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第7回堺市阪堺線活性化推進懇話会(議事録)

更新日:2015年2月17日

1 開催日時 平成26年8月2日(土曜) 午後6時00分から午後8時00分
2 開催場所 堺市役所本館3階 大会議室第1・2会議室
3 出席者

懇話会委員
座長:塚本委員(大阪産業大学人間環境学部教授)
委員:伊藤委員(広島工業大学工学部都市デザイン工学科准教授)、福井委員(NPO法人 RACDA大阪・堺理事長)、平山委員(浜寺昭和校区自治連合会会長)、川上委員(NPO法人堺観光ボランティア協会理事長)、河盛委員(大醤株式会社代表取締役社長)、明神委員(市民委員)、服部委員(一般社団法人堺市老人クラブ連合会堺区女性部会部会長)、岸田委員(企業組合HUCA・C専務理事)
欠席:久保(洋)委員(堺市女性団体協議会 事務局長)、西口委員(市民委員)、高田委員(堺市商店連合会副会長)、松永委員(つーる・ど・堺 ライター)、久保(照)委員(湊西校区自治連合会会長)
事務局:阪堺電気軌道株式会社、堺市建築都市局

前回議事要旨の確認等について

平山委員

懇話会は、阪堺線の決算確定後の7月頃と交通調査結果確定後の1月末頃の開催を基本とするとあるが、次回会議は27年7月で、次々回は28年1月ということか。開催時期が空きすぎではないのか

事務局

今回の第7回が日程調整の都合で8月開催となっているが、決算確定後の7月開催分と考えていただきたい。次回の第8回開催は 平成27年1月を予定している。

阪堺線(堺市内区間)の支援策について

川上委員

高度化とはどのような意味か。

事務局

高度化とは、鉄道の分野では、施設をグレードアップしていくことを意味している。車両を低床式車両にすることや、停留場の機能向上を図ることなどを高度化と表現している。

堺市内区間の老朽化対策について

塚本座長

堺市内の老朽化対策については説明があったが、大阪市内の老朽化対策はどのようになっているのか。

阪堺電軌

平成25年度につきましては、国及び大阪市から補助金を頂いて、上町線の阿倍野から帝塚山3丁目の一部の併用軌道区間について軌道改修を行った。なお、上町線の残りの区間及び阪堺線の大阪市内区間についても、順次当社の自費での道床、枕木の交換を行っているが、レール交換については行えていない。堺市内区間と同等の老朽化対策を行っていくには、国や大阪府、大阪市へ支援のお願いを行いながら、整備計画を作成していく必要があると考えている。

事務局

ここで、本日、福井委員から阪堺線の廃レールで製作した包丁をご持参いただきましてので、福井委員からご紹介いただきたいと思います。

福井委員

打ち刃物の職人から、レールを使って包丁を制作してはどうかとの提案があり、阪堺電気軌道株式会社に相談したところ、快く廃レールを譲っていただいた。 堺の地場産業と阪堺とのコラボで話題性もあったことから、限定発売したがほぼ完売となっている。今後も何らかの形で行っていきたいと思っている。

阪堺線利用者数について

塚本座長

利用者数は平成21年度、平成22年度を底に増加してきており、平成19年度の利用者数を上回ってきている。支援策開始時から収支均衡の目標としている3,600人に対しては、約5割の達成度となっている。

阪堺線の交通調査(平日)について

川上委員

高須神社で降車時の目的が「買い物」となっているのは、高須神社で降車して買い物をした人なのか、乗車して買い物に出かけた人なのか。

事務局

OD調査の方法では、どこで買い物をしているのか分析することができない。高須神社の周辺の状況を見る限り、おそらく高須神社で乗車して大阪市内へ買い物に行かれているのではないかと考えている。浜寺駅前の「観光・レジャー」は、浜寺公園に遊びに来られた方だと考えており、場所の特性で分析を付け加えている。

伊藤委員

高齢者割引の影響や2区間運賃の均一化の影響が大きいと分析されているが、低床式車両の影響も大きいのではないか。今回の調査時には、低床式車両の効果が出ていなかったかもしれないが、ICカードを利用して、低床式車両とそうでない車両とで乗車の状況が違うのか分析できるのではないのか。

事務局

平成26度の4月~6月の利用者数が大きく増加しているのは、低床式車両が平成26年の3月から天王寺まで乗入れするようになったことの影響が出ていると考えている。

阪堺電軌

平成25年8月から低床式車両が営業運行(浜寺駅前~我孫子道間)を開始したが、低床式車両の1本前を運行している車両を見送って、低床式車両に乗るお客様が多くおられた。また、ベビーカーや小さいお子さんをお連れのお客様は、低床式車両の時間に合わせて乗車されていた。また、天王寺に乗入れした当初は、低床式車両を利用するお客様が格段に増加し、運行ダイヤに多少遅れが生じる状況があった。

