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堺市
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平成19年2月26日 堺市監査委員公表 第8号

更新日:2012年12月19日

地方自治法第242条第1項の規定に基づき平成18年12月28日に監査委員に提出された住民監査請求について、監査委員の合議によりその結果を下記のとおり決定したので、同条第4項の規定に基づき公表する。

平成19年2月26日

堺市監査委員 西 惠司
堺市監査委員 星原 卓次
堺市監査委員 木戸 唯博
堺市監査委員 西林 里子

住民監査請求に係る監査結果

平成18年12月28日請求

国民健康保険料の不納欠損処理誤りについて

目次

堺市監査委員公表第8号

第1 監査の請求

1 請求人

1人(氏名は省略)

2 監査請求書の提出

平成18年12月28日

3 請求の趣旨

毎日放送による本年10月26日の放送によれば、「堺市が、徴収すべき国民健康保険料1億2,500万円余りを欠損金として不適切に処理し、本年9月28日付住民監査請求により、不適切処理が発覚したが、既に、そのうち、2,000万円が時効成立したという。」
 これに対し、堺市担当課は、「正直申し上げて、2,000万円分の世帯は(支払の可能性が)なかったとは言わないが、そもそも納付が困難な世帯だった」と述べ、不適切処理の責任を認めようとしないものである。
 納付な困難な世帯に対し、分納誓約を結ばせたものであるが、分納誓約とは、そもそも、滞納者の資力に応じて、相当の計画に基づき、取り交わされるものである。
 堺市担当課の上記発言は、矛盾しているとしか、言えない。
 また、2006年12月28日における新聞報道によれば、新たに4億3千万円もの不適切処理により、国民健康保険料の徴収権が消滅したことが判明した。
 よって、請求人は、堺市監査委員に対し、次の請求を行う。

  1. 上記、時効成立による堺市の損害について関係者に賠償を求めること。
  2. 時効が成立していない滞納国保料を不納欠損扱いにし、これを時効完成させたことが違法であることの確認すること。
  3. その他、堺市の損害を回復するのに必要な措置をもとめること。

以上
(原文のとおり)

事実証明書 (掲載を省略)
  1. 平成18年10月28日付新聞記事(読売、産経、毎日、朝日)
  2. 平成18年12月28日付新聞記事(読売、朝日、産経、日経)

第2 監査の実施

1 要件審査及び請求の受理

本件請求の要件を審査した結果、地方自治法第242条第1項に規定する要件を具備していると認められたので、平成19年1月9日にこれを受理した。

2 請求人の証拠の提出及び陳述

請求人から、地方自治法第242条第6項に規定する証拠の提出及び陳述を行わない旨の申出書が平成19年1月22日付けで提出され、同日これを収受した。

3 監査対象部局

健康福祉局(保険年金管理課)、堺区役所、中区役所、東区役所、西区役所、南区役所、北区役所、美原区役所(各区役所の保険年金課)

4 監査対象部局からの事情聴取等

本件について、市長に対して請求に係る意見書の提出を求めるとともに、平成19年1月25日、監査対象部局の職員から、本件請求に関する事実及び意見について事情を聴取した。また、その後も関係部局への聞き取り調査を行い、本件請求に関する事実と監査対象部局としての意見を聴取した。その概要は以下のとおりである。

(1) 事情を聴取した者

(健康福祉局)
 健康福祉局長、保険年金担当部長、福祉推進部副理事兼保険年金管理課長、国保特別滞納対策室長兼堺区役所保険年金課参事 ほか
(各区役所)
 堺区・中区・東区・西区・北区・美原区の区長及び中区・東区・西区・北区・美原区の保険年金課長、南区長、南区総務部長、南区保険年金課長 ほか

