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平成17年8月3日 堺市監査委員公表 第35号

更新日:2012年12月19日

堺市監査委員公表第35号

 地方自治法第242条第1項の規定に基づき平成17年6月6日に監査委員に提出のあった住民監査請求について、同条第4項の規定に基づきその結果を次のとおり公表する。

 平成17年8月3日

堺市監査委員 西 惠司
堺市監査委員 星原 卓次
堺市監査委員 曽我部 篤爾
堺市監査委員 西林 里子

住民監査請求に係る監査結果

平成17年6月6日請求

<不正請求の介護報酬の返還について>

目次

堺市監査委員公表第35号

第1 監査の請求

1 請求人

 1人(省略)

2 監査請求書の提出

 平成17年6月6日

3 請求の趣旨

(1) 請求の概要

 社会福祉法人A(理事長x)は、同法人が経営する介護保険の指定事業所において、勤務の見通しのない者を管理者として虚偽の申請により指定を受け、その後も管理者不在の状態のまま、虚偽の報告を行い続け、不正に介護報酬を受け取ってきた。
 このような不正請求による違法な財務会計行為につき、監査を求めるものである。

(2) 違法行為

ア 同法人が経営する「通所介護事業所」(Bデイサービスセンター)、「訪問介護事業所」(Bヘルパーステーション)はいずれも平成12年2月に大阪府知事に「指定居宅サービス事業者指定申請」を行い、管理者として同法人理事であり、同法人の経営するケアハウス「C」の施設長でもあるyの氏名を記載して申請した。同人は、ケアハウス施設長としても勤務実態がなく、月2回程度宿直(夕方18時すぎより出勤し、翌日10時頃退勤)に来るだけであった。同人は、同人が理事長を務める学校法人D・E幼稚園の業務等があり、指定居宅介護サービス事業所の管理者の業務に専従できる見通しがないにもかかわらず、虚偽の申請により指定を受けたものである。さらに、同法人は、平成15年8月に「居宅介護支援事業所」(Fケアプランセンター)の指定申請を行ったが、これもyを管理者とした虚偽の申請で指定を受けた。これらは、不正の手段による指定居宅サービス事業者・指定居宅介護支援事業者の指定受領(介護保険法第77条第1項第6号)にあたり、指定そのものが無効である。
イ 同法人は、平成16年9月の大阪府の実地指導において、管理者の出勤の記録が作成されていないとの指摘を受けたが、yは、その後も常勤していない。住民監査請求が行われ、堺市及び大阪府が調査に入った2月以降は出勤するようにはなったが、短時間顔を出すだけである。にもかかわらず、大阪府の実地指導の際には「毎日勤務していた」との供述を職員に行わせるなど、実地指導時における虚偽の報告(介護保険法第77条第1項第4号)を繰り返し行っている。
ウ これら同法人の3つの事業所は、常勤の管理者が不在であることから指定時に介護保険法第70条第2項第2号に規定する欠格要件に該当し、指定要件を満たしておらず当該指定に基づいて介護報酬を請求することができないのに、介護報酬を不正に請求し、受け取った。その金額は、同法人の決算が確定している平成12年度~15年度の4年間で1億2,440万1,467円にのぼり、平成16年度分を加えると1億6千万円以上になる。

(3) 堺市長の怠る事実

 上記不正請求による介護報酬の支給により、堺市は損害を被っている。堺市は法令により、不正に支出された公金について請求権を有している。しかし、堺市長は、現在まで同法人に対し請求権を行使することを怠っている。

(4) 請求期間経過の正当な理由

 上記不正支出には、1年以上前に行われたものも存在するが、いずれも市民が客観的に知りえなかったものであり、最近になって関係者の情報提供等によって知りえたものであり、1年の期間を経過したことに正当な理由がある。

(5) 監査請求

 よって、請求人は監査委員が厳正な監査の上、市長に対し5年分の不正受給相当額を社会福祉法人Aに返還を求めるよう勧告することを求め、地方自治法第242条第1項の規定により事実証明書を添えて必要な措置を請求する。

(原文のとおり。ただし、法人名、個人名等は、「社会福祉法人A」、「理事長x」などと記載した。以下同じ。)

