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堺市
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平成21年7月23日 堺市監査委員公表 第31号

更新日:2012年12月19日

 地方自治法第242条第1項の規定に基づき平成21年5月27日に監査委員に提出された住民監査請求について、監査委員の合議によりその結果を下記のとおり決定したので、同条第4項の規定に基づき公表する。

平成21年7月23日

堺市監査委員 西林 克敏
同 吉川 敏文
同 木戸 唯博
同 小杉 茂雄

住民監査請求に係る監査結果

(平成21年5月27日請求)

<大阪府道高速大和川線の建設にかかる工事に関する基本協定について>

目次

堺市監査委員公表第31号

第1 監査の請求

1 請求人

5名(氏名は省略)

2 監査請求書の提出

平成21年5月27日

3 請求の趣旨

 堺市監査委員は、堺市が施行主として、阪神高速道路株式会社(以下「阪神高速道路」という)に工事を委託している大阪府道高速大和川線建設工事(以下「本件工事」という。委託の対象及び内容は、添付の「大阪府道高速大和川線の建設にかかる工事に関する基本協定」参照)に関し、同市(市長、収入役ないし全ての支出手続担当者ら)に対し、上記委託契約に基づいて同市から阪神高速道路になされる違法かつ不当な支出をしないよう請求せよ。

請求の理由

1 本件工事の概要

 本件工事は、大阪府及び堺市等が進めている道路整備事業の一部であり、工事対象地域は、堺市北区の常磐1丁、同2丁から北花田3丁にかけての地域であり、同工事は、常磐地区における常磐工区開削トンネル工事と、その西側のシールドトンネル工事からなっている。堺市は、平成19年5月、両工事を阪神高速道路に委託した。阪神高速道路は、大和川線シールドトンネル工事については、平成20年1月25日に、また、常磐工区開削トンネル工事については平成20年6月5日にそれぞれ競争入札を実施し、いずれも、鹿島建設・飛島建設工事共同企業体(鹿島・飛島JV)が落札した。これに基づいて、阪神高速道路と同JVは、両工事の請負契約を締結した。なお、落札金額は次のとおりである。
 常磐工区開削トンネル工事:146億5000万円
 大和川線シールドトンネル工事:164億5000万円

2 本件の委託金支出の違法性、不当性

しかしながら、鹿島建設は、平成19年6月25日から同20年6月24日まで、また、飛島建設は、平成19年11月16日から同20年6月24日まで、いずれも、堺市から独占禁止法違反による指名停止処分を受けていた。つまり、鹿島建設・飛島建設JVが阪神高速の競争入札に参加したときには、鹿島建設も飛島建設も堺市から指名停止処分を受けていたときであった。
 従って、堺市は、阪神高速に本件工事を委託するにあたっては、堺市から指名停止処分を受けている業者を本件工事の競争入札に参加させてはならない旨の条項を委託契約に入れるか、あるいは阪神高速にその旨の指導を行うなどして、指名停止処分を受けていた鹿島建設及び飛島建設が阪神高速の競争入札に参加することがないようにすべきであった。なぜならば、堺市が談合等に参加した業者に対して、いくら指名停止処分を行ったとしても、上記のようなルートで、指名停止処分を受けている業者が堺市が施工主になっている工事を請け負うことになれば、堺市が指名停止処分を行った趣旨、すなわち、指定停止処分を行うことによって、以後談合に参加することを防止し、引いては税金の無駄遣いを防止するという趣旨が全うされなくなることは明らかだからである。まさに、指名停止処分を受けていた鹿島建設及び飛島建設が阪神高速から本件工事を請け負うことは、談合防止の趣旨に反する脱法行為以外の何物でもなく、その違法性、不当性は明らかである。
 また、堺市と阪神高速との間に締結された基本協定第11条には、阪神高速が委託工事の一部を建設会社等に請け負わせる場合には、速やかにその旨を堺市に報告することが規定されており、堺市は、事後においても、上記脱法行為を是正することが可能であった。にもかかわらず、堺市はこうした是正も行っていない。
 なお、隣接する工区で工事を進めている大阪府においては、指名停止処分を行うにあたっては、指名停止期間中は大阪府が施工主となっている工事に関して下請けにも入ってはならないことを業者に指導し、また、契約業者にも指名停止処分を受けている業者を下請け業者として使用してはならない旨を指導しているとのことである。さらに、契約業者から大阪府に対する報告で指名停止処分を受けている業者を下請けに使用することが判明した場合は、その業者を排除することを指導しているとのことである。まさに、指名停止処分を実行あらしめる妥当な行政対応である。
 以上の通り、本件工事において、鹿島建設及び飛島建設のJVを阪神高速の行った競争入札に参加させ、その後本件工事を請け負わせたことは、指名停止処分制度の脱法行為であり、かつ、事後的にも上記JVを排除することができたにもかかわらずそれさえ行わなかったものであり、その違法性あるいは不当性は明らかである。従って、堺市が、阪神高速道路との委託契約に基づき、同社に委託金を支払うことは、実質的には、同社を介して、上記指名停止処分を受けている上記JVに工事代金を支払うことにほかならず、この委託金の支出が違法あるいは著しく不当であることも明らかである。

