このページの先頭ですサイトメニューここから
このページの本文へ移動
堺市
  • 音声読み上げ・文字拡大・ふりがな
  • サイトマップ
  • くらしの情報
  • 子育て・教育
  • 健康・福祉
  • 観光・歴史・文化
  • 産業・ビジネス
  • 市政情報


本文ここから

平成19年4月23日 堺市監査委員公表 第25号

更新日:2012年12月19日

地方自治法第242条第1項の規定に基づき平成19年2月22日に監査委員に提出された住民監査請求について、監査委員の合議によりその結果を下記のとおり決定したので、同条第4項の規定に基づき公表する。

平成19年4月23日

堺市監査委員 木戸 唯博
堺市監査委員 西林 里子

住民監査請求に係る監査結果

平成19年2月22日請求

<市議会議員2名の政務調査費について>

目次

堺市監査委員公表第25号

第1 監査の請求

1 請求人

1名(省略)

2 監査請求書の提出

平成19年2月22日

3 請求の趣旨

堺市議会議員は、堺市議会の会派等に対する政務調査費の交付に関する条例に基づき、各会派あてに議員一人あたり月額30万円の政務調査費が交付されている。平成13年度に地方自治法が改正され、100条13項、14項に基づき各地方公共団体の条例で交付することが定められた。ところが、急速な条例づくりは全国議長会の準則まる写しが多く、使途基準など具体的な内容については、法・条例の目的とは矛盾し、議員にとって都合よく定めたものが多く、不備なものになっている。最近では東京都目黒区議会では、公明党区議が政務調査費の違法支出により、辞職報道など、その実態が明らかになり、市民の批判の的となっている。
 そこで、請求人は、堺市議会会派のうち、比較的詳細に政務調査費の内容について明らかにしているA議員、B議員の政務調査費に着目して、本件監査請求を行うものである。

第1 A議員

1 C会派 2003年度(2003年4月から2004年3月)

(1) 調査旅費・・・・・・・・・・・・・・・ 619,940円
 2003年10月22日から11月2日までの間、A議員は、D政治研究所主催において、海外視察に出ている。同研究所は、A議員の政治団体であり、当該団体の運営経費をたとえ参加費であっても、政務調査費を充当することは違法である。
 議会議員の海外派遣について、A議員は、反対の立場をとっているのに対し、政務調査費を充当することは大きな矛盾である。
(2) 資料購入費・・・・・・・・・・・・・・・21,660円
 書籍の名称、定期刊行物等の内容(書名)、冊数がまったく不明である。
(3) 広報費・・・・・・・・・・・・・・・・ 696,492円
 A議員の議会活動報告紙は、著作権違反の違法な印刷物であることは、明らかである。違法な著作物に対し、政務調査費を充当することは許されない。
(4) 広聴費・・・・・・・・・・・・・・・・・14,855円
 議会報告紙配布時に、ボランティアスタッフ、事務員に茶菓子代と称して、平成17年の使途の状況からして、政務調査費を充当している可能性が高い。
(5) 人件費・・・・・・・・・・・・・・・ 1,210,000円
 A議員は、D政治研究所、A推せん会の2つの政治団体を有しており、そのそれぞれに、事務担当者をおいている。大阪府選挙管理員会の提出書類に記載されている会計責任者や事務担当者は、政務調査費を充当する事務職員としても雇用されている。
 政務調査費を政治団体の事務に当たる職員の人件費に充当することは違法である。
(6) 事務所費・・・・・・・・・・・・・・・ 687,618円
 A議員は、D政治研究所、A推せん会の2つの政治団体を有しており、その事務所は、個人事務所と同一の所在地、すなわち、A議員の自宅である。
 政治団体の事務所経費に政務調査費を充当することは違法である。
 合計 3,250,565円

