第5次堺市障害者計画・第7期堺市障害福祉計画・第3期堺市障害児福祉計画(案)についてのご意見の要旨と本市の考え方 提出された意見は整理集約しています。 番号 ご意見の要旨 本市の考え方 第1部 計画の策定にあたって 1 数値目標や具体的な施策が見えない。形を整えた障害児福祉計画ではないか。 計画案は、大阪府の基本的な考え方を基本とし、障害者施策推進協議会計画策定専門部会での審議を経て作成しています。成果目標の達成に向けた取組を進めます。 2 近年の国等の動向の中で、「読書バリアフリー法」を省いたのはなぜか。 直近の国等の動向について記載したことから、「読書バリアフリー法」(令和元年6月28日施行)は記載しておりません。 3 計画を3つではなく、一体化した名称だとより市民に親しみやすくかつ分かりやすいのではないか。 ご意見をふまえ、次回以降の策定の際に検討します。 4 8050問題が深刻化している中、親なき後、障害者が安心安全で住みよい堺市となるよう計画の見直しを行ってほしい。早期にニーズに応えられる政策を行って下さい。 計画案では、ニーズの変化・多様化、法制度の変化を確実に反映するため、障害者計画の内容にかかる計画期間を9年間から6年間に変更しました。また、障害者や家族を取り巻く大きな変化に応じて、計画期間中においても計画内容を見直します。引き続き、障害者や家族、障害福祉関係者等の視点を取り入れ、障害者主体の施策を進めます。 5 「近年の国等の動向」について、障害者権利条約の総合所見にて自立した生活及び地域生活への参加・包容(インクルージョン)に係る内容が重視されたことが触れられているが、自治体レベルでも条約の意義や施策の課題をわかりやすく発信するべきではないか。 障害者権利条約や国連障害者権利委員会による総括所見との整合性が確保された国の障害者基本計画(第5次)や大阪府の第5次大阪府障がい者計画をふまえて計画案を作成しています。総括所見の主旨をふまえ、地域生活支援の充実に取り組みます。また、国や大阪府、他自治体の動向も参考に、障害者権利条約の意義等の発信にも努めます。 6 人材確保が困難な中で職員の昇給を見越した報酬体系となっていない課題は継続している。国の施策では不十分なところには、市独自の支援策を検討してほしい。また、障害のある人の地域生活を支えるためには、居宅支援が充実しないと成り立ちません。ヘルパーを増やせるような方向性を計画に載せてほしい。 介護業務の負担軽減等を図るため、国庫補助を活用し、事業所が介護ロボット等を導入する際の費用に対する補助を行っています。また、二十一大都市心身障害者(児)福祉主管課長会議を通じ厚生労働省に対して、適切な報酬単価の設定及び介護人材の確保・育成・定着を促進するための取組をより一層推進するよう要望しています。 7 事業所が閉業しないよう市からの支援が必要だと思う。 正しく事業所運営ができるよう、事業所に対して集団指導や実地指導を行っていますが、事業所が閉業するか否かは、事業所の判断で行われます。なお、本市の事業所数は増加傾向にあります。 8 障害者の状況における各障害者手帳所持者の等級内訳や年代、新規取得数など詳しい状況を明記してほしい。 ご意見をふまえ、資料編として掲載します。 9 市内の障害者雇用の状況を明記してほしい。 本市内在住の障害者も本市外に勤務する場合が想定されること、労働局が都道府県単位の設置であることから、障害者の雇用状況は都道府県単位で記載しています。 10 市内の事業所数や既存のセンターなど、アンケート結果に加えて、現状をまとめて載せてほしい。 障害者等実態調査の結果については、本市ホームページに掲載していますので、そちらをご確認ください。 11 具体的な施策に反映させることが必須。家族介護に頼らない地域生活への移行、地域生活の継続に向けた取組として記述内容や数値目標では不十分ではないか。 地域生活への移行を進めるためには、地域生活への支援の安定化は不可決です。今後も、障害者や家族、関係者等のご意見をお聞きし、地域生活の支援の拡充に向けた取組を進めます。 12 計画案の基本理念は市全体の障害施策の方針であり、大変重要な位置づけになっているため、そこに向かって進めることと市の責務であるという認識をしてほしい。 計画案において、めざすべき目標像として「障害者が住み慣れた地域で、安心して、主体的に、心豊かに暮らせる共生社会の実現」を基本理念として定めています。基本理念は本市の障害施策を進める上で重要な位置付けであるとの認識のもと、めざすべき目標像に向けて、施策や事業等の取組を進めます。 