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平成18年2月23日 堺市監査委員公表 第3号

更新日:2012年12月19日

堺市監査委員公表第3号

 地方自治法第242条第1項の規定に基づき平成17年12月26日に監査委員に提出された住民監査請求について、監査委員の合議によりその結果を次のとおり決定したので、同条第4項の規定に基づき公表する。

 平成18年2月23日

堺市監査委員 西 惠司
堺市監査委員 星原 卓次
堺市監査委員 曽我部 篤爾
堺市監査委員 西林 里子

住民監査請求に係る監査結果

平成17年12月26日請求

<美原町地区振興補助金に関する件>

目次

堺市監査委員公表第3号

第1 監査の請求

1 請求人

 1人(省略)

2 監査請求書の提出

 平成17年12月26日

3 請求の趣旨

 旧美原町a地区の区長(以下「区長」という。)は、平成16年12月15日、旧美原町長に対し、ゴミ置場門扉設置工事事業として、152万4千円を請求した。事業総額は、地区負担金を含め、228万6,900円である。
 美原町長は、平成16年12月13日、美原町指令(自)第69号、平成16年度美原町地区振興補助金交付確定通知書において、152万4千円の交付決定を行い、平成16年12月27日、区長に対し、送金したものである。
 しかし、当該門扉設置工事事業は、次に述べる点において、違法不当である。

  1. 人夫の数、建築資材の種別、数量が記載されておらず不明である。
  2. 決算特別委員会で本件工事が問題となった後、美原支所自治推進課が当職に示した当該事業検証資料では、運搬人員、設置人員、塗装工、警備人員で8名と試算しているが、その人員について、工事請負業者に事情聴取したものではなく、検証方法、過程そのものに妥当性がない。
  3. 堺市議会決算特別委員会総括質疑(2005年11月)において、建築部長は、標準的な施工条件を前提とし、160万円と答弁をしている。また、質疑の中では、総額83万1,404円という金額も示されている。
  4. 少なくとも68万円、ないし145万円の高額に違法発注されたことがうかがえる。
    したがって、堺市には、46万円から97万円の範囲で、損害が発生していることになる。
    請求人は、堺市監査委員に対して、上述した損害金の回復に必要な措置をとることを勧告するよう求めるものである

 以上
 (原文のとおり。ただし、個人の名称は省略し、地区の名称は記号で表示した。)

事実証明書
 平成16年12月15日起案文書、その他当該補助金交付関係文書一式 (掲載を省略)

第2 監査の実施

1 要件審査及び請求の受理

 本件請求は、地方自治法第242条第1項に規定する要件を具備しているものと認め、平成18年1月5日にこれを受理した。

2 請求人の証拠の提出及び陳述

 請求人から、平成18年1月12日付けで地方自治法第242条第6項に規定する証拠の提出及び陳述を行わない旨の申出書が提出され、同日これを収受した。

3 監査対象部局

 美原支所(総務部自治推進課)

4 監査対象部局からの事情聴取等

 本件について、市長に対して請求に係る意見書の提出を求めるとともに、平成18年1月24日、監査対象部局の職員から、本件請求に係る事実経過や意見についての説明を受けた。その概要は以下のとおりである。

(1) 事情を聴取した者

 (美原支所) 支所長、支所次長、総務部長、自治推進課長

(2) 本件請求に係る事実経過

 美原町a地区(以下「当地区」という。)のごみ置場門扉設置事業(以下「本件事業」という。)に対する平成16年度の美原町地区振興補助金(以下「本件補助金」という。)について、美原町補助金等交付規則(以下「旧規則」という。)及び美原町地区振興補助金交付要綱(以下「旧要綱」という。)に基づき、次のとおり交付した。
 (1) 本件補助金について区長と事前協議を行った後、平成16年10月14日、区長から本件補助金交付申請書が提出された。
 (2) 同月25日、本件補助金の交付を決定し、区長に本件補助金交付決定通知書を交付した。
 (3) 同年12月13日、区長から本件事業の実績報告書が提出された。
 (4) 同日、実績報告の内容を審査し、本件事業の成果が交付決定の内容に適合するものと認めて、本件補助金交付確定通知書を交付した。
 (5) 同月15日、区長から提出された本件補助金請求書に基づき、補助金の交付日を同月27日に決定し、その旨を区長に通知した。
 (6) 同月27日、補助金1,524,000円を区長に交付した。