福井委員

低床式車両を利用するベビーカーや車いす方の停留場側の設備の現状はどうなっているのか。

阪堺電軌

堺市内の停留場については、堺市からの支援によって、低床式車両の営業運行開始までに各停留場のスロープの設置を実施したところである。大阪市内の停留場については、併用軌道部については、道路上に安全地帯がある形状になっているところが多く、スロープを設置する等の対策が取れない状況となっている。当社の中で1番乗降客数が多い天王寺駅前停留場については、あべの再開発に併せて、新しい停留場に改修することとなっており、地下街と停留場、歩道橋をつなぐエレベーターを設置し、平成28年度ごろにバリアフリー対応を実現する予定になっている。

川上委員

通勤・通学の利用目的が50%となっているが、他の鉄道会社と比べて多いのか。また、観光・レジャーが10%となっているが、それについても他の鉄道会社と比べてどうか。

阪堺電軌

公共交通機関では、「通勤・通学」の利用目的が1番多いとされている。ただし、大手民鉄等の通勤・通学の利用目的の比率はもっと高くなっている。買い物や観光・レジャーの比率が高くなっているのが、阪堺電気軌道の特徴的な数字で、通勤・通学以外のお客様に多く利用していただいていると認識している。

塚本座長

通学定期が伸びているが、何らかの理由があるのか。

事務局

学区制度等が従前と変わったことによって、広範囲から通学するケースが出てきている。泉陽高校の学生や堺市内から帝塚山高校に通う学生などを車内でよく見かけるようになった。

塚本座長

平成26年度の4月~6月の利用者数が大きく増加しているが、平成26年度全体の利用者数は大きく増加すると考えていいのか。

事務局

平成26年度末には、さかい利晶の杜のオープンや低床式車両の3編成目導入等が予定されており、それらにより、さらなる利用者増加を期待している。

塚本座長

平成26年度の4月~6月の利用者数が大きく増加している理由については、引き続き分析をお願いしたい。

阪堺線収支について

事務局

阪堺電気軌道株式会社の収入は、補助金を除いた実収入で示している。補助金を抜くと高齢者割引や運賃均一化による減収分を含んだ収入となる。そのため、平成25年度収入の定期外については、利用者の伸びの割に定期外の収入が増加していないように見える。

福井委員

今後、国や大阪市からの支援を貰って行く必要があるのではないか。また、高齢化社会に今後どのように対応していくのか。

阪堺電軌

国においては、安全性の確保や利用客の利便性向上に対して、事業費の1/3の補助がいただける制度があり、その補助制度を活用しているところである。大阪市については、阪堺電気軌道株式会社の現状を繰り返し説明している中で、平成25年度に軌道改修の補助をいただいた。しかし、現状では、堺市と同程度の支援をいただけていない状況となっている。公共交通機関であること、さらに、大阪唯一の路面電車であり、まちづくりの有効なツールであることなども加えて、継続的に申し出ることによって、支援を獲得していく努力を行ってまいりたい。
  高齢化社会への対応としては、堺市の高齢者割引の支援によって、利用客の多くの方が高齢者となっており、低床式車両の導入することでの乗車時のステップの解消や各停留場のスロープの設置、天王寺駅前のエレベーターの設置などで対応していくとともに、新しくできる石津北の停留場には、行先表示器の設置や列車接近表示器の設置を考えており、すぐに全停留場設置は厳しいところではあるが、徐々にそういった取組みを行っていきたいと思っている。

河盛委員

平成25年度の修繕費が、平成21年度比較して、大幅に減少しているが、修繕しなければならない部分を後年度送りにしていることが原因となっているのか。

阪堺電軌

大阪市内は、平成19年度に受けた近畿運輸局の保安監査によって、緊急の修繕対応を行ったため、平成21年度の修繕費が大幅に増加している。堺市内に関しては、計画的に老朽化対策を行ったことにより、修繕箇所が減少したため、日常的な修繕費が減少している。

塚本座長

大阪市内と堺市内の収支等の按分はどのように行っているのか。

阪堺電軌

営業車両の走行距離で割っている項目や売り上げで割っている項目等、細かく按分を行っている。

塚本座長

堺市内区間の収入だけをみれば改善していないように見えているが、大阪市内の収入のすべてが、大阪市内の人すべてではなく、運賃均一化による恩恵を受けた堺市内の人もあるのではないか。これらを踏まえ、中間検証を行っていくにあたりどのような枠組みで検証していくか考える必要があると思う。