13 基本方針として「意思の形成段階を含め、自ら意思を決定することに支援が必要な障害者が、希望する暮らしや必要な障害福祉サービス・支援等が選択できるよう、自己決定権を尊重し、意思決定支援に取り組みます」とあるが、希望する暮らしや必要な障害福祉サービス・支援等が選択でき、充分なサービスをうけられるよう、サービス量についても加筆していただきたい。 計画案では、基本方針として、自己決定権を尊重し、意思決定支援に取り組みます。今後も基本理念である「障害者が住み慣れた地域で、安心して、主体的に、心豊かに暮らせる共生社会の実現」に向けて取り組みます。また、各障害福祉サービスの見込量については、大阪府の基本的な考え方、実態調査の結果をふまえて定めていますが、数値目標は設定していません。 14 障害福祉サービス事業者が第三者評価を積極的に活用できるような支援が必要ではないか。 保育所に対して実施されている第三者評価受審加算のような制度は、現状障害福祉サービス等ではありませんが、第三者評価を積極的に活用してもらえるよう、集団指導等で引き続き周知します。 第2部 第5次堺市障害者計画 15 支援者の知識が最も重要なため、意思決定のスキルを上げていくための研修等が必要ではないか。また、意思決定支援をどのように進めていくか具体的に示してほしい。 意思決定支援においては支援者のスキルが問われると認識しており、その向上のためには研修等が重要であると考えています。今後、実施が予定されている大阪府の研修と連携し、相談支援専門員等の意思決定支援の向上に取り組みます。 16 障害のある人が地域で暮らすため、また「親亡き後」も安心して暮らし続けるため、地域生活への移行を進めるためには、さらに強度行動障害のある人が地域で生活を続けるためには、グループホーム等の暮らしの場を増やすことが急務であると思う。 グループホーム整備の補助については、国庫補助を活用の上、重度障害者等を受け入れる事業者を優先的に選定し、障害者の地域における暮らしの場の確保に努めています。また、グループホームの運営に対する補助として、重度障害者や強度行動障害のある人、医療的ケアが必要な人に対する手厚い支援体制のための生活支援員及び看護職員の配置に要する経費を補助しています。 17 精神障害者の地域移行支援、精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムの構築について、目標値を上げてもっと積極的に取り組んでほしい。 精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムの構築に向けて協議の場を設置し継続的な検証を行っています。また、地域に応じた課題抽出等を目的としたワーキングも開始しています。精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムの構築、精神障害者の地域生活への移行に向けた支援体制の構築を進めます。 18 地域移行と入所施設は必ずしも相反するものではなく、多様な暮らし方があると思う。また、障害特性によって、入所施設の方が暮らしやすい人もいる。それでも住み慣れた場所での暮らしを望む人は多い。グループホームの整備のみではなく、近くに入所施設もあることが暮らしの多様性につながると思う。地域生活への移行先がグループホームであるならば、手厚い人員体制、専門的支援のできる人材の育成、それを実現できる報酬や補助等の財源が確保されないといけない。基幹相談支援センターや地域の相談事業所等のネットワークだけでは地域生活への支援は進められない。在宅生活におけるヘルパーや緊急時の対応についても同様のことが言えるのでないか。望む生活のための社会資源の量や質が絶対的に不足するなかで、相談支援のコーディネートもできない。 障害特性や障害の状況等によって入所施設の方が暮らしやすい人もおられ、地域に開かれた入所施設での生活も多様な暮らし方の一つであると考えています。一方で、これまでの施設入所を中心とした支援において、本人に選択の機会がなく、長期に渡り施設での生活を余儀なくされている方もおられます。そのため、今後も、行政をはじめ、地域移行コーディネーター、入所施設、地域の相談支援事業所等と一緒に、地域生活への移行に向けた支援体制の検討を進めます。 19 障害特性等に配慮した整備を進め、気軽に安心に外出できる環境を充実してほしい。 