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平成20年7月14日 堺市監査委員公表 第31号

更新日:2012年12月19日

地方自治法第242条第1項の規定に基づき平成20年5月15日に監査委員に提出された住民監査請求について、監査委員の合議によりその結果を下記のとおり決定したので、同条第4項の規定に基づき公表する。

平成20年7月14日

堺市監査委員 西村 昭三
堺市監査委員 松本 光治
堺市監査委員 木戸 唯博
堺市監査委員 小杉 茂雄

住民監査請求に係る監査結果

(平成20年5月15日請求)

<ため池敷への固定資産税等の賦課徴収について>

目次

堺市監査委員公表第31号

第1 監査の請求

1 請求人

1名(氏名は省略)

2 監査請求書の提出

平成20年5月15日

3 請求の趣旨

 平成20年2月29日、堺市中村町607番地に存するため池敷(ホームセンター、鮮魚市場に利用)、堺市中百舌鳥町3-428(住宅公園に利用)に存するため池敷に課すべき固定資産税、都市計画税の賦課徴収をせず、怠ることは、違法であることを確認をもとめる住民訴訟において、堺市長は一部敗訴した。(疎甲第1号証)。
 当該ため池敷の非課税措置は違法である。
 堺市条例第42条第1項(固定資産税の減免)15号「定期的に行われる地域の伝統行事で地域住民が主体となって行うものにおいて、地域住民が共同で使用する祭具その他の道具(営利を目的として使用される道具を除く。)を保管するために設置された施設で専ら当該道具の保管の用に供されているもの免除」とある。その一方で、同条第2項で「前項各号に掲げる固定資産を有料で借り受けた者が使用する場合は、前項の規定にかかわらず、固定資産税を減免しない。」とされている。
 税の賦課徴収の原則は、「租税法律(条例)主義」と言われるものである。
 自治省資産評価室編『固定資産評価基準解説』(土地編)(財団法人 地方税務協会 平成6年7月発行)P.311によれば、池沼の一部について分筆・所有権移転登記がなされた後、事務所用建物が新築された例を引き、この場合の評価方法については、当該土地は、通常の宅地としての用途に供することができる他の宅地と比較して、地形的に自ら制限があることに起因する減価要因を内在しているものとしているが、補正率を用いて、宅地として評価するとしている。
 当該ため池敷が収益用建物の用に供する地盤であることには、間違いはない。
 この点、相手方からは、池沼の機能(農業用水灌漑)をもって、抗弁することが考えられるが、この点の減価すべき要因・事情を、総務省は、崖地補正率表の適用をもってすることを求めているのであって、同主張も失当であり、この点について、前掲本年2月29日、大阪地方裁判所は請求人の主張に沿った判断をしている。
 堺市監査委員は、上記2物件について、平成17年度以降、固定資産税等の賦課徴収を違法に怠っていることを指摘し、課税庁堺市長に是正勧告を行わなければならない。合わせて、5年ないし7年間にさかのぼり、関係者らに対して、納付を怠った固定資産税の相当する損害額の賠償請求をする事を堺市長に勧告しなければならない。
 以上、地方自治法第242条第1項に基づき請求する。

以上

事実証明書

  1. 判決書(抜粋)平成20年2月29日判決言渡 平成17年(行ウ)第69、77号固定資産税等賦課徴収懈怠違法確認等請求事件
  2. 堺市監査委員公表第15号

(原文のとおり。なお、事実証明書の掲載は省略した。)

第2 監査の実施

1 要件審査及び請求の受理

本件住民監査請求において、請求人は、本市北区中村町607番地のため池及び本市北区中百舌鳥町3丁428番地のため池について、平成17年度以降の固定資産税及び都市計画税の賦課徴収を違法に怠っていると主張しており、地方自治法第242条第1項に規定する要件を具備すると認められたので、平成20年5月21日にこれを受理した。

2 請求人の証拠の提出及び陳述

地方自治法第242条第6項の規定に基づき、請求人から平成20年6月18日の陳述に出席する旨の文書を収受したうえで堺市役所高層館19階・監査室において証拠の提出及び陳述の機会を設けたが、請求人はこれに出席しなかった。

3 監査対象部局

理財局(資産税管理課)

