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第1回 堺市自転車のまちづくり推進条例懇談会議事録

更新日:2016年3月28日

日時

平成25年7月25日(木曜) 午前10時から12時まで

場所

堺市役所本庁舎 本館地下1階 大会議室

議題

1 座長・座長代理の選任について
2 堺市自転車のまちづくり推進条例懇談会について
3 条例に規定する基本的な事項について
4 その他

出席者

議事内容

開会挨拶

自転車まちづくり推進室 京谷副理事より挨拶

委員紹介

事務局より委員紹介

議題1 座長・座長代理の選任について

絹川委員
昨年度、自転車利用環境計画策定検討懇話会で座長を務めておられた初谷先生が適任ではないかと思います。

全委員 
賛成

初谷委員   
座長代理は吉田先生にお願いします。

議題2 堺市自転車のまちづくり推進条例懇談会について

事務局より資料1、2、3を説明

大阪府警察本部犯罪対策室より参考資料2を説明

議題3 条例に規定する基本的な事項について

事務局より資料4、5、6、7、参考資料1、3を説明

初谷座長    
質疑に入ります。 各委員にそれぞれの立場でご意見お願いします。

寺田委員    
歩行者に安全な形で自転車が利用されればいいなと思います。
条例づくりに興味をもっています。安全利用だけでなくまちづくりといったかたちで大きく作り上げる。それが自転車による堺市の大きな特徴になるのではないか。
放置自転車の防止に関する条例の上位として位置づけるようなかたちになれば堺市の自転車のまちづくりとしての条例になるのではないか。

初谷座長    
堺のめざしている条例の特徴として、まちづくりをキーワードとしてどのように条文化していくかというお話でした。

小林委員    
堺の中で自転車を利用している立場です。安全面のことからこれだけたくさんの条例ができたと思います。堺市内で生活しておりましても非常に危ないと感じることがたくさんありますし、子どもたちも堺で育っていて、中学校は自転車通学は厳禁なんですね。他方、シマノの社員さんが、非常に格好いい自転車に乗ってヘルメットをかぶって通勤されているのを見かけます。安全面とどう利用するのか、利用を促進するのか、自転車のまち堺として一定相反するような中身をどうしていくのかが大きな課題なんじゃないかなと思います。
条例に先立ち自転車利用環境計画をたてていますが、条例と計画の関係というのをどうすり合わせを取っていくのか、どう位置付けるのかが課題と思います。

初谷座長    
計画と条例の関係についてどのようにすりあわせをとっていくのかということについて、補足説明をお願いします。

小林委員    
条例の中には進捗状況とか検証の条文は盛り込まないと聞いています。条例に基づいて計画を立てるというのではなく、すでに計画が立てられているなかで、条例がスタートするわけで、計画と条例がどのような関係になるのかなというところです。

青木委員    
大阪府自転車軽自動車商業協同組合から参加しています。自転車の利用が多いが快適に走っているなという道路はない。自転車道路ができていてもとぎれとぎれで繋がっていない。歩道・車道を区別するのにポールがたくさん立っています。ポールに当たる自転車利用者もかなりおられる。走りやすい道路の建設、接続性の良い道路を期待しています。

江原委員    
いろんな条例ができると、だいたい市民の方は、「かなわんな」と思うのではないでしょうか。ですので、条例の実効性を前提に、条例ができることにより、まちが良くなるんだな、という意識を打ち出すのが大事だと思います。たとえば警察の方から詳細なデータをいただいておりますので、どこを重点的に解消していけば、どのような効果が出るとか、具体的に市民の方に公開できれば、実効性のあるものにつながるのではないかと期待できるのではと思います。

初谷座長    
小林委員からお話のあった社員の格好いい自転車通勤についてはいかがですか。

江原委員    
当社では自転車通勤を推奨しています。社員約1,200人の3分の1が自転車通勤です。ヘルメットをかぶるほうが通勤手当が多いといったインセンティブを与えています。
社内でもリスクというか、パンフレットをいただいているなかで、どれだけの賠償をとられるのか、それが自分に直接かかわるものなので、当事者の意識は高まります。