2 C会派 2004年度(2004年4月から2005年1月)

(1) 調査旅費・・・・・・・・・・・・・・・・44,370円
 高知県知事選挙の選挙応援に政務調査費を充当することは違法である(2004年11月20日 A日記)が、平成17年の使途の状況からして、政務調査費を充当している可能性が高い。
(2) 資料購入費・・・・・・・・・・・・・・・42,390円
 書籍の名称、定期刊行物等の内容(書名)、冊数がまったく不明である。
(3) 広報費・・・・・・・・・・・・・・・・739,725円
 A議員の議会活動報告紙は、著作権違反の違法な印刷物であることは、明らかである。違法な著作物に対し、政務調査費を充当することは許されない。
(4) 広聴費・・・・・・・・・・・・・・・・・39,022円
 議会報告紙配布時に、ボランティアスタッフ、事務員に飲食代と称して、政務調査費を充当している可能性が高い。
(5) 人件費・・・・・・・・・・・・・・・1,135,760円
 A議員は、D政治研究所、A推せん会の2つの政治団体を有しており、そのそれぞれに、事務担当者をおいている。大阪府選挙管理員会の提出書類に記載されている会計責任者や事務担当者は、政務調査費を充当する事務職員としても雇用されている。
 政務調査費を政治団体の事務に当たる職員の人件費に充当することは違法である。
(6) 事務所費・・・・・・・・・・・・・・・958,452円
 A議員は、D政治研究所、A推せん会の2つの政治団体を有しており、その事務所は、個人事務所と同一の所在地、すなわち、A議員の自宅である。
 政治団体の事務所経費に政務調査費を充当することは違法である。
 合計 2,959,719円

2 E会派 平成16年度(2005年2月から2005年3月)

 収支報告書上、A議員の政務調査費の使途については、他の3名の所属議員分が含まれているため、明らかではないが、前記の通り、(1)調査旅費、(2)資料購入費、(3)広報費、(4)広聴費、(5)人件費、(6)事務所費にそれぞれ相当額の違法支出の存在を指摘することが可能である。

3 E会派 2005年度(2005年4月から2006年3月)

(1) 調査旅費
 淡路市議会議員選挙応援に政務調査費を充当することは違法である(2005年6月29日、9月9日、9月18日、11月19日、11月20日 A日記)。
 また、2005年12月24日、2006年1月29日、2月19日、3月18日はそれぞれ、F党の設立準備のための会合であることは明らかであり、当該会合の参加経費である交通費は、F党ないし準備会の参加者の個人負担であるべきであって、政務調査費を充当することは違法である(同日記)。
(2) 資料購入費
 書籍の名称、定期刊行物等の内容(書名)、冊数がまったく不明である。
(3) 広報費
 A議員の議会活動報告紙は、著作権違反の違法な印刷物であることは、明らかである。違法な著作物に対し、政務調査費を充当することは許されない。
(4) 広聴費
 議会報告紙配布時に、ボランティアスタッフ、事務員に茶菓子代と称して、政務調査費を充当している可能性が高い。
(5) 人件費
 A議員は、D政治研究所、A推せん会の2つの政治団体を有しており、そのそれぞれに、事務担当者をおいている。大阪府選挙管理員会の提出書類に記載されている会計責任者や事務担当者は、政務調査費を充当する事務職員としても雇用されている。
 政務調査費を政治団体の事務に当たる職員の人件費に充当することは違法である。
(6) 事務所費
 A議員は、D政治研究所、A推せん会の2つの政治団体を有しており、その事務所は、個人事務所と同一の所在地、すなわち、A議員の自宅である。
 政治団体の事務所経費に政務調査費を充当することは違法である。
 A議員は、2005年2月より、B議員らとともにE会派を会派結成しており、それ以降、A議員の政務調査費の使途について、他の3人の議員との間で明確に区別できないが、算術平均で推定すると、2003、2004、2005年度において、1,035万480円(推定)の違法支出が認められる。
 計算式
 (2003年度11ヶ月分・3,250,565円+2004年度10ヶ月分・2,959,719円)÷21ヶ月=295,728円
 1ヶ月あたりの違法支出額(推定)295,728円×35ヶ月=10,350,480円

4 E会派 2006年度(2006年4月から2006年3月)

 前述のとおり、A議員の政務調査費の使途については、(1)調査旅費、(2)資料購入費、(3)広報費、(4)広聴費、(5)人件費、(6)事務所費について、毎期継続した違法性が指摘できる。請求人は、監査委員に対し、E会派のA議員の支出について、必要な措置を執ることを求める。

第2 B議員

1 E会派 平成16年度(2005年2月から2005年3月)

 収支報告書上、B議員の政務調査費の使途については、他の3名の所属議員分が含まれているため、明らかではないが、他の堺市議会議員と比較して、突出して多額となる(2)資料購入費の支出みられる。相当額の違法支出の存在を指摘することが可能である。
(1) 資料購入費
 書籍の名称、定期刊行物等の内容(書名)、冊数が明らかでない。