(2) 本件請求に関する意見等

ア 事実の経過
 【1】 平成18年10月5日に実施通知があった住民監査請求について、南区役所で事実調査をする過程で、時効消滅していない滞納保険料を不納欠損扱いとした例(以下「事務処理誤り」という。)が、平成18年10月13日に判明した。
 【2】 同年10月14日から、事務処理誤りについて、南区役所における平成17年度の不納欠損処理を対象として精査を行い、その結果を同年10月27日に報道提供により公表した。
 【3】 その後、事務処理誤りにつき、滞納保険料の徴収猶予申請書や分納誓約書等の保存年限の関係から、平成15年度から平成18年度の不納欠損処理を対象として、全市的な精査を行い、その結果を同年12月27日に報道提供により公表した。(ただし、平成18年度分の経理上の不納欠損処理は、平成19年3月に実施する予定。)
イ 本市における滞納保険料の不納欠損処理事務
 本市における上記の事務は、次のとおり行われていた。
 【1】 毎年3月下旬(平成18年度分は平成18年4月上旬)、保険年金管理課が、保険料を納期限後2年(保険料の時効期間)以上滞納している世帯を電算処理により抽出した不納欠損対象者リストと、不納欠損処理事務についての通知文とを、各支所(区)保険年金課に送付する。
 【2】 各支所(区)保険年金課は、不納欠損対象者リストに記載の世帯について、保険料の一部納付による時効中断や徴収猶予申請書及び分納誓約書による時効中断の有無を確認し、時効消滅していない世帯にマーキングをし、保険年金管理課へ送付する。
 【3】 毎年4月、保険年金管理課は、リスト上にマーキングされていない滞納保険料について、当該世帯のオンライン画面の該当年度に「不納欠損予定」である旨を表示させる。
 【4】 出納整理期間が経過した6月上旬、保険年金管理課は不納欠損処理の予定世帯のうち、対象年度の滞納保険料に関して保険料が一部納付されるなど対象年度の状況が変化した世帯のリストを、各支所(区)保険年金課へ送付する。
 【5】 各支所(区)保険年金課は、上記リストに記載の事実を確認し、時効中断があればその旨を保険年金管理課へ連絡する。
 【6】 保険年金管理課は、各支所(区)保険年金課からの連絡に基づき、時効中断のあった分を除き、オンライン画面の該当年度に「不納欠損」である旨を表示し、その内容に基づき不納欠損世帯一覧表を出力する。
 【7】 不納欠損処理の経理上の決裁については、翌年3月下旬、不納欠損世帯一覧表を添付し、保険年金管理課が起案。各支所保険年金課長の合議のうえ、福祉推進部保険年金担当部長の専決を受けていた(平成18年度分は、平成19年3月に、各区役所保険年金課が起案し、堺市区役所事務決裁規則の専決規定により区次長又は総務部長が決裁する予定。)。
ウ 本件精査の方法
 精査の方法は、対象年度の不納欠損世帯一覧表をもとに、滞納保険料の徴収猶予申請書、分納誓約書、電算システムのオンラインの画面、交渉記録等の関係書類を照合し、事務処理誤りの有無を1件ずつ判断するというものであった。
エ 精査の結果
 (ア) 時効消滅した滞納保険料の額について
 精査の結果、各区役所において、事務処理誤りにより時効消滅した滞納保険料の額は下表のとおりであった。

事務処理誤りにより時効消滅した滞納保険料の額(円)
区役所名
15年度 16年度 17年度 18年度

5,045,294 19,343,524 3,541,406 27,930,224

2,987,022 4,014,369 5,755,034 12,756,425

4,453,758 11,010,235 2,383,162 17,847,155
西
10,451,546 6,834,006 10,899,956 28,185,508
19,959,680 174,332,657 88,883,472 27,705,553 310,881,362

