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平成18年9月4日 堺市監査委員公表 第30号

更新日:2012年12月19日

堺市監査委員公表第30号

 地方自治法第242条第1項の規定に基づき平成18年7月11日に監査委員に提出された住民監査請求について、監査委員の合議によりその結果を下記のとおり決定したので、同条第4項の規定に基づき公表する。

平成18年9月4日

堺市監査委員 西 惠司
堺市監査委員 星原 卓次
堺市監査委員 木戸 唯博
堺市監査委員 西林 里子

住民監査請求に係る監査結果

平成18年7月11日請求

<看護専門学校に対する補助金の返還請求について<2>>

目次

堺市監査委員公表第30号

(原文中の個人名は、アルファベットで表示した。)

第1 監査の請求

1 請求人

1人(氏名は省略)

2 監査請求書の提出

平成18年7月11日

3 請求の趣旨

 平成18年5月1日、毎日新聞報道により市立堺病院の医師、看護師ら60名が、勤務中、報酬を受け取り、堺看護学校(堺市北区新金岡町5丁)で、講義をしていたことがわかった(疎甲第1号証)。
 これより以前、平成18年3月17日の健康福祉委員会において、a議員は、「それでですね、今ここに堺病院のご担当の事務局長おられますでしょうか。お尋ねしたいんですけども、大学病院でよく問題になる医師がアルバイトをされる、それが過労死につながってですね、大変ご不幸になる。堺病院でもお医者さんの立場でですね、あるいは看護師さんの立場でアルバイトをされてる方もおられるかもしれませんけども、それについてアルバイトされてるか否か、あるいはアルバイトされてるとしたら、どちらの病院で、どのような形態のアルバイトをされてるのかというのを把握をした経緯とかございますでしょうか。」と問い、
 これに対し、b 堺病院事務局副理事兼総務課長は、「堺病院では、正職員ではアルバイトはしておりません。また、非常勤職員、短期臨時職員の場合は、地方公務員法の4条に当てはまりますので、勤務以外はアルバイトをしてる場合があります。以上です。」と答弁をした。
 また、平成16年度 堺看護専門学校 収支予算書(疎甲第2号証)を観ると、確かに、「講師料 17,968,000円のうち、5,500,000円を充当」と明記されているが、その一方で、例えば、職員の派遣について・堺病総第914号(疎甲第3号証)では、「3 条件 ・無報酬とする。但し、派遣に伴う旅費及び講義に必要な図書費やスライド等の資料作成にかかる実費相当額についてはこの限りではない。」とする。
 しかし、堺病院の医師、看護師が受領した「実費相当額」について、堺看護学校からは、「講師料」に含め、計上されていることが、新聞報道後のa議員と堺病院総務課長、部長との議会質疑に先立つ打ち合わせの中でわかった。
 堺市職員の給与に関する条例は、「第27条 職員が欠勤、遅参、早退その他の事由により所定の勤務時間中に勤務しないときは、その勤務しない1時間につき給料の月額及びこれに対する調整手当の月額の合計額に12を乗じ、その額を1週間当たりの勤務時間に52を乗じたものから規則で定める休日の勤務時間を減じたもので除して得た額を減額した給与を支給する。ただし、第12条の規定に該当する場合並びに病気のため欠勤した日が60日を超えない場合その他勤務しないことにつき特に承認のあつた場合(職員団体のための職員の行為の制限の特例に関する条例(昭和41年条例第19号)第2条に定める場合以外で法第52条の規定による職員団体等のためその業務又は活動に従事する場合を除く。)で、任命権者がやむを得ないと認めたときは、給与を減額しない。」とする。
 同条によれば、本件の場合、原則、講義時間中については、これに相応する時間数に従って、給与を減額しなければならず、例外的に、任命権者が減額しないことについて、黙示の承認があったとしたならば、なおさら、給与以外に、いかなる労働の対価を受け取れないのである。
 なお、平成18年度中に、事務が改善され、実費相当額ということを明確にするため、「図書カード」の支給に改めたというが、問題の本質に変化はみられない。
 従って、請求人は、監査委員に対し、次の措置を要求する。

