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平成18年7月20日 堺市監査委員公表 第25号

更新日:2012年12月19日

 堺市監査委員公表第25号

 地方自治法第242条第1項の規定に基づき平成18年5月22日に監査委員に提出された住民監査請求について、監査委員の合議によりその結果を下記のとおり決定したので、同条第4項の規定に基づき公表する。

平成18年7月20日

堺市監査委員 西 惠司
堺市監査委員 星原 卓次
堺市監査委員 木戸 唯博
堺市監査委員 西林 里子

住民監査請求に係る監査結果

平成18年5月22日請求

<居宅生活支援費の返還請求について>

目次

堺市監査委員公表第25号

第1 監査の請求

1 請求人

1人(氏名は省略)

2 監査請求書の提出

平成18年5月22日

3 請求の趣旨

 特定非営利活動法人a協会(x理事他4名)が設置する「ヘルパーステーションb」(以下、「当該事業所」という。)は、平成15年4月1日のサービス提供当初からサービス提供責任者をおいておらず、指定居宅支援事業者として、業務運営ができない現状であることが、指摘されている(平成17年9月15日「指定居宅介護事業所実地指導メモ」)。
 当該事業所に対し、開業・平成15年4月より、廃業・平成17年7月まで、支払われた総額は、1億6,511万9,280円となる。
 上述の実地指導が指摘するとおり、重大な基準違反である以上、身体障害者福祉法第43条の4第2項の定めるところにより、<1> 1億6,511万9,280円の全額、<2> 同法の定める加算金、及び<3> <1>、<2>に対する(平成15年4月より完済済みに至るまで)遅延損害金を相手方、a協会、並びに同協会理事であるx氏他4名に請求するべきである。
 また、堺市長(専決権者を含む)が相手方、同協会、同理事らに対し、1億6,511万9,280円、加算金、遅延損害金を請求しないことが違法であることの確認を求める。
 以上の通り、請求人は、堺市監査委員に対し、本件監査請求事案について、必要な措置をとることを求めるものである。

以上
(法人名、個人名等を記号で示したほかは原文のとおり。)

事実証明書 (掲載を省略)

  1. 平成17年9月15日「指定居宅介護事業所実地指導メモ」及び実地指導・監査等における確認調書(質問顛末書)
  2. 月別事業者支払状況(平成15年4月より平成17年7月)
  3. 月別請求明細件数(平成15年4月より平成17年3月)
  4. 「住民監査請求に関する補充書」の提出
    平成18年7月7日、請求人から住民監査請求に関する補充書が提出された。その趣旨は、以下のとおりである。

4 「住民監査請求に関する補充書」の提出

 平成18年7月7日、請求人から住民監査請求に関する補充書が提出された。その趣旨は、以下のとおりである。

1 請求人は、下記の通り、2006年5月22日に提出した住民監査請求につき、請求の趣旨につき補充する。

 1頁16行目(本監査結果の「3 請求の趣旨」の13行目)に、次の趣旨を補充する。
 監査請求期間の徒過については、正当な理由があると考える。
 同協会が運営する「b」が基準違反を犯すという不法行為により、発生する損害賠償請求であり、同行為の存在については、先の堺市議会(平成18年度予算審査特別委員会03月23日)において、明らかになったものであり、その時より2ヶ月を経過して、監査請求を行ったものである。
 また、本件監査請求について、その当否を判断するには、堺市の支援費報酬を支出行為それ自体ではなく、同協会が運営する「b」が基準違反を犯したことについて、その適法、違法を判断しなければならないものであり、堺市長が、同法人に対し、上述の損害賠償請求権等を行使しないことについて、所謂「真正怠る事実」という関係にたつものである。
 したがって、監査請求の期間徒過については、正当な理由がある。

 (「1頁16行目」の後にかっこ書きによる注釈を加え、ヘルパーステーション名をbと記号表示したほかは原文のとおり。)

第2 監査の実施

1 要件審査及び請求の受理

 本件請求の要件を審査した結果、地方自治法第242条第1項に規定する要件を具備していると認められたので、平成18年6月1日にこれを受理した。
 また、平成18年7月7日に住民監査請求に関する補充書が提出され、同年7月10日にこれを受理した

2 請求人の証拠の提出及び陳述

 請求人から、地方自治法第242条第6項に規定する証拠の提出及び陳述を行わない旨の申出書が平成18年6月14日付けで提出され、同日これを収受した。

3 監査対象部局

 健康福祉局(障害福祉課)

