このページの先頭です

本文ここから

平成29年度第2回(平成29年7月24日開催) 議事(2)

更新日:2017年12月4日

(2)平成28年度 業務実績に関する評価について

杉本委員長

 それでは次の議事に移りたいと思います。議事(2)業務実績に関する評価について、事務局より説明をお願いします。

事務局

  • 資料2により、小項目評価(案)を説明。

杉本委員長

 「救命救急センターを含む救急医療」について、法人自己評価が5でしたが、指標から見れば前年度と比べて実績も上がってきており、評価を下げる理由はないので、評価5としてよろしいでしょうか。

  (異議なし)

 それでは、評価5といたします。次に「小児医療・周産期医療」について法人自己評価が3となっております。田中委員からは、非常に努力し取り組みを行っているので評価を高くしても良いのではという意見をいただいておりますが、いかがですか。

岡原委員

 その意見に賛成いたします。

杉本委員長

 それでは評価4といたします。「感染症医療」については、前年度同様、特に大きな変化はないということです。「災害その他緊急時の医療」については、熊本地震の支援に行かれる等、よく取り組みをされております。また、「がんへの対応」については、法人自己評価は4です。評価委員会の評価としても評価4か評価5という意見でした。がんに関しては、法人としても今後さらに高いところをめざすという意味で、いずれも法人自己評価のとおりでよろしいでしょうか。

  (異議なし)

 それでは、法人自己評価のとおりといたします。次に、「脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病への対応」ですが、法人自己評価は4です。田中委員からは、通年で初めての実績となるので、今年度は順調に計画を実施していることで評価3とし、次年度以降に評価を上げるのか検討してはどうかとのご意見です。堺市では、脳卒中・急性心筋梗塞に特化している病院もありますので、今後、法人が地域で担う役割を重視し評価していくことになると思うのですが、いかがでしょうか。

花房院長

 当院は総合病院として高度医療を担っておりますので、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病の診療の中でも、特に複雑な疾患の合併症をお持ちの方に対応することが重要だと考えています。
 平成28年度の実績が基準とのことですが、それならば、がん、救急医療に関しても条件は変わらないので、この項目についても同じ視点で評価していただければと思います。

岡原委員

 堺市立総合医療センターが、医療圏の中で総合的な役割を果たしていれば評価して良いと思います。クリニカルパスについては国でも課題が指摘されつつありますので、堺市立総合医療センターが実情に応じて取り組んでいるところも評価できます。評価4以上の取り組みをされているかと考えます。

杉本委員長

 わかりました。それでは評価4といたします。「高度専門医療の推進」についてはいかがでしょうか。腹腔鏡下手術の増加など実績として十分評価できる内容ですので、評価4ということで、よろしいですか。

  (異議なし)

 次に、「医療安全対策の徹底」についてです。田中委員からは、院内でインシデントを報告しやすい環境を整えたというのは大変評価できるが、インシデントの内容と対策についてはどうなっているのかとの質問が出ています。

河野副院長

 インシデント及びアクシデントの報告件数は昨年度より1割程増えております。インシデントは、内訳を見ると、椅子の高さ調整、睡眠剤の量や種類の変更等の対策により転倒・転落が減少しています。
 また、アクシデントの増加については、以前は医師から報告のなかった合併症に関する報告も含めたことによるものです。報告数が全体的に増加したのは、院内での医療安全に対する意識レベルが上がったためのものと判断しております。

石坂薬剤技術局長

 薬剤に関するインシデントも減少しています。平成27年度、薬剤に関するアクシデントが3件あり、これを0件にしようと、平成28年度からセンターに薬剤師を配置し、看護師と一緒に病棟をラウンドして薬の配置などを見直しました。その結果、薬の渡し忘れや取り間違いがほぼなくなっています。また、安全に手術ができるよう、外来時点で抗血小板剤を処方しないよう対策をとりました。この2点により、薬剤に関するインシデントの減少に繋がったと考えています。

杉本委員長

 転倒・転落や薬剤などで良い取り組みをされていると思います。また、医療安全に対する意識が高まったことにより、以前は医師から報告がなかった合併症に関する報告も増えているということですので、これは評価4で良いですか。

  (異議なし)

 次に「医療の質の向上」ですが、各部門に従来の業務の進め方があるので、センター化やチーム医療を組織的に進めるというのは難しいと思います。進捗はどうですか。

花房院長

 センター化については平成29年度から始める予定で、9月のセンター化に向けて、それぞれのセンター内で定期的なミーティングを行い、改善点を洗い出しながら順次実効性のあるものを作り出そうとしているところです。また、受診先が分からないときは、総合診療で一括して対応するという体制をつくる予定です。

