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堺市
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平成20年12月28日 堺市監査委員公表 第48号

更新日:2012年12月19日

 地方自治法第242条第1項の規定に基づき平成20年11月4日に監査委員に提出された住民監査請求について、監査委員の合議によりその結果を下記のとおり決定したので、同条第4項の規定に基づき公表する。
平成20年12月28日
堺市監査委員 西村  昭三
同 松本  光治
同 木戸  唯博
同 小杉  茂雄

住民監査請求に係る監査結果

(平成20年11月4日請求)
<図書館における特定分野の図書の排除について>

目次

堺市監査委員公表第48号

第1 監査の請求

1 請求人

28名(氏名は省略)

2 監査請求書の提出

平成20年11月4日

3 請求の趣旨

1. はじめに

 堺市立図書館において、本年2008年7月頃、市民や市議らの強い要求を受けて、特定の図書が開架から排除され、廃棄処分されようとしている。しかし、それは許されない違法な行為であるから、速やかに当該排除、廃棄行為を中止しもしくは現状復帰すべきである。
 請求人は、すべての市民の知る権利、学ぶ権利を保障するために資料収集・提供を行い、市として全国屈指の図書の充実をはかってきた堺市の図書館を誇りに思いつつ、どんな種類の図書についても、著者が誰であろうと、出版社がどこであろうと、基本的に排除は許されないとの観点で住民監査請求を提起する。

2. 状況や背景について

(1) 図書館の位置づけ

 図書館は、図書、記録その他必要な資料を収集、整理、保存し、公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設(図書館法2条1項)、社会教育のための機関(社会教育法9条1項)、国民の文化的教養を高めるための施設(同法3条1項、教育基本法7条2項)である。
 公立図書館は、この目的を達成するために地方公共団体が設置した公の施設である(図書館法2条2項、地方自治法244条、地方教育行政の組織及び運営に関する法律30条)。
 図書館は、図書館サービスのため、資料を収集して一般の利用に供し、資料の分類排列を適切にし目録を整備し(図書館法3条)、「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準」(同法18条/文部科学省告示第132号/平成13年7月18日)では、設置者に対し、同基準に基づき、図書館サービスの実施に努めなければならないとし、【1】図書館資料の収集、提供等につき、住民の学習活動等を適切に援助するため、住民の高度化・多様化する要求に十分に配慮すること、【2】広く住民の利用に供するため、情報処理機能の向上を図り、有効かつ迅速なサービスを行うことができる体制を整えること、【3】住民の要求に応えるため、新刊図書及び雑誌の迅速な確保並びに他の図書館との連携・協力により図書館の機能を十分発揮できる種類及び量の資料の整備に努めることなどとされている。(以上は、最高裁第一小法廷平成17年07月14日判決(平成16年(受)第930号損害賠償請求事件(以下「最高裁17年判決」という)の判示と同旨)

(2) 本件図書館

 堺市立図書館は、「堺市立図書館条例(昭和56 年6月10日条例第25号)(設置)「第1条 図書館法(昭和25年法律第118号。以下「法」という。)第10条の規定に基づき、堺市立図書館(以下「図書館」という。)を設置する。」によって設置され、堺市立中央図書館、中図書館、東図書館、西図書館、南図書館、北図書館、美原図書館及び各分館とされる。
 当該図書館の図書は、市民の貴重な税金で購入され、相応の目的と手続きを経て取得し、各図書館で管理されてきた。

(3) 特定図書

 それらの図書の中に、一部の関係者らが「BL(ボーイズラブ)」とくくり、その排除等を求めたところの図書がある。それらは、従前より正規手続きを経て取得し、一部は閉架に配置し求めに応じて閲覧可能とし、一部は従前より展示室の開架にて一般の自由な閲覧に供していた。
 最近になって、一部の者らから撤去要求がなされたことで、本年7月から8月頃、それら特定の図書を統一して利用者の目に触れない閉架に移した。
市は、これら特定図書を「処分する」「保存しない」等と述べているとされている。正確には、次の(市の考え方)の「今後は、収集および保存、青少年への提供を行わない」とされる。

(4) 排除に関する要望の一部

 市と一部の者についての関連情報を抜粋してみると、以下のようである。
堺市の公式のWebページ・HP「市民の声Q&A」(http://www.city.sakai.osaka.jp/city/info/_shimin/data/5374.html)から抜粋。
 (市民の声)は約1割程度を抜粋、(市の考え方)は全文を示す(第1号証には全文あり)。
「BL図書を購入した趣旨や目的、またこれまでに購入した冊数及び購入費を教えてください」

 (市民の声)  現在、北図書館・南図書館・西図書館・中図書館という堺市の4つの大きな図書館において、一般に「BL(ボーイズラブ)」と称される少女向け男性同性愛の本が大量に開架されています。 ・・・本日、中央図書館とお話し、書庫のBLも処分するとのことです・・すみやかにBLを換金し、他の有益な図書の購入費に当てるよう、強く強く要望いたします。
 (市の考え方) ご指摘いただいた図書につきましては、出版されました初期には小説の一部として利用者からのリクエストを尊重し購入していた経緯がありました。図書館といたしましては、市民のご要望に応じて資料を提供することと、図書館として備えるべき資料を選択することの双方に、公立図書館の役割があると考えております。しかし、リクエスト数の増大や出版点数の増加とともに内容の過激化などの状況に対し一定の配慮が必要であると認識し、購入数は年をおって縮減しております。
これらの図書は、青少年の健全な育成を図る観点から、中央図書館では閲覧室に展示せず書庫入れとし、特に請求があった場合に閲覧可能としておりました。しかしながら館によっては、ご指摘のとおり閲覧室に展示していた状況がありましたので、すみやかに書庫入れにいたしました。今後は、収集および保存、青少年への提供を行わないことといたします。
 なお、お尋ねの購入冊数と購入金額の現時点での調査結果は、所蔵冊数5,499冊、金額3,668,883円です。
 図書館は、青少年の健全育成にかかる読書環境の醸成について、その成長段階に応じた感性に十分な配慮を払い、情報社会において自律性や自主性をもって図書や情報を選択できるように、読書の環境づくりを推し進める責任を負うものと認識しております。
 この度のご意見を真摯に受け止め、公立図書館として、市民の皆様とともに考えながら、期待と要求にそった適切な資料収集と情報提供に努めてまいります。