4 監査対象部局からの事情聴取等

 本件について、市長に対して請求に係る意見書の提出を求めるとともに、平成18年6月22日、監査対象部局の職員から、本件請求に関する制度の概要や事実経過、及び請求人の主張に対する意見について事情を聴取した。その内容はおおむね次のとおりである。

(1) 事情を聴取した者

(健康福祉局)福祉推進部長、障害福祉課長、障害福祉課参事、事業者指導室長

(2) 本件請求に関する制度の概要

ア 本件請求で取り上げられている身体障害者福祉法(以下「法」という。)は、平成18年4月1日に改正されているが、本件事案に適用されるのは改正前の法である。
(以下の記述における「法」の条文は、改正前のものである。)
イ 障害者福祉サービス制度は、平成15年度から支援費制度に移行している。それまでの制度は、行政が障害者福祉サービスの受け手を特定しサービス内容を決定する措置制度であったが、支援費制度においては、障害者が事業者と対等な関係に基づき障害者自らがサービスを選択し、事業者との契約によりサービスを利用する仕組みとなった。
ウ 市町村は、法第17条の4第1項に基づき身体障害者居宅生活支援費(以下「居宅生活支援費」という。)の支給を行っている。その支給手続においては、身体障害者の申請を受けて市町村が居宅生活支援費の支給を決定し、この決定を受けた身体障害者(以下「支給決定身体障害者」という。)は指定居宅支援事業者から身体障害者居宅支援サービスを受けることが可能となる。
 その後、支給決定身体障害者が指定居宅支援事業者からサービスを受けたときは、市町村が支給決定身体障害者に居宅生活支援費を支給することになるが、市町村は支給決定身体障害者に代わり指定居宅支援事業者に居宅生活支援費を支払うことができるとされており(法第17条の5第8項)、その場合、当該居宅生活支援費は、支給決定身体障害者に支給があったものとみなされる。一般的に各市町村はこの方法を採ることが多く、本市も同様の扱いを行っている。
エ 支援費制度において、指定居宅支援のサービスを提供しようとする者は、法第17条の4第1項に基づく指定の申請を都道府県知事に行う必要がある。当該指定は、居宅支援の種類及び事業所ごとに行うものとされている。(法第17条の17)。
 指定権限を有する知事は、居宅生活支援費の支給に関して必要があると認めるときは、指定居宅支援事業者等に対し報告等を求め、事実関係を調査することができる(法第17条の21第1項)。また、地方自治法第245条の4第1項に基づく技術的な助言として厚生労働省が通知した「指定居宅支援事業者等の指導監査について」(平成15年3月28日付け厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)において、指定居宅支援事業者の指導及び監査の事務手順等が示されており、知事は指定事業者の指導権限を有する。
 指導監査において、法第17条の22第1項の各号のいずれかに該当する場合は、知事は同条同項に基づき居宅支援事業者に係る指定を取り消すことができる。
 本件の事案の当時本市は中核市であったので、大都市特例(法第43条の2)の適用を受ける。よって、本市の市長はその当時から、上記の指定権限、指導権限、指定を取り消す権限を有していた。
オ 市町村は、指定居宅支援事業者等が偽りその他不正の行為により居宅生活支援費の支払いを受けたときは、当該指定居宅支援事業者等に対し、その支払った額を返還させるほか、その返還させる額に、100分の40を乗じて得た額を支払わせることができる(法第43条の4第2項)。