令和3(2021)年に策定した「堺市移動等円滑化促進方針」及び令和5(2023)年に策定した「堺市バリアフリー基本構想(改定版)【市全域】」に基づき、障害者をはじめとしたすべての方が社会参加できるよう都市環境整備を進めています。また、ハード面の整備だけでなく、心のバリアフリーなどソフト面の充実についても働きかけます。 20 防災対策を充実してほしい。 本市では、避難行動要支援者が日頃から準備しておくべきことのチェックリストをまとめた防災啓発チラシ「あなたの準備はだいじょうぶ」を作成しており、まわりの支援者と協力して書き込み、避難の準備に役立てていただきたいと考えています。 21 地域移行に逆行するような報酬改定は反対、地域での生活基盤を拡充してほしい。 地域生活への移行に向けて、グループホームや生活介護等の障害福祉サービスの充実が必要です。令和6年度報酬改定においてはグループホームや生活介護も含めて持続可能で質の高い障害福祉サービス等の実現のための見直しが行われているものと認識しています。 22 成果目標では地域生活支援拠点等の機能の充実と整備済みとなっているが、様々な機能や制度を推進しないと、地域生活支援拠点等の実現にはならないと思う。 地域生活支援拠点等の面的整備においては、様々な機能や機関が有機的に連動することが必要であり、拠点等の機能については、効果的な支援体制・連絡体制の構築に向けて、継続的に検討します。 23 グループホームの認定において、市の指定方針に遵守してほしい。グループホームにおいては入居者個々の支援ができるように個人単位でのヘルパー併用が恒久化されること。重度の障害者が入居した場合のグループホームでのヘルパー支給決定が見守り介護で保障されるようにすすめてほしい。障害者の入居促進を差別解消の視点から進めていき、入居者個々の対応が実施できるようにしてほしい。 グループホームの指定については、事業所からの申請に基づき、法令等を遵守しているかの審査を行っており、原則として、定員の総数は10名を超えないものとしています。グループホームにおいて、個人単位で居宅介護等を利用する場合の特例については、必要な支援を継続して受けられることが重要であると考えており、恒久的な制度となるよう国に要望しています。障害福祉サービスの支給量については、個々の状況を勘案し決定しています。また、必要とされる支給量が障害支援区分に応じた支給決定基準を上回る場合については、審査会等に諮り必要性を協議した上で適切な支給量を決定しています。 24 グループホームでのヘルパー併用を恒常化と充分な支給決定をお願いしたい。 グループホームにおいて、個人単位で居宅介護等を利用する場合の特例については、必要な支援を継続して受けられることが重要であると考えており、恒久的な制度となるよう国に要望しています。障害福祉サービスの支給量については、個々の状況を勘案し決定しています。また、必要とされる支給量が障害支援区分に応じた支給決定基準を上回る場合については、審査会等に諮り必要性を協議した上で適切な支給量を決定しています。 第2部 第5次堺市障害者計画 25 知的障害A、身体障害者手帳4級を所持しています。月に1万円以上かかります。紙パンツを日常生活用具給付として支給してほしい。 紙おむつを含む日常生活用具に関しては、さまざまな要望をいただいていますが、本市においては、限りある財源の中で優先順位を定め、支給対象給付品目や支給要件等を決定しています。紙おむつについては、本市の実態を把握するため、療育手帳Aをお持ちの方を対象にアンケート調査を行い、日常生活用具の支給対象品目に追加する場合の対象者数等の資料として取りまとめ、事業実施を検討します。 26 堺市では計画相談事業所と相談支援専門員が不足しているため、どのように対策するのか見通せるものにしてほしい。また、堺市では基幹相談支援センターが、基幹相談だけではなく、障害者相談支援(委託相談)も担っているが、委託相談の役割を充分に果たせているのか。指定相談が委託相談の役割を担っていることもあり、指定相談の本来の役割を果たすことができないのではないか。 本市では障害者の相談支援を検討するため、令和4年度から令和5年度にかけて、障害者施策推進協議会に専門部会を設置し継続的に議論を行いました。その中では、障害者基幹相談支援センターに期待される役割が大きくなっていること、人材の確保・育成に向けた体制の充実・強化が急務であることが課題としてあがりました。