このページの先頭です

本文ここから

平成23年度第2回堺市阪堺線活性化推進懇話会 議事録

更新日:2012年12月19日

1 開催日時 平成23年10月22日(土曜)午後2時から4時
2 開催場所 堺市総合福祉会館5階 職員能力開発センター第三会議室
3 出席者 ・懇話会委員
  • 座長:塚本委員(大阪産業大学人間環境学部教授)
  • 委員:伊藤委員(広島工業大学工学部都市デザイン工学科准教授)、絹川委員(錦綾校区自治連合会会長)、平山委員(浜寺昭和校区自治連合会会長)、弘瀬委員(NPO法人堺観光ボランティア協会理事ガイド部長)、浅香委員(一般社団法人堺市老人クラブ連合会堺区女性部会部会長)、河盛委員(大醤株式会社代表取締役社長)、工藤委員(代理出席:NPO法人RACDA大阪・堺)、松永委員(つーる・ど・堺 ライター)、岸田委員(企業組合HUCA・C専務理事)、明神委員(市民委員)
  • 欠席:高田委員(堺市商店連合会副会長)、西口委員(市民委員)、久保委員(堺市女性団体協議会 事務局長)、福井委員(NPO法人 RACDA大阪・堺理事長)
・事務局:阪堺電気軌道株式会社、堺市建築都市局

懇話会の進め方について

塚本座長

 当面開催が決定しているのは第4回目までか。第5回目以降もあるのか。

事務局

 第5回目以降も継続して行っていく予定。

阪堺線の利用者数拡大策実施後の利用者数について(平成23年7月から9月)

塚本座長

 人数ベースでは順調に伸びているが、運賃収入ベースではどのようになっているのか。

阪堺電気軌道

 阪堺では切符を販売していないため、実際に乗車した実数は把握できていない。提示した利用者数は、運賃収入で割り戻して算出している。

低床式車両の導入について

平山委員

 予算案は1票差で通り、条例案は否決と報道されている。10年間50億円の内訳を含めて、議会で承認を得ている低床式車両に9,700万円を使用することは可決で、条例が否決なのは、よく解らない。

事務局

 昨年、阪堺線支援に動くということで、議会とご議論の上、支援を開始した経緯がある。支援のための特別な会計があるわけでなく、毎年度議会で予算をご議論いただき、10年間50億円の内訳についても、認められた予算を執行する枠組み。市では、以前から東西鉄軌道や地下鉄3号線(四つ橋線)延伸の事業に充てるため「鉄道軌道整備基金」を設置しており、これを阪堺線の改修やLRV(低床式車両)にも使えるようにする条例改正案を議会に提出した。条例改正案は否決されたが、補正予算の財源として別の基金を充当するということで議会は終了した。今後、LRVの導入に関しては、市民を含めて広範なご寄附をお願いしたいと考えており、寄附の受入れ先などで基金の対応も必要と考えている。

平山委員

 低床式車両の導入の際に、阪堺への補助はできないのか。

事務局

 今回の補正予算については、別の基金で対応することで予算執行は可能。

工藤委員

 新聞記事は、細かいことを端折って、大雑把なくくりで非常に分かりにくい。市民は「10年間50億円」が決まり阪堺が貰えると理解しているが、形だけであって、個々はまだ決まっていないため、毎年議会で紛糾すると思う。阪堺線と阪堺線を利用して堺のまちをどうしたいのか、10年先の絵があり、今はどうなって、これからどのような道筋でやっていくのか、それが見えていないと議員も地元に説明ができない。

「阪堺線の再生・活性化に向けての取組み」についての意見交換

河盛委員

 活性化の取組みの1番目は、通勤・通学、市民の日常の足として重要であるが、一番の問題は、大道筋エリアの信号停車が多すぎること。2番目は、昔のチンチン電車の沿線に、大きな集客スポットがあった。市民病院跡地を市民会館プラス観光センターにして、集客スポットにしてほしい。3番目は、函館など他都市では、チンチン電車が観光のシンボルとなっている。また、最近きれいになった御陵前のように、他の電停もきれいにしてほしい。大道筋の植樹帯は統一性を持たせてPRするべき。日曜日の乗客が増えたが、夜の乗客が増えていない。沿線の歓楽街である天神さんの最寄りの電停(付近)を有効活用すべき。