(3)本件請求に関する事実経過

ア 本件事案における事業者(以下「本件事業者」という。)は、昭和33年に視覚障害者の当事者団体として結成され、視覚障害者の文化の向上や福祉の増進などを目的として活動を続けていた。平成14年には大阪府知事の認証を受け、特定非営利活動法人となり、身体障害者居宅生活支援事業を行うため、平成15年1月27日付けで法第17条の17に基づく指定の申請を行った。
 指定申請書は、身体障害者福祉法施行規則第11条に基づく必要事項が記載されており、身体障害者福祉法に基づく指定居宅支援事業者等の人員、設備及び運営に関する基準(以下「基準」という。)に定める指定に必要な基準・要件を書類上満たしていたため、本市はこれを受理して、同年2月10日付けで本件事案の事業所を身体障害者居宅生活支援事業を行う事業所として指定した。
 本件事業者は、同年3月28日付けで法第26条第1項に規定する開始届を提出し、同年4月1日から事業を開始した。
イ 平成17年7月分のサービス提供に係る請求書等の審査をきっかけに、7月分のサービス提供に係る居宅生活支援費の支払を保留し、平成17年9月15日に指定を行った当該事業所に対して実地指導を実施した。
 実地指導において、当該事業所の管理者及び従業者から口頭説明を受けたところ、サービスの提供は行われていたものの、サービス提供責任者が作成すべき居宅介護計画書が作成されていないこと、サービス提供責任者が名目上のものであったこと、管理者が中途より常勤でないこと及び専ら従事していなかったこと等、基準違反の事実が確認された。この結果、同事業所は、このままでは業務運営の継続は不能であるとして、サービスの提供を停止させ、利用者を他の事業所に紹介する等必要な措置を講ずること、との指導を行った。
ウ 平成17年9月28日、本件事業者から事業の廃止日を平成17年6月30日とした当該事業所の廃止届が提出されたため、本市は支払を保留していた平成17年7月分の居宅生活支援費は支払わず、平成17年8月以降の居宅生活支援費は、本件事業者から請求がなされなかった。
 その結果、本件事業者への支払い額は、平成15年4月から平成17年6月末までの各月におけるサービス提供に係る居宅生活支援費の額であり、支払総額は171,296,240円となった。

(4)請求人の主張に対する意見

 指定居宅支援事業者に支払った居宅生活支援費を返還させるには、その支払いが法第43条の4第2項に該当する場合でなくてはならない。同項は、指定居宅支援事業者が「偽りその他不正の行為により」居宅生活支援費の支払いを受けた場合に、その返還をさせることができるとしている。
 ここに「偽りその他不正の行為」とは、指定居宅支援事業者が不正を働いて利益を得る意図をもって、虚偽や工作によって市を錯誤させ不当に居宅生活支援費を得るような場合である。
 これを本件の事案について実地指導における聴き取り等から検討すると、当該事業者の管理者たる代表者は、本件支援費制度における指定等の基準についての理解・認識が不十分であり、事業所の管理運営の面で法令等の要求する基準を充足していなかったという点はあるものの、これは代表者らの関係法令の理解及び認識不足に起因するものであって、不正を働いて利益を得る意図があって行っていたものとは認めがたい。
 そうすると、本件事案において、当該事業者及び代表者らに法第43条の4第2項に定める「偽りその他不正の行為」があったとは断定できず、本件事業者に対し不正利得の返還を求めることはできない。
 また、本件事案では、架空請求や水増し請求のような不正請求は確認されず、その反面、当該事業者から利用者に対する居宅介護(移動介護)サービスが提供されており、これまで利用者から苦情や是正の申立て等がなかったことに照らすと、そのサービスの実態も居宅介護サービスとして期待されるサービスと実質的にさしたる差異がなかったものと推定される。このような事情も本件結論の妥当性を補完するものといえる。

第3 監査の結果

1 本件の監査対象事項

 本件の請求人は、平成17年9月15日に行われた当該事業所における実地指導において記載された指定居宅介護事業所実地指導メモによると、当該事業所は、平成15年4月1日のサービス提供当初からサービス提供責任者をおいておらず、業務運営ができない現状であること、及びこのような現状は重大な基準違反であることが指摘されていたとする。
 次に請求人は、指摘された事実が重大な基準違反である以上、法第43条の4第2項の定めるところにより、堺市長は、<1>当該事業所に対し、平成15年4月の開業から平成17年7月の廃業までに堺市から支払われた総額1億6,511万9,280円に、<2>同法同項が定める加算金、及び<1>、<2>に対する(平成15年4月より完済済みに至るまで)遅延損害金を相手方、a協会、並びに同協会理事であるx氏他4名に請求するべきであるとし、このような請求をしないことは違法である旨を主張する。
 以上のような請求人の主張から、基準違反の事実がある本件の事案に法第43条の4第2項を適用しなかったことが違法といえるかどうか、を本件監査の対象事項とした。

2 監査対象事項の検討

(1) 身体障害者福祉法第43条の4第2項の適用要件について

 本件当時において適用されていた法第43条の4第2項は「市町村は、指定居宅支援事業者及び指定身体障害者更生施設等(以下この項において「指定居宅支援事業者等」という。)が、偽りその他不正の行為により居宅生活支援費又は施設訓練等支援費の支払を受けたときは、当該指定居宅支援事業者等に対し、その支払つた額を返還させるほか、その返還させる額に100分の40を乗じて得た額を支払わせることができる。」と規定しており、本件の事案にこの規定を適用できたかどうかが問題となる。
 この規定を適用する要件のうち、本件事業者が指定居宅支援事業者であること、及び本件事業者が居宅生活支援費の支払を受けたことについては、監査対象部局から聴取した事実の経過等からして事実と認められる。
 よって、本件の事案に本件規定が適用できるのは、本件の事案が「偽りその他不正の行為により」居宅生活支援費の支払を受けたときに該当する場合であると考えられるが、これがどのような場合であるかについて検討する。