(分類)公共(市)施設>図書館>図書館管理・運営
(受付日)平成20年7月30日
(担当局部課)教育委員会事務局 中央図書館 総務課

(5) 市に「強く強く要望」したと推測される関係者らの情報

 インターネット上の掲示板から一部を抜粋する(第2号証-1にさらに長文のデータあり)。
フェミナチを監視する掲示板

http://www.azaq-net.com/bbs/bbs.cgi?tani6010

 公権力を濫用し、『男女共同参画』の名を借りて文化破壊、家族否定の『ジェンダーフリー』政策を推し進めるフェミ・ファシズムを告発し、国民の注意を喚起するBBSです。 
2008年07月31日

昨日、私の市の図書館にその後の経過がどのようになったかを確認しました。とりあえずはすでにBLの8割方を書庫へ・・近いうちにすべてのBLが書庫へ収納されることになりました。・・・とりあえずは最低限のことを迅速に・・ ただ、BLを置いていることに関しては、
1.リクエストがあった。
2.図書館には「固い本」から「柔らかい本」までピラミッド型に揃えるべき。
3.BLのような本はけっこう賢い子供が読む。だから、BLを読んだついでに勉強の本も借りてくれる。
 などと言うんですよ。特に3.は信じられない発言です。
 そして本日、市会議員さんからも、結果について連絡がありました。やはり「市内の全図書館においてBLを書庫へ収納する」とのことです。
2008年08月02日

 お住まいの行政・自治体における「共同参画」施策全般等にもどんどんチェックを入れられるのがよろしいかと存じます。
2008年08月12日

 府下の図書館視察の後、堺市の中央図書館にももう一度電話して置きました。そして書庫のBLに関しても「処分する」との約束をさせておきました。
2008年08月13日

BLがある変態図書館。
堺市立図書館 大阪市立図書館 茨木図書館 枚方市立図書館 滋賀県立図書館 目黒区立図書館 北海道立図書館 旭川市図書館 宮城県図書館 多賀城市立図書館 山形市立図書館 遠野市立図書館・・・
2008年08月14日

 これでも氷山の一角、破壊された日本女性作家達のおぞましき現状です。
 まさに通常の青少年有害図書を遥かに越える破壊力で、日本女性の精神破壊が行われています。このような有害図書を読んだ女性が果たして真っ当な恋愛、家族形成、子育てができるでしょうか?本当に由々しき事態です。あっという間に物凄い勢いで広まっています。
2008年08月17日

 今後は公立学校の図書室についても追及していきます。これは「情報公開センター」へ言ってみます。ネットで見る限り学校の図書室のほうがむしろ蔓延している・・
2008年08月18日

 図書館員や、私が相談した某市会議員との対話の中で、BL大量購入の意図が見え隠れしています。一つ目の理由は「男女平等(共同参画))であるらしいのです。「女性も男性と同じように楽しむべきだ」とでもいうのでしょうか?・・
2008年09月03日

 まだ、戦いは序盤戦をやっと終えたというところで、まだまだこれからが本番です
2008年09月06日

>堺市にBL本が多いのは~
 まあ、こういうアホな市ですから。↓
 堺市は、全国初の男女共同参画宣言都市です
 また、関係者は「ポルノ本に類する書物」等と断定する(世界日報10月28日記事/第3号証)。
 さらにその後、同掲示板は状況や議員の働きかけを表しているので抜粋する(第2号証-2)。
2008年10月30日

  「保存もしない」ということで、これは「処分する」と同義です。私自身、中央図書館の責任者からはっきりと「処分する」との回答を得ています。
2008年10月30日

 ○○議員ですね。さっそく連絡をとってみます。
 今度という今度は市議会で取り上げていただき、大問題にしてみましょう。
2008年10月31日

 堺市の図書館が今回、このような措置を取ったのは、結局は政治家が動いたからなんですね。実は、2、3年前にも私どもはBLに関して、堺市のHP上を通して質問をしたことがあるのです。しかし、その時は黙殺されてしまっていたのです。
 結局は市民の声だけでは、・・彼ら動かないのです。議員さんに頼らざるを得ないのです。

(6) 堺市の検討状況に関しての情報公開資料の一部を抜粋して示すとおり、これら図書について処分や閲覧制限する意図が明らかである。
ア 平成20年度第2回 図書館事業調整会議/平成20年7月25日 (第4号証の1)

4.案件
(6) その他
●ボーイズラブ資料(やおい本)の扱いについて
・経過について

  • 北図書館へ利用者からの電話
     【1】セクハラではないのか
     【2】子どもへの悪影響を図書館はどう考えているのか
     【3】購入、開架の基準はなにか
     見解についてHP等で公表してほしいとの要望
  • 南図書館へ「普通の本と並んでたくさんある。子どもを行かせたくない」との電話。
  • 市会議員から「有害図書?をどういう観点から購入しているのか」と問い合わせ。

・購入、開架していることについての図書館としての公式見解を示す必要がある。
・各館の状況と見解
・収入減少(19年度週857円、20年度週715円)に伴いリクエストも減っている。
・健全育成の観点から、YAコーナーに行かないように購入後すぐ書庫入れしている。

  • 図書館の設置目的から不必要と判断し書庫入れ。官能小説類も書庫に入れている。
  • 有害図書指定されているわけではないので、特別扱いするものではない。
  • 現在の取り扱い基準ができたのはカバー率の問題で内容の問題ではないのでは?
  • 内容に踏み込めなかったので、カバー率を理由としたが、スタートとしては内容も問題にしていたのではないか。
  • 隠せばいいという問題か?
  • 一括書庫入れしているのも提供の面から見てどうか。
  • 個人の問い合わせであり、全体の意見を反映しているのか疑問。
  • やおいというジャンルをイメージだけでくくるのは危険である。
  • さすがヤングアダルトコーナーに配架しているのは問題ありではないか。
  • よみもの保存館としては除籍等も考えてもらいたいと思っている。
  • 大人向けの官能小説に近いような資料もある。そちらはどうするのか。
  • 今後どうするのか考えるとなると、収集方針なども含めて検討しなければいけない。