9,064,272 13,489,431 9,838,124 32,391,827
美原

17,300 60,000 77,300
19,959,680 206,334,549 143,592,337 60,183,235 430,069,801

 (イ) 南区役所以外の区役所について
 事務処理誤りの体様はさまざまであるが、南区役所以外の各区役所(平成17年度以前は各支所)においては、分納誓約や徴収猶予の対象年度、申請の有無及び申請日、猶予期間終了月等の見誤りや、不納欠損から除外する世帯の記号番号や対象年度のマーキングミスであり、その原因は、事務の繁忙期において大量の事務処理を短時間で行う過程で生じた事務誤りであると考えられる。
 (ウ) 南区役所について
 これに対し、南区役所(平成17年度以前は南支所)の平成16年度以降の不納欠損処理においては、分納誓約書や徴収猶予申請書の確認が行われていなかった。その原因は、保険年金管理課が毎年3月に各区保険年金課長あてに送付していた不納欠損処理についての通知文の内容が、充分に理解されていなかったためである。
オ 本件請求に関する意見
 (ア) 国民健康保険制度の概況について
 国民健康保険制度の被保険者は、農林水産業者や自営業者を中心として創設されたが、他の医療保険に属さない人すべてを被保険者としているため、人口の高齢化や産業構造の変化等を受けやすい。
 近年、急激な高齢化、経済低迷並びに産業構造の変化にともない、被保険者に占める農林水産業者や自営業者の割合が減少し、高齢者、無職者、年金受給者の割合が増加している。また、被用者保険からの加入が増加し、収入の不安定な世帯が多くなっている。
 その結果、保険料の収納率は、全国的にも低下傾向であり、本市においても収納率の向上は緊切な課題として取り組んでいる
 (イ) 各区役所保険年金課の事務について
 各区役所保険年金課は、国民健康保険のほかに老人保健医療、老人医療、障害者医療、ひとり親家庭医療及び乳幼児医療並びに国民年金に関する事務を担当している。
 このなかの国民健康保険の事務は、不納欠損処理に関係する保険料の収納事務だけではなく、国民健康保険被保険者の資格得喪、被保険者証や高齢受給者証等の交付、高額療養費や出産育児一時金等の保険給付、保険料の賦課や減免の決定、保険料の納付相談や徴収猶予など、さまざまな事務を担当している。
 また、近年頻繁に行われる医療制度改革などによって、これらの事務がさらに複雑化しており、煩雑な事務の対応にも追われている状況である。
 (ウ) 国民健康保険料の収納確保に対する取り組みについて
 本市では、これまで収納の確保を図るため、窓口での納付相談を担当する係による納付指導、各種の申請時における滞納保険料の納付指導、また、職員による滞納保険料の夜間・休日訪問徴収を実施してきている。
 平成11年度からは、滞納保険料の徴収の向上を図るため、滞納保険料の徴収を専門とする短期臨時職員(平成17年度から徴収非常勤職員)を雇用し、土曜・日曜を含めた徴収体制をとり、収納の確保、新たな滞納保険料の増加の防止に努めるとともに口座勧奨も進めている。
 また、休日・夜間の納付相談窓口を開設するとともに、催告書を送付し納付勧奨を行い、なお改善の見られない世帯に対しては滞納処分を実施している。
 平成12年度からは徴収体制強化の一環として各区役所(支所)に収納対策担当を配置して高額滞納世帯や納付交渉困難世帯を担当させ、さらに平成15年度には国保特別滞納対策室を設置して、年間収納計画に基づき各区役所と一体となって滞納保険料の徴収に努めている。
 (エ) 不納欠損処理を誤った世帯の状況等について
 今回、南区役所(南支所)においては、徴収猶予申請及び分納誓約書の提出が時効中断であるという認識の不足並びに書類の見誤りなどの原因で、不納欠損処理を誤った世帯の状況について調査すると、【1】生活困窮状態が続いていて、徴収猶予申請が複数年にわたり継続している世帯、【2】分納誓約したものの生活困窮のため、誓約による納付が続かなかった世帯、【3】居所不明が確認された世帯、【4】生活保護の受給世帯、【5】破産開始決定を受けた世帯、【6】営業不振や失業、病気療養等の事情で生活が困窮している世帯が多く見受けられた。
 また、南区役所(南支所)を除く各区役所(各支所)の、書類の見誤りにより不納欠損処理を誤った世帯においても、上記【3】から【6】の世帯が多く確認された。
 以上のように、不納欠損処理を誤った世帯には保険料の納付が困難な世帯が多いことから、今回の誤りに起因する堺市への損害は、発生していない可能性が高いと考える。
 また、今回の不納欠損誤りは、故意ではなく、重過失に至らない事務上のミスと考えており、損害を賠償する必要はないものである。

第3 監査の結果

1 本件の監査対象事項

請求人は、時効が成立していない滞納保険料を不納欠損扱いにし、これを時効完成させたこと(以下「本件取り扱い」という。)が違法であると主張し、違法な行為により発生した本市の損害について関係者に賠償を求めること、及びその他本市の損害を回復するのに必要な措置を求めることを、監査委員に対して請求する。
 このような請求人の主張内容から、【1】本件取り扱いは違法か、【2】本件取り扱いにより本市に損害が発生したか、【3】損害が発生したとすれば、その損害賠償責任を負う関係者はだれか、を監査対象事項とした。