今後も主任相談支援専門員との連携のもと、障害者基幹相談支援センターが中心となり、相談支援専門員同士が横のつながりを持ち、一人で抱え込まないよう、区域にとどまらないネットワークの構築や人材の確保・育成に取り組みます。 27 相談支援体制・ネットワークの充実と強化機能を謳うのであれば、24時間の相談支援体制を構築すべきだと考える。 休日・夜間相談支援体制の構築に向けては、地域生活支援拠点等の機能と並行して議論が進められるべきと考えています。令和6年度以降、地域生活支援拠点等の効果的な支援体制の構築に向けた検証を進め、今後の方策を検討します。 28 福祉サービスを必要としている人に必要な支援・サービスが届いてほしい。声を上げられない人の権利や暮らしを守ることを考えてほしい。 障害福祉サービスや支援が必要であるにもかかわらず、必要な情報が届いていない人、そのために障害福祉サービス等を利用していない人へのアプローチは重要です。障害の有無や程度、種別にかかわらず、すべての人が主体的に地域の中で安心して暮らすことができるよう、引き続き、障害者や家族、関係者等の様々な立場の方からご意見をお聞きし、地域生活の支援を進めます。 29 障害者施設の整備拡充には、人と場所の確保が要件として大きい。 国では、入所施設からの地域生活への移行を掲げています。このことをふまえ、本市では障害者の暮らしの場として、住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、生活基盤となるグループホームの整備を促進しています。 30 強度行動障害のある10歳代の親です。以前は放課後等デイサービスから利用を断られ、どんどん悪化する問題行動に成す術がありませんでした。現在、適切な障害への理解と人としての尊重、本人が自分の意思を正しく伝える方法などを学び、絵カードでコミュニケーションをとることができるようになり、放課後等デイサービスとショートステイを利用できるようになりました。支援者が利用者からの他害行動から身を守る方法もあり、不適切な対応や支援により、本人はコミュニケーション不全を起こし、強度行動障害につながっていきます。学齢期までの間に、社会の中で周囲を不安にさせない行動を学ばせる療育と教育が必要です。スキルを習得している事業所への加算をお願いしたい。また、自閉症や知的障害の子どもたちに社会で生きるスキルを教えるためには、根気よく継続することも必要です。それを知る支援者がほとんどいません。どのような環境を好むかなどを支援者にもっと学習してもらいたいです。 強度行動障害のある人への支援については、その方法が分からず、結果として不適切な支援や虐待が疑われる対応につながってしまうことがあります。そのため、令和6年度から強度行動障害のある人への専門的な人材の確保・育成、地域の支援体制を構築し、強度行動障害のある人が地域で安心して暮らし続けることができるよう取組を進めます。具体的には大阪府や先進的な取組を実施している専門機関と連携し、本市内の社会福祉法人等へのコンサルテーションや実地研修を行い、また地域実践報告会を実施します。さらに強度行動障害のある人への支援については、児童期における予防的な支援が重要であるため、家族が適切な対応ができるよう家族への研修等も検討します。 31 グループホームの新規開設事業者が増えているが、そのなかでスプリンクラー設置、EV設置の重度対応のグループホームがあるのでしょうか。整備補助も年間2箇所のみで、障害者が重度化した場合に住み替えができるだけの暮らしの場や生活をささえる拠点が必要です。職員が働き続けられる環境や市として福祉人材の確保への手立て、一人ひとりの尊厳を大切にするための研修体系が組織的に保障されることが必要。地域生活支援施設の整備が進み、重層的なネットワークを展開するために人材確保の手立てと制度充実に向けての施策を切に望みます。 グループホームの整備については国庫補助を活用して実施しており、エレベーター設置に対する加算制度等もあります。同じく既存のグループホーム及びショートステイにおいて、重度障害者等の受け入れに必要なスプリンクラー設備等の設置への補助制度があります。また、介護業務の負担軽減等を図るため国庫補助を活用し、事業所が介護ロボット等を導入する際の費用に対する補助を行っています。二十一大都市心身障害者(児)福祉主管課長会議を通じ、厚生労働省に対して、適切な報酬単価の設定及び介護人材の確保・育成・定着を促進するための取組をより一層推進するよう要望しています。 32 同性介護が必要であるが、男性の職員が不足しているのではないか。