→現在購入して開架しているからには当然なんらかの見解があるはずである。
どのように示すか、総務課としての案をサービス係で早急に(来週頭にはまとめる)。
イ 平成20年度第3回 図書館事業調整会議/平成20年8月20日 (第4号証の2)

「これからについて

主な意見
 すぐに全てを廃棄することは過去の購入そのものについての否定につながり、財源の無駄遣い→監査請求へとつながるおそれ、また特定の著者や出版社の著作の排除と受け取られるおそれが懸念される。
まとめ
 図書館法第2条にある「レクリエーション等に資する」という面から、現有の資料について不要なものとはしないが、保存の優先度は低いため、書庫スペース等を勘案して資料保存の対象とはしない。
ウ BL資料の取扱いについて/平成20年8月15日 (第4号証の3)

「1. 現状の確認

決定事項(平成20年8月8日館長会)

  • 全て閉架(書庫入)とする(※1)
  • 今後は収集しない(※2)
  • 青少年には貸出しない

(※1 貸出中のものは所蔵館返却時に確認して書庫入れする)
(※2 新刊選定での購入は8月2週よりストップしている)
既存資料提供の基準

  • 閉架別置済の既存資料については所蔵館で確認を行い、該当しないものは通常の閉架書架にもどす → (  月  日までに)

対象資料のデータ等

  • 所蔵情報
  • 場所・区分 書庫のまま もしくは 保管棚を使用 のどちらか
  • 配架場所 閉架 通常の閉架書架(一般分類)とは別置
  • 装備 別置することで請求時に区別可 もしくは 別のシール添付

その他

  • 既存所蔵分は所蔵対象から除く。現所蔵館においての分野同様に除籍基準( 内規)に従っての除籍作業を可とする。
  • 協力貸出での借受対象範囲から除く

エ BL資料の取扱いについて (通知)(案)/平成20年9月3日(第4号証の4)

「3.既存資料の取扱い

  • 書誌情報 現行どおり
  • 配架場所 閉架(書庫入れ)
     書庫内で別置(場所区分=保管棚2)
  • 装備 別シール(色テープ)で区別
     ※対象資料 所蔵5,499冊 /平成20年8月21日現在

4.今後の保存基準

分担保存の対象としない。(所蔵変更対象としない)
※書庫スペースの状況から既存資料の優先を考慮し、保存対象から除く。
※所蔵館において他の分担分野同様に資料除籍基準および除籍基準内規に従って除籍作業が可能。
(7) まとめ

本件において、公正、公平、中立である公の施設としての図書館に対して、ごく短期に、外部や市議会議員の相当強硬な圧力が加えられたことが明らかである。
とはいえ、職員の働きも記載されていることからすれば、図書館関係者に震撼が走り、図書館改革のひとつの原動力になったとも言うべき、「山口県立図書館図書抜き取り放置事件(1973年8月)」が思い起こされる。それは、山口県立山口図書館において、新館舎開館時、「一課長」によって、旧館舎時代開架されていた反戦平和問題関係図書など50数冊を段ボール箱に詰めて書庫の片隅に放置、利用者の指摘で明るみに出た事件である。
意図を持って、全国的あるいは他施設に対する企てが呼びかけられることは放置できない。
3.地方自治法第242条第1項で定義する支出もしくは怠る事実

本件図書は堺市の財産である。正当な手続き及び合理的判断に基づいて以前から取得し、閲覧に供していた図書を、除籍基準に適合しないまま廃棄処分することは、地方自治法第242条第1項「違法若しくは不当な財産の管理若しくは処分」にあたる。図書館設置者の管理の怠りは明白である。
本件請求にかかる財産は、個別の本につきどのように「BL本」と断定・分類したか、さらな全蔵書中の占有割合が高いのか低いのかは不明であるも、市が示す「所蔵冊数5499冊、金額366万8883円」である。
4.違法性について

(1) 憲法違反

特定図書を排除しようとする行為は、思想の自由、表現の自由は憲法に定められた基本的人権を侵害し、かつ、禁止された検閲であって、憲法違反である。
憲法第21条は「1.集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。 2.検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない 。」
としている。住民の私たちには、妨げられずに自由に表現を受け取る権利がある。
(2) 図書館の自由の原則からの逸脱は著しく不当である

「図書館の自由」とは、図書館で資料を収集し選択し提供する場合に問題となる課題である。「公共の福祉」の概念によって制約を受けることがあるとしても、本件には到底当てはまらない。本件は次の基本原則にも本質的に反しているから著しく不当というべきである。
社団法人日本図書館協会がまとめる「図書館の自由に関する宣言」(1954年採択 1979年5月30日改定)は、次のようである。
「図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することを、もっとも重要な任務とする。この任務を果たすために、図書館は次のことを確認し実践する。
第1 図書館は資料収集の自由を有する。
第2 図書館は資料提供の自由を有する。
第3 図書館は利用者の秘密を守る。
第4 図書館はすべての検閲に反対する。
図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまでも自由を守る」
なお、同協会の「船橋市西図書館蔵書廃棄事件裁判最高裁判決にあたって(声明)」(2005年8月4日)は、次である。
「・・本件判決は、公立図書館の職員による独断的な蔵書の廃棄は国家賠償法上違法となると判示することにより、公立図書館は国民の知る自由を保障する『公的な場』であると憲法上認知したものと言えるでしょう。この点、本判決は『宣言』の基本的立場に同意するものであり、今後の図書館事業にとって重要な指針を示したものと言えます。
図書館員の自律的規範を表明する『図書館員の倫理綱領』(1980年6月4日、総会決議。以下「綱領」)は、『図書館員は図書館の自由を守り、資料の収集、保存および提供につとめる』として、これを侵す『いかなる圧力・検閲をも受け入れてはならないし、個人的な関心や好みによる資料の収集、提供をしてはならない』としています・・・」
(3) 公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準」(図書館法第18条)違反
 図書館運営についての「基準」は図書館法に当初から規定されながら、長年、公示に至らなかった。しかし、法成立後半世紀を経て告示された。この「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準」(平成13年7月18日文部科学省告示第132号)では、図書館法第18条に基づき、文部科学大臣が「図書館の健全な発達を図るために、公立図書館の設置及び運営上望ましい基準を定め、これを教育委員会に提示するとともに一般公衆に対して示す」ものであるとされる。
これが現在の図書館の具体的な基準である。以下、抜粋する。
「 一、総則