(3) 本件請求に対する監査対象部局の意見の概要

 監査対象部局は、請求人の主張を、「担当職員が事業費に関する精査を怠り、違法不当に補助金を交付して旧美原町及び堺市(以下「市」という。)に損害を発生させたものである。」と理解したうえで、次のとおり意見を表明した。
 (1) 本件補助金の交付に際しては補助金を交付する町と補助金の交付を申請する当地区の双方が事業費の妥当性を精査するものである。
 (2) 当地区は、事業費について、充分精査を行ったと考えられる。
 また、旧美原町は、補助金の交付決定については、旧要綱第1条及び旧規則第7条の規定により、本件補助金交付申請書及び事業実施計画書、工事見積書、設置予定場所図、写真を確認し、補助金交付額の確定については、旧要綱第1条及び旧規則第12条により、当地区の実績報告書及び事業実績報告書、請求書、領収書、工事出来高内訳書、設置場所図、写真を確認したうえ、職員が現場確認を行う等しており、旧規則、旧要綱に基づき精査を行っていたので事務処理は適正であった。
 (3) したがって、本件補助金の交付は違法不当ではなく、損害を発生させたものでもない。

第3 監査の結果

1 本件の検討事項

(1) 請求人は、堺市長に対して損害金の回復に必要な措置を求めているが、ここにいう「損害金」の額は、46万円から97万円であり、本件事業に係る契約額(228万6,900円)と、160万円及び83万1,404円との差額に3分の2を乗じた額とおおむね一致する。
 したがって、請求人は、平成16年12月27日に旧美原町長が行った本件補助金の交付は、高額な契約金額に基づいて算出されたがゆえに、違法若しくは不当である旨を主張するものと解される。
(2) このほか請求人は、本件事業の見積書や工事出来高内訳書の記載が不充分であること、及び事後に美原支所自治推進課が行った事業額の検証に妥当性がないことを主張するが、これらは本件補助金の交付が違法若しくは不当となった原因や本件の事業額が違法若しくは不当に高額であった証拠として取り上げられているものと考えられる。
(3) したがって、本件の検討事項は、本件補助金交付の適法性及び妥当性であると考える。