事実証明書

  1. Bデイサービスセンターの指定居宅サービス事業者指定申請書
  2. Bヘルパーステーションの指定居宅サービス事業者指定申請書
  3. Fケアプランセンターの指定居宅介護支援事業者指定申請書
  4. 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成 11年3月31日 厚生省令第37号)(抜粋)
  5. 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年3月31日 厚生省令第38号)(抜粋)
  6. 大阪府健康福祉部高齢介護室長から社会福祉法人A理事長あて通知(「実地指導の結果について(通知)」)

 (いずれも掲載を省略。)

第2 監査の実施

1 要件審査及び請求の受理

 本件請求の要旨を次のように理解した。
 社会福祉法人Aは運営する3事業所について、指定居宅サービス事業者等の指定要件を満たさない者を管理者として虚偽の申請をし、事業者の指定を受けた。したがって、社会福祉法人Aは、指定居宅サービス事業者等に支払われるべき介護報酬を堺市に不正に請求し支払いを受けているのであるから、堺市は同社会福祉法人に対して不正利得の返還請求権を有している。
 しかし、堺市長は、この返還請求権を行使していないので、監査委員が堺市長に対し社会福祉法人Aに不正受給した介護報酬相当額を返還請求するよう勧告することを求める。
 すなわち、本件は、堺市長が返還請求権を行使しないという怠る事実についての請求であると解し、地方自治法第242条第1項に規定する要件を具備しているものと認め、平成17年6月27日にこれを受理した。

2 監査対象事項

 住民監査請求書に記載された事項等を勘案して、監査対象事項を次のとおりとした。
 堺市が支払った社会福祉法人Aが運営するBデイサービスセンター、Bヘルパーステーション及びFケアプランセンターの介護報酬(平成12年度から同16年度まで)について、堺市長は返還請求権の行使を違法又は不当に怠っているのか。当該返還請求権の行使を怠る事実によって、市に損害が生じているのか。

3 請求人の証拠の提出及び陳述

 請求人から、平成17年7月7日付けで地方自治法第242条第6項に規定する証拠の提出及び陳述を行わない旨の申出書が提出され、同日、これを収受した。

4 監査対象部局

 健康福祉局

5 監査対象部局の説明等

 本件について、市長に対して請求に係る意見書の提出を求めるとともに、平成17年7月15日に監査対象部局の職員から事情を聴取した。その概要は以下のとおりである。

(1) 事情を聴取した者

 健康福祉局長、健康福祉政策担当部長、福祉推進部長、福祉推進部次長、介護保険課長、法人指導担当課長、社会援護課長、高齢福祉課長
ほか
 この事情の聴取に際し、請求人が立ち会った。

(2) 説明の概要について

ア 介護報酬の請求から支払いまでの事務の概要及び介護保険法における国・府・市の権限などについての説明のほか、以下のとおり本件の事実経過、請求に対する意見を聴取した。
イ 本件の事実経過について
 (ア) 事業者等の指定権限を有する大阪府は、指定居宅サービス事業の通所介護事業を例にすれば、事業所の管理者については、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年3月31日 厚生省令第37号。以下「サービス等の事業基準」という。)及び指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準について(平成11年9月17日付け老企第25号 各都道府県介護保険主管部(局)長あて厚生省老人保健福祉局企画課長通知。以下「サービス等の事業基準通知」という。)等に基づき指定の申請を受理しているものである。
 サービス等の事業基準において、「専らその職務に従事する常勤の管理者を置かなければならない。ただし、指定通所介護事業所の管理上支障がない場合は、当該指定通所介護事業所の他の職務に従事し、又は同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務に従事することができるものとする」と規定されている。そして、サービス等の事業基準通知において、「常勤とは当該事業所における勤務時間が、当該事業所において定められている常勤の従業者が勤務すべき時間数に達していること」と定義され、「専らその職務に従事するとは、原則として、サービス提供時間帯を通じて当該サービス以外の職務に従事しないことをいう」とされている。
 本件の3事業所に関しては、管理者の勤務時間は常勤の従業者が勤務すべき時間と同時間で申請され、管理者が同一敷地内で兼務することが明記されているが、サービス等の事業基準等の規定により兼務は可能である。
 (イ) 本件事業所の管理者が、常勤できる見通しがなかったのか、常勤であること及び専らその職務に従事することを順守していたかどうか、その事実について、大阪府が実地指導・監査による調査を継続し、堺市においても、これと連携し、介護保険法第23条に基づき介護保険課が調査、社会福祉法第56条に基づき健康福祉総務課法人指導担当(以下「法人指導担当」という。)が指導監査に入っているが、現在関係書類を精査中であり、確定には至っていない。
ウ 請求に対する意見について
 請求人が主張する不正の事実の有無を確認するため、上記イ記載のように、大阪府が実地指導・監査による調査を継続し、堺市においては、これと連携し、介護保険課が調査、法人指導担当が指導監査に入っているが、現在、関係書類を精査中であり確定には至っていない。
 本市は、介護保険法第22条により不正利得の返還請求権を有しているが、現時点では、不正等の有無を調査中であり、確定していないため、返還請求等の手続きは行っていない。不正又は不当の事実が認められた場合、大阪府がその返還金額等を確定し、保険者である堺市に通知することとされている。
 堺市は、大阪府から当該通知を受けた場合は、直ちに介護保険法第22条に基づき、不正利得の返還を求めていくこととしている。