4 監査対象部局からの事情聴取等

本件について、市長に対して請求に係る意見書の提出を求めるとともに、平成20年6月18日、監査対象部局の職員から、本件請求に関する事実及び意見について事情を聴取した。その概要は以下のとおりである。
(1) 事情を聴取した者
 理財局長、税務部長、税務部次長、資産税管理課長 ほか
(2) 本件請求に関する意見等
ア 事実関係の確認
 請求人が指摘する北区中村町607-1の土地及び同区中百舌鳥町3丁428-1の土地(以下「対象物件」という。)について、次に掲げる事項の事実関係の確認を行った。
 (ア) 平成17年度から平成20年度までの各年度(以下「請求年度」という。)の固定資産税の賦課期日である1月1日(以下「賦課期日」という。)の所在地、所有者及び利用状況
 a 堺市北区中村町607-1の土地
 堺市北区中村町607-1の土地(以下「大池敷地」という。)は、同町484-1及び607-2の土地と併せて大池という耕地かんがい用の用水貯溜池で、堺市が登記名義となっている。
 大池敷地は、当該敷地の一部の水面上にデッキプレートが構築され、当該構築物上にコーナン中環堺中村店、大起水産回転寿司堺店、堺活魚流通センター及び堺中央綜合卸売市場の店舗等が建築されている。
 なお、大起水産回転寿司堺店については、平成17年8月に新築されている。
 ただし、用水貯溜池としての利用状況は、デッキプレート構築前と何等変化がなく、当該デッキプレートの下部にも貯溜用水が認められ、その部分も含み大池全体が耕地かんがい用の用水貯溜池としての機能を有している。また、耕地かんがい用として広く一般の利用に供することができる状態にあり、現に貯溜用水を利用して耕作を行っている者がいる。平成17年2月の前回監査請求時から状況に大きな変化はない。
 b 堺市北区中百舌鳥町3丁428-1の土地
堺市北区中百舌鳥町3丁428-1の土地(以下「信濃池敷地」という。)は、信濃池という耕地かんがい用の用水貯溜池で、以前は大字金口が登記名義であったが、平成18年8月31日付けで法務局の職権にて大字金口から大字金口共有地に登記名義が訂正されている。これは、平成13年5月24日に登記簿が電算化されたときに誤って大字金口と記載されたためである。
 信濃池敷地は、当該敷地の一部の水面上にデッキプレートが構築され、当該構築物上にはABCハウジング中百舌鳥住宅公園(住宅展示場)として利用されモデルハウス等が建築されている。なお、平成17年にはデッキプレートが増設され、駐車場として利用されている。
 ただし、用水貯溜池としての利用状況は、デッキプレート構築前と何等変化がなく、当該デッキプレートの下部にも貯溜用水が認められ、その部分も含み信濃池全体が耕地かんがい用の用水貯溜池としての機能を有している。また、耕地かんがい用として広く一般の利用に供することができる状態にあり、現に貯溜用水を利用して耕作を行っている者がいる。平成17年2月の前回監査請求時から状況に大きな変化はない。
 (イ) 対象物件の固定資産税及び都市計画税の課税状況
 a 大池敷地
 大池敷地については、請求年度において、公共の用に供するため池であるとして地方税法(以下「法」という。)第348条第2項第6号の規定により固定資産税を非課税としている。
 都市計画税については、平成12年度の都市計画区域の線引き変更により市街化区域に編入されたことから平成13年度から課税区域となっているが、平成20年度までは、固定資産税と同様の理由で法第702条の2第2項の規定により非課税としている。
 b 信濃池敷地
 信濃池敷地については、請求年度において、公共の用に供するため池であるとして法第348条第2項第6号及び第702条の2第2項の規定により固定資産税及び都市計画税(以下「固定資産税等」という。)を非課税としている。
イ 請求人の請求についての考え方及び意見
 (ア) 大池敷地
 大池敷地については、請求年度において、「ア(ア)a」及び「ア(イ)a」のとおり、公共の用に供するため池であるとして法第348条第2項第6号及び法第702条の2第2項の規定により固定資産税等を非課税としている。
 ため池とは、耕地かんがい用の用水貯溜池であるとされており(『固定資産税逐条解説』)、法で非課税とされているのは「公共の用に供するため池」である。大池敷地については、デッキプレート構築後においても耕地かんがい用の用水貯溜池としての機能を有しているとともに、広く一般の利用に供することができる状態にあり、現に貯溜用水を利用して耕作している者がいることから、「公共の用に供するため池」となる。
 このことについては、平成20年2月29日の判決(平成17年(行ウ)第69号、第77号)においても、本市の主張が認められている。
 以上から、大池敷地に係る固定資産税等の非課税認定は適法であり、賦課・徴収を怠る事実はない。
 なお、請求人は、請求の趣旨の中で『固定資産評価基準解説(土地編)』から「池沼の一部について分筆・所有権移転登記がなされた後、事務所建物が新築された場合」を例示して請求の根拠としているが、これは課税地目の評価方法について解説した内容であり、課税、非課税の認定の判断について述べたものではない。同解説では、「池沼とは、一般的に水の貯溜する池をいい、堀、養魚池等である。法第348条第2項第6号で、公共の用に供するため池は非課税となるが、「公共の用に供するため池」以外は、池沼として評価するのが適当である。」とされている(『固定資産評価基準解説(土地編)』)。大池敷地については、「公共の用に供するため池」として非課税であることから、同解説の「池沼」にはあたらない。
 また、請求人は「ため池敷が収益用建物の用に供する地盤であり、非課税措置は失当である」と主張しているが、大池敷地については、公共の用に供するため池であることから法第348条第2項第6号の規定により非課税としており、使用収益の有無が非課税認定を左右する要件ではない。法第348条第2項各号の非課税規定は、用途に着目した規定であり、当該物件がその用途に供する事実をもって非課税とされるものである。
 (イ) 信濃池敷地
 信濃池敷地についても、請求年度において、「ア(ア)b」及び「ア(イ)b」のとおり、公共の用に供するため池であるとして法第348条第2項第6号及び第702条の2第2項の規定により固定資産税等を非課税としており、「イ(ア)」と同様の理由から信濃池敷地に係る固定資産税等の非課税認定は適法であり、賦課・徴収を怠る事実はない。
 なお、前掲平成20年2月29日の判決には、「周囲に受水田がなく耕地の用に供していない。」という一文があり、法第348条第2項第6号の「公共の用に供するため池」とは認められないといった内容であるが、これは請求人が提出した空中写真によるものの判断であり、事実とは異なるものである。同池は、現在でも水利組合によって管理され、その用水を利用して耕作が行われている。このことについては事実誤認として現在控訴中である。

