○堺市障害者扶養共済制度条例
平成17年12月22日
条例第63号
(目的)
第1条 この条例は、障害者の保護者の相互扶助の精神に基づき、障害者の保護者が死亡し、又は身体に著しい障害を有することとなった後の障害者に年金を支給するため、堺市障害者扶養共済制度(以下「市共済制度」という。)を設け、もって障害者の生活の安定と福祉の増進に資するとともに、障害者の将来に対し障害者の保護者の抱く不安の軽減を図ることを目的とする。
(機構との契約)
第2条 市は、市共済制度の円滑な運営を図るため、独立行政法人福祉医療機構(以下「機構」という。)と独立行政法人福祉医療機構法(平成14年法律第166号。以下「法」という。)第12条第3項に規定する保険約款に基づく保険契約(以下「扶養保険契約」という。)を締結するものとする。
(定義)
第3条 この条例において「障害者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。
(1) 知的障害者
(2) 身体障害者福祉法施行規則(昭和25年厚生省令第15号)別表第5号に定める身体障害者障害程度等級表の1級から3級までに該当する障害を有する者
(3) 精神又は身体に永続的な障害を有する者で、その障害の程度が前2号に掲げる者と同程度と認められるもの
2 この条例において「障害者の保護者」とは、次の各号のいずれかに該当する者であって、現に障害者を扶養しているものをいう。
(1) 障害者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)
(2) 障害者の父母、兄弟姉妹、祖父母その他の親族(親族ではないが、事実上親族関係と同様の事情にある者を含む。)
3 この条例において「身体に著しい障害を有すること」とは、次の各号のいずれかに該当する状態をいう。
(1) 両眼の視力を全く永久に失った状態
(2) 咀嚼又は言語の機能を全く永久に失った状態
(3) 両上肢を手関節以上で失った状態
(4) 両下肢を足関節以上で失った状態
(5) 上肢の一つを手関節以上で失い、かつ、下肢の一つを足関節以上で失った状態
(6) 両上肢の用を全く永久に失った状態
(7) 両下肢の用を全く永久に失った状態
(8) 十手指を失い、又はその用を全く永久に失った状態
(9) 両耳の聴力を全く永久に失った状態
4 この条例において「障害者扶養共済制度」とは、法第12条第2項に規定する心身障害者扶養共済制度をいう。
(加入資格)
第4条 市共済制度に加入することができる者は、次の各号のいずれかに該当する者とする。
(1) 障害者の保護者であって、加入時において次に掲げる要件の全てに該当するもの
ア 本市の区域内に住所を有すること。
イ 65歳未満であること。
ウ 特別の疾病又は障害を有せず、扶養保険契約の対象となることができる者であること。
(2) 新たに本市の区域内に住所を移した者のうち、他の地方公共団体の実施する心身障害者扶養共済制度(機構と保険契約を締結している場合の制度に限る。以下「他の地方公共団体の共済制度」という。)に加入していた者で、引き続き市共済制度に加入しようとするもの
2 障害者が独立して生計を維持することができる場合は、当該障害者の保護者は、前項第1号の規定にかかわらず、市共済制度に加入することができない。
(加入)
第5条 市共済制度に加入しようとする者は、規則で定めるところにより加入の申込みを行い、市長の承認を受けなければならない。
2 市長は、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、加入の承認をしなければならない。
(1) 加入の申込者が、前条に定める加入資格を有しない者であるとき。
(2) 同一の障害者について、既に前項に規定する市長の承認を受けた者(以下「加入者」という。)があるとき、又は他の地方公共団体の共済制度に既に加入している者があるとき。
(3) 同一の障害者について、同時に2人以上の者から加入の申込みがあったとき。
(口数による加入及び口数の追加)
第6条 市共済制度への加入は口数単位によるものとし、同一の障害者について加入の申込者又は加入者が加入できる口数は2口までとする。
2 加入の申込者又は加入者は、口数の追加(以下「口数追加」という。)の加入時に第4条第1項第1号アからウまでに規定する加入資格を有するときは、規則で定めるところにより、市長に口数追加を申し込むことができる。
4 市長は、前2項の規定による申込みがあった場合は、当該口数追加を申し込んだ加入申込者又は加入者が同項に規定する要件の全て(前項の規定により口数追加を申し込んだ者にあっては、第4条第1項第1号ウに規定する要件に限る。)を満たす者でない場合を除き、口数追加の承認をするものとする。
(掛金等の納付)