杉本委員長

 平成29年度から開始ということで、来年、具体的な取り組み成果を報告していただくのを楽しみにしております。センター化によって、患者さんがどの診療科に受診すべきか分からないとき、受診先が分かりやすくなるということですね。このことについては、患者満足度が分かるよう、アンケート調査の実施も検討してください。
 「医療の質の向上」に関しては評価4、また、「法令・行動規範の遵守(コンプライアンス)」に関しても特別な問題がなく実施されていることから評価3ということで、いかがでしょうか。

  (異議なし)

 それでは、それぞれそのように評価いたします。
 続いて、「患者の視点に立った医療の実践」は法人自己評価3です。医療の視点で見ると、もう少し法人自己評価も高くなってほしいと思います。いかがでしょうか。 

山村委員

 窓口に寄せられた相談件数が2万弱となっているが、内容について、経年で、何か質的な変化を見られているのでしょうか。

河野副院長

 がんに関する相談は、28%ほど増えています。また、地域包括ケアに関係する高齢者相談も増えてきており、以前の医療費相談やクレームなどが多かったことを考えると、内容が変化してきています。相談が患者満足度に繋がっているかという分析には、まだ及んでいません。

杉本委員長

 田中委員からは、相談件数より相談内容が重要で、どのように対応されたのか帰結を集約し、見える化できれば実績として記載しやすいのではという提案がありましたので、次回工夫されると良いと思います。
 「患者サービスの向上」について、投書箱に寄せられた件数が増加していますが、内容は提案やクレーム、診療への感謝など、分析はされていますか。

安井医事課長

 平成28年度363件の内訳は、感謝のお言葉が87件、施設設備に関するご意見99件、接遇面に関するご意見81件、制度に関するご意見49件です。このうち、対応できたものが130件、対応検討中が76件、対応できないと回答したものが83件です。尚、これらの内訳は、複数の項目に重なる意見もありましたので、合計は363件と必ずしも一致しません。

杉本委員長

 相談内容を示した方が、わかりやすいかもしれません。サービス向上の取り組みが患者満足度に繋がっているかどうかが大切だと思います。ところで、満足度調査は委託業者ではなく病院が実施しているものですか。全国的に委託しているところも多く、客観性があるので、その方法を採用するのが良いと思います。

安井医事課長

 中期計画上の満足度調査は、2年に1度、当院で実施しているものです。平成28年度は調査対象外の年であったため、中期計画とは別の手法で、委託業者に集計、分析を行ってもらい満足度調査を実施することにしました。自分たちの取り組みを評価することと、評価委員会において満足度が他院と比較できないとのご意見を踏まえて実施いたしました。今後も定期的に実施していく必要があると思っています。
 また、いただいたご意見は、患者さんにご覧いただけるよう1階エレベーターの横に掲示させていただいております。

杉本委員長

 それでは、「患者の視点に立った医療の実践」については評価3、「患者サービスの向上」は評価4で、よろしいでしょうか。

  (異議なし)

 では、評価3、評価4といたします。次に、「地域の医療機関との連携推進」です。昨年は評価3、今年度は法人自己評価4となっております。目標指標としての紹介率は達成、逆紹介率もほぼ達成していますが、実際の地域医療機関との連携推進の観点から、評価4で妥当でしょうか。

岡原委員

 地域でも頑張っておられるので、評価4で良いと思います。

杉本委員長

 わかりました。それでは、評価4といたします。「地域での医療従事者の育成」について法人自己評価は5です。田中委員からは、医師以外の論文掲載はどうなっているかという質問がありました。また、看護師の出前でレクチャーは素晴らしいが、医師は院外で何か取組みをされているのか、地域医療機関への貢献度が客観的に示されれば高く評価できるということです。参加者へのアンケート結果についてもどうなっていますか。

谷口副院長

 医師以外の学会発表は、看護局41件、薬剤科24件、検査技術科10件です。
 出前でレクチャーでのアンケートについては、レクチャー自体を昨年度の後半から始めましたので、まだ実施には至っていません。地域への学習活動として取り組んでいる地域医療機関向け急性期看護コース、がん看護コースでは、アンケート調査を実施し、いただいたご意見を基に、研修内容の改善を図っております。介護施設向けスキルアップセミナーでも、施設長や参加者からアンケートを頂いています。また、中学校のがん教育の中でアンケートを行いましたが、先生方の6~8割が、がんについて知る機会がなかったとの回答であり、今年度は先生向けの教育にも取り組んでいます。そして、学生実習では、実習生からのアンケートや、指導についてはカンファレンスにおいて内容を評価しています。ハード面では更衣室が狭いという意見がありましたので、今年度は更衣室を増やすなど改善を図っています。