  1. 堺看護学校に対し、平成18年度から、過去10年度分の市立堺病院職員(医師・看護師)に支払った「講師料」相当額の補助金の返還を民法所定の遅延損害金を合せ、返還するよう、堺市長に勧告すること。
  2. 当該補助金の支出権者に対し、1と同様に、「講師料」相当する補助金の額、民法所定の遅延損害金を合せ、損害賠償請求をするよう、堺市長に勧告すること。
  3. 同「講師料」を受領した医師、看護師らに対し、1と同様に、「講師料」相当額、及び民法所定の遅延損害金の合せ、損害賠償請求をするよう、堺市長に勧告すること。
  4. いかなる名目でも、堺病院医師、看護師に対し、講師料に相当する金品を支給することを差し止めること。
  5. その他、堺市の被った損害を回復するため、必要な措置を講ずること。

 なお、監査請求の期間の徒過の問題であるが、先に述べたように、職員派遣の条件として、無報酬する一方で、「講師料」に堺病院職員の分が含まれていたのであり、公文書のみではこの点について、判然としない。本件事実については、前掲新聞報道により、知り得たものであり、これより2ヶ月経過して、監査請求に及ぶものであり、期間途過には、正当な理由がある。

 参考例として、平成18年度講師派遣依頼(疎甲第4号証)から、講師料を算出し(1時間:12,000円、補助金交付割合(5,500,000/17,968,000=0.306)から、講師料に含まれる補助金の額は、1,872,720円であり、これを用いて、単純に10年分を推定すると、18,727,200円となる。

以上

事実証明書 (掲載を省略)
 疎甲第1号証 毎日新聞 平成18年5月1日
 疎甲第2号証 平成16年度 堺看護専門学校 収支予算書
 疎甲第3号証 職員の派遣について・堺病総第914号
 疎甲第4号証 平成18年度講師派遣依頼

第2 監査の実施

1 要件審査及び請求の受理

 本件請求の要件を審査した結果、地方自治法第242条第1項に規定する要件を具備していると認められたので、平成18年7月20日にこれを受理した。

2 請求人の証拠の提出及び陳述

 請求人から、地方自治法第242条第6項に規定する証拠の提出及び陳述を行わない旨の申出書が平成18年7月28日付けで提出され、同日これを収受した。

3 監査対象部局

 健康福祉局(保健所医療対策課・堺病院事務局総務課)

4 監査対象部局からの事情聴取等

 本件について、市長に対して請求に係る意見書の提出を求めるとともに、平成18年8月4日、監査対象部局の職員から、本件に関する事実及び請求人の主張に対する意見について、事情を聴取した。その概要は次のとおりである。