初谷座長    
企業の中のインセンティブに工夫をしている話ですね。

藤澤委員    
堺の地場産業である自転車の振興に少しでも貢献できればと思います。以前、堺の自転車の産業振興のため、「堺の自転車屋さん」という冊子を15,000部ほど、平成22年に作成し、配付いたしました。自転車のメンテナンスが必要で、それが安心安全な自転車に乗っていただく一つかなと思います。この自転車利用環境計画見せていただき、自転車一つをとらえましても「つかう」、「まもる」、「とめる」、自転車の保管を考える駐輪場の問題もありますし、事業者の従業員の方だけではなくて来客の方の自転車をどうするのか、いろんなことが出てきます。また「はしる」という問題での安全安心の面でも多岐にわたった検討課題があるのかなと認識しております。

武田委員    
安心安全な自転車を快適に乗っていただく。それに結びつく条例ができたらなと思っています。
去年の11月に国交省と警察庁が出した「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」に沿って行政の方たちも行っていただいている。この中で抜けたところがある。抜けたところを補うのが課題です。特に歩道が狭くて車道も狭いところ。歩道が無くて車道が狭いところ。ここでは自転車が危険な状態になります。それに対してはガイドラインでは抜けていると思いますので、こういったところでは自動車に安全に注意してもらうようにしていただければと思う。私は自転車を40年間作っているが、いろんな事故を聞きます。一番大事なのは、自転車に乗る人にとっては自転車の日常点検、空気が入っているか、ブレーキが利くか、そういう点検をやる。そして定期的に販売店で点検してもらう。何かあった時には修理してもらう。自動車の場合は定期点検があるが、自転車の場合は、点検することについてはたぶん認識されていない。そのまま乗っていればいつまでも乗れる。その状態で事故をおこしているのが多い。ナイト(NITE:独立行政法人 製品評価技術基盤機構)の調べによると、製品に起因しない事故というのが、起因する事故より2.5倍と調査にでている。ここを抑えるのが事故を少なくすることかなと思う。
小学生・中学生・高校生、それから保護者に対する教育が非常に大事。自動車の場合は教習所でいろいろ教えているが、自転車はその教える機会が少ないと思う。親による教育が必要となってきます。

初谷座長   
 「ガイドライン」で特に十分触れていないのでないかという点については、今おっしゃられた以外にありますか。

武田委員    
昨年1年、自転車利用環境計画の会議に入っていて、その中でも話題にあがったのが、自転車のレーンが途中で切れていったん歩道に上がったり、歩道の横にある自転車レーンがまっすぐに行けなかったりというのがあったが、11月ぐらいにガイドラインを参考にしてまっすぐ点々で結ぶようになってきています。それがないものに関しては、条例で自転車が安全に車道を走れるような環境になるようにしていきたい。