第3 監査の結果

1 本件の監査対象事項

本件監査請求においては、本市北区中村町607番地及び本市北区中百舌鳥町3丁428番地に存するため池(以下「本件ため池」という。)について、平成17年度以降の固定資産税及び都市計画税(以下「固定資産税等」という。)の賦課徴収を違法に怠っていると主張している。
 このような請求人の主張から、本件ため池に対する固定資産税等について、平成17年度から平成20年度までの賦課徴収を違法に怠っているかどうかを本件の監査対象事項とした。

2 本件監査請求の経緯について

(1) 請求人は、平成17年2月1日に、本件ため池について、固定資産税の賦課徴収を怠る事実があるとして、住民監査請求を行った。
(2) 平成17年の監査請求については、監査対象期間を平成10年度から平成16年度までの期間としたうえで、本件ため池はいずれも「公共の用に供するため池」に該当することから、固定資産税等を課していないことについて適正であるということができ、違法・不当に賦課徴収を怠っている事実は認められないとして、請求人に対し、監査請求に理由がない旨の通知をした。
(3) 請求人は、平成17年5月2日、監査結果を不服として大阪地方裁判所に住民訴訟(以下「本件住民訴訟」という。)を提起した。本件住民訴訟の請求の趣旨は、地方自治法第242条の2第1項第3号に基づき、本市北区中村町607番地に存するため池(以下「中村町のため池」という。)及び本市北区中百舌鳥町3丁428番地に存するため池(以下「中百舌鳥町のため池」という。)に対する固定資産税等の賦課徴収を怠る事実の違法確認を求めるとともに、同項第4号に基づき、本市市長に対し、本市市長又は本市北支所税務課長の職にあり又は職にあった者に損害賠償として連帯して100万円の支払の請求をすることを求めるというものであった。
(4) 平成20年2月29日、本件住民訴訟の判決の言渡しがあり、その概要は次のとおりであった。
 a 本件訴えのうち、本件ため池に対する平成17年度から平成19年度までの固定資産税等の賦課徴収を怠る事実に係る部分を却下する。
 b 本市市長が本件ため池のひとつである中百舌鳥町のため池に対し、デッキプレートが設置されている部分の地目を宅地として、その余の部分の地目を池沼としてそれぞれ評価せずに平成15年度及び平成16年度の固定資産税等を賦課徴収することを怠っていることが違法であることを確認する。
 c 上記bの違法確認請求を除き、原告のその余の請求を棄却する。
(5) 上記の大阪地方裁判所の判決に対しては、平成20年3月12日に本市市長が控訴を提起した。
(6) 平成20年5月15日、請求人は、本件ため池について、平成17年度以降、固定資産税等の賦課徴収を違法に怠っていると主張して、住民監査請求を行った。

