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平成17年3月28日 堺市監査委員公表 第16号

更新日:2012年12月19日

堺市監査委員公表第16号

 地方自治法第242条第1項の規定に基づき平成17年2月1日に監査委員に提出された住民監査請求(弁護士報酬に関する件)について、同法同条第4項の規定に基づきその結果を次のとおり公表する。

平成17年3月28日

堺市監査委員 吉川 敏文
堺市監査委員 辻 宏雄
堺市監査委員 曽我部 篤爾
堺市監査委員 西林 里子

住民監査請求に係る監査結果

平成17年2月1日請求

<美原町の弁護士報酬について>

目次

堺市監査委員公表第16号

第1 監査の請求

1 請求人

 1人(省略)

2 監査請求書の提出

 平成17年2月1日

3 請求の要旨

 平成16年12月21日、美原町長は、平成14年9月改正前の地方自治法第242条の2第8項に基づき、平成16年12月3日、最高裁の上告棄却決定により確定した美原町の特殊勤務手当の支給の違法性を争点とした住民訴訟について、一部勝訴したとして、当該訴訟の弁護士報酬の公費負担に関する議案を美原町議会に提出し、美原町議会はこれを可決した。
 この可決により公費負担された弁護士報酬は、被告秘書課長分と美原町長分を合わせた計105万円であったが、大阪地裁判決のうち、当該訴訟の訴訟費用に関しては原告(請求人)との関係でみれば被告たる美原町長が訴訟費用の全額を負担すべしと判断されており、この判断からすると、美原町長分の弁護士報酬を公費負担することは許されず、第一審で勝訴した秘書課長に係る弁護士報酬30万円のみが公費負担の対象になるはずである。
 また、当該訴訟には美原町長が行政庁たる立場で訴訟参加しており、訴訟参加に関して美原町長が美原町の執行機関として弁護士に訴訟委任を行い、弁護士費用を公費負担していた。そして、訴訟参加に関する弁護士と、個人として被告となっている美原町長の弁護士は別人だという。つまり美原町長は同一の訴訟物について執行機関たる資格と個人たる資格を使い分けて二重に公費負担したのである。このことからしても、美原町議会に提案した弁護士報酬に公益性はなく、議会への提案は妥当ではない。
 以上2点の理由により、美原町議会が可決した公費負担額105万円と、被告秘書課長の弁護士費用30万円との差額75万円は公費負担する理由がない違法な公金の支出と解される。よって、当該訴訟の弁護士報酬の公費負担に関する議案を提案した当時の美原町長は、75万円を堺市に返還して堺市に生じた損害を補填すべきであり、堺市監査委員はかかる内容の勧告を当時の美原町長に対して行うべきであると考える。
(原文の要旨を監査委員において理解したもの)

事実証明書

  1. 美原町議会議員石崎善隆氏(当時)作成の、平成16年12月21日付議会質問原稿
  2. 大阪地裁判決(平成10年(行ウ)第52号、平成11年(行ウ)第36号)
  3. 大阪高裁判決(平成12年(行コ)第82号、平成13年(行コ)第82号)

(いずれも掲載を省略)

第2 監査の実施

1 要件審査及び請求の受理

 本件請求は、地方自治法(以下「自治法」という。)第242条に規定する要件を具備しているものと認め、平成17年2月14日にこれを受理した。

2 監査を行った監査委員

 平成17年2月14日から同年3月6日までは、吉川敏文、辻宏雄、曽我部篤爾、小田久和が監査を行った。平成17年3月7日から同年3月28日までは、吉川敏文、辻宏雄、曽我部篤爾、西林里子が監査を行い、合議により監査の結果を決定した。

3 監査対象事項

 住民監査請求書に記載されている事項及び事実証明書を勘案し、監査対象事項を次のとおりとした。
(1) 平成16年12月21日に美原町長が議会に提出した弁護士報酬の公費負担に関する議案について、被告であった美原町長が支出した弁護士報酬のうち75万円を公費で負担する提案を行い、議会の議決を得て公費負担額を支出する行為は、公費で負担する理由のない違法な公金の支出といえるかどうか。