福祉職は報酬があまり良くないことも影響しているのではないか。知的障害者への理解がまだ進んでいないと感じる。 二十一大都市心身障害者(児)福祉主管課長会議を通じ厚生労働省に対して、適切な報酬単価の設定及び介護人材の確保・育成・定着を促進するための取組をより一層推進するよう要望しています。令和6年度報酬改定において、福祉・介護職員の処遇改善加算の引上げなどが行われる予定です。報酬の引き上げを中心とした職員の処遇改善については、人材確保につながるものとして引き続き国に要望します。 33 本人・家族の状況は固定化されないため避難行動要支援者の確認を毎年行わないと意味がない。障害支援区分の調査時や相談支援事業所への啓発が必要。 避難行動要支援者一覧表の登録内容の変更については、「広報さかい」での啓発や民生委員児童委員等からの連絡に基づき取り組んでいますが、相談支援事業所等への周知依頼についても検討します。 第2部 第5次堺市障害者計画 34 災害時の避難行動に支援を必要とする障害者等の避難支援においての記載があるが自治会に加入できない住居で暮らす方々も参加できるよう、自治連合会や民生委員会に働きかけが必要。 避難行動要支援者の個別避難計画を作成した人について、作成した計画に基づいた避難訓練の実施に取り組んでいます。避難訓練は、自治会や民生委員児童委員、関係機関等と連携して実施しており、今後も継続して行います。 35 重度障害者就労支援事業において、障害者側の負担が大きいため別事業所のヘルパーを使えないという条件を撤廃すべき。 就業中については、雇用事業主によって提供されている合理的配慮と本制度による支援との明確な区別を行うことが適切な制度運用を図る上で必要であると考えます。会計上においても、雇用事業主への助成金との区別を明確にするために必要な条件であると考えます。 36 重度身体障害者や精神障害者への社会参加の保障を進めてほしい。また、移動が困難な人への移動支援の保障も進めてほしい。 障害福祉サービスの支給量決定については、個々の状況を勘案し決定しています。移動支援の対象者等については、利用者及び事業者のニーズや他市の運用状況等をふまえ、サービス水準を設定しています。 37 市職員が実際に障害者が送る生活を体験して本当に必要な支援や理解啓発をしてほしい。 本市では、全庁職員向け研修として、視覚障害や聴覚障害者が実際に感じていることについてインタビューを行い動画配信するなど、毎年度様々なテーマで障害理解を深める研修を実施しています。また、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する堺市職員対応要領」を策定し、事務・事業を行うに当たって職員が遵守すべき服務規律の一環として定めています。さらに、市職員の障害理解と啓発を進めるため、令和6年4月の改正障害者差別解消法施行に合わせ、合理的配慮の例を中心に手話と障害者のコミュニケーション研修に職員向けの動画視聴型研修を行う予定です。 38 宅建会社、不動産事業者などに障害者への偏見をなくすよう啓発活動をおこなってもらいたい。 居住支援協議会と連携しながら、啓発を含めた必要な支援を検討します。また、本市では令和6年4月から障害者差別解消法の改正にあわせて差別解消に特化した出前講座を行う予定です。宅建会社、不動産事業者などにおいても、不当な差別的取扱いが行われないように国が示している具体例を提示し、今後もより一層の啓発活動を行います。 39 障害のある子どもの親のなかには、障害受容ができず苦しんでいる人もいる。障害への正しい知識を得られる機会を作ってほしい。 本市ホームページでの情報発信や講演会などを通じて障害への正しい知識や相談機関等での支援について周知に取り組みます。 40 ライフステージを通じたとぎれない支援について、支援がとぎれないことにあわせて、重度化や高齢化による暮らしの場の変更を求められないことへの視点が必要ではないか。 本人が望む生活を送るためとぎれのない支援が必要ですが、障害がある人ない人にかかわらず、高齢や高度な医療が必要で介護施設や病院にて療養せざるを得ない状況にある人もおられます。本人の状態にあわせて、福祉サービスを利用しながら地域生活を送ることが大切であると考えます。 41 障害のある子どもについて、就学前や就労に特化するのではなく、教育や環境整備に関しても記載するべきではないか 計画案では、国の「障害者基本計画(第5次)」及び大阪府の「第5次大阪府障がい者計画」を基本としつつ、障害者施策推進協議会計画策定専門部会等での審議を経て、本市における障害施策の推進するにあたっての基本理念や基本方針、成果目標等を定めています。