○堺市ペット霊園の設置等に関する条例
令和3年10月5日
条例第38号
(目的)
第1条 この条例は、ペット霊園等の設置及び管理が適正に行われるために必要な事項を定めることにより、公衆衛生の確保を図り、ペット霊園等の利用者の保護及び市民の良好な生活環境の保全に資することを目的とする。
(1) ペット 犬、猫その他の愛玩することを目的として飼養される動物をいう。
(2) 墳墓 ペットの焼骨を埋蔵する施設をいう。
(3) 墓地 墳墓を設けるための区域をいう。
(4) 納骨堂 ペットの焼骨を収蔵する施設をいう。
(5) 火葬 ペットの死体(廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第2条第1項に規定する廃棄物に該当するものを除く。以下同じ。)を葬るために、これを焼くことをいう。
(6) 火葬施設 火葬を行うための設備を有する施設をいう。
(7) ペット霊園 墓地、納骨堂、火葬施設又はこれらを併せ有する施設をいう。ただし、専ら自己のペットのために設置するものを除く。
(8) 移動火葬車 火葬を行うための設備を有する車両(道路交通法(昭和35年法律第105号)第2条第1項第8号に規定する車両をいう。)をいう。
(設置者等の責務)
第3条 業として、ペット霊園を設置し、又は管理する者及び移動火葬車を使用して火葬を行う者は、その事業を行うに際しては、利用者の心情に十分に配慮するとともに、周辺の生活環境の保全に努めなければならない。
(土葬の禁止)
第4条 ペット霊園においては、ペットの死体を土中に葬ってはならない。
(設置等の許可)
第5条 業として、本市の区域内(以下「市内」という。)にペット霊園を設置しようとする者は、あらかじめ市長の許可を受けなければならない。
2 前項の許可を受けた者は、許可を受けた墓地の区域の変更(単に当該区域を縮小させる場合を除く。)又は火葬施設に係る構造設備の変更(設置場所の変更を伴うもの及び処理能力又は火床面積を増加させるものに限る。)をしようとするときは、市長の許可を受けなければならない。
3 市長は、前2項の許可(以下「設置等許可」という。)に市民の生活環境の保全のために必要な範囲内で条件を付けることができる。
(事前協議)
第6条 設置等許可の申請をしようとする者(以下「申請予定者」という。)は、当該申請をしようとする日(以下「申請予定日」という。)の3月前までに、規則で定めるところにより、市長に事前協議書を提出し、設置等許可に係る計画(以下「設置等計画」という。)について市長と協議しなければならない。
(標識の設置)
第7条 前条の事前協議書の提出をした申請予定者は、申請予定日の2月前までに、規則で定めるところにより、設置等計画を実施するペット霊園(その予定地を含む。)の区域(以下「計画区域」という。)内の見やすい場所に、その概要を示す標識を設置しなければならない。
2 申請予定者は、前項の規定により標識を設置したときは、規則で定めるところにより、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
(説明会の開催等)
第8条 前条第2項の規定による届出をした申請予定者は、申請予定日の1月前までに、設置等計画について、規則で定めるところにより、計画区域に隣接する土地(当該土地が道路、河川、線路敷その他これらに類するものの用に供されている場合を除く。)の使用者及び所有者並びに計画区域の境界線から100メートル以内の建物の使用者、管理者及び所有者に対し、説明会を開催しなければならない。ただし、申請予定者の責めに帰することのできない事由により説明会を開催することができない場合であって、規則で定める方法により設置等計画の内容を周知させるときは、この限りでない。
2 申請予定者は、前項の規定により実施した説明会等の内容を、規則で定めるところにより、速やかに市長に報告しなければならない。
(許可の申請)
第9条 設置等許可を受けようとする者(以下「申請者」という。)は、規則で定めるところにより、市長に申請しなければならない。
(設置場所の基準)
第11条 ペット霊園の設置場所の基準は、次のとおりとする。
(1) 墓地及び火葬施設が住宅(第9条第1項の規定による申請後に建築基準法(昭和25年法律第201号)第6条第1項の規定に基づく確認済証の交付を受けたものを除く。)の区域の境界線から100メートル以上離れていること。ただし、市民の生活環境の保全上支障がないと市長が認める場合は、この限りでない。
(2) 申請者が計画区域の土地を所有し、又は継続的に使用することができる権原を有すること。
(構造設備の基準)
第12条 ペット霊園の構造設備の基準は、次のとおりとする。
(1) 外部から墓地、納骨堂又は火葬施設を見通すことができないようにするための密植した垣根、障壁等が設けられていること。
(2) 墓地に雨水その他の地表水が停滞しないようにするための排水施設が設けられていること。
(3) 管理事務所並びにペット霊園の規模に応じた便所、給水設備及びごみ集積設備(当該ペット霊園の付近にある当該ペット霊園を設置し、又は管理する者が所有するこれらのものを含む。)が設けられていること。
(4) 火葬施設は、次に掲げる基準に適合するものであること。
ア 空気取入口及び煙突の先端以外に燃焼室内と外気とが焼却時に接することなく、燃焼室において発生するガス(以下「燃焼ガス」という。)の温度が摂氏800度以上の状態で焼却できるものであること。
イ 燃焼に必要な量の空気の通風が行われるものであること。
ウ 燃焼室内の燃焼ガスの温度を測定するための装置が設けられていること。
エ 燃焼ガスの温度を保つために必要な助燃装置が設けられていること。
オ 防音、防臭及び防じんについて、規則で定める十分な能力を有するものであること。
(完了検査等)
第13条 設置等許可を受けた者(以下「設置者」という。)は、当該設置等許可に係るペット霊園の工事が完了したときは、規則で定めるところにより、速やかにその旨を市長に届け出て、その検査を受けなければならない。
(維持管理)
第14条 設置者は、第12条各号に掲げる基準に従い、設置等許可に係るペット霊園を維持管理しなければならない。
(設置者の遵守事項)