3 周辺住民の反対及び工事自体の問題点

また、堺市は、上記工事の対象地域の周辺住民に対し、工事が周辺に及ぼす影響等について、十分な説明を行ってこなかったため、工事により最も影響を受ける地域の1つである新常磐第一町会の住民は、開削工事による騒音、振動、西除川の氾濫の危険、道路開通後の交通渋滞など、多大な不安と懸念を持ち、堺市に対し、詳細な説明と誠意ある対応を再三、要望してきた。
 しかし、堺市が形式的で内容の乏しい説明に終始したため、同町会は、平成21年4月、弁護士に依頼し、同月以降、弁護士とともに堺市に対し、「行政が周辺住民に対し、ランプ設置の必要性、工事及び完成後の道路が周辺に及ぼす治水や道路渋滞等の各種影響を判断するに足る十分な資料の提供と詳しい説明をし、十分な理解と納得を得た上で、進めてもらいたい」との要望を続けた。さらに、同町会会員のほぼ全員に加え、同町会以外の周辺住民多数も、「周辺住民に十分な情報を提供し、納得を得た上で進めること」を堺市に求めている。
 ところが、堺市は、この要望を無視し、同年5月27日に一次工事に着工する旨を通告し、工事を強行しつつあるものであって、この点でも極めて不当である。
 したがって、以上のような強行された工事の対価としての支払いも不当である。

4 公金支出が確実に予測されること、及び損害の発生

一旦工事が開始されれば、市長、収入役ないし全ての支出手続担当者らによる工事代金の支出は「相当の確実さをもって予測される」。
 そして、両社が談合の事実を理由に指名停止処分を受けている業者である以上、本件工事の入札価格も談合の上で決められた可能性も充分ある。そうなれば、堺市には損害が生じる。仮に本件の入札価格が談合によるものではないとしても、停止期間中の業者に受注させることは、指名停止制度を骨抜きにするものであって、堺市の公共工事全般にわたって広く損害を生じさせるおそれがある。

5 結論

よって、地方自治法242条1項に基づき、請求の趣旨記載の申立をする。

添付書類(証拠資料)

資料1 大阪府道高速大和川線の建設にかかる工事に関する基本協定
資料2 堺市議会「議案第65号 大阪府道高速大和川線の建設に関する基本協定について」及び同意証明
資料3 入札調書(開削工事分及びシールド工事分)
資料4 阪神高速道路株式会社・鹿島建設工事共同企業体契約資料
資料5 堺市建設工事等入札参加有資格者の指名停止措置一覧表
資料6 要請書
資料7 工事のお知らせ
(原文のとおり。なお、事実証明書の掲載は省略した。)

第2 監査の実施

1 要件審査及び請求の受理

 本件請求は、地方自治法第242条第1項に規定する要件を具備しているものと認め、平成21年6月3日にこれを受理した。

2 請求人の証拠の提出及び陳述

 地方自治法第242条第6項の規定に基づき、平成21年6月29日、堺市役所高層館19階・監査室において請求人に対し証拠の提出及び陳述の機会を設けたところ、意見陳述書とともに【1】資料8「平成20年3月7日の読売新聞記事」と、【2】資料9「阪神高速道路大和川線常磐工区開削トンネル工事」と題された書面が証拠として提出され、本件工事に対する不安や問題点、本件委託契約に基づく公金の支出の違法性等について、請求人及び請求人代理人が陳述を行った。

3 監査対象部局

建設局(大和川線担当)、理財局(理財部)

4 監査対象部局からの事情聴取等

 本件について、市長に対して請求に係る意見書の提出を求めるとともに、平成21年6月29日、監査対象部局の職員から、本件請求に関する事実及び意見について事情を聴取した。その概要は以下のとおりである。