第7条 加入者(第18条第1項ただし書に該当するため、身体に著しい障害を有することとなったが加入者としての地位を失わない者を除く。)は、加入の承認を受けた日の属する月から、規則で定めるところにより、加入時(第4条第1項第2号の規定に該当する者として市共済制度に加入したものについては、他の地方公共団体の共済制度への加入時とする。)の年齢に応じ、別表に掲げる掛金を市に納付しなければならない。ただし、65歳に達した日以後最初に到来する市共済制度の加入の承認を受けた日の年単位の応当日に達している加入者で、市共済制度に20年以上継続して加入しているものは、この限りでない。
(掛金の減免)
第8条 市長は、本市の区域内に住所を有する加入者で掛金を納付することが困難であると認めるものその他特に必要と認めるものについては、規則で定めるところにより、掛金を減額し、又は免除することができる。
(年金の給付)
第9条 市は、加入者が死亡し、又は身体に著しい障害(加入者となった日以後の疾病又は災害を原因とする障害(規則で定める障害を除く。)をいう。以下同じ。)を有することとなったときは、その死亡し、又は身体に著しい障害を有することとなった日の属する月から、規則で定めるところにより、その者が扶養していた障害者に対し、年金を支給する。
2 年金の額は、月額20,000円とする。
3 口数追加加入者については、前項の月額に20,000円を加算する。ただし、年金の支給が規則で定める障害によるものである場合は、この限りでない。
4 前3項の規定にかかわらず、加入者及びその扶養する障害者の故意又は重大な過失により、市が機構から当該加入者に係る年金給付保険金の全部又は一部の支給を受けられなかったときは、当該加入者が扶養していた障害者に対しては、年金の全部又は一部を支給しない。
(年金管理者)
第10条 加入者は、その扶養する障害者が年金を受領し、管理することが困難であると認めるときは、その障害者に代わって年金を受領し、これを管理する者(以下「年金管理者」という。)を、あらかじめその者の同意を得て指定しておかなければならない。
2 市長は、年金管理者が指定されていない場合において、障害者が年金を受領し管理することが困難であると認めるときは、年金管理者を指定することができる。
3 次の各号のいずれかに該当する者は、年金管理者となることができない。
(1) 精神の機能の障害により、年金の受領及び管理を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
(2) 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
5 加入者は、第1項の規定により指定した年金管理者を変更することができる。
6 年金管理者が次の各号のいずれかに該当するに至った場合は、加入者は、速やかに年金管理者を変更しなければならない。
(1) 死亡したとき。
(2) 所在が不明になったとき。
(3) 第3項各号のいずれかに該当する者となったとき。
(4) 辞退の申出をしたとき。
7 市長は、年金管理者が次の各号のいずれかに該当する場合は、年金管理者を変更することができる。
(1) 前項各号のいずれかに該当するに至った場合において、加入者がその年金管理者の変更をしないとき、又は加入者が死亡その他の理由により年金管理者を変更することができないとき。
(2) 第13条の規定に違反したとき。
(令元条例55・一改)
(1) 所在が1月以上不明のとき。
(2) 懲役又は禁錮の刑に処せられ、刑の執行を受けているとき。
(3) 日本国内に住所を有しないとき。
(支払の一時差止め)
第12条 市長は、年金受給権者又は年金受給権者に代わって現に年金を受領している年金管理者が正当な理由なく、第19条第4項の規定による届書の提出をしないときは、年金給付の支払を一時差し止めることができる。
(年金の使途等の制限)
第13条 年金は、年金受給権者の生活の安定と福祉の増進のために使用されなければならない。
2 年金の給付を受ける権利(以下「年金受給権」という。)は、他人に譲渡し、又は担保に供することができない。
(年金受給権の消滅)
第14条 年金受給権は、年金受給権者が死亡したときは、その死亡の日の属する月の翌月から消滅する。
2 市長は、加入者、年金受給権者又は年金管理者が偽りその他不正の手段により年金の給付を受け、又は年金の給付を受けようとしたときは、その年金受給権を消滅させることができる。
(弔慰金の給付)
第15条 加入者の生存中にその扶養する障害者が死亡したときは当該加入者であった者に、加入者がその扶養する障害者と同時に死亡したときは当該加入者であった者の遺族に対し、規則で定めるところにより、弔慰金を支給する。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
(1) 加入者が市共済制度にその扶養する障害者の死亡の日まで継続して加入していた期間(以下「加入期間」という。)が1年に満たないとき。
(2) 加入者又はその扶養する障害者の故意又は重大な過失により、市が機構から当該加入者に係る弔慰金給付保険金の支給を受けられなかったとき。