4 請求人の証拠の提出及び陳述

 平成17年2月18日付で、請求人より自治法第242条第6項の規定に基づく証拠の提出及び陳述を行わない旨の申し出があった。

5 監査対象部局

 総務局

第3 監査対象部局の説明

 本件について、市長に対して請求に係る意見書(以下「意見書」という。)の提出を求めるとともに監査対象部局の職員(以下「関係局職員」という。)から事情を聴取した。その概要は以下のとおりである。

1 事情を聴取した者

 平成17年3月2日に総務局職員から事情を聴取したが、その者は次のとおりである。
 総務局 総務局長、人事部長、人事部次長、人事部参事、人事企画課長、人事企画課主幹 ほか
 なお、この事情の聴取に際し、請求人の立ち会いはなかった。

2 説明の概要について

(1) 事実関係の説明。

ア 本件請求の契機となった訴訟の経過は次のとおり。

  • 平成10年6月24日 美原町が行った平成10年度の特殊勤務手当の支給に関し、請求人は住民監査請求書を提出。
  • 同年8月20日 住民監査結果が通知される。(請求棄却)
  • 同年9月19日 請求人は住民監査結果を不服として、大阪地方裁判所に本件訴訟を提起。被告 美原町長及び美原町秘書課長(いずれも個人)
  • 平成12年3月17日 美原町長は被告側に訴訟参加。
  • 平成12年8月10日 大阪地裁判決。
    原告の請求額が被告美原町長及び美原町秘書課長につき各4,186,882円と遅延損害金であったところ、大阪地裁は美原町長に991,734円に遅延損害金を加えた額を支払うよう命じた。美原町長控訴、請求人付帯控訴。(付帯控訴により控訴審における訴額は1,194,002円となった。)
    秘書課長に対する請求は棄却(確定)。
  • 平成14年12月25日 大阪高裁判決。
    控訴審の係争部分が1,194,002円と遅延損害金となったところ、美原町長に1,117,734円に遅延損害金を加えた額の支払いを命じた。
    美原町長上告。
  • 平成16年12月3日 最高裁上告棄却。

イ 弁護士報酬の公費負担に関する議案における負担額の計算について
 旧「大阪弁護士会報酬規定」(現在廃止)を参考に着手金及び報酬金の額を定めた上、勝訴部分を次のとおり判断して計算した。なお、報酬金は勝訴の場合、着手金の倍額とされていた。)

  • 美原町秘書課長(大阪地裁にて全面勝訴)
    着手金100,000円+報酬金100,000円×2=300,000円
  • 美原町長(大阪地裁にて約4分の3の一部勝訴)
    着手金300,000円+報酬金300,000円×2×4分の3=750,000円
(2) 請求についての考え方及び意見

 弁護士報酬の公費負担に関する議案については、平成14年改正前の地方自治法第242条の2第8項を適用し、「住民訴訟において被告となった職員が勝訴又は一部勝訴した場合において、弁護士に報酬を支払うべきときは、議会の議決によりその報酬額の範囲内で相当と認められる額を負担することができる。」との規定に基づいて提案内容を決定した。
 本件においては個人として本件訴訟の被告となった特別職職員である美原町長が、一部勝訴しており、旧大阪弁護士会の報酬規定を参考に、報酬額の範囲内で相当と認められる額を計算した結果、その額が美原町長については75万円となったものであり、この額は適法に公費を負担したものであると考える。