今後も福祉と教育の連携を図り、ライフステージを通じたとぎれのない支援体制の構築に取り組みます。 42 医療的ケアの必要な方への支援について、コーディネーター機能も強化することも理解できるが、日々の生活を直接支えるヘルパーが不足している。資格・研修への補助を創設してほしい。 令和6年度報酬改定において、福祉・介護職員の処遇改善加算の引上げなどが行われる予定です。報酬の引き上げを中心とした職員の処遇改善については、人材確保につながるものとして引き続き国に要望します。喀痰吸引等研修をはじめ様々な研修への補助制度が他自治体にて実施されており、今後、政令市の状況を調査し、その内容をふまえて検討します。 43 医療的ケア児だけではなく、障害児の保護者、特に共働きの保護者も増加している。医療的ケア児以外の広い視点を含めてほしい。 医療的ケア児以外の障害児についても、福祉分野の関係機関や学校等の教育機関など地域における連携を強化し、身近な地域における障害のある子どもやその家族へのとぎれのない支援を進めます。 44 いわゆる「動ける医療的ケア児」が利用できる放課後等デイサービスや短期入所が少なく、保護者が疲弊している。また、胃ろうは、重症心身を受け入れる事業所に利用を拒否される。障害のある子どもに応じた過ごし方ができるように支援してほしい。 本市では、医療的ケア児を受け入れている施設等の職員向けに医療的ケア児等コーディネーター養成研修を実施しています。また、子どもの発達支援に携わる全ての機関向けの研修として実施している「あい・さかいサポーター養成研修」では、医療的ケア児等の重度の障害や疾患を有する子どもの支援を研修項目とし、医療的ケア児等について理解を広げる取組を行っています。 45 いわゆる「オーバーエイジ」もあり、通院治療が難しくなっている。障害者にとって医療受診は不可欠であり、母子医療センターや地域のクリニックでも安心して診てもらえるよう市から啓発してほしい。 大阪母子医療センター内には、小児診療科から成人診療科へととぎれなく繋げるための患者及び養育者に対する移行支援が行われるよう「大阪府移行期医療支援センター」が設置されています。また、同ホームページでは、連携医療機関の検索も可能です。どのような医療が患者にとって適切かどうかは、医学的判断も含まれるため、主治医にご相談いただくことも大切だと考えます。 第3部 第7期堺市障害福祉計画・第3期堺市障害児福祉計画 46 医療費の助成の対象となる指定難病受給者証の交付を受けている人が約7,300人とあるが、そのなかで、障害者手帳等を所持している人の割合を明記してほしい。また、実態調査について当事者や家族の実態がより明らかになるように検討してほしい。 令和3年6月に難病の医療受給者証をお持ちの人を対象に「就労に関するアンケート」を実施(回答数2,681名)しました。その結果、障害者手帳等の所持者数は、身体障害者手帳(28%)、療育手帳(2%)、精神障害者保健福祉手帳(2%)でした。就労状況については、就労中(43.9%)、就労希望なし(47.1%)、勤務先に難病のことを伝えている(82.8%)、勤務先での難病に対する就労環境への配慮がないと回答(56.7%)、離職を考えたことがある(37.4%)でした。この結果から、難病患者の多くの人が治療をしながら働き続けることに不安を抱えていることが分かります。また症状は個人によって様々で、事業者と患者本人がよく話し合い、職場における配慮について本人の同意を得た上で、主治医や産業医のアドバイスを受けることも有効です。正しい知識と情報を職場で共有することにより個々に対応することで、働きやすい職場風土を作ることが大切です。 47 定期的な歯科検診や歯科医療を受けることが困難な障害者への歯科口腔にも取り組むと記載されているが、重度障害者のみではなくすべての障害者にかかることではないかと思う。 ご意見のとおり、歯科口腔保健の推進は障害者全体にかかり、関係課で作成する計画とも関連することから、3ページ 「3 計画の性格と位置づけ」の最終行に、『また、本計画は、本市の最上位計画「堺市基本計画2025」、上位計画「堺市SDGs未来都市計画」、社会福祉の基盤計画「堺あったかぬくもりプラン4(第4次堺市地域福祉計画)」、その他、福祉や健康医療分野の関連計画や条例等と整合性を図ります。』と、記載箇所を変更の上、加筆修正します。 