(1) 1年以上5年未満 50,000円
(2) 5年以上20年未満 125,000円
(3) 20年以上 250,000円
3 口数追加加入者(その扶養する障害者の死亡時において、第18条第1項ただし書に該当するため、身体に著しい障害を有することとなったが加入者としての地位を失わない者を除く。)については、前項の額に次の各号に掲げるその扶養する障害者の死亡の日までの継続した口数追加加入者であった期間(以下「口数追加期間」という。)の区分に応じ、当該各号に定める額を加算する。ただし、口数追加期間が1年に満たないときは、この限りでない。
(1) 1年以上5年未満 50,000円
(2) 5年以上20年未満 125,000円
(3) 20年以上 250,000円
(平19条例43・一改)
(脱退一時金の給付)
第16条 加入者が次の各号のいずれかに該当するときは、規則で定めるところにより、当該加入者に脱退一時金を支給する。ただし、加入期間(口数追加加入者については、口数追加期間)が5年に満たないとき、又は加入者が本市の区域外に住所を移したことに伴い他の地方公共団体の共済制度の加入者となったときは、この限りでない。
(1) 加入者が脱退の申出をしたとき。
(2) 口数追加加入者が、口数の減少の申出をしたとき。
(1) 5年以上10年未満 75,000円
(2) 10年以上20年未満 125,000円
(3) 20年以上 250,000円
(1) 5年以上10年未満 75,000円
(2) 10年以上20年未満 125,000円
(3) 20年以上 250,000円
(1) 加入者となったときの口数を減少する場合 第2項に規定する加入者であった期間(口数を減少した日まで継続して加入者であった期間に限る。)の区分に応じて当該各号に定める額
(2) 口数追加加入者となったときの口数を減少する場合 第3項に規定する口数追加加入者であった期間(口数を減少した日まで継続して口数追加加入者であった期間に限る。)の区分に応じて当該各号に定める額
(平19条例43・一改)
(年金等の返還)
第17条 市長は、偽りその他不正の手段により年金又は弔慰金の給付を受けていた者があるときは、その者に既に支給された年金又は弔慰金の額の全部又は一部を返還させることができる。
(1) 死亡したとき。
(2) 身体に著しい障害を有することとなったとき。
(3) その扶養する障害者が死亡したとき。
(4) 脱退の申出をしたとき。
(5) 本市の区域外へ住所を移したことに伴い他の地方公共団体の共済制度に加入したとき。
2 口数追加加入者が口数の減少の申出をしたときは、その申出をした日の属する月の翌月から、口数追加加入者としての地位を失うものとする。
4 市長は、加入者が掛金又は口数追加に係る掛金を規則で定める期間滞納したときは、加入者としての地位又は口数追加加入者としての地位を失わせることができる。
(届出義務等)
第19条 加入者は、次の各号のいずれかに該当する場合は、規則で定めるところにより、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
(1) 加入者、加入者の扶養する障害者又は年金管理者が氏名又は住所を変更したとき。
(2) 加入者の扶養する障害者又は年金管理者が死亡したとき。
(3) 年金管理者を指定し、又は変更したとき。
(4) 前3号に掲げるもののほか、掛金の納付又は年金若しくは弔慰金の給付に影響を及ぼす事実が生じたとき。
2 年金受給権者(年金管理者がある場合は、その者)は、次の各号のいずれかに該当する場合は、規則で定めるところにより、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
(1) 加入者が死亡し、又は身体に著しい障害を有することとなったとき。
(2) 年金受給権者が氏名又は住所を変更したとき。
3 年金管理者は、次の各号のいずれかに該当する場合は、規則で定めるところにより、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
(1) 年金の支給開始後において、年金管理者が氏名又は住所を変更したとき。
(2) 年金受給権者が死亡したとき。
(3) 年金受給権者に第11条各号のいずれかに該当する事実が発生し、又は消滅したとき。
4 年金受給権者(年金受給権者に代わって現に年金を受領している年金管理者がある場合は、その者)は、規則で定めるところにより、毎年、年金受給権者の現況に関する届書を市長に提出しなければならない。
5 加入者、加入者の扶養する障害者、年金受給権者及び年金管理者は、市共済制度の適正な運営を図るため市長の行う調査に協力しなければならない。
(年齢の取扱い)
第20条 この条例における加入申込者又は加入者の年齢の取扱いについては、これらの者の毎年4月1日における年齢によるものとし、その年の4月1日から翌年の3月31日までの間これを適用する。
