も、今は3年生が中心でこの普及教育展で来させていただいていますが、それ以外の企画展の時期に、遠足なども小学校では二度三度ありますし、中学校でもありますので、来られる企画展も考えていただけるとありがたいと思います。以上です。

今西会長

 はい、今、学校教育の立場から、ご意見を頂きました。本日は、色々なご意見を頂戴いたしまして、博物館の担うべき役割をもう一度確認したと言いますか、将来、あるべき姿を実現するために、事務職員の方、あるいは学芸員の方々、あげて博物館全体の大きな努力が必要であると確認したいと思います。
 目標設定を行って、どのような事業をどのように実施していくのかということを、博物館の中でよく議論していただいて、堺市博物館の将来をまとめていただければありがたいと思っております。
 本来ならば、もう少し時間を頂いて意見をいただきたいのですが、もう時間がありませんので、以上を持ちまして、平成29年度第2回の堺市博物館協議会を終わらせていただきます。ご協力ありがとうございました。
 その他にも、周年展示の中で阪田三吉について、菅原先生の方から少しお話しが出ました。ここには阪田三吉は挙がっていませんが、そういう視点で、今日学芸員も何人か聞かせていただいていますが、また、ヒントを頂ければと思います。ありがとうございました。

閉会にあたって

司会

 長時間に渡るご協議、どうもありがとうございました。本日のご意見、ご提案を踏まえまして、堺市博物館の将来像を更に纏めていきたいと思っております。
 閉会に当たりまして、須藤館長より、お礼のご挨拶を申し上げます。

須藤館長

 どうもありがとうございました。今日は、展示に関するご意見を色々出していただきました。
 特に、特別展に古墳を考えています。例えば、仁徳天皇陵古墳についての大林組の推定ですと、仁徳天皇陵古墳は15年に渡って680万人の人が、一日何時間働いていたのか分かりませんが、動員されたということです。その当時の日本の人口がどの位であったのかということは明らかではありません。仁徳天皇陵古墳のほかに、この辺りに四十何基の古墳があるのですね。これはもう毎年のように、古墳の築造が行われていたということです。古墳時代のことを分かりやすく展示することが、今回の特別展においては大事なことと思います。
 うちの博物館は古墳について、自論を加えて説明することが必要だと思います。古墳のそのものの本質的な問題は、まだまだ分からないことがあります。その辺も明らかにするということが一つの目的かと思います。
 それから、企画展に関しては、菅原委員の方から非常に堺らしさ、堺が培ってきた歴史とは何なのか、歴史を通じて現代までつながる何かがあるのではないか、あるいは一般の人々が博物館に来て展示を見る時に、何を見て楽しむか、琵琶湖博物館みたいに、アザラシ君ですか、博物館の入口で待っているという展示をしています。動物もいるし魚もいるし、琵琶湖博物館のような展示は、うちは出来ない訳です。
 私たちがやらなければならないことは、博物館の展示を子どもたち、ないし一般の人々とうちの学芸員が一緒になって作っていく。作るところから、一般の人たちも参加してもらう。そして、なおかつ、見てもらう人からも、どういうものが見たいのかという、その文化を担ってきた人々、あるいはその文化に対して関心のある人とうちの学芸員とそれを見る人、三者が一緒になって、企画展を作るような方向性を作りつつ、固めていけば、皆さんに喜ばれるような企画展が出来るのかと感じています。文化の担い手、当館の職員、そして観覧者が協同して展示を作ることは難しいです。でも、少しでも人々から関心を持たれるような展示をするという、その種を一緒に作っていく姿勢の中に示すしかないのではないかと私は考えております。
 そういう意味で、今日は本当にラディカルな、本質的な博物館の、所謂、堺市博物館のあり方について、色々な意見を頂きまして、非常に、問題も多いけれども、一つ一つ皆さんに言われたことを実現していく夢を持って、非常に楽しい会議でした。
 どうもありがとうございました。

司会

 では、以上を持ちまして、第2回堺市博物館協議会を終了いたします。どうもありがとうございました。

このページの作成担当

文化観光局 歴史遺産活用部 博物館 学芸課

電話番号:072-245-6201

ファクス:072-245-6263

〒590-0802 堺市堺区百舌鳥夕雲町2丁 大仙公園内 堺市博物館

このページの作成担当にメールを送る
本文ここまで