○堺市消防通信指令業務規程

令和2年3月31日

消防長庁達第5号

堺市消防指令管制システム取扱等規程(平成20年消防長庁達第29号)の全部を改正する。

(目的)

第1条 この規程は、別に定めがあるもののほか、通信指令業務について必要な事項を定め、消防部隊の効率的な運用を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 消防指令センター 消防指令管制システムの主要装置を配置し、隣接する作戦室等を包含した場所において次に掲げる業務(以下「指令管制業務」という。)を実施する警防本部(堺市警防規程(平成20年消防長庁達第26号、以下「警防規程」という。)第29条に規定する警防本部をいう。以下この号において同じ。)の機関をいう。

 災害通報の受信業務

 警防規程第30条に定める警防本部の任務のうち、消防部隊(警防規程第2条第9号に規定する消防部隊をいう。以下同じ。)の運用及び指令、無線の統制、警防情報(警防規程第2条第5号に規定する警防情報をいう。以下同じ。)の収集並びに伝達業務

 その他効率的な運用を図ることを目的とする附帯業務

(2) 指令管制員 通信指令課に所属し、指令管制業務又は消防行政統合システムの維持管理を行う職員をいう。

(3) 消防行政統合システム 次に掲げる各システムを総称したものをいう。

 消防指令管制システム 消防局、救急ワークステーション、総合防災センター、消防署、消防分署及び消防出張所(以下これらを「署所等」という。)その他局長が必要と認める場所に設置する指令管制業務を行うための別に定める装置の全てを総称したものをいう。

 消防画像伝送システム 映像受信による災害状況の早期把握及び効率的な災害活動の支援並びに防災機関等への映像伝送を実現するための別に定める装置の全てを総称したものをいう。

 消防ヘリコプターテレビ電送システム 救助消防ヘリコプターから電送される災害現場の映像を受信するための地上設備をいう。

 消防OAシステム 警防業務、救急業務、予防業務、その他の消防業務を行う事務処理システムをいう。

(4) 災害通報 次に掲げる覚知区分により、通報者が災害の発生を伝える通報をいう。

 119番通報 電気通信事業法(昭和59年法律第86号)に基づき総務大臣が定める緊急通報

 加入電話 署所等の加入電話(一般加入回線に接続されている電話をいう。)に災害の発生を伝える通報

 駆付通報 署所等に災害の発生を直接来庁して伝える通報又は駆付電話(署所等の屋外に設置した電話をいう。)を用いて災害の発生を伝える通報

 その他覚知通報 消防職員が自己覚知した災害の発生を消防指令センターに伝える通報

(5) 車両動態 警防課員の警防規程第14条に規定する勤務状況及び消防車両等の位置状況をいう。

(6) 一斉指令 消防指令センターからネットワーク回線を使用して、署所等に同報することをいう。

(7) 指令台 災害通報の受付並びに該当署所等及び消防部隊に対する出場指令を行い、有線及び無線等の音声通信系を操作する主要装置をいう。

(8) 指揮台 指令台と併設し、指令台の指揮統制を有効に行うための装置をいう。

(10) 大規模災害運用 消防指令管制システムを特殊災害(警防規程第2条第8号に定める特殊災害をいう。以下同じ。)に対応するための機能に切り替えた運用のことをいう。

(11) 119番補助受付装置 119番通報が輻輳ふくそうしたとき又は消防指令管制システムに障害が発生したときに119番通報の受付等ができる装置をいう。

(12) 最寄り署落とし 119番通報の接続に障害が生じた場合、あらかじめ登録された接続先電話番号に着信先を変更することをいう。

(令4消防長庁達10・一改)

(責務)

第3条 通信指令課長(以下「指令課長」という。)は、指令管制業務を統括し、指令管制員を指揮監督するとともに、消防行政統合システムの機能を十分発揮させるように指導しなければならない。

2 指令課長は、消防指令センターその他電子計算機(堺市電子計算機管理運用規程(平成15年庁達第2号。以下「電子計算機管理運用規程」という。)第2条第2号に規定する電子計算機をいう。)を設置する施設への部外者の立入りを禁止するなど、電子計算機管理運用規程第11条に規定する情報資産(電子計算機管理運用規程第2条第4号に規定する情報資産をいう。以下同じ。)に対する脅威に対処するため、情報資産の保護に必要な措置を講じなければならない。

3 指令管制員は、指令管制業務を迅速かつ的確に行い、警防活動(警防規程第2条第2号に規定する警防活動をいう。)の円滑な推進を図らなければならない。

(情報セキュリティポリシー等の遵守及び目的外使用の禁止)