2 E会派 平成17年度(2005年4月から2006年3月)

 収支報告書上、B議員の政務調査費の使途については、他の3名の所属議員分が含まれているため、明らかではないが、(2)資料購入費、にそれぞれ相当額の違法支出の存在を指摘することが可能である。
(1) 資料購入費
 書籍の名称、定期刊行物等の内容(書名)、冊数が明らかでない。
 議員個人の興味関心から、図書を購入することが考えられ、その場合には、政務調査費を充当することは違法となる。2005年度事業実施報告書をみるとある程度の書籍の内容が把握できるが、確定した書名の内容を記載しておらず、判然としない。

請求人は、監査委員に対し、違法不当な支出の返還を求めるなど必要な措置を講ずる勧告をされるよう、地方自治法242条1項に基づき事実証明書を添付して監査請求する。なお、住民監査請求の要件である1年の制限については、A議員、B議員の不法行為に基づくものであって、「真正怠る事実」の関係にある。監査請求の期間請求の期限に服さないのであって、また、監査・検査も行われず是正を怠っていることから、期間徒過には正当な理由がある。
 なお、本件の監査請求は監査委員4人のうち、議員選出の二人が当事者で除斥されるほか、監査委員は長年このような事態を放置し、具体的に政務調査費の使途について、領収書を堺市議会・会派から徴するなど「実査」をしなかったのであって、独立性につき疑問がある。本件は外部監査で監査されるよう合わせて請求する。
 (会派の名称を「C会派」、議員の名称を「A議員」などと記し、「A日記」の表記について一部語句を省略したほかは、原文のとおり。)

事実証明書 (掲載を省略)
1 収支報告書、事業実施報告書
2 A日記(抜粋)

第2 監査の実施

1 要件審査及び請求の受理

本件請求は、債権管理の権限を有する市長が、違法不当に支出された政務調査費の当該会派に対する返還請求を怠る趣旨と解されるから、地方自治法第242条第1項に規定する要件を具備していると認められたので、平成19年3月8日にこれを受理した。
 なお、監査委員西惠司及び星原卓次は、議会議員から選任された委員であり、本市議会に所属する議員として政務調査費の支出に関係している。よって、本件請求は「自己の従事する業務に直接の利害関係のある事件」にあたることから、地方自治法第199条の2の規定により除斥となった。

2 個別外部監査を求めることについて

本件請求は、政務調査費に関し、違法不当な支出の返還を求めるなど必要な措置を講ずることを求めるものであり、特に監査委員に代わる外部の者の判断を必要とし、あるいは、特に専門的な知識や判断等を必要とする事案ではないと考えられる。
 したがって、監査委員の監査に代えて個別外部監査契約に基づく監査を実施することが相当であるとは認められない。

3 請求人の証拠の提出及び陳述

請求人から、地方自治法第242条第6項に規定する証拠の提出及び陳述を行わない旨の申出書が、平成19年3月15日付けで提出された。

4 監査対象部局

財政局(財政課)、議会事務局(総務課)

5 監査対象部局からの事情聴取等

本件について、市長に対して請求に係る意見書の提出を求めるとともに、平成19年3月20日、監査対象部局の職員から、本件請求に関する事実及び意見について事情を聴取した。その概要は以下のとおりである。