3 「公共の用に供するため池」の該当性について

(1) 本件の監査対象事項について、監査対象部局は、本件ため池はいずれも地方税法第348条第2項第6号及び同法第702条の2第2項の規定にいう「公共の用に供するため池」に該当し、これらの土地に固定資産税等を課することができないことから、平成17年度から平成20年度までの各賦課期日において本件ため池を非課税と認定したのは適法であり、賦課徴収を違法に怠るものではないとしている。
 よって、以下本件ため池が公共の用に供するため池に該当するかどうかについて検討する。
(2) 中村町のため池について
ア 自治省固定資産税課が編集した『固定資産税逐条解説』(以下「逐条解説」という。)によれば、地方税法第348条第2項第6号にいう公共の用に供するため池とは、広く不特定多数人の利用に供するため池をいい、耕地かんがい用の用水貯溜池をいうものと解されている。
イ 監査対象部局が中村町のため池について、多数の田畑が存する同町において当該ため池の北部にある集落の東側及び西側に範囲を定め、平成20年6月時点の現況調査を行ったところ、調査範囲においてそれぞれ複数筆の受水田が確認されたとのことである。さらに、当該ため池から引水されている用水路については田畑への通水が確保されており、水門の整備も行われていたことから、これらの受水田はデッキプレートの下部を含めた当該ため池の貯留水を利用して耕作が行われている状況にあるとのことであった。
 以上の調査結果については、監査委員としても図面や写真等の提出資料とともに監査対象部局から説明を受けており、特にこれに反する事情も見受けられないことから、事実であると判断される。
 したがって、中村町のため池は、現時点に至るまで耕地かんがい用の用水貯溜池として広く不特定多数人の利用に供することができる状態にあり、公共の用に供するため池に該当するものである。
(3) 中百舌鳥町のため池について
ア 監査対象部局が中百舌鳥町のため池について、平成20年6月時点の現況調査を行ったところ、同町4丁に受水田が1筆、同町5丁に同じ用水路が利用可能な畑地1筆が確認されたとのことである。
 当該ため池からの用水路は大部分が暗きょになっていることもあり、地元の水利組合の協力を得て用水路及び水門の使用状況を調査したところ、受水田については、デッキプレートの下部を含めた当該ため池の貯留水を利用して耕作が行われており、畑地についても同じ貯留水を用いて耕作することができるとのことであった。
 以上の調査結果については、監査委員としても図面や写真等の提出資料とともに監査対象部局から説明を受けており、特にこれに反する事情も見受けられないことから、事実であると判断される。
 したがって、中百舌鳥町のため池は、貯留水を利用する農地の数については中村町のため池よりも少ないものの、水門や用水路が整備されており、耕地かんがい用の用水貯溜池として広く不特定多数人の利用に供することができる状態にあるといえる。
 また、地方税法第348条第2項第6号は、公共の用に供するため池を非課税と規定するにあたり、ため池の具体的な用途までは定めていない。中百舌鳥町のため池は逐条解説にいう耕地かんがい機能のほか、大雨・洪水時における遊水池としての機能、防火用水のための貯水機能、地域住民の憩い・安らぎの場を提供する機能など公共的な機能を有しており、不特定多数人の利用に供されていると考えられる。
イ 以上のとおり検討すると、中百舌鳥町のため池は、中村町のため池と同様に、現時点に至るまで公共の用に供するため池に該当するものである。
(4) 以上のことから、本件ため池は、平成17年度から平成20年度までにおいて、いずれも公共の用に供するため池に該当し、これらのため池に対しては固定資産税等を課することができないものである。
(5) なお、請求人が、本監査請求について依拠するものと思われる平成20年2月29日に大阪地方裁判所で言渡しのあった本件住民訴訟の判決は、
1 中百舌鳥町3丁428番1の土地については、「本件全証拠によっても上記土地の貯留水をかんがいの用に利用し得るものと社会通念上考えられる位置関係にある地域に田畑が存在することを認めるに足りないというほかない。」「そうであるとすれば、428番1の土地は、本件各賦課期日(…)において、客観的にみて耕地かんがい用の用水貯溜池としての機能を果たし得る状態にあったか否かはともかく、その貯溜池が現実に広く不特定多数人の耕地かんがいの用に供されていたものとは、証拠上認め難いというべきであるから、上記土地は、地方税法348条2項6号の「公共の用に供するため池」に該当しないものというべきであり、したがって、同項本文、同法702条の2第2項により上記土地を非課税とすることはできない…。」(上記判決判決書32頁・33頁)とし、