第3 監査の結果

 本件請求については、監査委員の合議により次のとおり決定した。

1 返還請求権の行使を怠る事実について

(1) 返還請求権について

 市町村は、指定居宅サービス事業者(以下「サービス事業者」という。)及び指定居宅介護支援事業者(以下「介護支援事業者」という。)等が、偽りその他不正の行為により介護報酬の支払いを受けたときは、当該サービス事業者等に対し、その支払った額につき返還させるほか、その返還させる額に100分の40を乗じて得た額を支払わせることができる(介護保険法第22条第3項)。
 よって、不正行為等により介護報酬の支払いを受けた事業者等に対する当該介護報酬相当額についての返還請求権は、保険者である市町村が有するものである。
 請求人が行使を怠る事実があるという請求権とは、介護保険法におけるこの不正利得返還請求権であると解される。

(2) 不正・不当の事実の調査等について

ア 都道府県知事は、サービス事業者の申請があった場合に、サービス等の事業基準で定める員数等を満たしていないときや、同基準に従って適正な事業の運営をすることができないと認められるときなどは、指定をしてはならない(介護保険法第70条第2項)。介護支援事業者の申請があった場合についても、サービス事業者と同様の場合には指定をしてはならない(同法第79条第2項)。
 また、サービス事業者について、サービス等の事業基準で定める員数等を満たすことができなくなったとき、同基準に従って適正な事業の運営をすることができなくなったとき、介護報酬の請求に不正があったとき、事業者が不正の手段により指定を受けたときなどは、都道府県知事は事業者の指定を取り消すことができる(同法第77条第1項)。介護支援事業者の指定の取消しについても、サービス事業者の場合と同様である(同法第84条第1項)。
イ 都道府県が監査を行った後の措置として、介護保険施設等の指導監査について(通知)(平成12年5月12日付け老発第479号 各都道府県知事等あて厚生省老人保健福祉局長通知。)の「別添2 介護保険施設等監査指針(以下「監査指針」という。)」には、(1)介護保険法の規定に基づく指定の取消しを行い、または取消しに至らないと認められる場合には文書で指摘した事項に係る改善報告書の提出を求めるなどの指導を行うこと、(2)取消処分等を行ったときは速やかにその旨を公示するとともに、その事業者の事業活動区域に所在する市町村等に対し連絡すること などが記載されている。
 また、同監査指針には、「都道府県は、監査の結果、介護報酬の請求に関し不正又は不当の事実が認められ、これに係る返還金が生じた場合には、保険者である市町村に対し、事業者の名称、返還金額等必要な事項を通知するとともに、当該保険者に対して当該保険者が介護報酬の審査・支払い事務を委託している国民健康保険団体連合会(以下「国保連合会」という。)に連絡させ、当該事業者に支払うべき介護報酬からこれを控除させるよう措置する。これにより難いときは、国保連合会から当該保険者に連絡するものとし、当該保険者は返還金相当額を当該事業者から直接、当該保険者に返還させるよう措置する」旨の記載がなされている。
ウ よって、事業者の指定及び指定の取消し権限は都道府県知事が有するものである。
 請求人は、事業所の管理者が常勤で専らその職務に従事できる見通しがなかったことやそのような勤務実態にないことをもって、「介護保険法第77条第1項第6号に規定する事業者が不正の手段により指定を受けたときにあたる」、「介護保険法第70条第2項第2号に規定する欠格要件に該当し、指定要件を満たしていない」と述べているが、このことについての事実確認と判断は都道府県によって行われるものである。
エ これを本件についてみると、本件社会福祉法人及び事業所等について介護報酬の不正請求があったとの報道(平成17年2月24日)がなされて以降、大阪府は、平成17年2月25日、3月1日・10日・11日、4月22日、5月27日に実地指導(介護保険法第24条及び第76条等)を行っている。この実地指導のなかで、本件管理者の勤務状況についての調査等も行われてきた。そして、実地指導を通じて得られた書類や事業所の従業者への聴き取り等によって、7月4日には実地指導から監査に切り替えられている。