(2) 「偽りその他不正の行為」の意味について

ア これまでの措置制度に代えて導入された支援費制度においては、行政がサービスの内容を決定してその実施を事業者に委託するのではなく、サービスを利用する障害者の側がサービスを選択・決定し、事業者とサービスの提供に関する契約(以下「提供契約」という。)を結ぶこととなる。この制度における行政の役割は、<1>障害者が事業者から提供契約に基づいてサービスの提供を受けたときに、当該障害者にサービス提供に要した費用から利用者負担額を除いた額(支援費)を支給すること、及び<2>障害者と事業者との提供契約が適正に履行されるように必要な指導又は監督を行うことにあると考えられる。
 このような支援費制度の仕組みからすると、法第43条の4第2項に基づき市が事業者に支払った支援費を返還させることが必要となるのは、提供契約が適正に履行されておらず、利用者が事業者にサービス提供の対価を支払う必要がない場合であると考えられる。
 そして、提供契約が適正に履行されていない場合とは、架空請求や水増し請求など、提供契約の全部又は一部についてサービスが提供されない場合のほか、外形的にはサービスが提供されていても、サービスの内容が支援費制度の求める水準に達しておらず、支援費制度上はサービスが提供されたとはいえない場合が含まれる。
 以上のとおり検討すると、「偽りその他不正の行為により」居宅生活支援費の支払を受けた場合とは、提供契約が適正に履行されていない場合において、指定居宅支援事業者がこのような場合であることを知りながら支援費を請求し、その支払いを受けた場合をいうものと解される。したがって、基準違反の状態をもって、直ちに「偽りその他不正の行為」により居宅生活支援費の支払を受けた場合に結びつくものとはいえない。
イ これを本件事案の提供契約が適正に履行されていたかどうかについて、サービス提供の実態をふまえて判断する。
 当該事業所のサービス提供の実態については、平成18年6月21日に監査対象課がとりまとめた実態調査報告がある。この実態調査の方法は次のとおりである。
 <1> 事業者が居宅生活支援費を請求する際の必要書類であり、サービスの実績が利用者ごとに記録された「居宅介護サービス提供実績記録票」と、当該事業所の管理者が従業者(ガイドヘルパー)にサービス提供の状況を報告させた「ガイドヘルパー活動報告書」とを、全件約20,000件のサービスについて突合してサービス提供の有無を確認した。
 <2> 利用者88名から利用時間数の多い上位10名、ガイドヘルパー83名からサービス提供時間の多い上位15名を選び出して、利用・提供の状況についてそれぞれヒアリングを行い、ヒアリングの内容と居宅生活支援費の請求書の内容が一致することとサービス実態の適切性を併せて確認した。
 このような方法による調査は、事実を把握するために妥当なものといえる。
 実態調査ではサービス提供があったものと推定されており、提供されたサービスの内容についても、特に不適正なサービスを行ったと疑われるものは確認できなかったとのことであり、妥当な方法により行われたこの調査の結果は、当時の事実を十分に推定できるものである。
 よって、本件の事案は、提供契約の全部又は一部についてサービスが提供されない場合や外形的にはサービスが提供されていても支援費制度上サービスが提供されたとはいえない場合には該当せず、提供契約が適正に履行されていた場合であったと認めることができ、本件指定居宅支援事業者が偽りその他不正の行為により、居宅生活支援費の支払を受けていた場合には該当しないと判断する。

(3) 結論

 以上のとおりであるから、本件の事案は、指定居宅支援事業者が偽りその他不正の行為により居宅生活支援費の支払を受けた場合に該当せず、この事案に法第43条の4第2項を適用しなかったことが違法であるとはいえない。適用しなかったことが違法であるといえない以上、同条同項が規定する加算金や遅延損害金を請求しなかったことが違法であるといえない。
 よって、請求人の主張には理由がないものと判断する。

以上

このページの作成担当

監査委員事務局
電話:072-228-7899 ファックス:072-222-0333
〒590-0078 堺市堺区南瓦町3番1号 堺市役所高層館19階

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