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第12回堺市阪堺線活性化推進懇話会(議事録)

更新日:2017年10月13日

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開催日時

平成29年2月22日(水曜) 午前10時から午前12時

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開催場所

堺市総合福祉会館5階・第3研修室

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出席者

懇話会委員
座長:塚本委員(大阪産業大学人間環境学部生活環境学科教授)
委員:伊藤委員(広島工業大学工学部環境土木工学科教授)、久保(照)委員(湊西校区自治連合協議会 会長)、濱野委員(浜寺昭和校区自治連合会 会長)、川上委員(NPO法人堺観光ボランティア協会理事長)、服部委員(一般社団法人堺市老人クラブ連合会堺区女性部会部会長)、河盛委員(大醤株式会社代表取締役社長)、岸田委員(企業組合HUCA・C専務理事)、野木委員(代理出席:NPO法人 RACDA大阪・堺)
欠席:久保(洋)委員(堺市女性団体協議会 運営委員)、高田委員(堺市商店連合会副会長)、福井委員(NPO法人RACDA大阪・堺理事長)、松永委員(つーる・ど・堺 ライター)、明神委員(市民委員)、西口委員(市民委員)
事務局:阪堺電気軌道株式会社、堺市建築都市局

前回懇話会における主な意見と対応

塚本座長

P2の「阪堺と協議中」とは、具体的にどのような協議を行っているのか。

事務局

詳細な事柄が多く、大きな取組みは今日ご紹介できるものはないが、例えば今後低床式車両をどうするかなどについて、本市も承っている。まだ具体化ということではないので、そのあたりの話は少し先になる。また、綾ノ町下り停留場の改修は終わっているが、上り停留場については、壁面などの改修が終わっておらず、来年度予算で設計費を計上するなど取組みを進めている。また、世界文化遺産登録へ向けて、まず機運醸成が中心となるが、新しくなった天王寺駅前停留場に世界遺産のポスターを掲示していただいた。最寄り駅にはなりにくいが、来訪者に旧市街地にも移動いただいて阪堺線に乗ってもらうために、南海バスや南海電鉄も含めて話を進めており、今後具体化していきたいと考えている。

阪堺線の平成28年度交通調査(休日)について

伊藤委員

P4の表の中で、通学定期の利用が増加している。最近の若者はあまり車に乗らないようになってきているので、公共交通に乗ってもらうようにすることを仕掛けた方がいいと思う。単に中高生が利用しているのか、それとも大学生くらいの学生も利用している状況なのか分かれば教えていただきたい。また、恵美須町から東粉浜間のゾーンの減少が大きいことについて、今24分に1本しか電車がない状態というのも効いていると思うが、阪堺電軌として今後お客さんを増やす方策は考えられているのか。また、堺市や大阪市以外の方の利用状況も分かれば教えていただきたい。

阪堺電軌

通学定期の利用者層については、今回の交通調査は日曜日ということで、通学目的ではないと判断している。今回の調査では年齢の細かいところを聞いていないので、実際にご利用いただいた方がどういった学校であるかは分からない。次に、阪堺線の大阪市内に対する増客手段について、時隔は24分、1時間に3本という運行を実施している。それに至った経緯については、実態に見合った輸送体系というところである。ただ、現在はお知らせすることが出来ないが、少し変わった政策をということで、近々発表できるかと思う。また、堺市と大阪市以外の方の利用状況については、また改めて報告させていただく。

伊藤委員

通学定期に関しては、定期の販売状況を提示していただければと思う。

事務局

平日の通学定期の推移だと、平成22年10月が2,792人、平成23年10月が2,957人、平成25年10月が2,841人、平成27年11月が2,082人ということでかなり減少している。ただ、一部ICカードに転換されているので、純粋に減っているかどうかはそれらも勘案しなければいけない。今回の休日データを見て通学定期が増えていると考えるのは、平日の数字を見るとそうは言い切れないかもしれない。たまたま休日に通学定期でご利用されているのではないかと平日の数字からは分析される。

河盛委員

今回の交通調査を見せていただいて気になるのは、実施された平成28年10月23日(日曜)の天候や沿線イベントなどの特性がどのようになっていたのか。前回と比べてどうだったのか。