第15条 設置者は、ペット霊園における役務の提供に当たり、次の事項を遵守しなければならない。
(1) ペットの死体及び焼骨を丁寧に取り扱うとともに、衛生的に管理すること。
(2) 利用者に対して、あらかじめ、利用の条件、手続及び料金、ペットの死体及び焼骨の取扱いの方法その他の役務の提供に関する事項について説明すること。
(3) 利用者ごとに前号の事項に関する書類を作成し、当該利用者がペット霊園の利用を終えるまでの間保管すること。
(1) 第5条第1項の許可の申請
ア 火葬施設がある場合 1件につき48,000円
イ アに掲げる場合以外の場合 1件につき32,000円
(2) 第5条第2項の許可の申請
ア 火葬施設に係る変更がある場合 1件につき38,000円
イ アに掲げる場合以外の場合 1件につき22,000円
2 既納の手数料は、還付しない。ただし、市長は、特別の理由があると認めるときは、その全部又は一部を還付することができる。
(地位の承継)
第17条 設置者からペット霊園を譲り受けた者は、当該設置者の地位を承継する。
2 前項の規定により設置者の地位を承継した者は、その承継があった日から30日以内に、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。
(軽微な変更の届出)
第18条 設置者は、設置等許可を受けたペット霊園に規則で定める軽微な変更をしたときは、その変更をした日から30日以内に、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。
(廃止の手続等)
第19条 ペット霊園の廃止(墓地又は納骨堂の廃止又は規模の縮小を含む。以下同じ。)をしようとする者は、その廃止をしようとする日までに、利用者にその旨を説明するとともに、当該日の30日前までに、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。
2 ペット霊園の廃止をしようとする者は、墳墓又は納骨堂に存する焼骨を他の墳墓又は納骨堂に移すことその他の利用者の心情に配慮した対応をとらなければならない。
3 ペット霊園を廃止したときは、墳墓、納骨堂及び火葬施設を除去しなければならない。
(移動火葬車による火葬業の届出)
第20条 業として、移動火葬車を使用して市内で火葬を行おうとする者は、あらかじめ、規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。
2 移動火葬業者は、市内で火葬を行うときは、次の事項を遵守しなければならない。
(1) 移動火葬車に、移動火葬業者の氏名(法人その他の団体にあっては、名称)、連絡先及び前条の規定による届出をしている旨を、容易に確認できるよう、規則で定めるところにより表示すること。
(2) 火葬を行う土地の所有者の同意を事前に得ること。
(3) 近隣の住宅から十分に離れた場所で火葬を行うことその他の生活環境に影響を及ぼさないための対策を講ずること。
(4) 火葬が終了するまで移動火葬車の傍らで待機し、火葬を行うための設備を適正に管理すること。
(移動火葬業者の廃止等の届出)
第22条 移動火葬業者は、市内で火葬を行わなくなったとき、又は規則で定める変更をしたときは、その日から30日以内に、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。
(報告及び立入調査等)
第23条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、設置者若しくは移動火葬業者に対し、ペット霊園の設置若しくは維持管理、移動火葬業者の営業の状況その他必要な事項について報告若しくは資料の提出を求め、又は当該職員にペット霊園若しくは移動火葬業者の事務所に立ち入らせ、その施設、帳簿その他の物件を調査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入調査又は質問を行う当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
2 市長は、前項の規定による勧告を受けた者が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において、特に必要があると認めるときは、その者に対し、相当の猶予期限を付けて、必要な措置をとるよう命ずることができる。
(許可の取消し)
第25条 市長は、次の各号のいずれかに該当するときは、設置等許可を取り消すことができる。
(1) 偽りその他不正の手段により設置等許可を受けたとき。
(2) 正当な理由なく、設置等許可を受けた日から起算して2年を経過した日までに当該設置等許可に係るペット霊園の工事を完了しないとき。
(3) 前条第2項の規定による命令に違反したとき。
(禁止命令)
第26条 市長は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、ペットの死体の除去又は当該ペット霊園若しくは移動火葬車の使用の禁止を命ずることができる。
(1) 第4条の規定に違反した者
(3) 第20条の規定による届出をせず、又は虚偽の届出により移動火葬車を使用して市内で火葬を行った者
2 市長は、前項の規定による公表を行おうとするときは、あらかじめ、当該公表に係る者にその旨を通知し、その者が意見を述べ、又は証拠を提示する機会を与えなければならない。
(適用除外)
第28条 墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号)の規定による許可を受けて設けられた墓地の区域内において同法第2条第4項に規定する墳墓にペットの焼骨を合葬する場合は、この条例の規定は、適用しない。
(委任)
第29条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(経過措置)
2 この条例の施行の際現に業としてペット霊園を設置している者及びペット霊園の設置に係る工事を開始している者は、規則で定めるところにより、令和3年12月31日までに、その旨を市長に届け出なければならない。