(1) 事情を聴取した者

(財政局) 財政局理事兼財政部長、財政課長 ほか
(議会事務局)議会事務局長、総務課長 ほか

(2) 本件請求に関する意見等

ア 政務調査費について
 議員の調査研究に資するため必要な経費の一部として交付される政務調査費は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第100条第13項及び第14項において、交付の対象、額及び交付の方法は条例で定めなければならないこと並びに条例の定めるところにより収入及び支出の報告書(以下「収支報告書」という。)を議長に提出しなければならないことを定めている。
イ 本市の政務調査費について
 本市においては、法に基づき、堺市議会の会派等に対する政務調査費の交付に関する条例(平成13年条例第2号。以下「条例」という。)を制定し、交付対象、交付額及び交付の方法、収支報告書の提出、政務調査費の返還等に関して規定している。
 また、条例に基づき、堺市議会の会派等に対する政務調査費の交付に関する条例施行規則(平成13年規則第27号。以下「規則」という。)を制定し、具体的な使途基準、交付対象である会派等における会計処理方法、収支報告書提出時の事業実施報告書の添付等に関して規定している。
 なお、条例及び規則には、会派等が政務調査費を支出したときの領収書の添付を義務付ける規定は設けられていない。
ウ 請求者の主張に対する意見
 政務調査費については、条例第4条、規則第6条に政務調査費の使途基準が規定されているが、どのような調査研究をするかについては、会派等あるいはそこに所属する議員の自主的な判断を最大限尊重するという考えが根底にあり、議会における会派等の市政に関する調査研究には、広範な分野での研究、研修、調査、視察及び資料購入などにより議員活動の活性化を図り、もって市政に反映されることが期待されている。
 したがって、現行の地方自治制度における議会と執行機関との関係に鑑みると、一般的には、明らかに趣旨に反しない限り違法・不当といえないものと考える。
 なお、本市では、条例第5条及び規則第7条に会派等に経理責任者を定めること、経理責任者に対し経理書類の徴収、整理をする義務を課すなどの規定をしている。
 さらに、条例第6条及び規則第8条の規定に基づき、それぞれ収支報告書及び事業実施報告書が議長に提出されており、その写しは市長に送付されている。これらの書類の送付を受け、条例第7条第1項及び第2項の規定に則して、「残余の額がないこと」や「その使途が第4条の規定に明らかに違反していると認められないこと」をそれぞれ確認している。

第3 監査の結果

1 本件の監査対象事項

請求人は、A議員が所属したC会派及びE会派が、平成15年度から平成18年度までに支出した政務調査費と、B議員が所属したE会派が平成16年度(平成17年2月及び3月)及び平成17年度に支出した政務調査費中に、A議員またはB議員が違法不当に支出したものがあると主張する。
 また、住民監査請求の要件である1年の制限(地方自治法第242条第2項)については、正当な理由があり、制限されない旨を主張する。
 以上のような請求人の主張及び本件請求の受理において解釈した措置請求の内容から、〈1〉本件に地方自治法第242条第2項は適用されるか、〈2〉本件において、政務調査費が違法不当に支出されたかどうか、〈3〉市長は政務調査費の返還請求を違法若しくは不当に怠っているか、を監査対象事項とした。

2 地方自治法第242条第2項の適用について

地方自治法第242条第2項には、財務会計行為のあった日または終わった日から1年を経過したときは、正当な理由がない限り住民監査請求ができない旨を規定する。
 しかし、本件請求の対象は、C会派及びE会派によって違法不当に支出された政務調査費の返還請求を怠る事実である。よって、本件請求については、行為のあった日や終わった日を想定できず、地方自治法第242条第2項は適用されないと判断する。

3 政務調査費の支出について

(1) 請求人の主張

 本件において、A議員及びB議員の所属会派が、政務調査費を違法不当に支出したとする請求人の主張は、次のとおり区別される。
ア 政務調査費の使途規準に違反するとの主張
 a 議会活動報告紙配布時にボランティアスタッフ等への「茶菓子代」や「飲食代」を政務調査費から支出した可能性が高い。
 b 高知県知事選挙の選挙応援に係る経費を政務調査費から支出した可能性が高い。
 c 平成16年度(2月・3月分)のA議員の政務調査費の使途については、調査旅費、資料購入費、広報費、広聴費、人件費、事務所費にそれぞれ相当額の違法支出の存在を指摘することが可能である。同様に、平成18年度のA議員の政務調査費の使途については、毎期継続した違法性が指摘できる。
 d A議員が有している政治団体に置かれている事務員は政務調査費を支出する事務員としても雇用されており、政治団体の事務員の人件費を政務調査費から支出しているが、これは違法である。
 e A議員が有している政治団体の事務所の所在地はA議員の個人事務所と同一であり、A議員は政治団体の事務所経費を政務調査費から支出しているが、これは違法である。
 f A議員の政治団体が主催した海外視察へのA議員自身の参加費は政治団体の運営経費にあたり、このような参加費を政務調査費から支出することは違法である。
 g A議員の議会活動報告紙は、著作権違反の違法な印刷物であることは明らかである。違法な著作物に対し、政務調査費を支出することは許されない。
 h 淡路市議会議員選挙の選挙応援やF党の設立準備のための会合にA議員が参加したことはA日記から明らかであり、選挙応援に係る経費や会合に参加するための交通費を政務調査費から支出したことは違法である。
イ 収支報告書及び事業実施報告書(以下「収支報告書等」という。)の記載が具体的でないとの主張
 a A議員及びB議員が購入した書籍の名称、定期刊行物等の内容、冊数等がまったく不明である。