浅香委員

 老人会で話を聞いたところ、低床車にしてほしい。また、冷房がきつすぎて寒い。1日乗り降りできる乗車券も導入してほしい。

弘瀬委員

 普段から、「おもてなしチケット」などをお客様に勧めて、チンチン電車を利用して観光ルートを組んでいる。しかし、チン電から仁徳天皇陵へは電車もバスもない。チン電の「御陵線」をつくってほしい。また、チン電を使った貸切りガイドで、観光した後、再度乗車してもらうために、宿院付近に引込線をつくってほしい。車内を時代が感じられるように改装もできれば良い。アナウンスを観光中心のものにし、1日数回、観光ボランティアスタッフによる案内ができれば良い。福助電車の乗車特典があれば良い。各電停に観光の看板、天王寺・恵美須町電停には観光都市堺に通じることが分かる看板があれば良い。

平山委員

 ご提案の施策は全てするべきだが、優先順位を付けてやるべき。阪堺線に乗れと言うだけでなく、乗降客を組織化して乗ってもらう。例えば、東西移動の電車は堺市民の悲願である。また、阪堺線で「スルットKANSAI」を使えるようにするため、数台からで良いので、順次、設備投資をしていくべき。高齢者利用割引についても、毎日利用可能にはできないだろうから、対象日を少しずつ増やせば良い。

河盛委員

 阪堺線と東西に走るバスの乗換えのアナアウンスや電停の案内板がない。また、観光客は住吉大社だけでなく、大鳥大社にも行きたいはずなので、浜寺から鳳方面への案内板などがあればよい。

岸田委員

 チンチン電車に乗っても、中々行先が見えないように思える。沿線におしゃれなカフェがあるなど、情報発信していくことが必要。また、南霞町の電停付近には多くの外国人旅行者がいる。チン電の電停と分かるように英語標記をするべき。

工藤委員

 堺市が情報をきちんと説明すれば、赤字路線を無理に残すのでないことは、理解してもらえる。阪堺線単独の収支や黒字転換の話になりがちだが、公共交通が単独で黒字を出すのは厳しい時代になってきている。費用便益については、マスコミへの登場回数や市内来訪者を貨幣価値に換算するなどを考えてほしい。堺のまちは宝の山であり、今後は個々の魅力をまとめて発揮させていく時期。全庁的な市の取組みや民間の取組みを期待。南海電鉄もキャラクター情報などの発信をしてほしい。

絹川委員

 阪神高速大和川沿線連絡協議会では、地域活性化の観点から報告を取りまとめており、その中で、堺浜から奈良までのサイクリングロードをつくり、大和川電停に自転車の駅つくりたいと希望も持っている。東西鉄道がないことが、堺市の発展の阻害要因と聞いたことがある。美原の方も嘆いていた。鉄道を付けるのであれば、新市民病院や古墳群を巡る環状鉄道にしてもらいたい。堺浜のグリーンフロント堺の交通の便を改善させ、関西大学・大阪市立大学と連携した東西鉄道になれば良い。また、高齢者は、わずかな段差でも転倒することがある。早く阪堺線に低床式車両を入れてもらいたい。

伊藤委員

 貴志川線沿線では、住民が組織的に清掃活動やイベント等に取り組むことで鉄道を盛り上げ、また、それらの活動をマスコミ等で情報発信することで外部から注目を浴びて、地域の人々の見方が変わってきた。それにより、来訪者や地域の鉄道利用者が増加する現象が起きた。阪堺線でも、地域の人が電車を応援する活動をしつつ、継続的に情報発信していくことが重要だと思うので、意識して取り組んでほしい。貴志川線の車両改造等のための寄附については、事業者が主体となり、事業者に対する広告という形で寄附金を募っている。様々な手法があるので検討すればどうか。

