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堺市長記者会見 令和元年7月10日

更新日:2019年7月17日

市長

 本日まず2件お伝えをさせていただきます。
 まず、百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録について、そして「O157堺市学童集団下痢症追悼と誓いのつどい」について、この2点です。

百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録について

 まず、報道でも連日お伝えをしていただいています百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録について、7月3日から8日にかけまして、アゼルバイジャンのバクーにて、世界遺産委員会に出席をしてまいりました。今回長年の悲願でありました百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録が正式に決定をいたしました。
 パブリックビューイングにも多くの方がお集まりいただいたと聞いておりまして、市民の皆様とともに喜びを分かち合えたこと本当にうれしく思っています。同時に世界遺産委員会では、今回推薦書を提出した内容について、修正が一つも入ることがなく満場一致で皆さんから推薦の意見ばかり、承認の意見ばかりということで、これはひとえに長年の市民の皆さんの御理解、御支援はもちろん、多くの方の御尽力が今回の結果につながったと考えています。
 一方でこの世界遺産登録というのは、堺市そして藤井寺市、羽曳野市、大阪府が一体となってめざしてきたことではありますが、これがゴールではありません。大阪に世界遺産が誕生したというこの重大な転機を契機として、これから次の世代にも伝えていく、守っていくというために、地元3市そして大阪府としっかりと連携をして、これからも進めていきたいと考えています。
 特に力を入れて行うべきこと、これは3点あると考えています。
 1つは資産の保全。かつては百舌鳥・古市古墳群、百舌鳥古墳群においても100基以上の古墳があったと聞いておりますが、今はその半分も残っておりません。今回世界文化遺産に登録をされたことで、緩衝地帯やバッファーゾーンの指定もありますが、さらにこの古墳群の保全をして、次の世代にも伝えていく、そのための取り組みを行ってまいります。
 そしてもう1点は、受け入れ環境の整備。特に百舌鳥・古市古墳群は住宅密集地の中心にございますから、近隣の住民の皆様にも安心して暮らしていただきながら、そして訪れた方々にも安心してその場所を安全に過ごしていただく。そのためにも受け入れ環境の整備を進めていきたいと考えております。
 そして3点目は、魅力の発信。やはりこの百舌鳥・古市古墳群をこれから将来にわたって守っていこうと思えば、この古墳群の魅力・価値を多くの方に再認識をしていただく。そして、貴重なこの人類の宝を多くの方に伝えていただく、これが欠かせないと考えています。より多くの方に魅力を感じていただけるように、発信をしていきたいと考えています。

「O157堺市学童集団下痢症 追悼と誓いのつどい」について

 続いて、「O157堺市学童集団下痢症 追悼と誓いのつどい」の件です。
 7月12日、金曜日に「O157堺市学童集団下痢症 追悼と誓いのつどい」を開催いたします。堺市で平成8年7月に学校給食を起因としたO157による学童集団下痢症が発生して今年で23年目を迎えます。改めて亡くなられた3人の児童と後遺症によって亡くなられた方への御冥福を心からお祈りを申し上げますとともに、御遺族に対しまして深く追悼の意をささげます。
 堺市ではこのようなことを二度と繰り返さない、風化をさせないということを目的に7月12日を「O157堺市学童集団下痢症を忘れない日」と定め、「追悼と誓いのつどい」を開催しています。本年も堺市役所本館正面玄関前にある「永遠(とわ)に」の碑において、健康づくり推進市民会議のメンバーや議員の皆様、学校関係者の方々にも参加をいただきまして、私も追悼と誓いの言葉を述べさせていただきます。
 また、各学校園におきましても忘れない日の趣旨の周知に努めていただきます。今後もO157堺市学童集団下痢症の教訓を踏まえまして、何よりも安全・安心を最優先に学校給食の提供に努めてまいります。
 私からは以上です。

質疑応答

(日経新聞)

 世界遺産について今、世界遺産委員会ではいわゆる推薦、注文が一つもつかなかったという趣旨のことをおっしゃられましたけど、一方でガイダンス施設等についての環境影響評価はしっかりやる必要があるというようなことを言われているんですよね。

(市長)

 はい。

(日経新聞)

 それは注文の一つじゃないんでしょうか。

(市長)