初谷座長    
この「ガイドライン」については、また、事務局の方で参考資料として配付してください。

絹川委員    
自治連合会として参加しています。(創業80周年の際に)2億円寄付された。それがやっと今に花が咲くのかなと。今まで遅々として進まなかったんでイライラしていました。自治連合会では交通指導員としての役割の担当者がございます。春秋の交通安全運動のときが主な仕事になっています。
通園・通学時の交通安全指導とか地域の交通安全広報啓発活動、迷惑駐車、駐輪追放運動、ノーマイカーデーの推進等、交通関係のチェックと対策、また独自の交通安全講習会の開催等指導要綱が堺市から出ておりますけど、実際各町会の方々はそこまで認識しておられません。また交通指導委員長の方もそこまで認識されている方は少ないと思います。
堺区自体は、ツアーオブジャパンの時に、協力しまして、催しものに参加していますけど、今年からは、交通安全の自転車の乗り方やいろいろな講習をはじめました。残念ながら今年は午後から雨が降りまして、お客さんが少なかったんですけど、昨年度は12月に大浜体育館で講習会もしております。また、今年から錦綾校区では、堺市の土木部のシミュレーターを利用して地域会館で高齢者を対象に安全講習会を開催する、そして、各自治会に啓発して順番にやっていく計画もしております。
「自転車のまち堺」ですけど、自転車道路はシャープの周回道路がツーリングコースになっていますし、またJグリーンの外周にもできまして、浅香山の公園にも緑道ができております。これを、大和川の阪神高速の高速道路のところに、スーパー堤防事業というのがございますけれども、三宝から五箇荘まで7校区を花の道、水の道、という構想でつなごうとしております。それに歩道と自転車道ができるかどうかわかりませんけど、夢を描いております。若い時、40年前にロンドンで老夫婦がタンデム車で走っているのを見て、いいなと思っており、なんとか日本でもそれをできないかと夢を見ております。
ぜひとも「自転車のまち堺」にしたいと思っております。

浦委員     
堺市の自転車の条例に対し、検討していくということで、私は条例に対して知識はないが、条例化されたときに、果たしてどれだけの自転車に対する効力を発揮するものか。道路交通法というものがありますが、条例にて何らかの自転車の規制の効力ができるのかと期待はしています。わたしは、視覚障害者で、障害者を代表してきているので、視覚障害者が安全・安心して歩行できるという自転車のまちづくりをやってもらいたい。道路交通法には、白杖はくじょうを見れば車は徐行するとか停車するとかの規定はありますけれども、この自転車の場合、自転車の無茶な走行により被害を加えられるという、恐怖感があるんじゃないかと思うんです。条例において自転車の走行についてのマナーとかルールとして、視覚障害者の白杖を見たときに、徐行するとか、自転車を一旦降りるとか、そのような認識がないのではないかと思うので、その一つのルールを条例の中に白杖というものを取り入れていただきたい。

辻野委員    
私どもの業務について紹介させていただきます。学校、老人会、自治会、企業からの要望を受けまして、3人の指導員を派遣して、年間5、60回安全教育を実施している。このなかで多い要望が自転車の安全利用についてであります。毎年、警察と合同で高齢者自転車大会などの開催を通じて、自転車の安全利用の啓発活動を行っております。
自転車に関連した交通事故の防止には、ソフト、ハードの施策が必要と思う。ソフト面では学校や家庭における安全教育でありまして、先ほど申しましたように警察等のその他交通安全団体等で取り組んでいますが、職員全員がこれに専従したとしても全部に当たることは不可能で、子どもさんと毎日接する家族の方でありますとか、学校関係者の方々が非常に大きいです。
ハード面では、自転車は車道を走りましょうという中で、特に自転車が走りやすい道路を作ることが大切です。法律上かなうのであれば、むしろ歩道を走った方が安全ではないかという場所もあるが、そういう場所であっても、歩道の段差が大きく、走りにくい場所もあります。
自転車盗難防止について言っておられるのは非常に特徴的と思う。自動車の引き逃げ事故ですが、加害車両が盗難車であったとよく聞く。暴走族でも盗難オートバイが多いと聞く。他人のものを盗っているから、何かあればほったらかして逃げるという状況がある。自転車も同じじゃないかと思う。自転車を盗むような人は、当然自転車のルールも守らないであろうし、非行する可能性は高いです。自転車盗の予防になれば条例は効果があります。