2 本件補助金交付の適法性

(1) 補助金交付の要件について

ア 法律上の要件
 (ア) 普通地方公共団体は、その公益上必要がある場合に限り、寄附又は補助をすることができる(地方自治法第232条の2)。よって、公益上の必要性が認められることは、補助金の交付が適法となるための法律上の要件である。
 (イ) 公益上の必要性が認められるのは、補助金の交付が住民全体の福祉に寄与する場合であるから、この点を当補助金の補助目的及び効果から判断することとする。
 (ウ) 当補助金の補助目的は、地区の健全な発展とコミュニティ意識の浸透を図ることである(旧要綱第1条)。地区とは、住民自治を振興し、町行政を円滑に運営するために旧美原町域を分割した区域をいい(美原町区長設置規則第1条)、各区域は住民により構成されているから、地区の発展等の補助目的は住民全体の福祉に寄与するものといえる。
 また、本件事業は、ごみ集積場への不法投棄の防止等、良好な住環境を保持するために地区が維持管理を行う設備を改良するものであるから、補助の効果についても住民全体の福祉に寄与するといえる。
 (エ) したがって、本件補助金の交付には公益上の必要性が認められ、法律上の要件は充たされている。
イ 予算上の要件
 (ア) 補助金の交付は歳出予算の執行を伴うから、本件補助金が歳出予算上の根拠を有することが、交付の適法要件となる。
 (イ) この点、平成16年度の美原町予算書では、細節が「地区振興補助金」となった歳出予算1,000万円が確認され、平成16年12月15日付けの支出命令書によって同予算の範囲内での執行が確認された。
 (ウ) したがって、本件補助金は歳出予算上の根拠を有しており、その交付には予算上の要件が充たされている。
ウ 交付手続上の要件
 (ア) 補助金に関しては、公金支出の適正を図るため、条例、規則、要綱等により手続規範が定められるから、これらの規範に定められた手続がふまえられていることが補助金の交付の適法要件になると解される。
 (イ) 本件補助金の交付については旧規則及び旧要綱の定めるところによる(旧要綱第1条)と規定されているから、本件補助金の交付に際してふまえられるべき手続は次の(1)から(5)のとおりである。
 (1) 地区の長と町長が補助事業の概要等について事前協議を行い(旧要綱第5条)、その後地区の長は補助金交付申請書に必要書類を添えて町長に提出する(旧要綱第4条及び旧規則第6条)。
 (2) 町長は、交付申請の内容を審査し、補助金を交付すべきものと認めたときは交付を決定し、その旨を地区に通知する(旧規則第7条及び第9条)。
 (3) 地区は、補助事業が完了したときは補助事業実績報告書に必要書類を添えて町長に報告する(旧規則第11条)。
 (4) 町長は、実績報告の内容を審査し、当該補助事業の成果が補助金の交付の決定の内容及びこれに附した条件に適合するものと認めたときは、交付すべき補助金の額を確定し、地区に通知する(旧規則第12条)。
 (5) 地区は補助金交付請求書を町長に提出し、町長は地区に補助金を交付する(旧規則第15条)。
 (ウ) 監査対象部局から聴取した事実経過及び意見の概要によると、本件補助金の交付については、以上の手続がおおむね遵守されていたものと認められる。
 (エ) なお、本件の補助金交付申請書及び補助事業実績報告書の添付書類については、実際の運用と規範の規定とが合致しない部分もあったが、旧美原町においては旧規則の様式中に記載された添付書類は、審査のための例示的なものと解され、必ずしも必要書類であるとの認識はなかった事実が事情聴取において確認されている。
 規則や要綱の運用については一定の範囲内で執行権者の判断に委ねられるので、手続に違反していたとはいえないと考える。

(2) 結論

 以上のように本件補助金交付の適法要件を検討したところ、本件補助金の交付はいずれも要件が充たされていると判断される。
 したがって、本件補助金の交付が違法であるとする請求人の主張には理由がない。

3 本件補助金交付の妥当性

(1) 妥当性に関する検討事項

 本件補助金の交付行為は不当ゆえ堺市に損害を与える行為であるとの請求人の主張は、交付額を算定する基礎となった本件事業の契約金額2,286,900円が不当に高額であり、このような金額の不当性を改めなかったことが不当であるというものである。
 そこで、この主張について、補助金の交付決定後に金額が不当であるとして減額等を行うことが、交付手続上可能であったかを検討する。