(1) 事情を聴取した者

(建設局)建設局長、大和川線担当部長、大和川線担当課長、道路部参事(大和川線担当)、建設総務課長ほか

(理財局)理財部副理事兼契約課長

(2) 本件請求に関する意見等

 ア 本件の委託金支出が適正であることについて

(ア) 阪神高速道路株式会社(以下「阪神高速道路株式会社」という。)の基準を適用することが合法であること

本市の指名停止措置について定めた「堺市入札参加有資格業者の指名停止等に関する要綱」(以下「本市要綱」という。)は、堺市が入札を行い請負者を決定する場合について適用されるものであり、堺市が工事を委託した先における請負業者決定のための入札等に適用されるものではない。
 阪神高速道路株式会社における入札・契約については、「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」が適用される。同法第15条に基づき国が定めている「公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針」(平成18年5月23日閣議決定。以下「適正化指針」という。)によると、指名停止については次のとおり取り扱うこととされている。
 「指名停止については、その恣意性を排除し客観的な実施を担保するため、各省各庁の長等は、あらかじめ、指名停止基準を策定し、これを公表するものとする。また、当該基準については、必要に応じ、適宜見直すものとする。指名停止を行った場合においては、当該指名停止を受けた者の商号又は名称、指名停止の期間及び理由等の必要な事項を公表するものとする。なお、未だ指名停止措置要件には該当していないにもかかわらず、指名停止措置要件に該当する疑いがあるという判断のみをもって事実上の指名回避を行わないようにするものとする。」
 また、同法第15条第3項において、適正化指針の策定に当たっては、特殊法人等及び地方公共団体の自主性に配慮しなければならないものとされており、同指針で次のとおりとされている。

「1 特殊法人等及び地方公共団体の自主性の配慮
 法第15条第3項は、適正化指針の策定に当たっては、特殊法人等及び地方公共団体の自主性に配慮しなければならないものとしている。これは、国、特殊法人等及び地方公共団体といった公共工事の発注者には、発注する公共工事の量及び内容、発注者の体制等に大きな差があり、また、従来からそれぞれの発注者の判断により多様な発注形態がとられてきたことにかんがみ、適正化指針においても、こうした発注者の多様性に配慮するよう求めたものである。このため、適正化指針に沿った入札及び契約の適正化を促進するための措置についても、各省各庁の長等の状況に応じた取組が当然に許容されるものである。」
 指名停止について、国土交通省の要領に準じた阪神高速道路株式会社の要領に基づき、適正に措置されていることは、同法並びに適正化指針に照らし合わせても、適正であると考えられる。
 また、委託契約については、基本的に、受託者に委託者からの業務の独立処理性・独立遂行性が求められるものであり、受託者が自己の利用する請負業者を選定するにあたって受託者独自の基準等によることも、その一内実として含まれているものと考えられる。なお、委託者は委託契約において、受託者に対し、請負業者の選定方法・基準等について規制を加えることもできないことはないが、そのような規制を加えるかどうかは、すべからく受託者の裁量に委ねられているものであるところ、本件における阪神高速道路株式会社については、先に述べたとおり、工事入札に関して国土交通省の指名停止に関する要領に準じた同社の要領に基づき指名停止に関する措置を設け、これに基づいて適正に入札を執行しているので、本市がこれに鑑みて、同社の請負業者の選定方法・基準等(入札における指名ないし指名停止の方法・基準等)について特段の規制を加えないこととしたことも、本市の適法な裁量範囲内のこととして、何ら問題がないというべきである。そして、阪神高速道路株式会社が請負契約を締結した共同企業体を構成する2社については、同一の事件で同社から指名停止措置を受けていたものであるが、同社による本件工事の入札手続における競争参加資格審査申請時には指名停止期間を満了していたため、入札参加資格が認められ、落札して同社と請負契約を締結するに至ったものである。
 したがって、本市が阪神高速道路株式会社に対し、本市の指名停止措置を受けている業者を同社の入札に参加させないように規制を加えなかったことは、何ら違法、不当ではなく、請求者の主張には理由がないというべきである。

(イ) 脱法行為とはいえないこと

大和川線事業については、複数の事業者がそれぞれ独自に事業を行うためには綿密な調整が必要となること、事業区分に応じて工区を分割することは不経済となること、施工に際しては高度な技術と経験を要すること、また、平成26年度までの一過性の事業であることなどから、本市が建設工事を行うことは、本市の組織体制においては十分な対応が困難であり、合理的・経済的でないと判断し、阪神高速道路株式会社及び大阪府へ委託することとした。
 工事委託に関する協定については、平成19年5月2日に阪神高速道路株式会社及び大阪府とそれぞれ仮協定を締結し、同年6月20日の市議会の議決を受け、本協定として締結した。
 このように、工事委託は合理的な理由により、正当な手続きを経て行っており、脱法行為ではないと考えている。

(ウ) 本市が阪神高速道路株式会社から工事請負契約の締結について報告を受けた後にこれを是正することは、先に述べたとおりその必要がないのみでなく、基本協定第11条は工事請負契約の報告を規定しているものであり本市が工事契約を取り消す権限は何ら有していないものであるため、一方的に是正することは不可能である。
 なお、阪神高速道路株式会社は、談合等の誘発を防止し公正な競争を促進するため、工事への競争参加を申請している業者名は公表しておらず、開札後に初めて入札結果を含めて入札参加業者を公表しているところであり、本市に対しても、開札前に競争参加業者は知らせていない状況にある。

(エ) 請求者の主張する大阪府の対応は、大阪府が発注する建設工事等について工事請負契約を行う際の下請について規定している件についてであり、本件請求の趣旨である、他の発注機関へ工事委託を行う場合の規定ではなく、本件請求と何ら関係がない。

