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3.幼児教育の基本理念とめざす方向

更新日:2020年6月30日

 子どもたちが明るい未来を描き、健やかに成長していくことは、変化の激しい現代社会においても重要なことである。特に幼児期は、周囲の保護者や大人からの愛情ある関わりの中で「守られている」という安心感に支えられ、自発的な活動としての遊びを通じて生涯にわたる人格形成の基礎を築いていく時期である。
 幼児教育は、教育・保育施設をはじめ、家庭、地域等、様々な場で行われるものであり、あらゆる場において適切な教育環境を整え、幼児の心身の調和のとれた発達を促すことが重要である。
 0歳児の段階から、安定した情緒の下で自己を充分に発揮することにより、発達に必要な体験を得ていくものであることを考慮して、幼児の主体的な活動を促し、幼児期にふさわしい生活が展開されるようにすることが必要である。
 特に、教育・保育施設における幼児教育は、「環境を通して行う」ことが基本であり、幼児が自ら積極的に、人やもの、自然現象など周囲の環境に関わり、体験を重ねることで、生きる力の基礎がはぐくまれるよう、計画的に環境を構成することが大切である。

(1)はぐくみたい資質・能力

 幼児期の教育においては、幼児期の特性を踏まえ、この時期にはぐくみたい資質・能力は、幼児の自発的な活動である遊びや生活の中で、感性を働かせてよさや美しさを感じ取ったり、不思議さに気づいたり、できるようになったことを使いながら、試したり、いろいろな方法を工夫したりすることなどを通じてはぐくむことが重要である。
 このことを踏まえ、幼稚園教育要領等の改訂では、はぐくみたい資質・能力として、「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」「学びに向かう力、人間性等」の3つが示された。なお、これらの資質・能力は、個別に取り出して身に付けさせるものではなく、遊びを通しての総合的な指導を行う中で、一体的にはぐくんでいくことが重要である。

(2)幼児期の終わりまでに育ってほしい姿

 幼稚園教育要領等の改訂により、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」として「健康な心と体」「自立心」「協同性」「道徳性・規範意識の芽生え」「社会生活との関わり」「思考力の芽生え」「自然との関わり・生命尊重」「数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚」「言葉による伝え合い」「豊かな感性と表現」が示された。これらは、幼児期にふさわしい遊びや生活を積み重ねることにより、前述の資質・能力がはぐくまれている幼児の具体的な姿であり、特に5歳児後半に見られるものである。
 教育・保育施設においては、これらの姿を念頭に置き、それぞれの年齢の幼児にふさわしい生活を展開し、必要な体験を得られるよう、一人ひとりの発達や生活リズムなどの個人差を踏まえつつ、5歳児までのつながりを意識した教育・保育を進めていくことが大切である。
 また、これらの姿を手掛かりとして、教育・保育施設と小学校とが子どもの姿を共有するなどし、発達と学びの連続性を踏まえ、幼児期の教育と小学校教育との円滑な接続を図ることが求められている。

(3)「それぞれの世界へはばたく“堺っ子”」の育成をめざして

 堺市では、「ひとづくり・まなび・ゆめ」を教育理念とし、新しい時代を担う子どもたちが、自立した人間として他と協働しながら、創造的に生き抜く力をはぐくみ、国際社会をはじめ国内外の「それぞれの世界」を舞台に挑戦していくことを願い、めざすこども像を「それぞれの世界へはばたく“堺っ子”」と定めている。
 幼児期においては、次のことを大切に教育・保育を進めることが、しなやかでたくましい「それぞれの世界へはばたく“堺っ子”」の育成につながると考える。
 (1)自分のよさを知り、人とのつながりを大切にする気持ちをはぐくむこと。
 (2)自ら興味をもって様々な活動に取り組む意欲をはぐくむこと。
 (3)目標に向けて努力する粘り強さやチャレンジする力をはぐくむこと。
 (4)地域の人と関わり、地域の文化や伝統の豊かさに気づく力をはぐくむこと。

※(1)~(4)は、『第2期未来をつくる堺教育プラン』の『めざす子ども像』を基に、大切にしたい幼児教育の方向性を示したもの。

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