(2) 検討

ア 補助金交付決定後に交付額を減額等できるか
 (ア) 補助金の交付額の減額等を行うには、交付決定の全部又は一部が取り消されなければならない(旧規則第14条及び第16条)
 (イ) 旧美原町の手続規範によると、補助金の交付決定の全部又は一部を取り消すことができるのは、(1)補助金が交付の目的以外の用途に使用され、(2)補助事業の成果が交付決定の内容及びこれに附した条件に適合しないと認められる場合に限られる。
 これを本件についてみると、本件交付決定の内容は、当地区内の位置図で示された8ヶ所のごみ集積場に、屋根及び施錠できる門扉を設けて不法投棄等を防止できるような工事を2,286,900円の代金で施工することであり、このほか交付決定の際に特に条件が附された事実は認められない。
 だとすれば、本件実績報告の内容や現場確認の状況からすると、補助金が交付の目的以外の用途に使用された事実はなく、補助事業の成果は、交付決定の内容及びこれに附した条件に適合していたものと認められる。よって、本件交付決定の一部を取り消すことはできず、交付決定額の減額等を行うことはできなかったものといわざるを得ない。
イ 以上のとおり検討すると、本件補助金の交付決定後に金額の不当性を改めることは交付手続上困難であり、結局契約金額の妥当性は、交付決定のための審査段階において精査されることになる。
ウ したがって、請求人の主張については、交付決定のための審査の状況をふまえて交付決定の妥当性を判断する。
 (ア) 交付決定の妥当性は、補助金制度の構造や補助対象事業の性質、及び交付決定時の具体的状況を考慮して検討しなければならないが、これを本件についてみると、次のとおりである。
 (1) 補助金制度においては、行政が直接工事を執行する場合と異なり、事業内容の決定、施工業者の選定及び契約は補助事業者の権限とされ、行政側は契約金額が交付決定を行うに足る妥当性を有するかどうかを審査できるのみで、契約内容を変更する権限までは有しないこと。
 (2) 工事の完成を目的とする工事請負契約は、材料、施工方法、施工に要する人員、施工期間や施工計画の選択が多種多様であり、行政側が工事の内容を是正することができない制度のもとで、対価の妥当性のみを明確に判断するのは困難であること。
 (3) 当時、建築廃材等の不法投棄が常態化していた当地区のごみ集積場については設備の改善が強く求められており、区長はこの問題をすみやかに解決するために従前の施工業者と契約したのであり、このような区長の判断を尊重したことが妥当性の判断として誤っていたとまではいいがたいこと。
 (イ) 以上の3点を考慮すると、旧美原町長及び担当職員が行った交付決定の判断が、不当であったとはいえないと考える。

(3) 結論

ア したがって、本件補助金の交付の額を改めなかったことが不当であり、不当な補助金の交付によって生じた損害の回復に必要な措置がとられるべきであるとする請求人の主張には理由がない。
イ しかし、このことは、補助金の交付において妥当性の審査が不要であるということではない。補助金の支出は予算執行行為そのものであり、常に費用対効果に配慮し、市民への説明責任が認識されなければならない。
 本件においてもこのような問題意識がより強ければ、交付申請の審査の段階で補助事業者へのよりきめ細かな指導が行われ、契約金額の不当性が疑われるような事態は避けられたと思われる。
 今後、現行の堺市美原区域振興補助金の運用においても、これらの点に充分留意されたい。
以上

監査結果に添える意見 ~今後の補助金行政の拡充のために~

 補助金行政について、平成15年度の包括外部監査報告は、「補助金は市の政策実現の一手段であるとともに、公益的市民活動を支援する有益な制度であり、市民が自覚的に公益的活動に参画し、地域社会の福祉の向上を支える補助金の役割は大きくなっても小さくなることはない。」と述べている。
 一方、本市は、行財政改革計画の取組分野として「市民自治の推進」を掲げ、市民との「協働型事業の推進」を具体的取組項目としている。
 このような状況をふまえれば、今後、補助金行政の重要性はますます増大すると予想されるため、そのあり方については、現在進められている個別補助金の総点検と再評価による抜本的見直しに加え、その効率性、すなわち最少の経費で最大の効果を実現するための精査システムの構築が求められる。
 特に、「投資的事業補助」においては、市が直接執行する事業に相応した透明性の高い手続と検証システムが必要と考える。
 以上の観点から、補助金の交付手続については、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」の趣旨等をもふまえてさらに充実させ、今後の補助金行政の拡充に備えた執行体制を確立されるよう要望する。
以上

このページの作成担当

監査委員事務局
電話:072-228-7899 ファックス:072-222-0333
〒590-0078 堺市堺区南瓦町3番1号 堺市役所高層館19階

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