 この大阪府の監査によって、当該事業者について、不正又は不当な事実が認められ、介護報酬に返還金が生じた場合は、指定取消し等の処分を行ったことや返還金の額等について大阪府から本市に通知されるものである。
 しかし、現時点においては、本件の管理者の勤務実態を含めて、不正や不当の事実があったことを確認し、確定するには至っていないということである。
オ 本市は、平成17年2月25日、3月10日、4月22日及び5月27日に大阪府が行った実地指導に、介護保険課又は法人指導担当の職員が同行し、書類調査や関係者からの聴取を行っている。介護保険課は、保険者として介護保険法に基づき、法人指導担当は、社会福祉法に基づき社会福祉法人を指導・監督すべく調査等を進めているものである。また、大阪府とは別に、平成17年3月24日に法人指導担当が、3月25日に法人指導担当と高齢福祉課が合同で、指導監査を実施した。さらに、大阪府が7月4日に実施した監査に、新たな事実や証拠がないかを確認するために介護保険課と法人指導担当が共同で参画した。なお、本件事業所の管理者の勤務実態については、大阪府の実地指導へ同行するなど連携して調査を行ってきているものである。
 このように本市においては、介護保険課、法人指導担当が相互に、また社会援護課、高齢福祉課など庁内関係課及び大阪府と連携して、精力的に事実の掌握とこれを裏付ける証拠の収集などに努めてきているものと認められる。しかし、聴き取りを行った従業員等の間で話の内容に食い違いがあるなど、現時点においては、不正や不当の事実があるという確定はできていないということである。

(3) 返還請求の行使について

ア 介護保険法第22条第3項の規定に基づき、保険者である市町村が事業者に支払った介護報酬の返還請求を行うためには、(1)事業者に偽りその他不正、不当な行為があること、(2)その不正、不当な行為により事業者が介護報酬を受けたこと、(3)その事業者が不正又は不当な行為により支払いを受けた介護報酬の額の3点が確定することが必要である。
 大阪府が実地指導から監査に切り替えたことは、調査等が進められ、不正等の事実についての一定の確認がなされた結果であると考えられる。本市においても、指導監査や大阪府との連携等によって事実確認が進められている。しかし、本件事業所の管理者の勤務について、指定申請書の記載や事業開始後の実態などに不正や不当があったかどうかについて、現時点においては、なお、確定できない部分が残っており、結論を出せるまでには至っていないものと考えられる。
イ よって、現時点において、介護保険法第22条第3項による本市の社会福祉法人Aに対する介護報酬の不正利得返還請求権は生じていないものである。
 したがって、現時点において、市長が返還請求権の行使を違法又は不当に怠る事実は認められない。

2 結論

 以上のことから、請求人の「監査委員が厳正な監査の上、市長に対し5年分の不正受給相当額を社会福祉法人Aに返還を求めるよう勧告することを求める」という主張には理由がないものと判断する。

監査結果に添える意見

 介護保険制度の適正かつ円滑な運営を確保するため、指定事業者等に対する調査、指導、監督などがより効率的、効果的に実施できるように、組織のあり方を含めた検討をされたい。また、常に大阪府との連携を緊密にし、不正請求等の一層の防止や発覚後における迅速で適正な対応がなされることを要望する。

このページの作成担当

監査委員事務局
電話:072-228-7899 ファックス:072-222-0333
〒590-0078 堺市堺区南瓦町3番1号 堺市役所高層館19階

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