岸田委員

 宿院から綾ノ町の間で与謝野晶子生誕祭を開催する。綾ノ町にも鳳翔館など様々な施設ができ、阪南大学の観光学科の学生もサークル活動をされている。若い方を巻き込み、浜寺公園付近も晶子でくくって、様々なイベントを広げていきたい。沿線企業からも支援をいただいている。南海電鉄の応援を受け、チン電マップの大阪版をつくった。堺版の作成に向け、下準備・調査をしている。様々な人が阪堺線に乗り降りし、写真を撮ったり、情報発信したりしてもらうことで、若い人が興味を持ってくれるのではないか。

松永委員

 自分たちが楽しむことが大事。バリアフリー化などのハードの部分も確かに大事だが、お金を伴うものは市民の賛同が得られにくいのでは。ソフト部分から取り組んでいくことが大事だと思う。ハードルを低くした方が市民も参加しやすい。堺にある小さな宝を掘り起こすためにチン電は必要。イベント以外でも「チン電くん」等のキャラクターをもっと活用するべき。今あるものをまず活用して、知ってもらう、何かをやっている期待感を持ってもらうことが必要。沿線の店舗では自費で紹介リーフレットを作成した。こうした自主的に取り組む力が必要。媒体の魅力がなければ費用をかけても捨てられる。捨てられないための工夫をし、さらに横の繋がりが持てれば、もっと人は集まるのではないか。また、堺のオリジナルブランド化に取り組めば、強いイメージ力を外部に発信できる。こうした情報を共有できれば、新しいものができるのではないか。

事務局

 本日欠席されている西口委員のご提案を紹介する。様々な取組みをするのは良いが、中途半端が一番いけない。「できること」と「できないこと」を考えた上で、活きた投資をしていくことが望ましい。2車両ぐらいは、全面ガラスで、車いすを自動で上げられ、段差がなくフラットな新しいイメージの車両があれば良い。今後利益が出れば、高師浜線への延伸も検討していただきたい。福助電車は、乗ってラッキーと思える電車にしてほしい。

絹川委員

 我々高齢者にとっては、是非とも低床式車両は必要と思う。60歳前後になれば、1mの段差でも越えるのが怖くなる。欧米でも富山市でも、低床式車両の導入により活性化したのではと推測している。古い電車は横揺れがひどいが楽しいし味があり残すべき。自転車専用車両もあればいいと思う。

弘瀬委員

 低床式車両導入に賛成する。堺の町は自転車で観光するのが一番良いが、観光で案内するには時間的な制約がある。電車に自転車と一緒に乗ってもらい、そこから自転車で観光することも考えたいので、是非ともお願いしたい。

工藤委員

 沿線マップは、ある程度電車を重点的に扱ったものでも10種類くらい知っている。地図を一つにまとめて、スポンサーや沿線特典を付けるような取り組みができれば良い。阪堺電気軌道では、昭和3年製の電車をレトロ風に復元し、力を入れている。「LRV」という言葉は大層な感じがするが、今の法律では実質的にバリアフリー車両でなければ、新車を導入できない。決して無理な買い物ではない。

岸田委員

 自分たちが楽しむことが大事というのは、大いに賛同する。楽しくない場所には誰も訪れたいと思わない。

明神委員

 他社で導入済みの低床式車両は、阪堺線の現行車両よりも長いと思うが、大丈夫なのか。資料には各社の低床車の導入編成数の記載があるが、保有車両に対する低床車の比率がない。東急の世田谷線や京阪電鉄石山坂本線は、ホームを嵩上げして、実質的にノンステップになっているはず。阪堺電気軌道でホームの嵩上げはできないのか。ホームの嵩上げであれば、今の電車をすべて使えるはずで、それほど費用もかからないはずだ。

