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平成29年度第4回(平成30年2月5日開催) 議事(2)

更新日:2018年6月1日

(2)地方独立行政法人堺市立病院機構 第2期中期計画の変更について

事務局

  • 資料2により、地方独立行政法人堺市立病院機構 第2期中期計画の変更について説明。

花房院長

  • 第2期中期計画の変更箇所(目標指標の上方修正等)を説明

寺口法人本部長

  • 第2期中期計画の変更箇所(予算関係)を説明

杉本委員長

 ありがとうございます。平成26年度という移転前に策定した5ヵ年計画でしたので、どうなるだろうかと思っていましたが、全体的に予測された以上に成果を上げられたと思います。計画の最終年度である平成31年度に達成しようとしていた目標の多くを既に達成しており、さらに積極的に上をめざす計画変更になるということです。
 ただし、経常収支比率に関しては、残存価額の見直し等の事情があり、変更前は黒字目標としていましたが、赤字幅を抑えつつも最終年度は赤字見込みであるとのご説明でした。第2期 中期計画(変更案)について、ご意見やご質問、コメント等はありますか。

田中委員

 大変現実的な指標になったと拝察いたします。2の(2)脳卒中、心筋梗塞、糖尿病への対応の項目についてお尋ねします。糖尿病教育入院患者数という新たな指標を設けられていますが、外来での指導は実施されていないのでしょうか。外来において患者指導等をされているのであれば、指導数を入れると良いと思います。
 また、外来指導がきちんとなされていれば、教育入院は増えずに済むのではないかと思います。増えることが良い指標なのかということも併せてお聞きしたいと思います。

花房院長

 外来での指導は看護師、栄養士等が適宜行っております。同じく新たな指標として設定した糖尿病透析予防指導管理料件数で、外来指導の状況を表わすことができると考えております。この指標は実数を把握でき、年度毎に内容が検証されますので、外来での指標として新しく設定しました。
 また、教育入院が増えることが良いのかというご質問ですが、確かに委員にご指摘いただいた側面はあるかもしれません。しかし、高齢化が進み、糖尿病の患者数が今より減少する見込みもないため、外来指導に加えて一週間程度の教育入院により、その後、入院しなくてよい生活に戻るための有効な機会として指標に追加しました。

田中委員

 わかりました。

岡原委員

 糖尿病については、未治療の方もおられ、重症化を予防するためにも教育入院は大切ですので、むしろもう少し件数を受けても良いと思います。また、重症化予防のため、地域全体で、最初の入院情報や、透析患者のデータを分析することも良いかと思います。

杉本委員長

 脳卒中、心筋梗塞、糖尿病への対応について、t-PA治療実施件数が最終年度目標24件と月にすれば2件程度、脳血管内治療件数も48件となっています。堺市立総合医療センターには救命救急センターがあるので、当然脳卒中等で搬送されてくる患者さんもおられるかと思いますが、地域全体で考えたときに、脳卒中等に積極的に対応している病院もある中で、脳卒中や急性心筋梗塞等の救急医療についてどのように捉えていくのでしょうか。
 症例が少ないと技術を含めて対応が難しくなることから、医療全体の方向性としては、地域の中で専門性を集約し、より熟練した専門性を持つ医療機関が適切に患者さんに医療を提供していく方向だと思います。堺市内の医療機関は距離が離れているわけではないので、その辺りを含めて、どのように考え、この指標を設定されたのでしょうか。

横田副理事長

 ご指摘のとおり、脳血管障害の専門性の高い病院はこの医療圏内にもあり、きちんと対応できています。ただ、当院は二次救急でも多くの患者さんを受け入れ、かつ救命救急センターを有する特性から、重症例で救急隊には脳血管障害ではないと判断されていたにもかかわらず実は脳血管障害であったという患者さんを受け入れることも少なくありません。医療の質をしっかり担保していくという意味で、最低限の対応はできないといけないと考えています。他の医療機関に分担すれば良いというご意見もありますが、救急で運ばれてきた患者さんを、また転送するのは決して望ましい姿ではございません。救命救急センターを含めた救急医療を担う医療機関として、最低限必要な質を保証したいという意味を込めた指標だと思って下さい。

杉本委員長

ありがとうございました。他はいかがでしょうか。

山村委員

 3の(5)患者サービスの向上については順調に右肩上がりで数字が上がってきています。定点観測することが大事だと思いますが、満足度調査の時期、サンプル数等は、ある程度、同条件の下でなされているのでしょうか。