(オ) 以上のとおり、阪神高速道路株式会社が締結した2件の請負工事契約は適正であり、本市と阪神高速道路株式会社の締結した工事の委託協定も適正なものである。

イ 本市が工事に関する説明に努めてきたことについて

(ア) 関係校区への説明状況について

本件工事については、平成19年10月30日及び平成20年3月10日の請負業者が決まる前の段階で、関係自治会役員に工事の範囲や施工方法などについてご説明した。その後、平成20年6月16日に工事契約を行った後、請負者において具体的な施工計画等が立案できたことから、平成20年8月26日に校区役員説明会を行い、同年10月11日に校区全体の住民説明会、同年10月12日から10月19日にかけて、単位自治会ごとに説明会を実施し、更に町会あるいは住民の方々から詳細の説明を求められるなど、必要に応じて各自治会役員並びに住民の皆様に対し、随時説明を行ってきたところである。

(イ) 新常磐第一町会との折衝において工事説明に努めてきたことについて

新常磐第一町会については、平成20年10月18日の説明会時において、町会側のご認識として「以前はシールド工法で進めると言っていたにもかかわらず、開削工法に変わった。そのような住民生活に影響の大きい工法は受け入れられない」旨の強い反対があった。しかしながら、工法については当初、全線を開削工法で行う計画だったものを平成19年に可能な範囲でシールド工法を用いるよう変更したものであり、町会側のご意見は事実誤認である。
 その後、今年4月までの間、町会の窓口である町会長に対し本市より十数回にわたり折衝し、説明申し上げるとともに、個別あるいはグループ別に住民それぞれの疑問点や要望等に即した詳細なご説明等をさせていただきたい旨ご依頼申し上げてきた。これは、住民皆様の居住区域や工事場所との関係等から工事に対し抱いている疑問点や要望等がそれぞれに異なるため、住民説明は個別にあるいはいくつかのグループ別に行い、詳細にご説明する方が妥当であろうと考えてのものであるが、ご了解が得られず今日に至っている。
 また、この間、町会側からは工法や道路線形の見直しなどの依頼があったが、これについても検討を行い、検討結果を報告してご依頼の件が極めて困難であることはご説明している。
 さらに新常磐第一町会からは、平成20年12月22日、平成21年2月23日及び同年2月26日に要望書が本市に渡された。本市としては、問い合わせ事項に対し、簡潔に分かりやすくご回答したものであり、この回答内容について、その後、特段の問い合わせはなかった。
 以上のように、本市は、関係校区の町会については、町会側とご相談のうえ必要な説明を随時実施しており、新常磐第一町会については詳細な説明の実施についてご了解が得られなかったため、説明が行えず現在に至っているものである。新常磐第一町会から求められた説明や資料については誠意をもって対応しており、新常磐第一町会のご主張の「十分な説明を行ってこなかった」旨については、事実関係に相違するものである。
 平成21年4月23日に要請書が代理人から本市に手渡された。要請事項としては、以下の3点である。

1 当町会の合意を得ないまま決して本件工事に着手せず、着手につながる準備行為をもしないこと。
2 当町会の会員・住民に対し、個別に本件工事に関して接触しないこと。
3 当町会側の求める情報・資料を積極的、速やかに開示すること。
上記要請事項に対し、本市の対応は以下のとおりであり、ご主張のように不当なものではないと理解している。

1について

工事については、当初、平成20年10月の説明会後、できる限り速やかに着手する予定としていた。また、工事が6年間という長期になることから、工事内容に応じて工事全体を期施工、期施工、期施工の3段階に分け、各段階の前に直近の工事内容を中心とした説明会を実施し、関係住民のご理解を深めていくこととしていた。期施工は期施工の土留め工事を行うまでの準備工事となる。
 平成20年10月に関係町会への説明を一定行い、その後も必要に応じて町会あるいは個別の説明に努めてまいったが、新常磐第一町会からは強い反対があり、ご理解が得られるよう町会の代表者とご相談してきたところである。しかしながら、根幹的な事業計画に対し、大和川線の線形を南側に変更すること、常磐西ランプの廃止することや当該工区をシールド工法にて施工することを要求され、工事計画についてご理解がいただけず、結果的に工事契約時の予定より大幅に工事着手に遅延が生じた。
 大和川線については、道路整備特別措置法並びに独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法に基づき、阪神高速道路株式会社等から支払われる高速道路の貸付料により会社設立後45年以内に日本高速道路保有・債務返済機構の負債を返済しなければならないことになっている中で、平成27年3月31日までに完成させ、その翌日から貸付料が支払われることが同機構の償還計画の前提となっており、平成26年度末までに完成することが必要となっている。
 本市としても、本路線の早期整備の期待が大きく、早期に事業効果を発現することが必要不可欠であり、遅れた場合、道路の持つ公共の利益を失うおそれがあると考えている。また、本市事業区間のみならず大阪府事業区間、阪神高速道路株式会社事業区間においても平成26年度末の完成を目標に事業が進められており、遅れるとその影響は甚大となることから、計画どおり進めていく必要があると考えている。
 ところが、前記のとおり、本工事の工事着手は工事契約時の予定より大幅に遅延が生じている状況にあり、工事完成までの工程を踏まえると、早急に準備工事に入る必要がある。
 これまで半年以上にわたり、ご説明してきていること等も踏まえ、今後も引き続き、工事へのご理解が深まるよう詳細な説明に努めることを前提に、平成21年5月27日から期施工である準備工事に着手することとしたものである。