第4条 消防職員は、情報セキュリティの重要性について認識するとともに、電子計算機管理運用規程第8条に基づく情報セキュリティポリシー等を遵守し、別に定める手順に従い消防行政統合システムに係る業務を遂行しなければならない。

2 前項の規定による業務の遂行においては、データ及びドキュメントの適正な管理を行うよう努めるとともに、警防情報等の情報資産を消防業務以外の目的に使用してはならないものとする。

(監査)

第5条 消防行政統合システムに係る業務の情報セキュリティポリシー等の遵守における監査は、別に定める手順による。

(消防行政統合システム統括責任者等)

第6条 消防行政統合システムを適切に管理し、及び運用するため、消防行政統合システム統括責任者(以下「統括責任者」という。)、消防行政統合システム副統括責任者(以下「副統括責任者」という。)及び消防指令管制システム管理責任者(以下「管理責任者」という。)を置く。

2 統括責任者は、警防部長の職にある者をもって充てる。

3 副統括責任者は、指令課長の職にある者をもって充てる。

4 管理責任者は、消防指令管制システムを設置する消防局の各課長、救急ワークステーション所長、総合防災センター所長及び消防署長の職にある者をもって充てる。

(令4消防長庁達10・一改)

(統括責任者等の責務)

第7条 統括責任者は、管理責任者を指揮監督し、消防指令管制システムの管理運営について統括する。

2 副統括責任者は、統括責任者を補佐し、統括責任者に事故があるときは、その職務を代理するものとする。

3 副統括責任者は、消防指令管制システムの維持管理並びに警防情報に係るデータ及び必要書類の管理を行うとともに、指令管制員を指導するものとする。

4 管理責任者は、消防指令管制システムの維持管理並びに警防情報に係るデータ及び必要書類の管理を行うとともに、所属職員を指導するものとする。

(車両動態の把握)

第8条 指令課長は、常に車両動態を把握し、必要に応じ車両移動の指示又は制限を行わなければならない。

2 車両動態の種類は、別に定める。

(災害通報の受信及び覚知区分)

第9条 災害通報の受信は、災害種別、場所、規模及びその他別に定める要領に基づき聴取しなければならない。

2 指令管制員は、災害通報を受信したときは、迅速かつ的確に第11条に定める出場指令を行わなければならない。

3 指令管制員は、管外に係る災害通報を受信したときは、速やかに当該地域を管轄する消防本部に通報しなければならない。

4 災害通報に係る覚知の区分は、別に定める。

(出揚する消防部隊の編成)

第10条 出場する消防部隊(以下「出場部隊」という。)の編成は、指令台等を使用して、警防規程第39条及び消防部隊出場編成等基準(平成22年制定、以下「編成基準」という。)に基づき行うものとする。ただし、災害が警防規程第17条に規定する警防計画の対象である場合は、当該警防計画に基づき編成するものとする。

2 出場部隊の選定順序は、前項によるもののほか、災害現場に近い消防部隊の順により決定するものとする。ただし、指令課長が特に必要と認める場合は、この限りでない。

3 指令課長は、消防指令管制システムが停止した場合、編成基準に基づき手動による出場部隊の編成(以下次項において「マニュアル出場」という。)を行わなければならない。

4 指令課長は、マニュアル出場を行おうとするときは、その旨を一斉指令及び無線にて発令するものとする。

(出場指令)

第11条 消防部隊の出場は、警防規程第70条に基づき、原則として出場指令によるものとする。ただし、通報が輻輳ふくそうした場合は、災害の規模及び通報内容を考慮して順序を決め、行うものとする。

2 前項の規定にかかわらず、指令台等又は有線回線等が使用できない場合は、無線により出場部隊を読み上げる方式により出場指令を行う。

3 前2項に定めるもののほか、出場指令について必要な事項は、別に定める。

(増強出場要請等に基づく出場指令)

第12条 編成基準第3条第1号に定める基本編成に基づく上位出場区分による出場指令は、警防規程第74条に定める消防部隊の増強要請によるもののほか、次の場合に行わなければならない。

(1) 消防画像伝送システムによる映像情報、通報内容及び地理的要因により、上位出場区分の出場が必要であると指令課長が認めるとき。

(2) 編成基準第7条に定める事前第2出場に該当するとき。

2 指令課長は、編成基準第6条第2項に定めるところにより特命編成をしたときは、直ちに出場指令を行わなければならない。

3 指令課長は、警防規程第40条に定める小隊の移動配置を行うときは、著しい不均衡が生じている署所等に進駐小隊として進駐指令を行うことができる。

4 前3項に定めるもののほか、指令課長は、災害規模に応じ、出場部隊を限定して出場させることができる。

(水利統制)