杉岡委員    
条例を作るということは規制をして安全に乗っていただくことと思うが、出来れば自転車に乗っている人が楽しく乗れるような前向きな条例をつくれればと思う。あまり規制、規制となると楽しくないというか、市民に受け入れていただけないようなものになるのかと思う。堺は、製造という面では「自転車のまち堺」と言えるものではないと思う。これからは自転車に乗って楽しむ観点で日本を代表するようなまちになっていけたらと思う。日頃自転車に乗られている方がルールを分かっていない。マナーも全然わかっていない。徹底して周知することがまず先決かなと思う。販売店もやっていますので、販売するときに、もうちょっとしっかり自転車安全利用五則とか、しっかりお客さんにお伝えしてから自転車をお渡しするとかいうルールづけとか、小学校や、中学校、高校での教育を義務化するような条例が必要じゃないかなと思う。
自転車は、歩行者から邪魔者、車からも邪魔者で、走る場所がどこを走っていいのか分からない状況だと思う。堺市から自転車はここを走るんだよということ、しっかりすること。各方面でされているかとは思うが、まだまだ僕らには分かりにくいので、まとまってそういうことをやっていけたらと思う。

上原委員    
自転車は、トライアスロンを趣味で普段から10キロメートルと乗っていることが多い。スピードがでる自転車に乗っているので歩道は走れません。車道の左側を走っていると車から「お前どこを走ってるのか」と非難を受けたりすることがあったりします。走っていると自転車で対向することがある。乗っておられる方はほとんど知らない。歩行者と考えた場合、歩道を歩いていますと、走ってきた自転車にチリンチリンと鳴らされて場所もないのに避けなあかんとか、これは実際のところやったらあかんとルール的にはダメな話です。こういったことって知らないことからスタートしていると思うんです。
ハード面で考えると、車道の左側を走れというルールになっているにも関わらず、自転車は非常に走りにくい。例えばグレーチングの幅が太すぎてタイヤが挟まったりすることがしょっちゅうある。こんな状態では左側を走れと言われても走れないのではないかということがあったりとか、利用する立場からの思いを汲み取っていただければと思います。

吉田座長代理  
議論として拡張していくというか、論点(課題)を皆さん方に出していただきたいと思っている。自転車という切り口でお話いただきましたが、法律上の話でいうと自転車というのは3種類ぐらいに分かれていて、それぞれによって通行できる空間が違うとか、誰もが乗れる自転車なんですが、自転車免許なしで乗れる。小学校の時に学校で教えてもらって、13歳になると車道を走らなければならないということがほとんど知られていない。子どもの時は歩道を通行するということを教わって、そのまま大人になっているというのが現実です。こういったところで事故が起きないのが、ある意味不思議というのが現実です。
誰が、どう役割分担しながら、その体制を良くしていくか。
まちづくりのキーワードのなかで、自転車を位置付けていくために、市民・販売店とか関わりのある方が何をできるか、どのような課題があるのかを少しずつ出していきながら、こういうふうに改善できるのではないかというイメージを持ちながら、先ほど事務局の方から用意していただきました資料7のところを項目に分けてイメージしていただければと思います。
例えば、中学校では自転車を禁止しているから学校では教えません。そうすると、どこでルールを教えるんでしょう。放課後になれば、子どもは自転車に乗って遊びに行っているという現実があります。
禁止しているから教えませんという感じでいいんだろうか。安全に乗るということをちゃんと教えていくとか積極的に活用していくということをやっていこうと思うとかなりいろんなことをやっていかないと実際には物事が変わっていかないというとこです。条例というものが一律に言葉で規定していくものなので、免許を持っていない人に対しても教育する制度になっているかどうか。警察だけで教育していくのは難しいのではないか。
自転車を製品として見た場合、その使い方を、どこまで教えるべきか、誰が責任を持ってどの範囲で教えるかが非常にグレーゾーンでして、そういったところはどこまで決めていけるのか、条例を規定していくときにあります。
新車の自転車であればわかりますが、かなりの台数が中古車でも売られています。中古車の業者さんもこういったところに入ってくるのはどうか、そういったところも論点になろうかと。今、抱えている課題を出していただいて、条例の中に入らないとしても情報を共有し、どのような対応ができるのか考えていきたい。       