(四)資料及び情報の収集、提供等 資料及び情報の収集に当たっては、住民の学習活動等を適切に援助するため、住民の高度化・多様化する要求に十分配慮するものとする。資料及び情報の整理、保存及び提供に当たっては、広く住民の利用に供するため、情報処理機能の向上を図り、有効かつ迅速なサービスを行うことができる体制を整えるよう努める。
二、市町村立図書館

(一)運営の基本 市町村立図書館は、住民のために資料や情報の提供等直接的な援助を行う機関として、住民の需要を把握するよう努めるとともに、それに応じ地域の実情に即した運営に努める。
(十)図書館協議会 図書館協議会を設置し、地域の状況を踏まえ、利用者の声を十分に反映した図書館の運営がなされるよう努める。
  図書館協議会の委員には、地域の実情に応じ、多様な人材の参画を得るよう努める。
(十一)施設・設備  本基準に示す図書館サービスの水準を達成するため、開架・閲覧、収蔵、レファレンス・サービス、集会・展示、情報機器・視聴覚機器、事務管理などに必要な施設・設備を確保するよう努めるとともに、利用者に応じて、児童・青少年、高齢者及び障害者等に対するサービスに必要な施設・設備を確保するよう努める。
今回の市の対応は、図書館法第18条及び「図書館運営の基準」を著しく逸脱し、その逸脱の程度はもはや違法というしかない。
(4) 除籍、廃棄行為の違法