(掛金等の額の調整)
第21条 掛金及び口数追加に係る掛金の額は、法第12条第3項に規定する保険約款に定める保険料の額が改定されたときは、速やかに変更されるものとする。
(委任)
第22条 この条例に定めるもののほか、市共済制度に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成18年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)の前日において、大阪府障害者扶養共済制度条例(昭和45年大阪府条例第3号)に基づく共済制度に加入している者で、本市の区域内に住所を有するものが、施行日において引き続き本市の区域内に住所を有する場合は、施行日に市共済制度に加入したものとみなす。
(平19条例43・旧第4項繰上)
(既加入者が納付する掛金の額の特例)
4 平成20年3月31日において市共済制度に加入している者及び他の地方公共団体の共済制度に加入していた者であって平成20年4月1日以後に第4条第1項第2号の規定により市共済制度に加入したもの(第18条第1項第2号に該当する場合において、同項ただし書の規定により市共済制度の加入者としての地位を失わない者を除く。以下これらを「既加入者」という。)の掛金の額については、第7条第1項及び第2項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者の区分に応じ、当該各号に定める額とする。この場合において、第2号に該当する者に対する附則別表第1の規定の適用については、同表中「加入時における」とあるのは「口数追加加入者となったときの」と、第3号に該当する者に対する第7条第1項ただし書及び第2項ただし書の規定の適用については、これらの規定中「20年」とあるのは「25年」とする。
(1) 昭和54年10月1日以後に市共済制度又は他の地方公共団体の共済制度に加入した者のうち、加入時の年齢が45歳以上であった者及び昭和61年4月1日以後に市共済制度又は他の地方公共団体の共済制度に加入した者のうち、加入時の年齢が45歳未満であった者 附則別表第1に定める額
(2) 平成20年3月31日までの間の口数追加加入者 附則別表第1に定める額
(平19条例43・追加)
市共済制度への加入期間 | 弔慰金の額 |
1年以上5年未満 | 30,000円 |
5年以上20年未満 | 75,000円 |
20年以上 | 150,000円 |
口数追加期間 | 加算額 |
1年以上5年未満 | 30,000円 |
5年以上20年未満 | 75,000円 |
20年以上 | 150,000円 |
(平19条例43・全改)
市共済制度への加入期間 | 脱退一時金の額 |
5年以上10年未満 | 45,000円 |
10年以上20年未満 | 75,000円 |
20年以上 | 150,000円 |
口数追加期間 | 加算額 |
5年以上10年未満 | 45,000円 |
10年以上20年未満 | 75,000円 |
20年以上 | 150,000円 |
(平19条例43・追加)
附則別表第1
(平19条例43・全改)
加入時における年齢区分 | 掛金(月額) |
35歳未満の者 | 5,600円 |
35歳以上40歳未満の者 | 6,900円 |
40歳以上45歳未満の者 | 8,700円 |
45歳以上50歳未満の者 | 10,600円 |
50歳以上55歳未満の者 | 11,600円 |
55歳以上60歳未満の者 | 12,800円 |
60歳以上65歳未満の者 | 14,500円 |
附則別表第2
(平19条例43・全改)
昭和61年4月1日における年齢区分 | 掛金(月額) |
35歳未満の者 | 5,600円 |
35歳以上40歳未満の者 | 6,900円 |
40歳以上45歳未満の者 | 8,700円 |
45歳以上の者 | 10,600円 |
附則(平成19年12月25日条例第43号)
(施行期日)
1 この条例は、平成20年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行前における障害者の死亡に係る弔慰金の額並びに脱退の申出及び口数の減少の申出に係る脱退一時金の額については、なお従前の例による。
附則(/平成29年6月26日条例第31号/令和元年12月25日条例第55号/)
この条例は、公布の日から施行する。
別表(第7条関係)
(平19条例43・全改)
加入時又は口数追加時における年齢区分 | 掛金(月額) |
35歳未満の者 | 9,300円 |
35歳以上40歳未満の者 | 11,400円 |
40歳以上45歳未満の者 | 14,300円 |
45歳以上50歳未満の者 | 17,300円 |
50歳以上55歳未満の者 | 18,800円 |
55歳以上60歳未満の者 | 20,700円 |
60歳以上65歳未満の者 | 23,300円 |