初谷座長    
資料5、6、7のあたりをちょっと突っ込んで議論してみましょう。資料は6、5、7の順で見ていただければより分かりやすいと思います。
資料6は体系図の案でして、理念条例から、原則条項、制度条項、具体制度に下ろしていこうというイメージですが、制度条項に責務を具体的に述べたのが資料5にあたります。さらに4分類して落としこんでいくと、かなり偏りがある状態になっています。
今までのご意見を少し整理させていただきますと、3つぐらいのグループのご意見が出ておりまして、一つは条例全体のしつらえと言いましょうか、構成にかかわる問題ですが、計画レベルで議論した総合性みたいな、総合的なまちづくりとの観点からすると他の自治体の条例の影響を受けているかもしれませんが、安全・安心とかにシフトがかかっているので、バランスよく考えてはどうかとのご意見が小林委員、杉岡委員からおっしゃっていただいたところです。
二つ目のグループの問題が、どういうことを条例で規定するかという対象の問題です。この対象の問題としては、先ず、寺田委員の方からキーワードで使われている「まちづくり」というのは非常に概括的な言葉なので、これが何を意味しているのか、条文として表現していくときには定義とか大きく括るところが特徴であるにせよ、あまりにも拡散してはいけないので、まちづくりのイメージを定める必要があるのではないかとのご意見であったかと思います。
それから、対象面でハードとソフトという言い方が出ており、特にハード面のご意見が多いようです。青木委員の歩車道の分離問題ですとか、絹川委員のおっしゃられた自転車の道路の問題ですとか、辻野委員のおっしゃられた段差の問題、歩車道両方の整備の問題について、この条例でどのように表現していくか。武田委員のおっしゃられた「ガイドライン」が触れていない歩道の狭い部分、あるいはない場合の対応について書き込む必要があるのではないかということですね。それからソフト面については、ソフトかハードかというのは、便宜的な分類ですが、浦委員のおっしゃられた白杖の問題ですね、障害者の方々の安全ももちろんですが、それ以前の恐怖感を感じない安心というか、安らかに歩行できるという、そういうことについて役に立つような条項をぜひ盛り込んでもらえないだろうかというご提案をいただきました。
もう一つは、辻野委員のおっしゃられた、府警のご説明もあったんですが、窃盗予防が発生してくる諸問題のスタートという点で重要なので、こういう点をきちんと押さえる必要があるだろう。上原委員のおっしゃられた啓発の問題ですね、単に言葉だけでなくて意味のある啓発と言いますか、それを上手に表現する必要があるというご意見がありました。
3番目のグループの問題が、いまご覧いただいている資料5の部分ですね、ここと関わるんですが、それぞれの主体の責務を謳うことになるのですが、これに関しましては、江原委員がおっしゃいましたように、責務と言うことで、義務化みたいなものを課すわけでけれども、それを進んで守りたくなるようなインセンティブの問題を絡めて表現することの大切さをおっしゃっていただきまして、武田委員の方からは、日常的に点検するような市民の心がけというものを分かりやすく入れなければだめというご意見がありました。絹川委員からは、交通指導員のような普段この問題に関心をもっていただいている方々も認識をさらに高めるために、ポイントを絞って、心掛けていただきたいことは何かなどを含められればなというお話がありました。杉岡委員からはご自身の経験も踏まえて、ユーザーと接する局面のところでの責務が大事かなというご指摘があったわけです。
条例全体の構成やしつらえに関する部分は追って議論として出てくると思うんですが、特に二つ目の何を規定するべきかという対象の部分と個々の主体の責務について資料5や資料6、ここに書かれているような表現、これらの項目で足りるのかどうか、あるいは多すぎないかどうか、ご意見をおっしゃっていただければと思います。
まず、口火というか、事務局にお聞きしておきたいのですが、責務がたくさん並んでいますが、2ページの教育委員会と学校長の責務として同じことが書いてあるわけなんですが、わざわざ分けて示されたのはなぜですか。