阪堺電軌

平成28年10月23日は、最高気温が20.4℃、最低気温が15.7℃であった。当日は曇天で北風の吹く寒い日であった。一方、前回平成26年10月26日は、最高気温が25.7℃、最低気温が14.0℃で、晴天の穏やかな日であった。また、平成28年の調査日は、その周辺の日に比べると寒い1日であった。前後のイベントとしては、1週間前には堺まつりが実施され、その日は良い天気であったこともあり、23日については少し出控えする日であったと思う。23日当日のイベントは色々と調べたが把握できなかった。

濱野委員

P4の「その他」は、てくてくきっぷ、おでかけ応援カードなどということであるが、てくてくきっぷなどは来訪者、おでかけ応援カードは地元利用者だと思うので、これを分類できればもう少し何らかの特性が出てくるのではないか。また、P11のU⇔Uがこれだけ減っているというのは何か理由があるのか。

阪堺電軌

今回の調査では、それぞれを個別に聞いているので、分類は可能である。また、U⇔Uの減少については、原因分析をしようとしたがなかなか答えが見つからないというのが現状である。ただ、現金やICカード利用を含めた定期外利用者は、平成28年10月と平成26年10月との1カ月間の比較だと増えている状況なので、調査当日のみの特性ではないかと考える。

塚本座長

休日の1日のデータなので、その日の特性によって変わっている可能性もある。次回懇話会では平成28年度全体の利用者数について、平日も含めて減っているのかが分かるような資料をお願いしたい。また、H1ゾーンの減少について、需要に応じた減便ということであったが、減便によるコストカットと運賃収入の減少の対比としては、経営的に見てどうだったのか。また、全体的に減少面だけを述べられていて、なぜそうなったかという説明がほとんど無かった。例えば、バスとの乗り継ぎについても、大小路と宿院は多いが、その他が少ないのは何故なのか。あと、石津北停留場の乗降者数は新規需要のように見えるが、65歳以下の方が乗られるような地域状況があったのかどうかを教えていただきたい。

事務局

次回懇話会で、平成28年度の利用者数が前年度と比べてどうだったのかをご報告させていただく予定である。併せて、収支についてもご報告させていただく予定なので、全体だけではなく、お話のあった分析できるようなことも含めて作業を進めたいと思う。また、バスとの乗り継ぎについては、単純にバスの本数が多い停留場に集中しているということであると思う。石津北の需要については、近距離利用者数は母数が少ないので、これから利用者特性を分析するのは難しい。停留場別の乗降者数が何区間利用であるかなどを分析すると、停留場ごとの違いが少し分かると思うので、検討したい。

阪堺電軌

阪堺線大阪市内の状況については、減収に応じてコストをかけていくということで、効果を出していく方向で取り組んでいるところである。

塚本座長

先ほど事務局からお話のあった分析について、やみくもにクロス集計をとっても仕方がない。これまでの利用者増加の内訳を見ると、1つは「高齢者」、それと居住者だと「堺区と西区の人」、つまり沿線の人、方向別だと「堺から天王寺方面に買い物に行く人」が特徴的に増えていると思う。堺区や西区以外に住んでいる人にも阪堺に乗ってもらう、あるいは65歳以下、買い物目的以外の方にも乗ってもらうような方策を具体的に考える必要がある。例えば堺区や西区以外の人にも阪堺に乗ってもらうためには、バスネットワークの再編などを行って乗継利便性を高める、または大阪市内から観光目的で来てもらう人を増やすなど。できれば経年的に、若い人が増える方向なのか、堺区や西区の人が増える方向なのか、大阪市内の人が増える方向なのかが分かるような分析をしていただきたいと思う。

更なる安全性の向上について

久保(照)委員

踏切部分はきれいに舗装され、良くなっている。ただ、一番心配するのは、車道部分の線路とアスファルトの間に山ができていることである。今以上に山が大きくなると、車の事故につながる恐れがある。そのあたりの点検をしていただきたい。歩道については大変良くなっているが、堺市と阪堺の境界に溝が残っているので、埋めるようにしていただきたい。

川上委員

路面電車専用信号は、車が青のときだけ出ているのか。

事務局

大道筋の途中の部分は、右直分離ということで、車の直進時のみ阪堺電車は直進できる。御陵前や綾ノ町は電車しか進まない現示がある。効果としては、右直分離導入以降、事故があったというのは聞いていない。路面電車があるということ自体に慣れていないドライバーも多いので、右折矢印があると安心するという効果もあると考えている。