2について

「貴町会からのご意見を踏まえ、住民から依頼があった場合を除き、現段階ではこちらからの個別の接触・説明は行わないように致しますので、こちらで住民のみなさまに対し準備しております戸別説明用資料を貴町会において各住民のみなさまにご配布頂くとともに正確な情報提供をしていただきますよう、よろしくお願いいたします。」と回答し、必要な資料を送付している。

3について

関係機関と協議のうえ、資料提供可能なものについては、できる限り本市でとりまとめて順次速やかに提供する旨回答し、平成21年5月8日及び同年5月28日に新常磐第一町会代理人と資料の授受を行い、一定の資料提供を終えている。
 以上のとおり、本市では、可能な限り、住民の皆様のご意見を踏まえた対応を行っているところであり、今後とも、工事への理解が得られるよう努めてまいる所存である。

ウ 損害の発生が生じないことについて

阪神高速道路株式会社における入札・契約方式は、一般競争入札・総合評価落札方式を適用しており、公平な競争のもと価格だけでなく技術力も併せて評価する契約としている。
 当該2件の工事の請負契約を締結した共同企業体を構成する2社は、国の基準に準じた阪神高速道路株式会社の基準の下で指名停止処分を受け、その期間を満了した後の競争参加であり、加えて競争参加資格の要件を満たしている。
 また、契約において評価する技術力は、工事の技術提案、コスト縮減提案、工程短縮の提案及び品質確保の体制などを技術提案として提出されており、各社の技術力が適正に評価されていることや、入札価格においても、請求者の提出する資料3によると2件の工事の落札率が予定価格の65.56%及び73.03%であり、平成19年度及び平成20年度の堺市発注工事における平均落札率(81.33%及び77.24%・土木工事)と比較しても低く、さらに、落札金額が調査基準価格(当該契約の内容に適合した履行がされないおそれがあると認められる価格で、落札金額が調査予定価格を下回る場合、当該契約の内容に適合した履行がされないおそれがあるかどうかについて調査を実施しなければならない価格)をも下回っている状況であることから、これらの工事落札者が談合で決められたとは到底考えられない。
 前記のとおり、阪神高速道路株式会社は受託業務を独立処理・遂行すべき立場にある者であり、同社の工事入札等に関し本市要綱は適用がないものであること、また、本市は、阪神高速道路株式会社の工事入札が国の要領に準じた同社の要領の下で適正に実施されていることを考慮し、同社に対しその入札手続等について規制を加えなかったものであり、当然のことながら本市に本市要綱の脱法的意図などがなかったことは明らかであることなどからいって、請求者の指名停止制度が骨抜きになる等の主張には全く理由がないものである。

エ 以上のとおり、請求者の主張にはいずれも理由がないものであり、本市が阪神高速道路株式会社との間で大和川線建設工事の委託協定を締結し委託料を支払うことが違法・不当とされる理由はない。

第3 監査の結果

1 本件の監査対象事項

 本件監査請求書及び意見陳述等によると、請求人は、「大阪府道高速大和川線の建設にかかる工事(以下「大和川線建設工事」という。)に関する基本協定」(以下「本件基本協定」という。)に基づく工事委託契約について、本市から受託者である阪神高速道路株式会社(以下「阪神高速道路株式会社」という。)に対して、公金の支出をしないよう求めている。
 請求人が、公金の支出をしないように求める理由は、次のとおり要約される。

[1] 本市は大和川線建設工事を阪神高速道路株式会社に委託(以下「本件工事委託」という。)しているが、本件工事委託には、本市から指名停止措置を受けている業者を競争入札に参加させてはならない旨の規定を定めるか、あるいは阪神高速道路株式会社にその旨の指導をすべきであった。しかし、阪神高速道路株式会社は、本市から指名停止措置を受けている鹿島建設株式会社(以下「鹿島建設株式会社」という。)及び飛島建設株式会社(以下「飛島建設株式会社」という。)からなる建設工事共同企業体(以下「鹿島・飛島JV」という。)を競争入札に参加させて請負契約(以下「本件請負契約」という。)を締結し、同JVに大和川線建設工事を請負わせている。
 阪神高速道路株式会社と鹿島・飛島JVの本件請負契約は、本市の指名停止処分制度を脱法する違法行為である。また、本市は、阪神高速道路株式会社に対して、鹿島・飛島JVを排除するよう指導すべき義務がある。にもかかわらず、本市が当該指導を行わなかった行為は、本市の指名停止処分制度の脱法行為であり、違法性あるいは不当性を有することは明らかである。