事務局     
資料5の2枚目、学校、学校長の責務として同じような責務を記載しています。これは、事務局としても迷っている部分でございます。条例を制定されているところではだいたい「学校又は学校長の責務」という規定がなされております。
堺市内で公立で94校の小学校がございます。私学で2校、合わせて96校がございます。「学校長の責務」とした場合に学校によって温度差があれば困るということで、一定、教育委員会としての責務を定めることも必要ではないかという意見がございまして、記載したところでございます。他市の方では、教育委員会の責務として書かれておりませんし、大阪府の安全安心のまちづくり条例の中では、教育委員会という文言が出たりしております。そういったところでどのような規定が一番効果的か、学校長とした場合、学校において温度差が出てきます。どのような規定が一番効果的かということを踏まえてご検討いただければと思います。

初谷座長    
資料5にいろいろ書いていますが、これは素案であるということでご意見をいただければと思います。

武田委員   
取扱説明書が自転車に付いていても、まったく読まれないことが多いのです。他の商品では、読まなくても操作できることもありますが、自転車の場合は、事故につながることがありますので、かならず取扱説明書を読んでいただきたいのです。
取扱説明書には、五則だけでなく、事故につながるようないろいろのことが書かれています。例えば、ハンドルに荷物をぶら下げて走行することに警告しています。ハンドルに買い物したビニール袋を、ぶらさげて走っていると、はじめは当たらなくても、坂道になると袋が前車輪に当たってきます。そのため転倒してお怪我をするのです。実際ある有名なスポーツ選手が、怪我をしたと新聞でも報道されました。
学校の先生や市の方が、何を教育していいかわからないと言われているようですが、取扱説明書には、重要なことが書かれていますので、読んでいただければと思います。
自転車を購入するときは、年齢、体格、体力、目的にあったものを選んでいただきたいと思います。例えば、子どもが大人用に設計された20型の小径車に乗っていることがあります。そうするとハンドルさばきが悪くなり危険です。また、自転車には、低速用、中速用、高速用などがあります。目的に応じた自転車を選んでいただきたいと思います。
歩道を自転車が走る場合、車道側を走るように決められていますが、むこうから向かってくる自転車に対して、右に逃げるのか、左に逃げるのか決められていないため衝突事故が起こります。キープレフト、自転車左側通行をすることで事故が大きく減少すると思います。

初谷座長    
条例の条文等言うものをイメージした時には、いずれかの主体の責務として、教育にあたるような方々の責務としてこういった素材を使ってと言うことを条文としてどう表現するか、これからの議論だと思いますが、どういう形で書いていくことになるんでしょうかね。

武田委員    
これは、販売店があなたに合った自転車はこれですよ、と指導するということになります。

寺田委員    
事業者等の責務がもう少し細分化されるのかな。教育委員会も学校長もそうですが、自転車の利用者の責務だけで、所有者の責務とするのか、どこまで分類をしていくべきかなと今の話を聞いて思いました。理念的な規定であれば主体ごとのこういった責務を書いているんですね。その場合に市民と行政側の間と市民と事業者側の間の問題があって、自転車利用という独特のものを対象とした場合、そういう点では分けた方がすっきりするのかなと思います。条例の背景という上ではどうかなと思いました。

初谷座長    
主体の区分の仕方を、あまり細分化するわけにはいかないけれども、実態を踏まえるならば一定の実益もあると、葛藤のあるところかなというご意見ですね。
資料6ですが、今回の条例は理念というものを謳いまして、それぞれの関係者という主体が、こういうことをしましょうという責務の条文が中心になるんですね。その結果としまして、今の案は、資料7にありますように、一覧表にしますと、ほんとにもう、とにかく安全に安全に安全にするため、みなさん頑張りましょう、頑張りましょうとなっていますので、もちろんそれは非常に大事なことですので、まずはそれが基盤としてなければいけない大切なことですが、先ほど、計画と条例との関係について、小林委員からご指摘をいただいたんですけれども、計画を議論しているときはもっと幅広く議論していましたので、そうした計画を担保するための条例ということになりますと、安全のところに目が行き過ぎているところもありまして、そのあたりどうすればいいかなというところ、ご意見がありませんでしょうか。
他の「つかう」とか「とめる」とか「はしる」とか、特に「つかう」の部分でもう少し前向きといいましょうか、やはり義務感、義務感、義務感と言ったものにならないような、そういう側面を条例で表現できるだろうかというあたりですかね。