川上委員

事故があった時には、きちんと分析しなければいけない。地方から来た人はおそらく知らないだろうと思うが、効果があることを期待している。

自立再生に向けた利用促進について

久保(照)委員

乗客数は今のままでは減っていくと思う。高齢者の多くは阪堺電車で阿倍野まで行っていると思う。阿倍野も大変良くなったのでこの2~3年は大丈夫だろうと思うが、その先を見据え、御陵前から綾ノ町までの区間に何かイベントを催し、人を集めるようなことを考えなければ、乗客数は先細りとなってしまうと思う。貸切電車ツアーについて、20人程度の参加者がいるが、この数を増やすには、もう少し工夫が必要である。例えば、料金や見どころの宣伝の仕方なども1つのポイントになるのではないか。ただ広告するだけでは参加率も上がらない。また、1つでも行事を増やすことが大事であると思う。

事務局

お配りしているNATTSのP3「ちん電で行く!おいしいもん巡りの旅」の中に、料金が書かれている。ボジョレー列車が5,000円、寿司列車が5,000円、スイーツ列車が3,600円と、個人的には、いい値段であると思うが、その割にはたくさんのお客さんに集まっていただいた。今日は色々と利用者減少の話が出ているが、通勤や通学の総量というのは、若者の外出傾向が減るのと同時に、生産年齢人口の減少ということで、これに逆らっても変わらないところはある中で、いかに自由目的で乗っていただく機会を増やすかが重要である。切符を買って乗ってもらうのも1つであるし、企画的なもので乗ってもらうのも1つである。また、世界文化遺産登録のように一種のムーブメントとして堺に行ってみようかというようなところと連携する。利晶の杜はそれら取組みに対し非常に拠点性があると考えており、利晶の杜とのタイアップも色々と行っている。ただ、そういうものが数字的にどれだけ効いているかというと、なかなか全体を押し上げるまでではないのかなと思う。沿線の既にある資源とどう連携し、結果的に利用者増加にどう結び付けていけるのかがこれからの課題であると認識している。

野木委員

貸切電車ツアーなどが掲載されているNATTSが阪堺沿線の停留場で手に入らない。ホームページに掲載されているというが、これも南海のホームページから探していかないと見つからない。一般の人が知り得るようなPRが不足しているのではないか。電車の中でイベントをするというのは非常に良い商品だと思う。せっかく良い商品や良い媒体があるのにも関わらず、一般の人になかなか分かりづらいところがあるので、そのあたりを改善いただきたい。また、先月恵美須町~東粉浜間を乗っていたところ、昭和30年代に作られた電車であり、ステップが高く、高齢の方が乗ろうとしたが下に転げ落ちてしまった。たまたまその電車には阪堺の社員さんが運転手以外にも乗っておられたので、その方と運転手さんで車内に乗せることができ、無事に降りていかれたが、今10両残っているあの車両をもう少し乗りやすくするような方策はないものか。あの車両が乗りにくいということで阪堺線は嫌だというような声も実際に聞く。

阪堺電軌

PRというのは前広にするべきだと考えているので、今いただいた意見を踏まえて力を入れていきたいと思う。また、ステップについて、過去に中間ステップをつけたことがあるが、逆につまずかれたこともあって外したところである。実際どういった対策がいいのかというのは難しい面もあり、監督官庁である国土交通省近畿運輸局との調整も図りながら考える必要がある。

効果の波及に係る取組みについて

濱野委員

「ちん電GO and GO MAP」について、地元として少しお願いしたいのは、阪堺線の最後に浜寺公園を名所として入れておいていただきたい。

河盛委員

平日のお客さんを増やす方策として、最近、大道筋沿線で宿院から大小路の間に金融機関が増えており、大げさに言うと堺のウォールストリートになりつつあるのではないかと感じており、そこに来れば自分の好みの銀行との取引ができるというようなことをアピールできればおもしろいと思う。

事務局

大道筋沿線には、今日ご紹介した以外にも建設中のマンションもあり、支援開始前と比べると沿線の状況は少しずつ変わってきていると感じている。そういったものが利用者にどう結びついているのかは、停留場別によく見ていかないといけないが、路面公共交通が沿線に及ぼす効果の指標としては、新たな開発行為や店舗等のオープンなどが1つの指標になると考えている。