[2] 本件工事についての住民説明が不十分であり、住民が情報提供や説明等を要望しているにもかかわらず、工事が強行されつつあることは極めて不当であり、このような強行された工事の対価としての支払いも不当である。

このような請求人の主張から、大和川線建設工事にかかる本件工事委託契約に基づく本市から阪神高速道路株式会社への公金の支出が違法又は不当であるかを、本件の監査対象事項とした。

2 本件工事委託及び本件請負契約の違法性・不当性について

まず、本件工事委託及び本件請負契約に違法性、不当性があるかについて検討する。

(1) 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(以下「適正化法」という。)及び適正化指針の適合性について

ア 阪神高速道路株式会社は本市の指名停止措置を受けた者ではないので、本件工事委託自体に瑕疵がないことは明らかである。
 そうすると、本件の問題点は、本件請負契約に瑕疵があるのかどうか、仮に瑕疵がある場合本市は本件請負契約の是正を求める権利義務があるかどうか、仮に瑕疵がなくとも本市は阪神高速道路株式会社が本市の指名停止業者と本件請負契約を締結したことを理由として同社に対し本件請負契約の内容の是正を求める権利義務を有するのかという点にあると解される。以下これについて検討する。

イ 適正化法の適用及び内容
 適正化法第1条は、この法律の目的として、国、特殊法人等及び地方公共団体が行う公共工事の入札及び契約について、その適正化の基本となるべき事項を定めるとともに、情報の公表、不正行為等に対する措置及び施工体制の適正化の措置を講じ、併せて適正化指針の策定等の制度を整備すること等により、公共工事に対する国民の信頼の確保とこれを請け負う建設業の健全な発達を図ることを規定している。
 同法第15条第1項は、国は、各省各庁の長等による「公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針」(以下「適正化指針」という。)を定めなければならないと規定し、同条第2項は、適正化指針には、公正な競争を促進するための入札及び契約の方法の改善に関することなどのほか、入札及び契約の適正化を図るため必要な措置に関することを定めることを規定している。
 同法第16条は、各省各庁の長等は、適正化指針に定めるところに従い、公共工事の入札及び契約の適正化を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならないと規定している。
 同法第10条は、「各省各庁の長等」に「特殊法人等の代表者」が含まれると規定しており、適正化法施行令第1条の規定により同法の「特殊法人等」には阪神高速道路株式会社が含まれる。
 したがって、阪神高速道路株式会社にも適正化法及び適正化指針が適用される。

ウ ところで適正化指針は、「第2 入札及び契約の適正化を図るための措置」の「3 主として入札及び契約からの談合その他の不正行為の排除の徹底に関する事項」の「(4)不正行為が起きた場合の厳正な対応に関すること」において、「各省各庁の長等による指名停止についても、公共工事の適正な執行を確保するとともに、不正行為に対する発注者の毅然とした姿勢を明確にし、再発防止を図る観点から厳正に運用するものとする。」と定めている。
 しかし一方で、同指針の「第3 適正化指針の具体化に当たっての留意事項」の「1 特殊法人等及び地方公共団体の自主性の配慮」は、「(適正化)法第15条第3項は、適正化指針の策定に当たっては、特殊法人等及び地方公共団体の自主性に配慮しなければならないものとしている。これは、国、特殊法人等及び地方公共団体といった公共工事の発注者には、発注する公共工事の量及び内容、発注者の体制等に大きな差があり、また、従来からそれぞれの発注者の判断により多様な発注形態がとられてきたことにかんがみ、適正化指針においても、こうした発注者の多様性に配慮するよう求めたものである。このため、適正化指針に沿った入札及び契約の適正化を促進するための措置についても、各省各庁の長等の状況に応じた取組が当然に許容されるものである。」と示している。

エ これを受けて、阪神高速道路株式会社は、公共工事の入札及び契約の適正化を図るために必要な措置を定めた国土交通省の「工事請負契約に係る指名停止等の措置要領」に準じ、同社の状況に応じた「阪神高速道路株式会社指名停止等取扱要領」(現在、「阪神高速道路株式会社競争参加停止等取扱要領」に改正。以下「阪神要領」という。)を策定して、本件基本協定締結当時の工事に適用しており、これが定める要件に該当する場合に、有資格業者について指名停止措置が行われている。
 一方、本市も、「堺市入札参加有資格業者の指名停止等に関する要綱」(現在、「堺市入札参加有資格者の入札参加停止等に関する要綱」に改正。以下「本市要綱」という。)を策定している。
 阪神要領及び本市要綱のいずれにおいても、有資格業者が措置要件の一に該当するときは、期間を定めて指名停止を行うものとすること、当該指名停止に係る有資格業者を現に指名しているときは、指名を取り消すことを規定している。ただし、それぞれの規程が定める指名停止措置の期間は異なっている。しかし、この差異は、適正化指針が許容する差異であると解され、また、同社の措置に特段の問題はないと判断される。
 よって、適正化指針並びに本市要綱及び阪神要領からは、本市が本件工事委託の受託者に本市要綱を適用するため、工事委託契約の条項に受託者の入札手続を規制したり、請負契約の内容を是正することができる規定を設ける権利義務は有しないと言うべきである。