 勧告としては、まだ決議文の最終文面は出てきておりませんが、決議案というものは見た限り、そこは勧告ということであります。しかし、それは懸念ということでは、遺産のこれからの保全の課題ということで指摘をされていることだと考えますので、こちらが提出したものについて委員の皆様から改めて修正を迫られるということではなかったと考えています。

(日経新聞)

 今日午前中ヘリに試乗されていましたけれども、上から見る方法については、月曜日の会見で大阪府の吉村知事は割とやっぱり気球をぜひ推したいみたいなニュアンスだったと思うんです。おそらく値段の関係を強調していたと思うんですけれども。永藤市長としては今日もおっしゃっておられたと思うんですけれども、気球以外にもヘリもあればセスナもあるし、水上飛行機もあるということで、永藤市長としては多様な手段があっていいとお考えという理解でよろしいでしょうか。

(市長)

 やはり今日試乗したヘリコプターは、上空300メートルまで飛行するということで、気球とはまた違った視点でその百舌鳥・古市古墳群の百舌鳥古墳群の壮大さを理解することができると考えています。ただ、ヘリコプターは席が3席ですかね、パイロットの方を除いて3席しかありませんので、やはり限界があると考えています。今計画をしています気球はヘリウムガスで上がるものでして、20人から30人、一度に上げることができる。そして、1日に何度も往復をすることができるということですので、多くの方にその魅力を感じていただくいい手段なのかなというふうに思っています。

(日経新聞)

 それぞれの手段である種、一長一短、メリットデメリットあるから、それぞれ選択の余地が広いほうがいいというお考えですね。

(市長)

 そうですね。今考えています気球というのは、下からワイヤーロープを引っ張りまして、そのワイヤーロープの頭上に100メートルから150メートルぐらい上がっていくという計画をしています。
 一方で私も以前、八尾空港からセスナで眺めたことがあるのですが、そうすると古市古墳群と百舌鳥古墳群をぐるっと回って帰ってくることができるんですね。百舌鳥古墳群は本当に堺東近く密集市街地の中心にあるんですが、古市古墳群は隣に田んぼがあったり、山があったり、山というか小高い丘があったり、そのような風景もありますので、百舌鳥古墳群と古市古墳群の両方をごらんいただくという面でも、やはりヘリコプターやセスナ、また水上飛行機、これはまだ検討段階にも至っていませんが、このような手段というのは有効だと思っています。

(朝日新聞)

 永藤市長が初登庁されてちょうど1カ月経ちました。1カ月間振り返ってみて現時点での率直な実感と、それと選挙等で約束したことの進捗について今どんなふうに考えてらっしゃるか、まず教えていただけますでしょうか。

(市長)

 今日でちょうど1カ月なんですね。私も今日がその日だとは認識をしていませんでして、本当にもう何カ月もこの仕事をしているような印象を受けています。当選した翌日からレクチャーが入りまして、前市長の市政の積み残したことであるとか、検討中の課題、そして今各部局が抱えている案件について、毎日平日は朝から夕方までレクチャーを受けてまいりました。その中でいろいろと意見交換をする中で、幾つか見直しをしなければいけないなということも見つかっております。それについては、また後日、皆様にお伝えする機会を設けたいと考えております。
 マニフェストの進捗につきましては、今私が選挙中に掲げていた内容、それを各部局に見てもらって、その中ですぐに実現できるもの、そして民間事業者等の連携が必要なもの、また大阪府、大阪市等の連携が必要なものについて切り分けをしておりまして、できるところから今進めている状況ですが、それについても今後スケジュール、ロードマップを作成しまして、任期4年間の間に着手をするとお伝えしたものについては、実行できるように進めていきたい、そのように考えています。

(朝日新聞)

 2番目におっしゃっていたマニフェストの進捗ということで、もちろんまだ1カ月なので、緒に就いたところだとは思うんですけれども、ぜひ今ロードマップという話もあったんですけれど、期間中にどういう時点でどういうふうにやるのかという工程表みたいなのを示されたほうが、市民もどれぐらいやっているかというのがわかると思いますし、何かある程度さっきの見直しの中身等についても、随時出していこうというお考えはあるということですかね。

(市長)

 はい。やはり見える化をしていかないと、市民の皆さんにも御理解をいただけないですし、議会でもしっかりと議論していただいて、堺のために教えていただきたいと考えていますので、行政で抱え込まないようにできる限りオープンにしたいと考えています。

(朝日新聞)