谷口副院長

 中期計画に基づく患者満足度調査は、2年に1度、定期的に行っています。また、当院で年に1回行っている患者満足度調査に関しては、毎年同じ質問用紙を使用していますので、ある程度同条件の下で実施しています。ただし、昨年度のみ業者委託した用紙を使用しましたが、それに関しては全国的なベンチマークを基準に評価することができました。

山村委員

 平成31年度はどのように調査されるのですか。

谷口副院長

平成31年度は業者委託ではなく当院で調査を行います。

杉本委員長

 業者委託によるアンケートは、代表的な病院も含めて日本全国で行っていますので、自院がどのような問題を抱えているかなど比較することができます。ただ、堺市立総合医療センターでは、これまで独自で調査をしてこられ、昨年度初めて業者に委託して満足度調査を実施しているので、それをいきなり比較することはできないだろうと思います。方向性としては、第三者である業者委託の調査が良いと思われますので、独自で調査している分と並行して、違う年でそれぞれ行うのが現実的ではないかと思います。
医療機関によっては一生懸命取り組んでも満足度の向上に繋がらないこともありますので、入院患者90%、外来患者88%というのは、一般的に言えば非常に高い目標であることは間違いないと思います。
 次に、がんへの対応について、手術件数が1,600件。がん登録件数、全身麻酔件数も目標をより高く設定していますが、地域全体としてがん患者が増えているのでしょうか、それともこの病院で治療する患者さんが増えているのでしょうか。

大里副院長

 がん患者が増えたというよりも、単純に受診者数が増えていると思います。その中で手術を受けられる患者さんも5,800件余りと増えています。手術室の稼働率は70%弱となっていますが、患者さんのニーズに応え、これからも手術を増やしていける体制をとっていきたいと考えています。

杉本委員長

 逆紹介率が75%近くになっていますが、何か特別な工夫や取組みをされているのですか。

吉田地域連携センター次長

 当院は、紹介を受けた場合、治療後かかりつけ医に戻すことを基本にしており、必ず患者さんの紹介状をいただくようにして、診療情報提供書についてもきちんと書くように心がけております。平成20年度の逆紹介率は60%代でしたが、取り組みを続け、紹介率が増え、必然的に逆紹介率も増えてきています。
 また、がん、肺炎、心不全など、地域連携パスを積極的に使って、地域の先生方と役割分担しながら連携させていただいています。大阪府下では、地域連携パスを2番目に多く使っており、逆紹介率の向上に繋がっていると思っております。

杉本委員長

 全体的には紹介率も逆紹介率も増えており、地域の先生方との連携も深まっていったということですね。ジェネリック医薬品の採用率が90%まで到達していますね。

石坂薬剤技術局長 

 ジェネリック医薬品の採用率は年々増えており、90%が、現在は、ほぼ100%になっている状況です。適応症の違いによって先発医薬品を使わないといけないことがありますので、薬事委員会の中できちんと線引きしながら、医師の了解を得て変更させていただいています。今後は抗がん剤等のジェネリック医薬品もできるということで、薬事委員会で検討しながら進めてまいりたいと思います。

杉本委員長

 新入院患者数も、外来患者数も増え、ジェネリック医薬品の採用率も増えて、目標をはるかに上回っており、これ以上何をすればよいのだろうと思うくらい良くやっておられると思います。公的病院としてするべき取り組みは、ほぼ取り組まれていると思うのですが、それでも黒字にならないのは一体どうしてでしょうか。

寺口本部長

 おっしゃるとおり、患者数は順調に増加し、平均在院日数の短縮を図りつつ利用率を上げるということで、新規入院患者も順調に増えております。開院の状況も定着し、緩やかに紹介率を上げながら外来患者数が増えており、全体的な方向は当初の目的のとおり順調に進んでいると思っています。
 ただ、そのような状態でなぜ経営が苦しいのか、大きく二つの要素があります。
 一つ目は、減価償却費が当初の予測より2億円以上高くなっていることです。固定資産のライフサイクルで言えばかかるコストは同じですが、早く費用化し、将来の健全性をより担保するということです。現在にとっては赤字の要因となっています。
 二つ目は、マイナス金利の影響による退職給付引当金の3億円以上の積み立て増額です。これについても、将来のために積み立てておかなければならないものを先に積み立てているということなので、長期的にみれば健全な動きなのかと思います。
 当院は、平成27年7月に開院していますが、その時に、建物、設備、などの投資を行っております。医療機器などは償却を終えるのに概ね5~6年はかかりますので、開院して5~6年間は病院運営が一番厳しい時期です。現時点で、黒字に近い数字で推移していることは、この厳しい時期を超えたあたりから順調に黒字に向かっていけるのではないかと考えております。