(2) 本件工事委託の経緯について

ア 阪神高速道路大和川線事業は、平成7年度に都市計画決定がなされ、平成11年度当時から阪神高速道路公団が主体の事業であったが、阪神高速道路公団の民営化、本市の政令指定都市移行に伴い、平成18年4月から阪神高速道路株式会社・大阪府・本市の共同事業となった。
 本市の事業区間である、常磐町1丁から3丁まで約1.6キロメートルにおける工事については、経済性、合理性及び本市の組織体制の対応の困難性を勘案し、大阪府及び阪神高速道路(株)と協議のうえ、本市事業区間の西側(本線延長約0.5キロメートル)を阪神高速道路(株)に、東側(本線延長約1.1キロメートル)を大阪府に工事委託することとなった。

イ 上記のうち、阪神高速道路株式会社に工事委託することとなった理由は以下のとおりである。
 本市の事業区間の西側のうち、(ア) 浅香川から新浅香山小学校付近のシールド工法による施工区間(以下「大和川線シールドトンネル工事」という。)については、阪神高速道路株式会社の事業区間と本市の事業区間にまたがっており、効率的な施工を行うため、同社へ委託することとなった。
 また、(イ) 新浅香山小学校付近から東側の開削工法による施工区間(以下「常磐工区開削トンネル工事」という。)については、阪神高速道路株式会社の施工するシールド工事の転回場所となる立坑を構築する必要があること、綿密な工程調整や施工ヤードの調整が要求されること等を勘案し、阪神高速道路株式会社に委託することとなった。
 本市は、平成19年5月2日、阪神高速道路株式会社と仮協定を締結し、同年6月20日に議会の議決を受け、本協定を締結した。その後、阪神高速道路株式会社は、総合評価落札方式による入札を行い、鹿島・飛島JVに2つの工事を請け負わせたものである。

ウ (ア) 大和川線シールドトンネル工事及び(イ) 常磐工区開削トンネル工事にかかる入札公告日から契約日までの日程、並びに本市及び阪神高速道路株式会社の(ウ) 鹿島建設株式会社に対する指名停止期間及び(エ) 飛島建設株式会社に対する指名停止期間は以下のとおりであった。

(ア) 大和川線シールドトンネル工事の日程

入札公告日 平成19年9月3日
資格審査申請提出期限 平成19年11月2日
入札日 平成20年1月25日
契約日 平成20年2月1日
(イ) 常磐工区開削トンネル工事の日程

入札公告日 平成20年1月11日
資格審査申請提出期限 平成20年2月25日
入札日 平成20年6月5日
契約日 平成20年6月16日
(ウ) 鹿島建設株式会社に対する指名停止措置の期間

A 阪神高速道路株式会社
 平成19年3月9日から平成19年6月22日まで(3か月半)

(名古屋市交通局発注工事独占禁止法違反行為)

平成19年7月9日から平成19年10月8日まで(3か月)

(防衛施設庁発注工事独占禁止法違反行為)

B 本市

平成19年2月28日から平成20年2月27日まで(12か月)

(名古屋市交通局発注工事独占禁止法違反行為)

平成19年6月25日から平成20年6月24日まで(12か月)

(防衛施設庁発注工事独占禁止法違反行為)

(エ) 飛島建設株式会社に対する指名停止措置の期間

A 阪神高速道路株式会社

平成19年7月9日から平成19年9月8日まで(2か月)

(防衛施設庁発注工事独占禁止法違反行為)

B 本市

平成19年6月25日から平成20年6月24日まで(12か月)

(防衛施設庁発注工事独占禁止法違反行為)

平成19年11月16日から平成20年5月15日まで(6か月)

 (名古屋市交通局発注工事独占禁止法違反行為)

なお、本市の指名停止措置では、いずれも本市要綱第4条第2項で規定する「有資格業者が、指名停止期間中又は当該期間の満了後3年を経過するまでの間に、他の事件について別表に掲げる措置要件に該当することとなったときは、これらの規定に定める期間のそれぞれ2倍に相当する期間を指名停止期間とする」措置が適用されている。

上記の事実からは、鹿島建設株式会社及び飛島建設株式会社は、同一の事件で阪神高速道路株式会社からも指名停止措置を受けていたが、阪神高速道路株式会社は両社の指名停止期間が満了したあとで実施した入札の結果、両社と請負契約を締結したことが認められる。そうすると、本件請負契約が締結された経緯には何ら問題がないので、本件請負契約及び本件工事委託は、いずれも適正化法、適正化指針、本市要綱、阪神要領に違反する瑕疵がないと解される。