 わかりました。
 あと世界遺産の関係なんですけど、さっきガイダンスの話がありましたが、ガイダンス施設の着手は一応勧告及び登録を待ってという話だったんですが、基本的にはもう現状の既にまとまっている案を特に変える必要はないという認識でよろしいんでしょうか。

(市長)

 変える必要はあると思っています。

(朝日新聞)

 そうですか。それは。

(市長)

 ですから、ガイダンス施設のある程度の案はできておりますが、その内容は一旦保留をしまして、今の敷地は仁徳天皇陵古墳の真横にありまして、本当にそれがその場所で適切なのかと。そして、今の案には10メートル以内の所にベランダみたいな所で眺めることができる場所もあるんですが、気球が実現をしますと果たしてそれが必要なのかということにもなりますので、そして古墳群を上空から眺めることができないために、いろいろな展示を考えておったと思うんですが、それも必要性も含めて、より市民の方、来訪者の方に魅力を感じていただけるような何らかの施設というのはしたいと考えておりますが、今のガイダンスの計画は見直したいとそのように思っています。

(朝日新聞)

 今のお話、場所が適切かと最初におっしゃったんですけど、場所も含めてとなると結構抜本的なあれなのかなと思うんですけど、あの大阪女子大跡地の中でのことをおっしゃっているのか、それともまた別の場所も含めてということなのでしょうか。

(市長)

 大仙公園の中に博物館もありまして、こちらもかなり年数がたっておりますので、その活用、役割分担も含めて考えたいと思っています。旧大阪女子大学ですかね、跡地もかなり広大な敷地がありまして、今その手前のほうにガイダンスとか計画をされておるんですが、そちらが、どこが来られる方にとって利便性がよくて、また古墳群に影響を与えないで済むかと。こちら遺産影響評価にもなりますが、それも踏まえて検討し直したいと思っています。

(朝日新聞)

 就任間もないころにこのことをお聞きしたときには、ガイダンス施設については契約も一定進んでいるので、大幅な見直しは難しいという話だったと思うんですけど、今日の今の話は少し話が違ってきていると思うんですけれども、それは既に今、年は忘れましたけど、完成時期とか一応決まっていたと思うんですけど、そこがずれ込むことも含めて一旦、かなり一から見直すようなイメージなんでしょうか。

(市長)

 はい、そのように考えています。

(朝日新聞)

 となると、また新しい一定のパース図とか示されていたと思うんですけれど、そこも含めてもう一回新しいものを出すようにしたいということになるんでしょうか。

(市長)

 そうですね。今回の気球の話というのも、私が就任以降により具体的に検討を始めた内容ですから、そして大仙公園についてもパークマネジメントという制度ができないかどうか、これも検討をしています。古墳群周辺の受け入れ環境の整備という面で、大きな視野で一度考えてみたいと思っています。
ただ、あまり時期をかけてもそれが10年かかるということでしたら、遅きに失すると思いますので、スピード感を持って取り組んでいきます。

(朝日新聞)

 博物館との役割の見直しというのもあって、確かに博物館が既にあって、今一定程度ガイダンス的な役割を果たしている中で、博物館もいずれ古くなったときにどうするんだという話もあったと思うんですけど、だからガイダンスそのものをやめるわけではないけれども、その中身についてはかなりじっくりと見直しをするということですね。

(市長)

 はい。ガイダンス機能は必要だと考えていますが、今の施設をそのままというのは見直したいと思っています。

(朝日新聞)

 わかりました。
 O157なんですけれども、もちろんこれは永藤さんの就任よりはるかに前のことなんですが、確か現時点でもまだ経過観察とかされている方がかなりの数いらっしゃって、要は終わった問題ではないわけなんですが、市長御自身はこの問題の当時の大きな反省点、堺市教育委員会の(反省点)というのは、どういうところにあって、そのどこを忘れてはならないというふうにお考えなのでしょうか。

(市長)

 やはり私も当時、堺市内の飲食店でアルバイトをしておりまして、連日その大きなニュースというものを飲食店で働きながら見ておりました。学校の給食現場における食べ物の提供の仕方、それを当時の体制というのはやはり管理が十分ではなかったのではないかと。それを受けて今の学校現場はかなり慎重に十分に行うような、安全な物資だったり、例えばO157(検査)であったり、放射性物質の確認というものも行っていますので、本当に不幸な出来事であったとは考えておりますが、その事件を教訓としまして、今学校現場では安心・安全の給食が提供できていると考えています。