(1)事情を聴取した者

 健康福祉局長、堺病院事務局長、保健所医療対策課長、堺病院事務局総務課長 ほか

(2)本件に関する事実

ア 堺看護専門学校への講師派遣について
 (ア) 派遣の経緯
 市立堺病院(以下「堺病院」という。)から堺看護専門学校(以下「堺看護学校」という。)への講師派遣は、昭和39年度に同校の前身である阪南准看護学院での総看護婦長による看護倫理の講義に端を発し、堺看護専門学校が開校した昭和60年度からは看護師に加えて医師の派遣も開始され、以降現在まで継続されている。
 地域医療を担う看護職員の養成と確保は行政の責務であるとの判断から、市立堺病院附属准看護婦養成所を起源として発展し、公益団体である社団法人堺市医師会が運営する看護学校に対して講師の派遣を行ってきたものである。
 (イ) 派遣の手続及び条件
 毎年度末に堺看護学校から、次年度の講師派遣を求める科目、講義時間数や講義スケジュール等を記載した「講師の派遣方依頼」文が堺病院に提出され、堺病院はこの依頼を受けて検討し、堺看護学校に対して講師派遣を承諾する。
 この承諾に際しては、無報酬とすること、但し派遣に伴う旅費及び講義に必要な図書費やスライド等の資料作成にかかる実費相当額についてはこの限りではない、本務に支障のある場合は許可しない、派遣に際しての事故等による災害の補償については堺看護学校の負担とする、との条件が付されており、条件による実費相当額として堺看護学校から、1講義(1コマ45分×2コマ)あたり12,000円が講師派遣された医師及び看護師に支払われている(平成18年5月以降は同額の図書カードの支給に変更)。この支払いについては、堺看護学校の経理上、「講師料」として処理されている。
 講師として従事する間(往復時間を含む。)については、職務に専念する義務の特例に関する条例施行規則第2条第7号に基づき、職務に専念する義務が免除されている(地方公務員法第35条・職務に専念する義務の特例に関する条例第2条第3号)。また、この間の給与は、堺市職員の給与に関する条例第27条但し書により任命権者が黙示的にやむを得ないと認めたものであり、減額されていない。
イ 堺看護学校運営補助金(以下「本件補助金」という。)について
 (ア) 本件補助金の補助目的
 本件補助金は、堺看護学校の運営に対して助成を行うことによって養成力の充実を図り、もって市内医療機関における看護師等の量的・質的確保を補助目的として昭和60年度から毎年度交付されている。
 (イ) 本件補助金交付の根拠
 本件補助金は、当初は地方自治法第232条の2及び予算に基づいて交付されていたが、平成12年9月の堺市補助金交付規則(以下「規則」という。)の制定後は、平成13年4月1日に堺看護専門学校運営補助金交付要綱(以下「要綱」という。)を整備し、この要綱に基づき、看護学校の運営事業を補助対象事業とし、堺看護学校の職員の人件費や消耗教材費等のほか、講師謝礼金(講師料)を補助対象経費として、本件補助金を毎年度交付している。
 (ウ) 本件補助金の返還
 本件補助金の返還を求める要件は規則第18条第1項に規定されており、虚偽の申請その他不正の手段により補助金の交付を受けたとき、補助金を定められた目的以外に使用したとき、補助金の交付の決定の内容又はこれに付した条件に違反したときに、補助金の交付の決定の全部又は一部を取り消したうえで行うものとされている。

(3)請求人の主張に対する監査対象部局の意見

 「請求の趣旨」における5項目の措置要求に対する監査対象部局の意見は、次のとおりである。

  1. 堺看護学校は本件補助金の補助事業を適正に執行しており、規則第18条第1項に該当する事実は認められない。それゆえ、返還事由には該当しないので、堺看護学校に対して「講師料」相当額の補助金等の返還を求める主張には理由がない。
  2. 堺市は本件補助金について、規則及び要綱に基づいて適正に事務処理しており、当該補助金の支出権者に対して「講師料」相当額の補助金等の返還を求める主張には理由がない。
  3. 堺病院の医師・看護師を、堺看護学校へ講師派遣することにより、堺市は何の損害も被っていないので、堺病院職員に対して損害賠償請求を求める主張には理由がない。
  4. 堺看護学校から堺病院職員に対して支給されているものは、労働の対価としての講師料ではなく、講義に必要な「実費相当額」である以上、今後も必要経費として支給されるべき性質のものであり、支給を差し止めなければならないとする主張には理由がない。
  5. 地域医療を担う看護職員の養成及び確保は本件補助事業と講師派遣の成果であり、このような成果を得ている以上、堺市が被った損害を回復するために必要な措置を講じる旨を求める主張には理由がない。

5 関係人調査

 地方自治法第199条第8項の規定に基づき、平成18年8月17日付けで堺看護学校に対して、本件講師料を支払うことの位置付け等について文書による照会を行った。

第3 監査の結果

1 本件の監査対象事項

 請求人は、堺看護学校が堺病院から講師派遣された医師及び看護師に支払っている講師料(以下「講師料」という。)は報酬であることを主張して、5項目の措置を求めているので、監査対象事項を「本件講師料は報酬といえるかどうか」とした。