篠藤委員

 中期計画の変更案において、収益はずっと右上がりなのですが、費用の方は平成30年度、平成31年度とほぼ同じくらいに抑えられるということになっています。それは現実的に抑えられるとお考えなのでしょうか。

寺口本部長

 平成30年度に費用が若干上がっているのは、電子カルテの更新によるものです。平成30年度の特定要因として、委託費を約1.8億円上乗せして計画を立てています。中期計画期間中は、全体的に緩やかな費用の増加を見込んでいますが、平成31年度には特に費用が増加する要因はありませんので、若干の増加に留めたという考え方です。

篠藤委員

 わかりました。今回は目標指標を変更され、その中でも特に手術件数が非常に高い目標になっていますが、先程の話で手術室の稼働率が既に70%を超えているということで、これから手術件数を増やしていけるものかどうか教えてください。

大里副院長

 現在、研修医や若手医師への教育に力をいれており、手術時間が少しずつ長くなりつつあります。昔からありがちですが、手術室の空き状況も、午前中は診療で少し空いていて、午後からが窮屈になり、さらに時間外に使用という状況ですので、病院全体の外科系の診療体制を変え、現在ある10室の手術室を完全効率的に運用できるような体制を来年度から組んでいきたいと思っています。
 週末など手術室が空いているところがありますので、特に悪性腫瘍手術が必要な患者さんに1カ月以上お待たせしないよう週末の利用も検討していきたいと考えています。

杉本委員長

 手術室に関しては混んでいる状態だろう思います。どの病院も手術室の入れ替え時間を短縮する等いろいろな取り組みをしています。いくつかの病院では、土曜日も手術室を使っているところもありますので、方法はあるのかも知れません。ただ、週末に手術を増やすなども一つの取り組みかも知れませんが、無理をすると身がもたないので気をつけなければならないと思います。
 その他、ご意見等なければ、中期計画の変更について意見のとりまとめに移りたいと思います。
 本日の評価委員会で中期計画の評価をとりまとめ、最終承認することになっております。その上で本日皆さんにご意見を伺いましたが、今までのところ修正はないと理解しておりますがよろしいでしょうか。
 (異議なし)
それでは評価委員会として中期計画を承認させていただきます。今後、細かい修正等が必要になった場合は、基本的に委員長に一任とさせていただきます。それでは、今後の中期計画の変更手続きの流れについて、事務局から説明お願いいたします。

事務局

  • 参考資料4により、中期計画の変更手続きの流れを説明。

杉本委員長

 第2期中期計画(変更案)に対する評価委員会の意見について、参考資料4のとおり文面の意見書(案)が示されました。問題がなければ、このまま承認したいと思いますが、如何でしょうか。
 (異議なし)
それでは、市長への意見書は本日の日付を記入した参考資料4のとおりとさせていだきます。

(3)その他

杉本委員長

 次に、議事4その他について、事務局、何かありますか。

事務局

  • 資料1及び参考資料5により、平成30年度の評価委員会のスケジュール及び平成29年度計画について説明。

杉本委員長

 平成30年度の評価委員会のスケジュールと平成29年度計画について説明がありました。来年度は、評価委員会の役割が変更されたことにより評価委員会を1回開催し、この平成29年度計画に基づき業務実績評価に係る意見を述べていくということになります。委員のみなさま、何かありますでしょうか。
 (意見なし)
 ありがとうございました。特に今年度は4回の開催となり、皆さんお忙しい中お集まりいただいて誠にありがとうございました。
 地方独立行政法人とはなっていますが、堺市立病院機構には、常に堺市民として見たらどうだろうか、地域全体としてどうだろうか、どのような医療を担っていくのかという観点で取り組んでいただいたらと思っています。単に、病院が赤字であるとか黒字であるとか、儲けるというのではなく、やはり地域全体として、公的病院として、堺市の住民を含めて、地域医療にどのような役割を果たしていくのかという視点で、十分役割を果たしていらっしゃるとは思っておりますが、今後も是非とも取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、本日の評価委員会をこれで終了させていただきたいと思います。

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