(2) 政務調査費の使途基準に違反するとの主張についての検討

ア 本市政務調査費の使途については、〈1〉政務調査費は、規則に定める使途基準に従って使用するものとし、市政に関する調査研究に資するため必要な経費以外のものに充ててはならない(条例第4条)こと、〈2〉政務調査費の使途基準は、おおむね規則別表(政務調査費の使途基準)に掲げるとおりであり、交際費及び党費その他の政党活動に関する経費に充ててはならない(規則第6条)ことが規定されている。
 したがって、請求人は、上記アのaからhの場合について、政務調査費の支出が上記条例第4条及び規則第6条に違反している事実(以下「使途違反の事実」という。)を主張するものと考えられる。
イ 住民監査請求は、監査請求の対象となる行為または怠る事実を証する書面(以下「事実証明書」という。)を添えてしなければならないと規定されており(地方自治法第242条第1項)、この規定の趣旨は、請求人の主観や憶測だけで監査を求める弊害を防止することにあるとされている。このような規定の趣旨から、上記使途違反の事実は、事実証明書に記載されているなど、一定の客観性が示されていることが求められていると考えられる。
 よって、本件使途違反の事実が事実証明書から確認されず、請求人の主観や憶測に基づいて主張されていると認められる場合は、住民監査請求の要件を欠き、住民監査の対象とはならないと解される。
ウ このような観点から、上記アのaからhまでの請求人の主張を検討する。
 (ア)a、b、c、d、eにおいては、ボランティアスタッフ等への「茶菓子代」等の支出、高知県知事選挙の選挙応援における旅費等の支出、平成16年度(2月・3月分)及び平成18年度の政務調査費における調査旅費等の支出、A議員の政治団体に関する人件費や事務所費の支出について、本件の事実証明書である事業実施報告書に記載されていない。
 また、fにおいては、A議員の政治団体が主催した海外視察へのA議員の参加費が政治団体の運営経費にあたる理由が、gにおいては、当該議会活動報告紙が著作権法上違法である理由が監査請求書に示されておらず、事業実施報告書にも記載されていない。
 以上のとおり検討すると、上記アのaからgにおける請求人の主張は、住民監査請求において求められる一定の客観性が示されることなく行われており、請求人の主観や憶測に基づいて主張されていると考えられる。
 したがって、上記アのaからgの主張は、住民監査請求の要件を欠いており、監査の対象とはならないものである。
 (イ)これに対し、hにおいては、A議員が淡路市議会議員選挙の際に選挙事務所及び議会事務局を訪問したことや、F党の会合に参加したことが、事実証明書であるA日記に記載されている。また、淡路市への調査や団塊世代の社会活動の方向に関する調査について調査旅費が支出された事実が、同じく事実証明書であるE会派の事業実施報告書に記載されていることが認められる。よって、hの主張については、事実証明書に記載されていることによって一定の客観性が示されており、請求人の主観や憶測に基づいて主張されているものではない。
エ そこで、アのhの主張について検討する。
 (ア)政務調査費制度は、地方議会の活性化のために議員の調査活動の基盤の充実を図る観点から、議会の会派等が行う調査研究の費用を助成するものとして制度化されたものである。
 地方自治制度においては、議会と首長は、対等の立場で相互のチェック・アンド・バランスにより行政運営を行っている。このような議会と首長の関係からすると、議会や議員の活動は、首長の支配、干渉を受けないことが保障されなければならない。
 したがって、政務調査費の使途については、会派や議員の自主的な判断に委ねられ、広範な裁量が認められていると考えられる。よって、政務調査費の使途違反の検討にあたっては、明らかに本市市政に関する調査研究に資することがない場合を除いては、使途違反と判断されないと考えられる。
 (イ)これを事業実施報告書の当該箇所からみると、淡路市において行われた調査内容については「淡路島北部4町の合併で誕生した淡路市において、在任特例期間が終了した後に行われた市議選の模様を調査した。」と記載されており、A日記からも、おおむね事業実施報告書の記載に沿った事実が確認できる。
 したがって、A議員は淡路市において以上の情報収集を行ったと認められ、このような調査活動のために調査旅費を支出したことは、本市市政に関する調査研究に資することがないとはいえない。
 (ウ)また、F党の会合への参加について事業実施報告書の当該箇所をみると、団塊世代の社会活動の方向に関する調査である旨が記載されている。
 よって、本件会合への参加は、議員が通常行う調査活動の一環であると認められる。このような調査活動のために調査旅費を支出したことは、本市市政に関する調査研究に資することがないとはいえない。
 (エ)以上のとおり、アのhにおける請求人の主張には理由がないと判断する。