事務局

大小路から天王寺駅前まで乗車すると、大阪市内区間の方が長くなる。200円運賃の実収入分を距離按分すると、大阪市内約2/3、堺市内約1/3となる。しかし、堺市からの補助金は実収入の按分とは関係ない形となっている。このことから支援策の効果としては、堺市内の収入だけでなく、大阪市内の収入も見ていかなければならないと考えている。

阪堺線高度化について

伊藤委員

石津北停留場の新設によって、利用者数増には良い話だが、電車の所要時間が増加すると思うが、どれくらい増加するのか。また、資料3に電車優先信号を検討していると記載があるが、これにより電車の所要時間が減少すると思うがどうか。

事務局

石津北停留場の新設による所要時間の増加については、平成26年3月のダイヤ改正時に石津北停留場の新設を見越したダイヤ編成に改正したことによって、それほど影響がでないと阪堺電気軌道株式会社から報告を受けている。電車優先信号については、平成25年度に起こった堺トラムの接触事故を踏まえ、まずは安全性確保の観点から、交差点信号の右直分離について警察との協議を進めていきたい。また、信号の右直分離を行うことで、運転手が青信号でもブレーキを踏むことによる時間ロスをなくせる効果があると考えている。

福井委員

宿院停留場が改修されて新しくなるのはいいが、堺東からさかい利晶の杜へはどうのように行けばいいのか。

事務局

堺東駅からさかい利晶の杜へのアクセスは、「観光周遊バス」の新設を予定しているところである。休日、1時間に2本程度のループバスを堺東駅、堺駅、さかい利晶の杜、仁徳天皇陵古墳へのアクセスとしてご利用いただくことを考えている。また、平日は、さかい利晶の杜にアクセスする既存バス路線もあるため、堺東からはそのような交通手段でアクセスしていただければと思っている。

阪堺線支援策の中間検証について

平山委員

様々な活性化策を実施したことで、利用者数も増加しているが、現在実施している活性化策以外に他の実施策、東西交通についても前向きに検討していく必要があると思う。

事務局

長らく検討を行ってきた中で、東西交通を行うという方向性を打ち出せていないが、重要な問題について今後も引き続き取り組みを行っていきたいと考えている。

河盛委員

パーク&ライドやサイクル&ライド等利用者増加策として市民の提案が上がっているが、自転車を乗せられる車両があってもいいのではないか。

阪堺電軌

以前からそういうご意見はいただいているところである。試験的に今の車両に自転車を乗せて運行する等は可能かと考えられるが、恒常的に運行するには、車両構造を変更するなどの必要があると考えられる。今後の活性化策の一つとして参考にさせていただきたい。

岸田委員

輪行袋に自転車を入れて阪堺電車等の電車に乗っている人もおられる。どのようにしたら自転車を乗せて移動できるか等情報発信を行っていけばいいのではないか。また、スマートフォンを使って、降車した停留場の周辺状況の情報が得られるようにしたり、外国人向けへの情報発信の方法を充実させる等、利用者増に向け、まだまだ行えることはあると思う。

福井委員

阪堺線を活性化していくためには、東西交通についても議論していくことが大事なことだと思う。阪堺電気軌道株式会社が自立再生していただくことも必要だが、堺市内が活性化して、堺市民が喜んでいただけるようにお願いしたい。阪堺線は、右肩上がりになっているが、ほとんどの乗客が大阪市内にお金を落としているように思う。堺を活性化するためには、阪堺線を基軸にしたいろんな交通網にしていってほしい。

伊藤委員

阪堺線を支援したことによって便益を受けた人が、それなりに費用を負担したことになっているのかをきっちり見ていく必要がある。阪堺線支援の特徴となっているのが、ただ税金を投入するだけでなく、市民に限らずいただいた寄付が、低床式車両の購入費に充当されていることについても、きっちり評価するべきだと思っている。今後、税金を投入したことによって、これだけ効果があると示すことができれば、大阪市側の支援を行ってもらう呼び水になる可能性があるので、きっちりと検証を行う必要があると思う。

明神委員

宿院停留場は改修するとお聞きしたが、堺市内の他の停留場については改修していくのか。

事務局

宿院停留場以外の他の停留場については、小規模改修は行うが、大型の改修は予定していない。

塚本座長

中間検証に進め方について提案や様々な意見があった。次回までにまとめていただきたい。

閉会

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