(朝日新聞)

 確か市と御遺族とかの間に不信感、被害者の家族と不信感があって、まだ補償ができていない方も相当数いらっしゃったと思うんですけども、そういった方々に対してはどう向き合っていきたいとお考えですか。

(市長)

 未合意の方々もまだたくさんいらっしゃるというふうにお聞きをしておりますので、真摯に理解をいただけるようにこれからも努めていきたいと思っています。

(産経新聞)

 大真面目な質問なんですが、ハニワ課長の今後の処遇というんですか、役割も含めてですね、この前終わったときに囲み会見で辞令を欲しいということを言ってたようなんですが、その辺も含めてお願いします。

(市長)

 ハニワ課長御自身からもハニワ課長になったときに辞令をもらっていないということは聞いております。私がバクーに出張中も、バクーでも世界遺産登録決定のニュースは拝見をしておりまして、ハニワ課長には大いに活躍をしていただきました。今後の処遇につきましては、今庁内で検討をしているところです。

(日経新聞)

 百舌鳥・古市古墳群についてなんですけれども、実際この観光客の要望の中には、その古墳の中に入ってみたい。それから上から眺めてみたいというのが非常に多いんだというように伺ったことがあるんですけれども、実際には仁徳天皇陵の中には入れませんし、上から見るというのも今度週末に機会があると思うんですが、いつでも上から見れるわけじゃないわけですね。そうすると、それを知らずに来ちゃった人はがっかりして帰るというおそれがあるかと思うんですね。その御指摘がある方からあったんですけど、こちらに来られる方がどの程度事前に認識されていると思われますか。

(市長)

 やはりあれだけの巨大な墳墓ですから、地上からではその存在というのはなかなかわかりにくいというふうには考えています。来られる方、今気球が計画中ということがニュースにもなっていますから、来年以降はそういうふうに見れるのかなと思ってる方が多いと思うんですけど、今来られる方というのは特に皆さんが堺を訪れれば上空から眺めることができると思っているとは考えていません。
 一方で私も堺区の住民ですので、これまでもたびたび仁徳天皇陵古墳に訪れておりましたが、やはり拝所の前で手を合わせると神聖な気持ちになるんですよね。これまで長年続いてきたこの歴史・文化というものを体験・体感していただくことも重要な魅力発信の一つではないかなと。上から眺めるだけではなくて、やはりこれまで1600年の間その地にあって、拝所があって皆さんがそこを尊重して来られた、そのような経緯もぜひ観光にこられた方、見学にこられた方には感じていただきたいと思っています。

(毎日新聞)

 この間「さかい利晶の杜」が150万人で、市長もお祝いに駆けつけられたんですけれども、実際の有料の入場者数というのが、3割程度らしいんですね。それで聞くところによると、そのカウントの仕方も2回、3回同じ人をカウントしていてその数字が150万人というのを聞きまして、今後200万人とか250万人、300万人とか節目が来ると思うんですけれども、こういう形での節目というのをやっぱりセレモニー続けていくんでしょうか。何かカウント方法とか変えたほうがいいのかなという気がするんですけれども。

(市長)

 おっしゃるとおりだと思いますね。私も150万人ということで、もうカウントダウンが始まっていまして、そのセレモニーも用意されていたので、私も来られた皆様に、4人の方々が当日認定されたんですが、お渡しをさせていただきました。
 お伝えいただいたとおり、有料者数というのは本当に少なくて、なかなか150万人として経済効果というのも出ていましたが、果たして本当にそれだけのにぎわいがあるのか、経済効果が出ているのかというのは私も正直疑問に思っています。
 今、これから指定管理者の公募というのも次の5年間が始まりますので、その点についてもより魅力的になるように、私も指示を出しているところです。そして、有料者数がやっぱり増えるように内容も見直していかなくてはいけないなと。今までの千利休、そして与謝野晶子さんという、お二人、もちろん堺の本当にすばらしい偉人だと思うんですが、多くの方がそこに立ち寄って、そして何度もお越しいただくためには、もうひと工夫、ふた工夫必要なのかなというふうに考えておりますので、150万人来ていただいたからすごい施設だというふうに私全く思っていませんので、そのカウントの方法も含めてより機能的というか、ちゃんとその実情があらわせるように検討していきたいと思っています。

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