塚本座長

それは地図上に表現するようなことは考えているのか。おもしろいデータになると思う。

事務局

過去に懇話会でもご紹介した部分もあるので、それらをまとめて地図上に表現することは可能である。

伊藤委員

特徴的な施設が大道筋に立地し、居住建物も増えつつあるということであったが、堺は大道筋に路面電車があるということが非常に堺らしく、特徴的な場所になっていくと思うので、沿線のトータルデザインを堺市が中心となり、今後の長期的な波及効果としてやっていただければ良いと思う。よく、外国でも路面電車を新しく通す際、沿道のデザインも含めたトータルデザインを統一するということもやっている。電停のデザインも街路に合うようなデザインを考えるなど、宿院で電停を改修し、今後は綾ノ町も考えておられるようだが、大道筋らしい特徴的なデザインを考えていくということもあってもいいと思う。

事務局

一からトータルデザインの案を作るとなると、堺の場合は既に様々な資源が集中しており、改めて「こういう方針でいきましょう」というのは作りにくい現状がある。どちらかというと既存の資源をうまく見える化する、皆さんに分かっていただきやすいようにするということと、使われていないことで機能を失っているところについて、リニューアルやリノベーションが進んでいっているという現状がある。ドラスティックに全てが変わるというイメージよりは、昔の方も堺のイメージが感じられるようなまちに少しずつ変えている中で、沿線の方々に色んな場面で関わっていただくという取組みであると理解している。

濱野委員

南海本線の高架事業が進んでおり、南海本線浜寺公園駅の駅舎を保存活用しようということで、堺市との協働推進事業が昨年10月からスタートしている。実際に活動を始めるのは今年の末頃の予定であるが、浜寺公園も含めた浜寺地区の地域活性化をめざしているので、阪堺線の活性化と合わせて色んな連携ができればと思っている。

塚本座長

できれば入場者数やパンフレット配布枚数などの数字について、今後分かる範囲で記録をお願いしたい。阪堺の需要につながるかどうかよく分からなくても、今後の分析の中で、波及効果というのは間接的にしか出てこないので、それらデータがあると貴重なものになるだろう。

平成29年度以降の取組みについて

野木委員

堺おもてなしチケットのリニューアルについて、「1 day Pass」という文字を加えたということであるが、本気になって外国人に使ってもらうとなれば、使い方の案内など、もう少し多言語化した方が良いのではないか。少し前は中国から来られた方が多かったので、漢字であれば何とか認識いただいていたようだが、最近は東南アジア系の方が多く、英語を頼りに動いておられるようなので、もう少し2言語化、多言語化していただければより良くなるのではないかと感じた。

事務局

チケットの大きさが小さく、色々書くのは難しく、また、多言語版のチケットを作ることもなかなか難しい。当面できることとしては、対外的なPRとしてホームページ等で多言語表記するということなどが考えられる。

塚本座長

多言語化ではなく、英語だけでも今後デザインする時には前向きにご検討いただきたい。

川上委員

平成28年度は観光客そのものが堺市では激減している。それに伴って、それなりに頑張ってはいるが、利晶の杜についても2年目のジンクスがある。その数字と比較すると、阪堺線の減少はそうでもない。平成28年度はあと1カ月残っているが、おそらく我々の活動においても一昨年の前ぐらいの状態になると思う。堺の各スポットの観光客はそれより減っている。それと、春の文化財特別公開が4月の初めにあるが、パンフレットの鉄道案内が、新今宮が起点になっている。恵美須町は入れなくても良いのか。

事務局

確認する。

川上委員

南海と京阪とで「名物&ええとこめぐり」という取組みがある。堺で載っているのは、利晶の杜と伝統産業会館で地図も載っている。しかし、JRと南海本線と高野線は載っているが、阪堺線が載っていない。こういう地図で発行してしまっているというのは非常に不満である。これはどうにもならないのか。

阪堺電軌

そういったご意見も踏まえて、我々から打診させていただきたい。

川上委員

世界文化遺産登録についてどうなるか分からないが、決まった時には、古墳に来られる人を市内に持ってこようという政策が出てくると思う。大仙と利晶の杜を結ぶ直行のシャトルバスができるのではないかと思うが、その時に途中で停まる場所に御陵前を入れてみるとかなどの工夫があると良いと思う。

事務所

堺まち旅ループバスをリニューアルしていこうということで、色々と企画している。我々の方からは、鉄道駅や阪堺線の停留場との結節については、意見を言っていきたいと考えている。結論は次回の懇話会でご紹介できることとなろうかと思う。

閉会

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