ア.市は、これら特定図書を「処分する」「保存しない」という。すなわち、市の財産を圧力によって、処分しもしくは処分しようとしている。
 従前、それなりの図書としての必要性の認識のもとに明確な方針と基準に依拠して選定、取得し、保存、閲覧などの管理を行ってきた書籍が、一部の議員や市民らの声によってその位置づけが変わるということはあり得ない。
 また、一般に図書館等の図書には除籍基準があるところ、本件事情からみても、本件図書はとうてい「除籍対象資料」には当たらないから、違法な除籍をしたもしくは除籍しようとしている。
イ.堺市立図書館 資料収集方針(1990年3月1日)(第5号証)の
 基本方針1では、
 「すべての市民の知る権利、学ぶ権利を保障するために、図書館サービス網の総力をあげて、市民への資料提供を無料で行う。」
 「市民への資料提供は、市民の図書館に対する期待と要求にそった資料収集を前提としている。したがって、リクエストのあった資料は最大限提供するよう努める。」
 「図書館サービス網は、構成する館各々の活動の独白性を尊重しつつ、総体としての資料の豊かな蓄積と、その流通によって発展するものである。」
 基本方針2では、
 「2.すべての市民を奉仕対象とする公立図書館として、当面する次の課題にそって収集を行う。
 (1) 市民が資料の利用を通して学び、楽しみ、豊かな生活を創造するのに役立つ。
 (2) 市民が仕事のためや社会生活を送る上で、必要な知識や惜鞄を得るのに役立つ。
 (3) 子どもたちが読書の喜びを発見し、情緒豊かに成長していくのに役立つ。
 (4) 若者たち(ヤングアダルト)が多様なメディアによる資料を介して、自己の可能性を発見し、健やかに成長するのに役立つ。
 (5) 高齢者が、地域社会のなかで生きがいを持ち、社会参加するのに役立つ。
 (6) 図書館利用に障害のあるすべての人々が、市民として平等に図書館サービスを受けるのに役立つ。
 (7) 人権を守り、差別のない社会を創るために役立つ。
 (8) 地域社会の一員として、地域の文化や行政に関する理解を深めることに役立つ。
 (9) 主権者としての市民が、国政や地方自治など時事に関する理解を深め、行動することに役立つ。
 これらの事項を達成するために、図書に限らずあらゆるメディアによる資料を収集の対象として考える。」
 基本方針3では、
 「資料収集にあたっては、『図書館の自由に関する宣言』を基本精神とし、思想・信条の自由は最大限に生かすことを確認する。すなわち
 (1) 多様な、対立する意見のある問題については、それぞれの観点に立つ資料を幅広く収集する。
 (2) 著者の思想的・宗教的・党派的立場にとらわれて、その著作を排除することはしない。
 (3) 図書館員の個人的な関心や、好みによって選択しない。
 (4) 個人・組織・団体からの圧力や干渉によって、資料収集の自由を放棄したり、紛糾を恐れて自己規制したりしない。
 (5) 市民の知る権利は、表現の自由・言論の自由とともに出版の自由のもとに、はじめて達成できるものである。書籍や情報の流通に深くかかわっている図書館は、書店では入手困難な出版物も、十分注意して収集し、市民に提供する役割をもつ。
  資料の収集・提供に携わる図書館員は、自律的規範としての『図書館員の倫理綱領』を尊重して、その職務を遂行する。」
 基本方針4では、
 「図書館の収集した資料が、どのような思想や主張をもっていようとも、それを図書館および図書館員が支持することを意味するものではない。
 民主主義の基本は、個々の多様性を認め合うことであり、各々の資料が表現する思想や主張は、一人ひとりの読者が判断するものである。そのためにも、図書館は出版流通にのりにくい資料も含めて、さまざまな考え方をもつ資料をそろえ、利用に供さなければならない。」
 基本方針5では、
 「この立場を現実のものとするために、資料収集の実際にあたっては、奉仕担当者からなる選択会議が必要であり、そこでの判断が尊重される。さらに、図書館法第13条にあるとおり、選択・収集した資料と情報を、組織化して市民に提供する責任者は、図書館長である。」
ウ 堺市立図書館資料除籍基準(昭和47年4月1日制定、平成13年4月1日改定)(第6号証)は次のとおりである。
 1 趣旨
   この基準は、堺市立図書館(以下「図書館」という)資料の適切な維持・管理(魅力ある蔵書構成の維持)を図るために必要な資料の除籍について定める。
 2 除籍の基準
   除籍にあたっては常に全図書館の所蔵状況、出版事情を十分検討し、一冊一冊よく吟味して、将来の利用にも支障のないよう配慮しながら行うものとする。
 (1) 廃棄による除籍
   次の各号に該当する資料で、保存に適さないものは除籍することができる。
 【1】 著しい汚損、破損または書きこみ等があり補修が不可能なもの
 【2】 科学技術の進歩等により、記述内容が時代に合わなくなったもの(注1)
 【3】 同一内容で更新(買い替え)されたもの(注2)
 【4】 複本で保存の必要のないもの
 【5】 類書で保存の必要のないもの(注3)
 【6】 その他、出版事情、蔵書構成、利用者の需要及び資料の保存価値を総合的に判断して保存する必要がないと認められるもの
 (2) 事故等による除籍
 【1】 亡失による資料(災害その他で亡失の届け出のあったもの)
 【2】 所在不明資料(引き続き5年以上不明のもの)   
 【3】 回収不能資料(返却予定日から5年以上経過し、所定の手続きを経て回収が不可能なもの)
 (3) 合本、製本による除籍
 (4) 移管による除籍
 備考 
 (1) 資料の保存については『堺市立図書館資料保存基準』に基いて行う。
 (2) 雑誌については別途定める。
 (3) その他、府立図書館との連携、近隣各市町村図書館との相互協力等を、勘案すること。
エ.また、図書館の責務として「資料の収集、保存」は重要であるところ、いったん収集した資料を保存しないという廃棄の方針はこの責務に反する。
オ.以上の方針や基準、責務に照らして、本件図書の廃棄処分または貸し出し不可能な閉鎖状態で保管することは著しく恣意的であり、図書館の目的を著しく逸した違法な行為である。
(5) 図書館職員としての基本的な職務上の義務違反
 図書館の蔵書管理に関して、従来は管理者側の広範な裁量判断が許されると考えられてきた。しかし、最高裁17年判決(船橋市西図書館蔵書破棄事件)において原則が示された。次である。
司書が「新しい歴史教科書をつくる会」会員らの著書計107冊を除籍・廃棄基準に該当しないにもかかわらず除籍・廃棄したことについて、後日の新聞報道によって教育委員会が調査に動き、関係者を処分し、破棄された図書は弁償した。著者らは提訴、東京地裁、東京高裁は破棄の違法性を認定したものの蔵書の管理は市の自由裁量とし、著者の権利を侵害したとは言えないとして請求を棄却した。
 しかし、最高裁は2005年7月14日(最高裁17年判決)、廃棄は著者の人格的利益を侵害する違法行為と認定、二審判決を破棄し審理を同高裁に差し戻した。
差し戻し審の東京高裁は、賠償金計2万4000円、一人あたり3000円とした(平成17年(ネ)第3598号損害賠償請求控訴事件。東京高裁平成17年11月24日判決)。この賠償額を不当とした「つくる会」側の再上告は棄却された(最高裁第二小法廷平成18年4月7日決定)。
 当初の最高裁17年判決の判示の要点は以下である。前記2の(1)と同様の判示に続いて、
「・・公立図書館の上記のような役割、機能等に照らせば、公立図書館は、住民に対して思想、意見その他の種々の情報を含む図書館資料を提供してその教養を高めること等を目的とする公的な場ということができる。
そして、公立図書館の図書館職員は、公立図書館が上記のような役割を果たせるように、独断的な評価や個人的な好みにとらわれることなく、公正に図書館資料を取り扱うべき職務上の義務を負うものというべきであり、閲覧に供されている図書について、独断的な評価や個人的な好みによってこれを廃棄することは、図書館職員としての基本的な職務上の義務に反するものといわなければならない。」
 これを本件に当てはめてみれば次のとおりである。
 本件図書はいずれも、当初は相応の手続きで必要性を認定して市の公費で取得した書物である。その図書に関して、外部からの特定の圧力でそれまでの収集・管理・閲覧方法を変更すること自体、「独断的な評価や個人的な好みによってこれを廃棄することは、図書館職員としての基本的な職務上の義務に反するものといわなければならない。」(最高裁17年判決)に当たる行為である。
 地方自治体の図書館が購入して現に市民の閲覧に供している図書を除籍してその閲覧を中止しもしくは廃棄した職員らには、公務員として当然に有すべき中立公正や不偏不党の精神が欠如していたことは明らかである。
たとえ、職員間の合意がはかられたとしても、会議の合意の存在が職務上の義務違反を正当化できるものではない。
結局、本件における職員らの職務上の義務違反は明らかである。
(6) 公の施設に関する利用制限や差別的扱いとしての違法
 地方公共団体の「公の施設」である図書館や女性センターほか各種のセンターなどは、地方自治法第244条「普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設(これを公の施設という。)を設ける。」によって設置されているのであるが、同法同条 「2 普通地方公共団体(指定管理者を含む。)は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。」 「3 普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない。」とされている。
本件のように、特定意図による図書の排除や処分は、上記規定に反して住民の権利を侵害しもしくは住民を差別するものである。よって、公の施設の利用という観点から、本件図書の排除は地方自治法第244条第2項及び3項に違背する。
(7) 「児童の権利に関する条約」(子どもの権利条約)違反
 前記2で述べた経過からすれば、本件の発端は子どもへの影響の配慮があるとも受け止められ、今後「青少年への提供を行わない」とされている。
 この点に関して、児童の権利に関する条約第13条は以下を明文する。
「 1 児童は、表現の自由についての権利を有する。この権利には、口頭、手書き若しくは印刷、芸術の形態又は自ら選択する他の方法により、国境とのかかわりなく、あらゆる種類の情報及び考えを求め、受け及び伝える自由を含む。
2 1の権利の行使については、一定の制限を課することができる。ただし、その制限は、法律によって定められ、かつ、次の目的のために必要とされるものに限る。
(a)他の者の権利又は信用の尊重
(b)国の安全、公の秩序又は公衆の健康若しくは道徳の保護 」
結局、本件、図書館の対応は、児童の権利に関する条約第13条に反するというべきである。
(8) 堺市男女平等社会の形成の推進に関する条例違反
 「堺市男女平等社会の形成の推進に関する条例」(平成14年3月28日条例第8号)は、冒頭の(附則)において「・・豊かで安心できる社会を築いていくには、これまでの固定化された男女の役割にとらわれず、その個性と能力を十分に発揮するとともに、あらゆる分野において男女が対等に参画できる男女平等社会の実現が重要・・私たちは、堺市の主要政策として、男女平等社会の実現を目指す・・」とし(目的)第1条、(基本理念)第3条、(市の責務)第4条、(教育関係者等の責務)第7条、(性別による権利侵害の禁止)第8条の各規定があるところ、これらにも反する。