さらに、納税義務者を確定することができない固定資産に該当するか、について、
2 「遅くとも昭和44年ころまでには中百舌鳥町自治会(…)が、市制・町村制の施行により「大字金口」とされた地域の住民から成る入会団体の後身として上記土地を所有し、…本件各賦課期日において上記土地の所有者として登記されている「大字金口」が中百舌鳥町自治会に該当することを容易に知り得たというべきである。」(上記判決判決書35頁)としている。
上記判決の上記1、2の認定は誤りといわざるをえない。
 ア まず、1については、本市は、中百舌鳥町のため池からの受水田及びこのため池から受水ができる畑地の存在を確認している。また、当該ため池は、その上部にデッキプレート構築後も、流出用水の維持管理が水門等の施設によってなされている事実が認められる以上、上記裁判例の事実認定は誤りといわざるをえない。
 上述のように、当該ため池は、本件各賦課期日において耕地かんがい用などの公共的な機能を有する用水貯溜施設として、公共の用に供するため池であると認定できるものである。
 イ 次に、2について、中百舌鳥町のため池は入会地である以上、所有権、利用権を有するのは入会権者ということになる。上記判決は、中百舌鳥町自治会は大字金口の後身の入会団体であり当該ため池の所有者である、といとも簡単に認定している。大字金口の入会地の一部等が、昭和44年、「中百舌鳥町代表自治会長」の名において南海不動産株式会社に対して処分された事実などから、当該ため池の所有者であるとするのである。これは、当該ため池の所有権が入会権と一体的になっていることを捨象した認定であるといわざるをえない。
 すなわち、中百舌鳥町自治会が、当該ため池の所有者であるということは、当該ため池の入会権者でもあるということである。当該ため池の入会権者の履歴をたぐっていくと、当該ため池の428番1の所有者は、「大字金口共有地」と登記されており、ここでいう共有地は、総有を意味する入会共有であることは明らかである。
 したがって、当該ため池の所有者は、当該ため池の入会権者であり、大字金口という地域が存在した時点では、大字金口地域に存在する農業従事者(当該ため池を利用して耕作している農業従事者)が当該ため池の入会権者であり、共有者(総有者)であるということになる。当該ため池を利用せず、水下の農地を耕作することのなくなった大字金口地域の住民は、当該ため池の入会権者でなくなるのである。もちろん、当該ため池を使用、利用していた耕作農民が他所に転出すれば、その者は当該ため池の入会権者すなわち所有者でなくなるのである。また、新たに大字金口地域や中百舌鳥町に転入してきた農業従事者でない者も、当該ため池の入会権を取得するものではない。大字金口地域に存在する当該ため池を利用する農業従事者の団体と中百舌鳥町自治会との関係がまったく明らかにされておらず、そもそも大字金口地域と中百舌鳥町地域とが一致しているかどうかも不明、ないしは明らかではないのである。
 町村合併の経緯をたどっても、百舌鳥村が昭和13年に本市と合併する際に作成した部落有財産目録の中に当該ため池の土地が記載され、この土地は百舌鳥村の所有であることがうかがわれるが、所有者の百舌鳥村は、大正8年に中百舌鳥村と西百舌鳥村とが合併してできた村であり、中百舌鳥村にあると思われる中百舌鳥町自治会だけが西百舌鳥村を排除して所有するものではないし、西百舌鳥村に中百舌鳥町自治会が含まれているかどうかも明らかではない。
 他方で、少なくとも、中百舌鳥町自治会構成員全員(ないしは大多数)が、当該ため池を利用する農業従事者でない以上、中百舌鳥町自治会は当該ため池の入会権者ではなく、また、入会権者となれないはずのものである。よって、中百舌鳥町自治会が、当該ため池の共有(総有)権者とは認定できず、この点の上記裁判例の認定も誤っているといわざるをえないのである。
 以上のことから、当該ため池は、納税義務者が確定できない固定資産といわざるをえないと考えるものである。

4 結論

以上のとおり、平成17年度以降の固定資産税等の賦課徴収を違法に怠っているとの請求人の主張には理由がなく、この主張に基づく措置の請求についても理由がないものと判断する。

以上

このページの作成担当

監査委員事務局
電話:072-228-7899 ファックス:072-222-0333
〒590-0078 堺市堺区南瓦町3番1号 堺市役所高層館19階

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