第4 監査の結果

1 本件に係る事実

 本件に係る事実については、前述した監査対象部局の説明における事実をおおむね採用しうると判断した。

2 本件請求に係る判断

(1) 行政訴訟における弁護士報酬の公費負担について定める地方自治法第242条の2第8項は、住民訴訟の四号請求に係る被告である当該職員が勝訴又は一部勝訴した場合に、弁護士に報酬を支払うべきときは、地方公共団体は議会の議決により相当と認められる額を被告のために公費負担できる旨を規定する。
 したがって、同規定に従って弁護士報酬を公費負担している事実が認められれば、当該公費負担額の支出行為は適法であると判断できる。
 この点について本件に係る事実をみると、美原町長は平成10年9月19日に請求人の訴訟提起により住民訴訟の被告となったこと、平成12年8月10日の大阪地裁判決により原告の請求額が4,186,882円と遅延損害金であったところ美原町長は991,734円と遅延損害金の支払命令を受けたもので請求額と支払命令額の差額につき一部勝訴していること、かかる一部勝訴の範囲について旧「大阪弁護士会報酬規定」を参考に相当な公費負担額を算出した上で議会の議決を受けていること、との事実が認められる。
 したがって、当該公費負担額の支出行為は、地方自治法の規定に基づいた適法な行為であると判断される。
(2) 請求人は、美原町長に関する弁護士報酬を公費により負担すべきでない理由として、大阪地裁が行った当該訴訟の訴訟費用に関する判断と、美原町長が行政庁としての立場で行った訴訟参加の事実を主張しているので以下で検討する。
 ア 請求人は、大阪地裁の判決文における訴訟費用の負担について、美原町長が訴訟費用を全額負担すべしと判断されているため弁護士報酬についても公費負担すべきでないと主張する。
 判決書主文に記載されている訴訟費用とは,民事訴訟費用等に関する法律で定める手続費用であり、裁判所に対する申立の手数料、裁判所に対する書類作成費用、書類の郵送料、証人等に支給する旅費、日当などをいう。弁護士報酬とは、弁護士に訴訟委任を行う際の対価であり、一般に着手金、報酬金、実費弁償等で構成されている。そして、その額は弁護士との契約により決定される。
 このように訴訟費用と弁護士報酬とは、訴訟に要する費用という点において共通するものの、両者は別個の概念である。したがって、訴訟費用に関する裁判所の判断を援用して、弁護士報酬の公費負担の範囲を決定すべきとする請求人の主張には理由がないと考えられる。
 イ 請求人は、美原町長が行政庁としての立場で訴訟参加をし、訴訟参加に関する弁護士報酬を公費負担している場合、個人たる被告に関する弁護士報酬を地方自治法の規定によりさらに公費負担するのは、二重の公費負担であって公益性を欠く、と主張する。
 訴訟参加とは、当事者以外の第三者が係属中の他人間の訴訟に参加して自己の名において訴訟行為をすることをいう。本件訴訟のように地方公共団体の執行機関たる地位にある私人としての個人を被告として地方公共団体が被告に対して有する損害賠償請求権を住民が代位して行う住民訴訟(旧四号訴訟)の場合であっても、行政庁を訴訟に参加させる必要性を裁判所が認めた場合には、旧四号訴訟の被告は行政庁としての立場で行政庁の訴訟参加(行政事件訴訟法第23条)をすることができる。平成12年3月17日に美原町長が被告側に訴訟参加したのは、行政庁の訴訟参加であり、当該訴訟参加を裁判所が認めたのは、行政庁たる美原町長を訴訟に引き入れて訴訟資料を充実させ、審理の適正を図る趣旨であったと思われる。
 このような行政庁の訴訟参加の意味からすれば、美原町長は行政庁として訴訟に参加するのだから、その参加に要する費用(弁護士報酬を含む。)は当然に公費により負担されるべきものと考えられる。
 一方、旧四号訴訟の被告である職員は、個人として被告となるのだから、被告としての勝訴・敗訴にかかわらず、本来は訴訟に要する費用(弁護士報酬を含む。)は当該職員が負担しなければならない。しかし、これでは公務員の職務執行行為に関連して住民訴訟が提起されることが多い状況からして、被告が勝訴した場合を含めて弁護士報酬を全て個人に負担させることはあまりにも酷である。そこで、住民訴訟の判決で被告が勝訴し、職務執行行為の適法性が明らかになった場合には、地方公共団体の議会が相当と認める限度で弁護士報酬の公費負担を認めることとした(平成14年9月改正前の地方自治法第242条の2第8項)。
 このような趣旨をふまえるならば、旧四号訴訟において弁護士費用の公費負担の理由及び負担額について議会の議決を経ている場合は,被告たる個人の弁護士報酬を公費負担することは何ら公益性を害するものではないと考えられる。
 したがって、このような公費負担の措置は公費の二重負担であって公益性を欠くという請求人の主張には理由はないものと考える。
 ウ 以上のように検討したところ、美原町長が行った弁護士費用の公費負担請75万円を支出する行為について、これを違法な公金の支出だとする請求人の主張には、いずれも理由がないものと考える。
(3) 結論
 以上検討した結果、本件の公費負担された弁護士報酬の支出行為が違法な公金の支出だとする請求人の主張には、理由はないものと判断する。

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