杉本委員長

 評価4とするのか、評価5とできる強いインパクトがあるのかというところが判断のポイントかと思います。いかがでしょうか。

岡原委員

 小中学生に対してがん教育をするというのは難しいところがありますので、ノウハウを広げるためにも、まずは、学校側と調整しながら計画的かつ均一的に全市へ広げていくことが大切だと思います。

門田理事長

 がんに関わらず疾病教育の重要性は認識されているところです。しかし、全国一律に文科省の教科書等による教育というのはなかなか難しい部分があるので、まずは、家庭内で命や病気について話題になることが教育のスタートと考え、地域を含め、家庭を含め、今やれることはないのかと試行錯誤しているところです。

岡原委員

 堺市では、以前から学校保健で教育を実施していますが、教育委員会では常に均一的な教育を求められます。がん教育が、どういう方向でスタートするのが良いか難しい問題だと思っています。堺市立総合医療センターとしても、堺市のがん対策の一環として何らかのかたちでがん教育を進めていただけたら有難いと思っています。

大里副院長

 昨年度、教育委員会と共同して、教頭、養護教諭を対象にがん教育の重要性について講演会を行っており、本年8月にも予定しております。また、昨年は市民向けに小児がんの講演会も行っていますので、今後も縦割りではなく市全体の取組みとして共に取り組んでいきたいと考えています。

花房院長

 初期研修医について補足させていただくと、大阪府では毎年初期研修医の定員数が減らされていますが、昨年府下で唯一当院が増員を認められ、大阪府からも高く評価していただいていると思っています。

杉本委員長

 先程答えていただいた論文掲載について、学会発表ということで報告がありましたが、実際の論文掲載はありますか。また、医師に関しては、どのような状況でしょうか。

谷口副院長

 看護局では雑誌投稿における論文掲載等5件、コメディカルに関しては6件あります。

大里副院長

 医師は、英論文掲載が10件程度あったと思います。

杉本委員長

 次回からはその件数も記載された方が良いかもしれません。法人自己評価は5ですが、評価委員会として評価5なのか評価4なのか決めたいと思います。いかがですか。

岡原委員

 最近は研究する医師が少なくなっており、病院としてはいかに研究する機会を与えていくかが大事だと思います。医師会でも英論文掲載の選考をさせていただいておりますが、毎年、堺市立総合医療センターからの応募が定期的にあります。機会を与え、医師の育成を頑張っておられるので評価5で良いと思います。
 初期研修では、今まで介護保険や訪問看護を利用した在宅医療について学ぶ機会はなく、堺市立総合医療センターはこれらも教育されています。二次医療圏の中でこのような研修を受けられる機会があるのはとても良いと思います。

篠藤委員

 評価5とするポイントは、どこでしょうか。

大里副院長

 初期研修医の定員の1人増加は少ないように感じますが、府下全体では定員が減らされている中の1人です。当院の定員数は3年前が最低の7人でしたが、地道な努力により着実に定員を増やし、他院が減少している中で10人にまで到達しましたので、評価していただきたいと感じております。

山村委員

 医療的知見はないので悩ましいところですが、数値的にはよく伸びており素晴らしいと思います。他の市立病院と比べて、貴法人が秀でているということですね。

河野副院長

 初期研修医に限定すれば、マッチングは府下全体で3位ですが、1、2位は民間病院なので、公的病院の中では1位と言って良いと思います。そういう意味でも初期研修システムが優れていると考えております。最近は、他の市立病院からも当院の初期研修について見学依頼を受けており、高い評価を得ているのではないかと思います。

岡原委員

 ここで研修を受けられた方で、地域で頑張っておられる先生は多い印象です。この地域の研修としてはよく頑張っておられると思います。

篠藤先生

 わかりました。評価5で良いと思います。

杉本委員長

 それでは、十分に取り組みを行ったということで、評価5にしたいと思います。
 次に「医療、保健、福祉、教育などの行政全般等との連携と協力」ですが、田中委員からのご質問として、検診の受診者数が示されているが、どれくらいを達成目標と考えられているのかということです。
 人間ドックは1,094人で一日あたり4人ほど、がん検診は418人と、堺市人口からみると極めて少ない数字で、このあたりどのようにお考えですか。一日4人という数字は、市民から見ると、何の成果なのか疑問に思うのではないでしょうか。具体的な取り組み成果として、あえてこの数字を提示せざるを得なかったことに疑問が残ります。今後この数字をどう捉え、法人が何をしていくつもりなのか教えていただきたい。