第13条 警防規程第99条に定める水利統制については、消防指令管制システムにおいて別に定めるところにより行わなければならない。

(消防部隊への情報伝達等)

第14条 指令課長は、災害通報で得た警防情報及び警防規程第84条に定める現場即報を出場部隊へ伝達しなければならない。

2 指令課長は、警防規程第85条に規定する中間情報及び総括情報により災害状況を把握するとともに、次の各号のいずれかに該当する場合は関係機関等に報告又は連絡を行わなければならない。

(1) 火災・災害等即報要領(昭和59年消防災第267号)に該当する場合

(2) 消防局長又は指令課長が必要と判断した場合

(特殊災害時の対応)

第15条 指令課長は、第2条第10号に定める大規模災害運用に切り替えたときは、その旨を一斉指令及び無線により発令しなければならない。

2 前項に定める大規模災害運用に切り替えた後の消防指令センター及び消防行政統合システムの運用は、第9条第2項及び第10条から第14条の規定にかかわらず、別に定める。

3 指令課長は、ネットワーク回線に障害が生じ、大規模災害運用における指令管制業務が困難となる場合は、無線等を使用し業務継続を図るものとする。

4 指令課長は、消防指令管制システムに障害が生じたことにより、指令台等で災害通報を受信できない場合は、119番補助受付装置を活用して災害通報の受信体制を継続するものとする。

5 指令課長は、119番通報の接続ルートの障害等により、消防指令センターで119番通報を受信できない場合は、最寄り署落しを行うものとする。

(火災警報等の伝達)

第16条 指令課長は、火災警報が発令及び解除されたときは、その周知徹底を図らなければならない。

2 指令課長は、警防規程第118条に定める気象情報が発表されたときは、別に定める要領に従い周知しなければならない。

(研修及び訓練)

第17条 指令課長は、指令管制員等に対し指令管制業務について、研修及び訓練を行わなければならない。

2 前項の規定による研修及び訓練は、別に定める。

(通信統計)

第18条 指令課長は、指令管制業務に関する統計を収集しなければならない。

2 指令課長は、前項の規定により収集した統計を分析し、指令管制業務の推進に資するとともに、必要に応じて所属長に通知するものとする。

(点検、検査及び保守)

第19条 消防指令管制システム、消防画像伝送システム及び消防ヘリコプターテレビ電送システムは、別に定めるところにより常に適正に点検、検査及び保守し、正常な機能の維持に努めなければならない。

(消防OAシステムの保守等)

第20条 副統括責任者は消防OAシステムを保守し、消防局の管理責任者は消防OAシステムの所管する業務を管理しなければならない。

(業務の委託等)

第21条 副統括責任者又は消防局の管理責任者は、消防行政統合システムに係る業務を外部に委託するときは、別に定める手順に従い行わなければならない。

(障害時の報告及び措置)

第22条 消防職員は、消防指令管制システムに障害が発生したときは、応急措置を講じるとともに、副統括責任者又は管理責任者(以下「副統括責任者等」という。)に報告しなければならない。

2 副統括責任者等は、前項の規定による報告を受けたときは、速やかに復旧に必要な措置を講じなければならない。

3 副統括責任者等は、消防指令管制システムの障害により、消防活動上重大な支障があると認めるときは、速やかに統括責任者に報告しなければならない。

(消防指令管制システムの停止)

第23条 副統括責任者は、前条第3項に定める障害により消防指令管制システムの機能を停止しなければならないときは、遅滞なく統括責任者へ報告し、及び管理責任者に周知しなければならない。

2 副統括責任者は、消防指令管制システムの保守管理のため、消防指令管制システムの一部又は全部を停止することができる。この場合において、副統括責任者は、遅滞なく統括責任者へ報告し、及び管理責任者に周知しなければならない。

(委任)

第24条 この規程の施行について必要な事項は、警防部長が定める。

この庁達は、令和2年4月1日から施行する。

(令和4年3月28日消防長庁達第10号)

この庁達は、令和4年4月1日から施行する。

堺市消防通信指令業務規程

令和2年3月31日 消防長庁達第5号

(令和4年4月1日施行)

体系情報
第16編 防/第4章
沿革情報
令和2年3月31日 消防長庁達第5号
令和4年3月28日 消防長庁達第10号