48 入所施設に入所中の利用者が高齢化している。グループホームでは、入所施設で実施しているような医療的ケアを行う設備等が整っていない。退院後のケアについて、地域移行のみをクローズアップせず、地域での暮らしの一つとして考えてほしい。 地域生活への移行支援においては、地域生活への移行後の安定した生活への支援も重要と考えています。特に、高齢化への対応や医療的ケアを必要とする人への対応が重要であり、地域生活への移行支援と同じく、地域生活の継続に向けた支援にも取り組みます。 49 日常の暮らしに介護・支援が必要な障害者が住みたいところで住み続けるためには、それぞれの障害者が必要とする時間の居宅介護や重度訪問介護を利用できることが必須です。計画案では、利用人数及び一人あたりの利用時間数が低すぎる。重度訪問介護は見込みの利用者数が減っている。障害支援区分6の重度訪問介護の一定割合が、深夜帯も常時重度訪問介護の支援が必要であり、それを見込み量を算出する必要がある。現在の居宅介護、重度訪問介護いずれも現状より大幅に数を増やす必要があると思う。 見込量については、過去の利用実績等から設定しています。なお、障害福祉サービスの支給量については、個々の状況を勘案し決定しています。 50 緊急時対応事業について、すでに24時間365日相談等を受け付けている体制を独自に取っている事業所等を中心に、地域生活支援拠点として位置づけるべきではないか。緊急時対応事業について積極的な発信が必要ではないか。また、その対象も広げるべきではないか。 地域生活支援拠点等の「緊急時の受け入れ・対応」機能は、緊急時対応事業に加えて、令和5年度から短期入所事業所を地域生活支援拠点等の事業所として認定しています。地域生活支援拠点等の事業所としては、中区、東区、西区、南区にある短期入所事業所4か所を認定しています。 51 障害児入所施設に入所する児童が大人にふさわしい環境へ移行できるようにするための移行調整に係る協議の場の設置の項目について、障害児入所施設ありきの議論ではなく、別の移行できる仕組みの検討ができればと思う。 「障害児入所施設に入所する児童が大人にふさわしい環境へ移行できるようにするための移行調整に係る協議の場の設置」につきましては、その必要性も含めた検討を進めます。 52 「重層的な地域支援体制の構築をめざすための児童発達支援センターの設置及び障害児の地域社会への参加・包容(インクルージョン)の推進」に係る令和 8(2026)年度目標値「児童発達支援センターが中核となり、インクルージョン(地域社会へ の参加・包容)を推進 する体制を構築保育所等訪問支援を利用できる体制を強化」について、具体性に欠けるので、数値目標やアウトプット指標にできないか。大阪府の考え方をふまえ、堺市としての目標値を設定すべきではないか。「医療的ケア児への支援のための関係機関の協議の場の設置及びコーディネーターの設置」の項目についても同様に、大阪府の考え方をふまえた上で堺市の目標値を具体的に設定すべきではないか。 令和6年度以降については、地域における障害児支援の中核的役割を担う児童発達支援センターによる地域の障害児通所支援事業所等への関わりの強化や、保育所等訪問支援の実施数の増加に取り組みます。 「医療的ケア児への支援のための関係機関の協議の場」は令和2年度に設置済みであり、「医療的ケア児等支援連絡会議」を毎年1回開催しております。医療的ケア児等コーディネーターについては、研修の規模から受講者数を目安として、目標値を設定しています。 53 自立支援協議会が形骸化されたものにならないよう強く望む。 令和6年4月に施行される改正障害者総合支援法の主旨をふまえ、現在設置しているワーキングチームを部会へ変更するなどの取組を通じて、地域支援体制の整備を進めます。 54 所得制限を撤廃して下さい。所得制限のある公的支援や手当から除外されてきた。デイサービスの利用料金も多額です。 障害福祉サービス等を利用した時の利用者負担額については、障害者総合支援法等でサービスの利用に係る費用の1割を負担していただくことになりますが、負担能力に応じた負担となるよう、サービスを利用される人の世帯の所得に応じて負担上限月額が4段階に設定されており、ひと月に利用したサービス量にかかわらず、それ以上の負担は生じない仕組みです。 第3部 第7期堺市障害福祉計画・第3期堺市障害児福祉計画 55 重度訪問介護の利用人数、利用時間の見込量の上積みと支給決定ガイドラインの見直しができないか。