2 本件取り扱いについて

(1) 不納欠損処理とは、普通地方公共団体の歳入決算において、既に調定されている債権が、消滅時効の完成(以下「時効消滅」という。)など、法令又は条例の規定によって消滅した場合に、その債権額を不納欠損額として表示することをいう。
 このように、不納欠損処理は、消滅した債権の状況を明らかにするものであり、その権限は債権管理の一環として市長に属すると解される(地方自治法第149条第6号、第237条第1項、第240条第1項)。
 よって、本件取り扱いが違法となるのは、不納欠損処理に際して債権管理権限が逸脱または濫用された場合である。
(2) 滞納保険料に関する本市の不納欠損処理の事務処理手順は、納期限後2年(保険料の時効期間)以上を経過した保険料債権から時効中断等により消滅していない債権を除外し、残った債権を不納欠損処理の対象とするものである。
 本件取り扱いは、以上のような本市の不納欠損処理の事務処理手順において、時効消滅していない債権の納付交渉を打ち切って時効消滅させてしまったものであり、本市の債権管理の手続を逸脱するものとして違法であると考える。

3 本市に発生した損害について

本件取り扱いにより、本市に損害が発生したといえるかどうかについて検討する。
本件取り扱いにより時効消滅した滞納保険料の総額は4億3,006万9,801円であるが、本件で本市に発生した損害額は、当該滞納保険料について納付の可能性がある額であり、その額は滞納者の収入等の状況によっては滞納保険料の額を下回る場合があると考えられる。
 このような損害額の確定は困難であるが、一定の損害が発生している可能性は否定できないものと考える。

4 損害賠償責任の有無を検討すべき関係者について

住民監査請求は、違法若しくは不当な財務会計行為等を行った者に対して必要な措置を講ずべきことを請求する制度であるから、請求の対象者は財務会計行為等を行う権限を有する者に限られる。
 本件においては、本件取り扱いが違法と主張されているので、本件取り扱いについて権限を有する市長と、市長から専決権限を受けた専決権者たる補助職員が請求の対象者であり、損害賠償責任の有無を検討すべき関係者と考えられる。
 本件においては、市長や専決権者たる補助職員に違法な行為を行う故意はなかったと考えられるので、以下これらの関係者について、損害賠償請求権の成立要件としての過失の有無を検討する。

(1) 市長について

ア 本件の損害賠償請求は、違法な債権管理行為から損害が発生したとの趣旨で行われており、普通地方公共団体の現金や物品等の亡失又は損傷、あるいは支出負担行為や支出命令を違法に行うことによって損害を与えた場合ではないので、地方自治法第243条の2は適用されない。よって、市長の本市に対する損害賠償責任については、民法が適用され、民法第709条(不法行為)が実体法上の根拠となる。そこで、市長の職務執行について、民法第709条に規定される過失の有無を検討する。
イ 市長は市の事務を管理しこれを執行する権限と責任を有している(地方自治法第148条)。ただし、市長はその補助機関たる職員を指揮監督する(地方自治法第154条)との規定からすると、市長は市の事務のすべてを自ら執行するものではなく、一般的な事務については補助職員を指揮監督することによってその職務を執行する趣旨であると考えられる。
 よって、市長の職務執行についての過失とは、補助職員に対する指揮監督上の過失を意味していると考える。
ウ 監査対象部局への事情聴取等によると、本件取り扱いの原因は、【1】徴収猶予申請、分納誓約の時効中断効や時効の進行等に関する認識不足、及び【2】徴収猶予申請書等の関係書類をもとに、時効中断の有無を目視により判断する作業(以下「チェック作業」という。)において生じてしまったケアレスミスであると考えられる。
 このように解される結果、原因【1】は補助職員の指導等によって防止すべき事柄であり、もし市長が指導等を怠った場合には、市長に指揮監督上の過失が認められると解される。
 これを本件についてみると、原因【1】については、保険年金管理課は、不納欠損の事務処理手順についての通知を毎年3月、各支所保険年金課長あて送付しているのであるから、市長は補助職員を適切に指導していると考えられる。よって、原因【1】については、市長の職務執行についての過失はないものと判断する。
 これに対し、原因【2】は補助職員が行ったチェック作業の過程で生じており、所管課において防止が図られるべき事柄であると考えられる。したがって、これについては市長の職務執行についての過失はないものと判断される。