大里副院長

 公的病院の立場として、市域全体の検診受診率の向上を念頭に置いております。今までは各地域がん診療連携拠点病院でそれぞれ取り組んでまいりましたが、検診受診率の向上に繋がりませんでした。そのため、行政と協力し委員会を設置して、市の下部組織として受診率向上のため助言、勧奨する仕組みを作りました。そのような中で、当院も検診機能を有していることから、少ない受診件数ではありますが、少しずつ取り組みを進めているということで記載したところです。胃がん検診ではいち早く胃カメラを取り入れ対応するようにいたしました。

岡原会長

 今まで、堺市は、国の方針に沿って、がん検診、人間ドックなどを実施してきましたが受診率が上がらず、公的病院の参画が必要ということで取組みが始まっています。結果として受診件数は少なかったですが、この数字は行政と協力して取り組んでいるという象徴的な数字になっていると思います。

杉本委員長

 数字を提示することが良くないと言っているのではなく、この象徴的な数字しか提示できなかったことが問題だと思っています。年度計画の中で、市立病院の役割として、受診者数を上げることに注力するよりも、貴院がどのような役割を果たすのか明確にし、その上で実効性のある具体的な取り組みを考え、成果をあげていくことが大切ではないでしょうか。地域特性を踏まえた連携の必要もありますが、本質的な問題は病院の受診者数を増やすことではなく、他に指標があると思います。基本的には堺市のがん検診受診率がどれだけ上がったのかが最終的な成果になり、そのために行政とどういう取り組みをしたのか、そういう視点で次回は記載された方が良いです。がんだけではなく、性暴力への取り組みなど、よく取り組まれていることは分かります。

門田理事長

 市立病院として他の医療機関とどこが違うかというところで、定款内に市民の健康を維持増進と記載がありますので、ここに大きな使命があると考えています。特にがん検診については、欧米と比較して日本は受診率がとても低い中で、大阪府は都道府県の中でも最下位に近く、さらに堺市は府下の中で最低の状況です。これは行政と共に何らかの対策を取る必要があるとのことで、6月から新しく事業を始めています。胃がん検診ではファイバースコープで検査ができる医療機関が少なく、当院で全面的に協力していこうということで、数字をここに記載したと理解していただきたい。

杉本委員長

 では、評価は4ということにいたします。次に、「自律性・機動性の高い組織づくり」から「働きやすい職場環境の整備」までは、会議の前半でご意見をいただきました。特に評価を下げた方が良いとの意見はなかったように思いますので、各項目、法人自己評価と同じ評価でよろしいですか。

  (異議なし)

 それでは、この5項目は法人自己評価と同様といたします。続いて、「安定した経営基盤の早期確立」については、重点項目であり、今回が移転後初の通年評価となります。 田中委員からは、実績や取り組みは素晴らしいが、最終決算が赤字であったことを考えると、目標を上回る実績、成果があったと評価することには懸念があるという意見もあります。先程、財務内容の改善について法人に回答していただきましたが、収支に特殊事情があり未だ赤字ではありますが、年度目標はほぼ達成しております。全体としてはよく取り組みをされておりますので評価4で良いでしょうか。

  (異議なし)

 最後に「環境にやさしい病院運営」については、特に意見なしということで、評価3といたします。小項目評価については以上で決定いたします。ただいま決定した小項目評価結果に基づき、大項目評価と全体評価について、事務局から説明をお願いします。

事務局

  • 資料3により、大項目評価(案)を説明。

杉本委員長

 事務局より小項目評価結果を受けての大項目評価及び全体評価について説明がありました。大項目評価や全体評価について、記述内容など、何かご意見やご質問はありませんでしょうか。この案で、よろしいですか。

  (異議なし)

 次の会議もありますので、その際にご意見をいただければと思います。事務局には、本日いただいたご意見を踏まえ、それぞれ記述の訂正や追記を行い、評価結果報告書にまとめ、次回の会議に提出をお願いいたします。
 予定では、次回が評価に関して最後の会議となっております。次回は、平成28年度評価結果報告書の決定と財務諸表を市長が承認する際の意見陳述を行ってまいりますので、よろしくお願いいたします。また、年度評価や次回会議の議題などに含めまして、委員の皆さんから追加のご意見、ご質問がありましたら、次回までに事務局までお寄せいただきたいと思います。

(3)その他

杉本委員長

 次に、議事(4)その他です。特にないようなので、本日の評価委員会を終了させていただきたいと思います。

このページの作成担当

健康福祉局 健康部 健康医療政策課

電話番号:072-248-6004

ファクス:072-228-7943

〒590-0078 堺市堺区南瓦町3番1号 堺市役所本館6階

このページの作成担当にメールを送る
本文ここまで