(9) 本件に関与した「公務員」の 国家賠償法上の違法
 最高裁17年判決は次のようにも判示している。
 「・・他方、公立図書館が、住民に図書館資料を提供するための公的な場であるということは、そこで閲覧に供された図書の著作者にとって、その思想、意見等を公衆に伝達する公的な場でもあるということができる。したがって、公立図書館の図書館職員が閲覧に供されている図書を著作者の思想や信条を理由とするなど不公正な取扱いによって廃棄することは、当該著作者が著作物によってその思想、意見等を公衆に伝達する利益を不当に損なうものといわなければならない。そして、著作者の思想の自由、表現の自由が憲法により保障された基本的人権であることにもかんがみると、公立図書館において、その著作物が閲覧に供されている著作者が有する上記利益は、法的保護に値する人格的利益であると解するのが相当であり、【要旨】公立図書館の図書館職員である公務員が、図書の廃棄について、基本的な職務上の義務に反し、著作者又は著作物に対する独断的な評価や個人的な好みによって不公正な取扱いをしたときは、当該図書の著作者の上記人格的利益を侵害するものとして国家賠償法上違法となるというべきである。・・・」
このとおり、本件に関与した「公務員」には、国家賠償法上の違法があることは明らかである。
(10) 当然に許されないこと

 社会通念上も、公序良俗としても、社会正義としても、本件のような財産管理は許されない。
(11) その他

2006年5月、福井県の男女共同参画施設・生活学習館の情報コーナー蔵書(2600冊)のうち153冊が、県男女共同参画推進員のクレームにより排除・除架されていたことが明らかになった。その要求は、同性愛を許容し家族解体まで目指す内容の本を県費で運営する施設に置くべきではないという主旨のものである。福井県は閉架に移動させたが、それに対して、検閲だとする知事あて抗議文や監査請求が県民や関係団体から提起され、後に蔵書は戻された。
図書館であっても、男女共同参画を推進する施設など特定の施策にかかる図書コーナーであっても、意見が様々あり、時に対立する問題については、それぞれの観点に立つ資料を幅広く提供するのが「図書館機能を有する施設」の責務と役割である。
5.自治体の損害

市の金銭的損害という観点においては、本件では2008年7月30日堺市公表の数字である「所蔵冊数5499冊、金額366万8883円」である。
これら棄損もしておらずその他の点も含めて除籍基準に適合しない書籍を、廃棄処分にしたり貸し出し不可能な閉鎖状態で保管することは、取得費が無駄になるので市の損害となることは明らかである。
なお、いわゆるBL本の定義が何であるかは不明だが、図書館はその後も図書を閉架に移動し、9月11日の集計では「5706冊」(移動図書リスト/第7号証)となっていることから、正確な冊数及び損害額等は、監査委員の調査・監査を待つしかない。
6.関係する職員、つまり職務上の責任がある者

本件図書の廃棄処分または貸し出し不可能な閉鎖状態で保管すること(当該行為)の意思決定と具体的行為に関与した図書館及び教育委員会の職員の全て、図書館組織の全体責任として教育長、図書館の設置者であり市の公金や財産の管理についての全責任として市長、これら職員が上記損害について連帯して賠償責任を負うべきである。
7.監査委員に求める措置

(1) 地方自治法第242条の2第1項の考え方
地方自治法第242条第1項で定義する住民監査請求の対象の行為等をより明確した住民訴訟についての地方自治法第242条の2第1項は以下を規定する。
「 一 当該執行機関又は職員に対する当該行為の全部又は一部の差止めの請求
三 当該執行機関又は職員に対する当該怠る事実の違法確認の請求
四 当該職員又は当該行為若しくは怠る事実に係る相手方に損害賠償  」

(2) よって、本件請求人は、住民監査請求及び住民訴訟の制度の趣旨に鑑み、「本件図書の廃棄処分または貸し出し不可能な閉鎖状態で保管すること(当該行為)」をしないように当該行為の差止めの勧告を求める。

(3) もし、一部にしろ、すでに当該行為がなされたのなら、当該行為が財産の管理を怠る違法なことであると確認し、勧告をすることを求める。

(4) 一部にしろ、すでに当該行為がなされたのなら同図書を直ちに本来の管理状態に復帰させるよう勧告をすること、具体的には、「前記職員らは連帯して(最高で)金額366万8883円を返還する」(8月以降、対象が増えたとのデータもあり、本件監査によって対象書籍の増加が確認され、金額が増えたのならその金額である)よう勧告すること。
 もしくは当該怠る事実に係る職員らに損害賠償の命令をするよう勧告することを求める。
8.議会選出監査委員の除斥の申し立て

上記で述べ、書証が示すとおり、本件の経緯において「複数の市議会議員」の関与が記録され、また、議員の関与は世界日報の報道(第3号証)でも示され、「議会で取り上げ」ともされている。
すなわち、公正公平な監査の実現のためには、監査委員のうち、市議会選出の委員は関連事案として「除斥」されることが不可欠である。
よって、請求人は、議会選出監査委員は本件審査に加わるべきでないことを強く申し立てる。
以上、地方自治法第242条第1項により、事実証明書を添えて、必要な措置を請求する。