(3) 本件請負契約、本件工事委託の脱法行為性について検討する。

ア 一般に脱法行為とは、ある法規が特定の行為を禁止している場合、禁止された行為に基づく効果と同様の効果を実現するために、意図的に別の法形式をとる行為をいうものと解される。
 例えば本市が特定の請負業者と請負契約を締結することが禁じられている場合に、当該請負業者を第三者の下請負業者とすることで当該規制を免れる目的で、本市と当該請負業者の間に第三者を意図的に介入させたような場合は、請負契約の締結禁止を僣脱する脱法行為となる。しかし、上記2(2)ア及びイに記載のとおり、阪神高速道路大和川線事業は、阪神高速道路株式会社・大阪府・本市の共同事業であるが、施工には高度な技術と経験を要することなど本市の対応の困難性や経済性等から本市事業区間の工事を共同事業者に委託することが合理的であり、この事業区間の西側は阪神高速道路株式会社の事業区間と連続していることなどから、本市が阪神高速道路株式会社に本件工事委託をする妥当な理由がある。また、阪神高速道路株式会社は本市の定める要綱に、請負業者は阪神高速道路株式会社の定める要領に、それぞれに規定された指名停止要件に該当する者ではない。

イ なお、監査対象課が政令指定都市及び近畿の府県自治体に対して、一般の工事委託に際して委託者が受託者に対し、委託者が定める指名停止基準に配慮するよう申し入れ等を行っている事例があるかを調査したところ、回答のあった18自治体のうち、平成18年度から平成20年度までの3年間で、日本下水道事業団や特定の鉄道事業者を委託先とする場合に申し入れ等をしている自治体はあったが、その他の委託先に対する申し入れをしている自治体はなかったとのことである。したがって、他の自治体の工事委託においても、受託者の自主性を配慮していることが認められる。

ウ 以上のことから、本市が阪神高速道路株式会社に対して、本市の定める指名停止基準を満たす請負業者を排除するよう指導しないことなどが、意図的なものとは認められず、本市の指名停止制度を脱法する行為であるとはいえない。

(4) 本件請負契約締結後の是正は可能か

 次に、請求人は、本件請負契約締結後でも、本市は阪神高速道路株式会社に対して、鹿島・飛島JVを排除することを指導することが可能であったと主張するので、この点について検討する。
 本件基本協定第11条は、受託者(阪神高速道路株式会社)の工事の一部を建設会社等に請負わせた場合には、速やかにその旨を委託者(本市)に報告することを規定している。すなわち、この報告を受けることによって、本市の指名停止業者が阪神高速道路株式会社の工事請負業者となっていることを、本市は事後において知り得ることができたといえる。
 しかし、たとえ事後的に、工事受託者と請負契約を締結した請負業者が本市の指名停止業者であることが判明したとしても、これらは受託者の指名停止業者ではないから、本件請負契約は瑕疵がない契約であったと解さざるを得ない。
 したがって、本市が、阪神高速道路株式会社に適用されない本市要綱を同社に適用し、請負業者が本市の指名停止業者であることを理由として、同社が適法に締結した本件請負契約について、本市が是正する権限を有するものではない。
 よって、本件基本協定第11条に基づき、本市が阪神高速道路株式会社に対して本件請負契約を是正することは可能であったとはいえない。

(5) 小括

 以上のとおり、阪神高速道路株式会社が締結した工事請負契約の請負業者が、本市の指名停止期間中の者であったとしても、本件工事委託にかかる公金支出が違法、不当であるといえず、請求人の理由に理由はない。
 なお、請求人は、本件工事の入札価格が談合で決められた可能性があると主張しているが、各工事の落札額は、予定価格のそれぞれ65.56%及び73.03%と低く調査基準価格を下回っており、談合の可能性があるとするのは、請求人の憶測に過ぎないといわざるをえない。

3 工事方法に関する住民説明の不当性について

 請求人は、本市が本件工事の周辺住民に対して十分な説明を行ってこなかったため、住民は本市に対して工事及び完成後の道路が周辺に及ぼす治水や道路渋滞等の影響を判断するに足りる十分な資料の提供と詳しい説明をし、納得を得たうえで工事を進めることを要望してきたが、工事が強行されつつあるとして、このような強行された工事の対価としての支払いは不当であると主張している。
 しかしながら、仮に、本市が住民に対して実施した工事方法に関する説明に問題があったとしても、それ自体は地方自治法第242条に規定する財務会計行為に該当するものではないし、また説明上の問題点が工事委託契約代金の支出行為の違法性及び不当性に直接結びつくものとはいえないので、請求人の理由に理由がない。

4 結論

 以上のとおり、大和川線建設工事にかかる阪神高速道路株式会社への公金の支出が違法又は不当であるとの請求人の主張は、いずれも理由がないものと判断する。

以上

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電話:072-228-7899 ファックス:072-222-0333
〒590-0078 堺市堺区南瓦町3番1号 堺市役所高層館19階

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