2 講師料は報酬といえるか

(1) 本件講師料について
 堺市は、堺看護学校に医師、看護師を講師派遣するにあたって、「無報酬とする。但し、派遣に伴う旅費及び講義に必要な図書費やスライド等の資料作成にかかる実費相当額についてはこの限りではない。」との条件を付している。
 堺看護学校は、この条件を踏まえて、堺病院が講師派遣する医師等に対して、90分の講義につき12,000円の定額を実費相当額を弁償するものとして支払っていることが認められる。
(2) 講師料の定額支払いの妥当性について
 ア 実費相当額の弁償を定額で支払うことが妥当であるかどうかについて検討する。
 実費相当額とは現実に要した費用をいい、その支払いについては領収証の提示を受ける等して、その都度、実費そのものを支払う方法をとることも可能である。
 しかし、行政実例(昭和22年8月8日地発乙第556号)において、実費弁償は定額でもさしつかえないとされており、この定額の支払いについては、地方公共団体以外の場合であっても、一般に、現実に要した費用を支払うことにつき多大な事務負担が生じる等、合理的な理由がある場合には認められるものと考える。
 イ これを本件についてみると、平成15、16、17年度において堺看護学校が堺病院から派遣を依頼した講師数(看護科と准看護科の合計。)とその合計の講義数(1コマ45分×2コマを1講義とする。)は、それぞれ59人・270講義、64人・279講義、65人・272講義であって、実費そのものを支払う場合には、領収証の徴収等の事務負担は少なくないものと思われる。このような状況を考えると、堺看護学校が、講師料の支払事務をできるだけ軽減するために、定額で支払うこととしても理解できるものである。
 また、講師料の支払いを受ける講師にも、支払いごとに領収証を求め保管しなければならないなどの負担を与えることになる。
 ウ このように検討すると、堺看護学校が、本件講師料について実費相当額の弁償を定額により支払うことはやむをえないものと考えられる。
(3) 講師料の額の妥当性について
 ア 講師料が定額による実費相当額の弁償であるとしても、その額が高額に過ぎる場合には、事実上の報酬であるとの誤解を与えることともなり、妥当ではない。
 イ 講義は専門的かつ最新の内容が期待されており、レジュメやスライド等の資料作成のほか、最新の情報を収集するための医学雑誌等の購入も必要な場合があるとのことであり、90分の講義につき12,000円という金額が実費弁償の趣旨に反するものではなく、社会通念上相当でないほど高額であるとはいえないと考えられる。
(4) 以上のことを総合的に判断すると、本件講師料は、講義に必要な資料代等に要した実費相当額を弁償するものということができ、役務の提供の対価である報酬とはいえない。
 よって、講師料は報酬であるとする請求人の主張には、理由がないものと考える。
(5) したがって、堺看護学校が本件講師料を支払うことは、堺市の講師派遣の条件に違反するものではない。堺看護学校に対する本件補助金については、当該学校における養成力の充実を図り、看護師等の量的・質的確保を目的とする補助の趣旨に照らすと、本件講師料が補助条件に反した使用であるとは認められず、規則、要綱に基づき適正に執行されているものと判断する。
 また、本件の講師派遣についても、地方公務員法等の関係法令に基づき、職務専念義務を有給により免除する方法で行われており、派遣手続は適正であると認められる。なお、講師料の性質等について誤解の生じる余地もあるので、今後、堺市長においては、職員の講師派遣のあり方について検討されたい。

3 結論

 以上のとおり、本件講師料は、堺看護学校での講義に要した実費相当額を弁償するものといえ、派遣された医師、看護師の報酬には該当しないと判断する。また、堺看護学校に対する本件補助金の支出も、適正に執行されているものと認められる。
 したがって、請求人の主張にはいずれも理由がないものと判断する。

このページの作成担当

監査委員事務局
電話:072-228-7899 ファックス:072-222-0333
〒590-0078 堺市堺区南瓦町3番1号 堺市役所高層館19階

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