上原委員    
まちづくりという側面で考えますと、利便性を高めていかないとは、と思うんです。自転車を止めるという意味で考えると、高島屋の前にきっちりとした機械が並んでいて、見た感じには綺麗に並ぶんですけど、利用すると考えると非常に面倒くさい。止めるというということを考えると邪魔になって、この向かいのジョルノさんですかね、同様の機械は1カ月もたたない内に撤去されたと思うんです。利便性が悪かったのかと。責務と表裏一体だと思うんですが、地域で考えたときに、駐輪場を作るとなるとハードルが高くなってしまうんで、お店をされている方とか、道路交通法の関係が出てくるんで私も詳しいことは分からないところがあるんですが、前に停めると言うようなことを促進するとか、お店の方も前に停めて違うとこ行かれても、最後は絶対帰ってくるので、そういった利用の促進というか、お店にはプラスになると思うんですが、自転車を使ってくださいというようなスタイルで決めごとと言うのを作っていければ利用者が増えるというか、利便性を高めることでまちぐるみで何か考えていくようなことを案として出していけたらなと思います。

初谷座長    
なかなか従来の固定観念といいますか、取り締まりとか規制とか、それと促進とかを、どうバランスをとるかということで非常に難しいところがあるんですけれども、堺の個性、堺の独自性ということを表現すると言うときに、このあたりの議論は今回の懇談会で突っ込んでいければいいなと思っています。

小林委員    
どの部分を条例で定めて、どの部分を指導的、自由に行政側の政策として打ち出していくすみ分けがございますので、何もかも条例に盛り込むことは難しいと思う。責務という形で出てしまいますので、インセンティブの部分を盛り込もうとすると、どういう形で決めるんだというのは非常に悩ましい部分かとは思います。たとえば自転車の正しい使い方をきちんと広めるということをしたい。あるいは自転車の定期的な点検をするということを強制する。無灯火で走っている自転車が多いんだけれども、そういったチェックはどうしてできないんだろうかと。やりたいことを責務と言う形で言ってしまえば各当事者にそれをお願いして教育者はこうしてください、保護者はこうしてくださいと責務にバラバラにされて、各当事者に落とし込んでいく決め方になってしまうので、条例としてはそれでいいのかもしれないのですが、それを実際に達成するにはどうするのかという場合には、行政側でまた知恵を絞られるのか、それを条例の中に盛り込んでもう少し楽しい自転車の付き合い方を盛り込めるのであったら非常に堺の独自性が出ていいのではないかなと思います。
先ほど、売るときにやっぱりやればいいということは、非常に思いまして、今まで自転車を買ったときにそういった説明を受けたことはないんですね。業者さんにそれをしなさいと言うと、業者さんに負担を掛けてしまうと思う。それを、「条例で決まっているのでやらないと売れないんです。最低限、見やすくまとまったパンフレットがありますので、5分だけお付き合いください。条例で決まってるんです。どこの店もこうなんです。」と言えば進むような気もします。
あるいは、自動車に車検があるように、自転車には車検がないけれど、車検を受ければお得なことがあるということであれば受ける方がいるんじゃないかとか。自転車を利用してきてくれれば何かいいことがあるという成果があれば、受け入れる側で対応できるのが前提ですが、それを市がバックアップする制度があれば、もう少し責務、責務でしなきゃいけないということにプラスアルファできれば面白いのではないかと思います。
原理原則を定める条例に盛り込むのは難しいので、もう少し条例概念で落とし込むのが必要かもしれないのですが、いろんな主体で知恵を絞れないかなと思います。安全なことを達成するにも、いろんなルートがあっていいのではないかと思います。