「事実証明書」の目録
(出典) 以下はいずれもインターネットで公開されている資料である。
第1号証  堺市の公式Webページ「市民の声Q&A」の全文 (冊数、金額などの明示あり)
第2号証-1 インターネット上の「フェミナチを監視する掲示板」から(2008年7月~9月)
第2号証-2 同 (同10月末)
第3号証  「世界日報」2008年10月28日付記事
「堺市図書館に大量の同性愛小説 5500冊、過激なイラストも」
「世界日報(せかいにっぽう)は日本で発行される統一協会(世界基督教統一神霊協会)系列の右派・保守系新聞。統一協会の関連会社、『世界日報社』が発行している。1975年1月1日創刊。」(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
(出典) 以下はいずれも堺市が情報公開した資料である。
第4号証-1 平成20年度 第2回 図書館事業調整会議/平成20年7月25日
第4号証-2 平成20年度 第3回 図書館事業調整会議/平成20年8月20日
第4号証-3 BL資料の取扱いについて(館内での確認事項など)/平成20年8月15日
第4号証-4 BL資料の取扱いについて (通知)(案)/ 平成20年9月 3日
第5号証 堺市立図書館 資料収集方針 (1990年3月1日)
第6号証 堺市立図書館資料除籍基準(昭和47年4月1日制定、平成13年4月1日改定)
第7号証 堺市立図書館で「移動した」いわゆるBL本のリスト(計5706冊) (2008年9月11日時点) (全273頁のうちの前5頁及び後5頁を提出)
以上
(原文のとおり。ただし、一部の行間、文字間、書体の変更などを行っている。また、事実証明書については目録のみを記載した。)

第2 監査の実施

1 要件審査及び請求の受理

 本件請求は、地方自治法第242条第1項に規定する要件を具備しているものと認め、平成20年11月13日にこれを受理した。

2 請求人の証拠の提出及び陳述

 地方自治法第242条第6項の規定に基づき、平成20年12月9日、堺市役所高層館19階・監査室において請求人及び堺市住民監査請求代理人に対し証拠の提出及び陳述の機会を設けた。
 この陳述においては、請求人等から新たな説明資料の提出があり、本市図書館が一部の市民の不当な要求を受けてBL図書という特定分野の図書を選別し、廃棄しようとしたことは不適切であり、またBL図書の選別基準も不明確・不統一であるなど、請求人の主張についての補充説明が行われた。

3 監査対象部局

教育委員会事務局(中央図書館)

4 監査対象部局からの事情聴取等

 本件について、教育長に対して請求に係る意見書の提出を求めるとともに、平成20年12月9日、監査対象部局の職員から、本件請求に関する事実及び意見について事情を聴取した。その概要は以下のとおりである。

(1) 事情を聴取した者

教育次長(管理担当)、中央図書館館長、中央図書館副館長兼総務課長、中央図書館総務課参事 ほか

(2) 本件請求に関する意見等

ア 堺市立図書館の役割について
 本市図書館については、図書館法に定められている「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設」であると認識している。
 本市図書館は、市民が利用しやすい図書館として基本的な図書館サービスを確実・柔軟に提供し、社会経済情勢の変化に的確に対応した運営を心がけ、市民及び利用者の読書や情報に対するニーズ、意見、要望等を適切に受け止め、常に業務やサービスを見直し、関係法令等に照らし、図書館行政を推進している。

イ 図書(資料)の取り扱いについて

【1】 収集
 本市図書館における図書(資料)は、図書館法に定められている「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資すること」を目的とし、「堺市立図書館資料収集方針」に基づき収集している。
 本市図書館の図書(資料)は、「多様な、対立する意見のある問題については、それぞれの観点に立つ資料を幅広く収集する。」、「著者の思想的・宗教的・党派的立場にとらわれて、その著作を排除しない。」、「図書館員の個人的な関心や、好みによって選択しない。」、「個人・組織・団体からの圧力や干渉によって、資料収集の自由を放棄したり、紛糾を恐れて自己規制したりしない。思想・信条の自由は最大限に生かすことを確認する。」とする収集方針にある基本的な観点に立ち選択し収集している。
【2】 保存・管理
 本市図書館の所蔵の図書(資料)は、「堺市立図書館資料保存基準」に基づき保存している。また、図書の管理についても、市民のニーズや図書の新鮮度、蔵書構成など総合的な観点から判断して開架(閲覧室)及び閉架(書庫)で保存・管理している。
 収集図書のうち、表紙、挿し絵、イラスト等で特に過激な性的描写等のある図書については、青少年に配慮する観点から、開架せず書庫に収蔵し、請求があった場合に、閲覧及び貸出しに対応している。
【3】 廃棄
 本市図書館所蔵の図書(資料)は、適切な維持・管理を図るために「堺市立図書館資料除籍基準」に基づき、常に全図書館の所蔵状況、出版事情を十分検討し、一冊一冊よく吟味して、将来の利用にも支障のないよう配慮しながら廃棄を行っている。
 除籍基準における廃棄する主な事由は、「著しい汚損、破損または書きこみ等があり補修が不可能なもの」、「科学技術の進歩等により、記述内容が時代に合わなくなったもの」、「同一内容で更新(買い替え)されたもの」や「出版事情、蔵書構成、利用者の需要及び資料の保存価値を総合的に判断して保存する必要がない」ことなどとしている。

ウ 請求人の主張に対する意見

 請求人の「特定の図書を開架から排除し廃棄処分しようとしている」という主張については、本市図書館は他の図書の取扱いと同様に「堺市立図書館資料保存基準」及び「堺市立図書館資料除籍基準」に基づき取り扱うため、廃棄していない。よって、請求人の「廃棄処分しようとしている」という主張には当たらない。
 また、今年7月に「市民の声」における問題提起を受け、青少年に配慮するため、表紙、挿し絵、イラスト等で特に過激な性的描写のある図書について、従来通り書庫に入れ、9月3日以降、18歳未満の青少年への貸出しも、いったん停止し、調査・検討を行ってきたが、未成年の利用実態がほとんどなく、年齢制限にも法的根拠がないため、11月14日から青少年への貸出制限を解除した。
現在のところ、表紙、挿し絵、イラスト等で特に過激な性的描写のある図書の取り扱いについては、自由な読書活動を尊重しつつ青少年に配慮するため、開架せずに閲覧室の延長線上にある書庫に収蔵し、請求があった場合には、閲覧、貸出に対応している。よって、請求人の「貸し出し不可能な閉鎖状態で保管することは著しく恣意的」という主張にも当たらない。
 なお、今年7月に寄せられた「市民の声」で、一部の特定分野の図書の購入冊数や購入金額を明らかにするように求められ、8月に冊数等を公表したことについて、この特定分野の図書の分類・定義や判断基準が曖昧で明確でないにもかかわらず、調査・検討のために、それに該当するものと思われるものを抜き出したもので、すべてが過激な性的描写があるものではない。この補足説明を加えずに、選定集計を公表したことは適切ではなかった。