(3) 収支報告書等の記載が具体的でないとの主張についての検討

ア 請求人は、収支報告書等の記載が不充分なため具体的な内容が不明であるとしており、収支報告書等の記載が、政務調査費が使途基準に従って使用されたことを判断できる程度に具体的でない場合には、政務調査費の支出そのものが違法不当であると主張するものと解される。
イ 政務調査費の収支報告書については、地方自治法第100条第14項において、政務調査費の交付を受けた会派または議員は、条例の定めるところにより、当該政務調査費に係る収支報告書を議長に提出するものと規定されている。
ウ 収支報告書等の提出に関する条例及び規則をみると、次のように規定されている。
 〈1〉 政務調査費の交付を受けた会派等の代表者及び経理責任者は、規則で定める様式により、収支報告書等を前年度の交付に係る政務調査費について毎年4月30日までに作成し、議長に提出しなければならない(条例第6条第1項及び第2項、規則第8条第1項)。
 〈2〉 議長は、収支報告書等が提出されたときは、速やかにそれらの写しを市長に送付し、収支報告書をその提出期限の日から起算して3年を経過する日まで保存しなければならない(条例第6条第4項及び第8条第1項、規則第8条第2項)。
 〈3〉 議長が保存する収支報告書は、堺市情報公開条例(平成14年条例第37号)の定めるところにより公開する(条例第8条第2項)。
 〈4〉 会派等の経理責任者は、政務調査費の支出について会計帳簿を調製するとともに、会計書類、領収書等の証拠書類及び預金通帳を整理し、これらの帳簿、書類等を当該政務調査費に係る収支報告書の提出期限の日(預金通帳については、最終記載日)から起算して3年を経過する日まで保管しなければならない(規則第7条第6項)。
エ 以上のように、収支報告書等の提出に関する条例及び規則は、〈1〉収支報告書等は、会派等の代表者及び経理責任者が規則で定める様式により作成し、議長に提出すること、〈2〉収支報告書の原本は議長が保存・公開すること、〈3〉収支報告の基礎となる会計書類、領収書等の証拠書類及び預金通帳は、会派等の経理責任者が整理・保管すること、〈4〉市長に対しては、議長が収支報告書等の写しを送付することを定め、政務調査費の使途に関する会計書類及び証拠書類等を、議会側が自ら管理・保有することを規定している。
オ 政務調査費の使途については、前述のとおり、会派や議員の自主的な判断に委ねられ、広範な裁量が認められていると考えられる。
 一方、収支報告書等の記載方法については、条例、規則において特に規定されておらず、規則において様式が定められているのみである。また、議会内部において収支報告書等の記載方法を定めた内規や申し合わせ事項等も確認されていない。
 以上のことからすると、収支報告書等は、その記載方法について広範な裁量を有すると考えられる会派等の判断と責任において、条例及び規則の規定に従って記載されるものと考えられる。
カ これを本件についてみると、本件各会派の収支報告書等は、当該会派の代表者及び経理責任者において、政務調査費制度の趣旨を踏まえ、条例、規則が定めた様式に従って記載されている。
 したがって、記載が具体的でないことをもって政務調査費の支出が違法不当であるという請求人の主張には、理由がないと考えられる。

4 結論

以上から、A議員及びB議員の政務調査費の支出が違法不当であるとする請求人の主張には、理由がないと判断する。
 したがって、市長が政務調査費の返還請求を違法若しくは不当に怠っているかどうかを検討するまでもなく、請求人の主張には理由がないものと判断される。
以上

このページの作成担当

監査委員事務局
電話:072-228-7899 ファックス:072-222-0333
〒590-0078 堺市堺区南瓦町3番1号 堺市役所高層館19階

このページの作成担当にメールを送る

本文ここまで

サブナビゲーションここから

住民監査請求監査

情報が見つからないときは

世界文化遺産を大阪に 百舌鳥・古市古墳群

サブナビゲーションここまで


以下フッターです。
Copyright © Sakai City. All Rights Reserved.
フッターここまでこのページの上へ戻る