重度訪問介護の利用時間は、支給決定のガイドラインによって、制限されている事例がある。窓口において「ガイドラインを超える申請時間は受け付けない」、「ガイドラインを超える申請をしたところで実際には認められない」、「非定型の派遣時間数の申請を審議する支給決定審査会に当事者や相談支援事業者から提出された『ガイドラインを超える支給決定が必要な理由』を提出しないことにより適切な審査や支給決定が受けられない」等と聞く。窓口の申請抑制による「必要十分な支給決定」が行われないままの現状の時間数、利用者数をもとにした見込量の算定は低くならざるを得ないという状況になっているのではないか。 重度訪問介護の見込量については、過去の利用実績等から設定しています。また、ガイドラインはあくまでも支給決定基準(目安)であり支給上限ではありません。障害福祉サービスの支給量については、個々の状況を勘案し決定しています。また、必要とされる支給量が障害支援区分に応じた支給決定基準を上回る場合については、審査会等に諮り必要性を協議した上で適切な支給量を決定しています。 56 短期入所の整備、拡充を希望する。 短期入所(ショートステイ)の事業所数は、昨年度2事業所増え、令和5年9月1日時点で33か所あります。また、ベルデさかい内に、利用定員10名の医療型短期入所を設置しています。短期入所事業については、本市独自の事業として、単独型短期入所事業所での職員の増員に対する補助や強度行動障害のある人など重度障害者に対し十分なケアが行えるよう、重度障害者の受入れに対して加算することで量的な拡大と機能強化に取り組んでいます。 57 短期入所の利用実態について、障害児や重度の知的障害者等を受け入れる短期入所は少なく、予約の電話がパンクしている状況。レスパイトの必要な保護者は電話をかけることにストレスを感じているのため利用しやすいようにしてほしい。 短期入所事業については、本市独自の事業として、単独型短期入所事業所での職員の増員に対する補助や強度行動障害のある人など重度障害者に対し十分なケアが行えるよう重度障害者の受入れに対して加算することで量的な拡大と機能強化に取り組んでいます。令和6年度報酬改定において、福祉・介護職員の処遇改善加算の引上げなどが行われる予定です。また、利用者に対して必要かつ十分な介護が行われるよう、適切な人員配置基準やそれに見合う報酬単価の設定を国に要望します。 58 施設入所支援の利用者人数が減少する見込みについて、増加の見込みに修正できないか。 施設入所支援の利用者数については、国が定める基準に比べて減少の水準が緩やかである大阪府の基本的な考え方に基づき算出しています。 59 地域移行数と入所者の減少数が目標値として掲げられているが、多様な暮らし方の中には入所施設も含まれると思うのですが、現存の入所施設の現状や課題等が計画には述べられていない。市内にある入所施設での生活も地域生活を送っていないということか。 大阪府の基本的な考え方に基づき、地域生活への移行者数と入所者数の減少数を成果目標として設定しています。障害特性や障害状況等によって、入所施設の方が暮らしやすい人もおられ、地域に開かれた入所施設での生活も多様な暮らし方の一つであると考えます。一方で、これまでの施設入所を中心とした支援において、本人に選択の機会がなく、長期に渡り施設での生活を余儀なくされている人もおられます。そのため、今後も、行政をはじめ、地域移行コーディネーター、入所施設、地域の相談支援事業所等と一緒に、地域生活への移行に向けた支援体制の検討を進めます。 60 地域生活支援事業について、基幹相談支援センター事業だけでなく、地域活動支援センターが活用されるよう、予算の拡大、周知などを盛り込んでほしい。 令和6年度から地域活動支援センターは事業内容を一部再編し機能を強化する予定です。これまでの生活支援型を連携強化型と居場所支援型に再編して地域との連携を強化する連携推進員を配置し、また開所時間を拡充します。 61 重度身体障害者が地域で安心して生活できるように支給時間を増加決定してほしい。 障害福祉サービスの支給量については、個々の状況を勘案し決定しています。また、必要とされる支給量が障害支援区分に応じた支給決定基準を上回る場合については、審査会等に諮り必要性を協議した上で適切な支給量を決定しています。 62 移動支援について、買い物や映画など気軽に外出できるようにヘルパーの配置を充分にしてほしい。 移動支援事業については、安定的にサービスを継続するため、国に対し個別給付化とするよう要望しています。