第3 監査の結果

1 本件の監査対象事項

 請求人が本件において主張する事実は、堺市の図書館が所蔵する特定分野の図書の廃棄処分を行い又は行おうとし、あるいは貸し出し不可能な閉鎖状態で保管しているとの事実であり、請求人はこれらの事実を住民監査請求の対象である当該行為又は怠る事実としていると解される。
 よって、【1】請求人の主張する事実が存在するかどうか、及び【2】事実があるとすれば、その事実が違法若しくは不当な当該行為又は怠る事実といえるかどうかを、本件の監査対象事項とした。

2 請求人の主張する事実について

(1) 請求人が主張する事実を確認するため、主張に関連する事実経過を整理すると、次のとおりであった。
【1】 平成20年7月24日 北図書館に対し、市民から電話でBL図書の所蔵等についての問題提起があった。
【2】 平成20年7月25日 南図書館に対し、市民から北図書館と同様の問題提起があった。
【3】 平成20年7月25日 平成20年度第2回図書館事業調整会議において、昨日からの経過報告とともに、BL図書と称される図書の取り扱いについて各図書館の状況と見解を聴取し、今後の取り扱い方針等を検討した。
【4】 平成20年7月30日 本市ホームページの「市民の声」Q&Aにおいて、一般にBL図書と称される図書を公費で購入した趣旨、目的、購入冊数、購入費用に関する市民からの質問を受け付けた。
【5】 平成20年7月31日  中央図書館はBL図書と称される図書の冊数を集計等する必要から、各図書館に対し、BL図書に該当すると思われるものを特定し、開架されているものを書庫等に集めることを指示した。(BL図書かどうかの判断基準は明確ではなかったが、書店などで分類されている著者、シリーズ名、出版社などを参考に、BL図書に該当すると思われるものを各図書館の複数の司書が判断することとしていたとのことである。)
【6】 平成20年8月8日 館長会議において、BL図書に該当すると思われるものについて、[1] すべて閉架(書庫入れ)とすること [2]今後は収集しないこと、[3]18歳未満の者には貸出ししないこと、を決定した。
【7】 平成20年8月13日 中央図書館は、各図書館に対し、BL図書に該当すると思われるものについて、表紙及び本文のイラスト・文章表現で性描写の表現が激しいものがないかどうかの内容確認を指示した。
【8】 平成20年8月20日 平成20年度第3回図書館事業調整会議において、8月8日の館長会議で決定された事項について確認し、書庫入れの作業手順等を検討した。
【9】 平成20年8月22日 中央図書館総務課は7月30日に受け付けた「市民の声」Q&Aについて回答を行った。この回答は9月2日、本市ホームページに掲載された。
【10】 平成20年8月29日 館長会議において、BL図書に該当すると思われるものについて、18歳未満の者へ閲覧・貸出しをしないことや書庫内の一定の書棚にまとめて保管すること等を内容とする「BL資料の取扱いについて」を決定した。
【11】 平成20年9月3日 8月29日の館長会議の決定内容について、「BL(ボーイズラブ)資料の取扱いについて」と題する文書を中央図書館総務課長から各図書館長あてに通知した。
【12】 平成20年11月4日 本件住民監査請求が提出された。
【13】 平成20年11月14日 館長会議において、9月3日付けの「BL資料の取扱いについて」を変更し、18歳未満の者への閲覧・貸出しは制限しないことを決定した。同日、中央図書館総務課長から各図書館長あてに、変更内容について、11月14日から実施することを通知した。
【14】 平成20年11月28日 館長会議において、これまで書庫内の一定の書棚にまとめていた図書は、一般図書として取り扱うことを確認した。
(2)
ア 請求人の主張する事実のうち、図書の廃棄処分を行い又は行おうとした事実について、監査対象部局からの意見書及び事情聴取等によると、堺市立図書館における図書は、図書の保存・整理等に関する事務(以下「図書整理事務」という。)を担当する複数の司書が、図書館資料の適切な維持・管理を図るために制定された「堺市立図書館資料保存基準」及び「堺市立図書館資料除籍基準」(以下「本市除籍基準」という。)に該当するかどうかを、図書の保存・整理等に関する司書の専門的見地及び経験をふまえて判断し、本市除籍基準等に該当する図書について除籍を行った後に廃棄している。
イ 本市除籍基準における除籍事由は、a-1 著しい汚損、破損または書きこみ等があり補修が不可能なもの、a-2 科学技術の進歩等により、記述内容が時代に合わなくなったもの、a-3 同一内容で更新(買い替え)されたもの、a-4 複本で保存の必要のないもの、a-5 類書で保存の必要のないもの、a-6 その他、出版事情、蔵書構成、利用者の需要及び資料の保存価値を総合的に判断して保存する必要がないと認められるものについて行う廃棄による除籍のほか、b 亡失等の資料について行う事故等による除籍、c 合本・製本による除籍、d 他の図書館への移管による除籍となっており、特定分野の図書であることを理由とした除籍及び廃棄は含まれていない。
ウ 以上のことから、特定分野の図書であることを理由とした除籍及び廃棄は、堺市立図書館における図書整理事務として行われていないと判断される。
 また、(1)に前述した事実経過において、本件住民監査請求の対象とされている図書が廃棄されていないことについても、監査対象部局の意見書及び事情聴取等において明言しており、監査委員においてもこの事実を確認している。
エ 次に、貸し出し不可能な閉鎖状態で保管しているとの事実についてみると、本件図書の保管については、本件図書は平成20年9月3日以降、これまで閲覧室に開架されていたものが書庫内の一定の書棚にまとめられ、18歳未満の者への閲覧及び貸し出しが制限されていたが、平成20年11月14日にはこれらの制限が解除され、閲覧及び貸し出しの請求があった場合にはこれに応ずることとされたことが、(1)に前述した事実経過から確認されている。
オ 以上のことから、請求人が住民監査請求の対象とした事実は、存在しなくなったものと認められる。

3 結論

 以上のとおり、請求人が住民監査請求の対象とした事実は存在しなくなったと判断される以上、本件の住民監査請求は主張の前提を欠くこととなり、請求人の主張を検討するまでもなく理由がないものと判断される。
以上

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