阪堺電気軌道

 低床式車両について、昨年、堺市の支援策が決定した段階から社内的に検討してきたが、具体的な仕様は未決定である。車両の長さについては、現在の阪堺線の停留場の長さや車庫等により制約があるが、それへの対応が可能で、最適なものを選定すべく検討を進めている。現行の阪堺線の車両より、LRVは、車体の箱が2、3繋がっているので若干長くなる。運転本数に対する低床式車両の比率については、39編成のうちの1編成になる。導入後は低床式車両が走る時間・ダイヤ編成の情報提供を行う。将来的には、設備投資が必要となるが、ITを使ったLRV車両の走行情報の提供などにより、対応させていただきたい。ホームの嵩上げについては、通常、大道筋では軌道と車道は隔てられているが、大阪市内では一般の車道を走っており、安全地帯や停留場ホームの高さに制約がある。安全地帯がない停留場もある。今は現状の堺市内のホームと極力段差が生じないよう検討している。そのため、現時点ではホームの嵩上げは特に考えていない。将来的に大阪市内の走行が可能になれば、ホームの高さが非常に低い数か所の停留場を嵩上げすることはある。

塚本座長

 今後、今日のご提案をどのように整理し、繋げていくのか、方針等の説明してほしい。

事務局

 ご意見の要点を記録にまとめた上、それに対する考え方について、堺市や阪堺が回答できるものは、次回の懇話会にでもお示ししたい。

塚本座長

 行政や交通事業者で対応するもの以外に、市民がされている事項もあると思う。単純に縦割りで仕分けするのではなく、そういうものをリストに入れて、活きた意見を動きに繋がるためにどうすれば良いか、そういう方向で検討してほしい。

平山委員

 観光客は増えてきている。団体でチンチン電車を貸切ることもある。ただ、営業車が貸切電車の前か後を常に走っており、観光案内に支障があるのだから、引き込み線は必要だと思う。用地等の問題について検討は必要だが、例えば御陵前付近に引き込み線をつくり、観光用の電車を入れることなど考えるべき。

塚本座長

 様々手法があると思う。事務局や阪堺電気軌道のみで検討しきれないものは、依頼してほしい。

絹川委員

 世界遺産を目玉にするならば、早急に様々な方の意見を聞いて成功させてほしい。

阪堺電気軌道

 今日のご意見には、大きく分けてハード系とソフト系の話があると思う。ハード系は、費用のかかる投資なので、今後、市民・堺市との議論を通じ、支援を受けつつ、改修等を図っていきたい。ICカードは、平成25年には全国で共通化され利便性が向上するが、関西圏では阪堺だけが扱えないので導入を検討していきたい。大阪市内分の費用等については、大阪府や大阪市に働きかけていきたい。ソフト面では、観光振興や市民・NPO等との連携は、人手不足の面もあり、十分に取り組めていなかった。真摯に受け止め、一生懸命取り組んでいくので、市民と協働して取組んでいきたい。市民の皆様の力を結集できれば、一層の阪堺線の発展、存続に寄与できると思っているので、よろしくお願いしたい。

検証の考え方について

工藤委員

 意見を聞きっぱなしでは、前向きな人でも意欲を失い、むしろ反対の動きされる可能性もある。堺市では、懇話会の他にもまちづくり関係の会議があるが、方向性は変わらないと思うので、連携・交流するシステムをつくってほしい。事業者と行政、利用者・市民の三位一体については、貴志川線は一番の例だと思うが、堺でも、市民・利用者がしっかり動かしていくシステムをつくっていただきたい。まちづくりの検証項目について、富山市では報道されたことを広告代に換算したら、かなりの数字になったようだ。

閉会

塚本座長

 この懇話会は2つの性格・ミッションを持っている。一つは検証すること、もう一つは活性化のアイデア・提案を出していくこと。一度、検証項目と今回の提案との関連性など、提案をうまく整理してほしい。そうすれば、さらに必要となる検証項目や、あるいは検証に必要な提案を得るため、さらに検討することが必要な分野など、関連性を整理することで過不足が見えてくると思う。
 結局、阪堺の活性化は、一つは地域活性化と阪堺線という側面、もう一つは公共交通全体ネットワークの中で阪堺線をどう位置づけるか、という側面があり、そういう位置付けは当然されるべき。今後、懇話会の中で検討されれば、進行役としてうれしく思う。

このページの作成担当

建築都市局 交通部 交通政策担当

電話番号:072-228-7756

ファクス:072-228-8468

〒590-0078 堺市堺区南瓦町3番1号 堺市役所高層館16階

このページの作成担当にメールを送る
本文ここまで