(2) 専決権者たる補助職員について

ア 専決権者たる補助職員に対する損害賠償請求についても、市長の場合と同様の理由により地方自治法第243条の2は適用されない。よって、補助職員の本市に対する損害賠償責任についても民法の規定が適用される。
 この場合、賠償責任の実体法上の根拠は、民法第709条(不法行為)または民法第415条(債務不履行)であるが、いずれにしても過失があれば損害賠償責任を負う旨が規定されている。
 しかし、補助職員が複雑多様な公務を行うなかで犯したミスについて、ミスの程度が過失にとどまる場合にも普通地方公共団体から損害賠償を求められるとすれば、公務の執行が不当に萎縮するおそれがある。
 地方自治法第243条の2第1項が、支出負担行為や支出命令等の行為をする権限を有する職員又はその権限に属する事務を直接補助する職員等が普通地方公共団体に損害賠償責任を負うための要件を、現金の亡失等を除き、故意又は重過失に軽減し、国家賠償法第1条第2項が、国又は公共団体が公務員に求償権を行使する要件を、公務員に故意又は重大な過失があったときと規定する趣旨は、このような公務の萎縮を防止するため、補助職員の責任を適正な範囲に限定するものであるが、この趣旨は本件についても同様であると考えられる。
 したがって、専決権者たる補助職員について検討すべき過失は、補助職員が職務を執行するについての重大な過失と解すべきである。
イ 次に、本件取り扱いにおける専決権者について検討する。
 本件取り扱いが違法であるとの主張からすると、ここにいう専決の対象となる事務(不納欠損処理)は、不納欠損処理の決定(以下「不納欠損処分」という。)に関する事務であると考えられる。
 本件における不納欠損処分については、平成15年度から平成17年度までの各年度について、不納欠損世帯一覧表を添付して、翌年の3月に保険年金担当部長によって決裁されている。
 堺市事務決裁規則第11条によると、不納欠損処分の決定に関することは各部長共通専決事項として規定されており、当該決裁規則に根拠を有するものと判断できる。
 したがって、本件における専決権者は、保険年金担当部長であると考える。
 なお、平成18年4月1日の政令市への移行にともない、不納欠損処分の決定についての専決権者は、堺市区役所事務決裁規則第3条及び第4条に基づいて各区の次長または総務部長に変更され、変更後の専決権者による決裁が平成19年3月に予定されている。よって、平成18年度については、今のところ損害を賠償すべき関係者は存在していないものである。
ウ そこで、不納欠損処分における重過失の有無を、保険年金担当部長について検討する。
 ここに、重過失とは、わずかな注意さえ払えば、結果の発生を容易に予見ないし回避できたにもかかわらず、結果回避のための適切な措置を講ずることなく漫然と見過ごしたというように、注意義務を怠った程度が著しい場合をいう。この注意義務は、その人の具体的な注意能力に応じて要求されるものではなく、その職務を行う補助職員として普通に要求される程度の注意義務であると考えるべきである。
エ これを本件についてみると、保険年金担当部長は、担当職員が作成した不納欠損世帯一覧表に基づき、専決権者として不納欠損処理にかかる業務を遂行していたものであり、担当職員が作成した膨大なデータをひとつひとつチェックして一覧表の作成作業がミスなく行われたかどうかを検証することは事実上不可能と考えられる。
 このような保険年金担当部長が、チェック作業における時効中断効等の認識不足やケアレスミスが原因で行われた本件取り扱いについて、これをわずかな注意により予見、回避することは、そのような事務の実態を特に知っていた等の特段の事情がないかぎりできなかったものと考えられるところ、本件においてこのような特段の事情は認められていない。
 よって、専決権者である保険年金担当部長についても、その職務を執行するについて重大な過失はないものと判断する。

5 結論

以上のとおり、市長及び専決権者たる保険年金担当部長のいずれに対しても、本件取り扱いから本市に発生した損害の賠償を求めることはできず、請求人の主張には理由がないものと判断する。
以上

このページの作成担当

監査委員事務局
電話:072-228-7899 ファックス:072-222-0333
〒590-0078 堺市堺区南瓦町3番1号 堺市役所高層館19階

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