初谷座長    
道筋をどう考えていくかということで、いいご意見をいただけたと思います。条例というものの既存のイメージで議論していくうちに元に戻ってしまうという可能性もあるなか、せっかく堺で条例をつくるわけですから、計画策定のために議論したことが、それを支えるための条例でもあるので、上手く対応するようなものになればと思っております。議題3についてはこの程度にさせていただきたいと思います。
それでは、議題の4についてご意見はございますでしょうか。

議題4 その他

寺田委員    
今までの現状、体系を崩してしまわないとなかなか難しい。それを座長さんは願っておられるんじゃないかな。計画の中身、施策の展開として「つかう」・「まもる」・「とめる」・「はしる」の4つの柱の観点から条例の組み換えをやってみる。責務の組み換えをやってみる。そういうことが可能なのかどうか。そうすると堺市の特徴のあるまちづくり条例ができないか。せっかく計画でこれらの施策の展開を書きながら、従来通りの理念条例ができあがるようでは面白くないし、安全のところばかりが責務として出てくるということになってしまうので、面白くない。組み換えを事務局で考えていただいたら何かないかなと思います。

初谷座長    
計画を作るための委員会でいろいろ出ました意見というものを、先ほどから、皆さんのお話を聞きながら反芻しておりまして、あのような思いでこしらえた計画とセットになって、これから市民の方々のためになる条例ですので、そのようなことを申し上げた次第です。寺田委員がおっしゃたような法的な知見を承りながら、従来の主体別に割り振ってしまった責務の条項がずらっと並ぶというスタイルから、少し計画でのキーワードなども活かしながら、何か体系的にも新たな条例構成的なものが可能であれば議論してみる価値は大いにあるのではと思いました。

吉田座長代理  
補足をさせていただくと、参考資料1自転車条例の比較のところで、「まちづくり」というキーワードがついているのが新潟市ですが、エコ通勤の推進とか、公共交通、環境整備とか下の方にまとまって○がついているところがあります。おそらくこういった方向が出てくると、先ほどの楽しさであったりとか、もう少しこうしていきましょうと支援するような条例の形態になってくる。バランスの問題だと思うので、責務を少なくして、今は事務局で作った案は、責務の方がたくさん事例があるので、その共通項を入れていくと今、ボリュームが大きくなっている。まちづくりについては、あまり事例がないので、ここは堺らしさを意見を出していく中で、項目が満たされていけば、堺らしいものになっていくんじゃないでしょうか。責務を減らしていくと、ここらへんもいろいろな法律であったりとか、道交法の条文であったりとか、あまり書いても重複するだけというところになってしまうので、そういった整理は可能ではないかということです。
駐輪場の話がありましたが、条例の中で駐車場の一割は自転車に割り当てようと海外では条例として制定している事例があります。利用したいという環境の中で、どんなところに、どういうふうに作っていけばいいのかとの話も重要と思いますので、義務化と条例の中で規定されてあると、それは少なくとも守っていくと。要は、開発行為であったり、いろんなケースの中に自転車が必ず出てくることが重要な意味になって、アメリカではあるんですが、道路であったり公共物を作るステージの中に必ず自転車のことを考慮しましょうという規定を設けているような法律もあることはあります。そのあたりはいろいろ工夫もしようがあると思うので、いろんな課題若しくは提案等を出していただければよりよいものになるんじゃないかと思います。

初谷座長    
浦委員がおっしゃたように、また冒頭に警察本部の方からご指摘もありましたように、いろいろ注意しなければならない点の中で、ここが勘所だとか、この安心をきちっと大切にすることが大事だと忘れないで、かつバランスのいい条例になりますようにこれからもご議論いただけたらと思っております。 
それでは本日の議題はこれで終了させていただきます。

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