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[2-1] 医療・リハビリテーション、介護、保健、障害児支援施策の充実

更新日:2015年4月24日

現状と課題

(医療・リハビリテーション)

  • 生活の安心を確保するうえで、医療の保障は不可欠です。障害者が必要な医療を安心して受けられるように、体制の充実を進めていく必要があります。「実態調査」においても、障害者の暮らしやすい社会づくり・まちづくりにおいて、「障害者に配慮した保健、医療体制の充実」を進めてほしいとの意見が多くなっています。
  • 特に、今後、高齢となる障害者の増加が見込まれるなか、障害者の在宅医療の体制の強化が重要になります。本市では重度障害者の訪問看護利用の支援などの取り組みを進めていますが、在宅医療については大阪府の保健医療計画において大きな柱の1つとなっており、大阪府等と連携しながら、市内の医療機関における障害者への医療受診の一層の充実や、障害者が訪問診療・訪問看護等の医療サービスを受けやすい体制づくりを推進していく必要があります。
  • 歯科診療については、口腔保健センターでの重度障害者の歯科診療など、障害者が安心して歯科診療を受けることができる体制づくりを進めていますが、地域においても歯科診療を受けやすい体制づくりを一層推進していく必要があります。
  • 障害者にとって、二次障害の防止などの観点からリハビリテーションは重要です。医療機関間の連携により、急性期・回復期・維持期における専門性の高いリハビリテーションを適切に受けることのできる環境整備に取り組んでいくことが求められます。
  • リハビリテーションにおいては、機能訓練等の医学的リハビリテーションから、障害特性に応じた機能訓練や生活訓練等の生活場面でのリハビリテーションへの連携が重要となります。高次脳機能障害への支援は、現行の障害福祉サービスにおいては、充分に確立されておらず、本市では、健康福祉プラザ*の生活リハビリテーションセンターにおいて、医療機関等との連携のもと、高次脳機能障害を対象とした生活訓練を実施しながら、多様な障害に対応する生活場面でのリハビリテーション体制の充実が必要です。
  • 精神疾患の患者数は増加しており、早期治療のための医療情報の提供や精神医療の体制の充実が必要です。本市では、大阪府・大阪市と共同での精神科救急医療体制の整備など、精神医療体制の基盤強化に取り組んでいます。今後も大阪府等と連携しながら、精神科病院の入院者の長期入院を解消し、社会復帰を促進していく必要があります。
  • 難病の患者に対する良質かつ適切な医療の確保と療養生活の質の維持向上を図ることを目的に新しく制定された「難病の患者に対する医療等に関する法律」は、平成26年5月30日に公布され、平成27年1月1日に施行されています。対象疾患が拡大されることに伴い、公平で安定した医療費助成制度の確立だけでなく、地域の支援機関等と連携しながら難病患者の療養や社会活動を支援していくための体制づくりを推進していく必要があります。
  • 指定難病や小児慢性特定疾病の疾患拡大により難病患者数が増加し、難病患者等への支援の充実が求められています。難病等は疾患数が多く、人により症状もさまざまです。また、専門医も少なく、情報が得にくい、医療面での支援が受けにくいという課題があります。こうした課題を踏まえ、今後も大阪府等と連携して、難病患者等が医療サービス等を受けやすい体制づくりを推進していく必要があります。

(支援)

  • 障害者が地域で自立した生活を送り、家族介護を前提とせずに地域で安心して暮らすためには、居宅介護や生活介護、短期入所など、必要な在宅サービスが十分に提供される体制が重要です。本市における障害福祉サービス等の利用者数、利用量は増加しており、障害者数の増加に伴い、今後も増えていくものと見込まれます。また、「堺市障害福祉計画」において、障害福祉サービス等の将来的なニーズに基づき、提供体制の確保に向けての計画を定め、サービス基盤の整備を進めています。
  • 「実態調査」によれば、サービス事業所では、職員が不足しているなどで、ニーズに応じた十分なサービスを提供できていないという事業所も多く、特に短期入所については、ニーズに対してサービス基盤が十分ではない状況となっています。また、医療的ケアが必要な障害者への対応、発達障害、高次脳機能障害、難病等など、さまざまな障害の特性に応じた量・質の両面におけるサービス供給体制の充実に取り組んでいくことが必要です。
  • 医療的ケアが必要な障害者に対しては、在宅医療の提供の充実をはじめ、地域の生活介護事業所へ看護師を配置、重症心身障害者(児)支援センターにおける入所支援や短期入所支援など、重度障害者への対応力を向上するための支援など、サービス基盤強化のさまざまな取り組みを進めています。今後もこうした取り組みの一層の向上を図り、障害種別や障害特性などを背景とした多様なニーズに、きめ細かく対応できるサービス基盤の充実を図っていくことが求められます。

(保健)

  • 健康づくりにおいて、生活習慣病対策が全国的な課題となっており、本市においても例外ではありません。本市では、健康増進計画である「健康さかい21(第2次)」において、市民の生活習慣病予防、健康寿命の延伸に取り組んでおり、障害者の健康づくりにおいても、この観点に基づく取り組みを進めていくことが重要となります。
  • 障害の種別や程度等によっては、障害者が自ら食生活など生活習慣の管理・改善に取り組むことが難しい場合もあることから、さまざまな障害の特性に応じた適切な保健指導などの取り組みを進めていく必要があります。本市では、障害者を対象とした料理教室や、訪問保健指導などの取り組みを通じて、障害者の健康づくりへの支援を行っていますが、今後も障害者の障害特性やライフステージ等に応じたきめ細かい保健体制づくりを推進していくことが求められます。

(障害児支援)

  • 少子化により子どもが減少するなかで、発達障害を中心に、障害児や障害の疑いを有する子どもが、地域の保育所、幼稚園、学校等に多く在籍する状況です。支援ニーズも多様化しており、障害特性に応じたきめ細かい支援を行うことができるよう、関係機関の連携を進め、保育所、幼稚園、学校等を通じた、発達段階に応じたとぎれのない支援体制の一層の強化が重要となります。
  • 障害児支援において、障害児等療育支援事業や障害児通所支援等の役割は今後一層重要になると考えられます。さまざまな障害の特性に応じた適切なサービス提供や保護者支援など障害児通所支援等の機能強化を図るため、事業所への研修等の充実が必要です。また、放課後等デイサービスについては、学校との連携強化に取り組んでいく必要があります。
  • 本市では、こどもリハビリテーションセンターを中核に、障害児支援の取り組みを進めてきました。乳幼児健康診査、発達相談等からの早期発見・早期支援体制の強化とともに、平成24年度の「児童福祉法」の改正により、新たに創設された障害児通所支援の事業所等を含め、より一層関係機関が連携した障害児支援体制の充実が必要です。

施策の取り組み方向

(1)医療・リハビリテーションの充実

  • 医療機関等において、障害者が安心して医療受診できるように、障害へのきめ細やかな対応や、人権擁護体制の充実などを進めます。また、強度行動障害など障害者の特性に応じた外来診療や入院治療など、さまざまなニーズに対応できる医療基盤の確保を図ります。
  • 障害者の在宅医療をより利用しやすくするための体制づくりを進め、障害者に対応できる訪問診療や訪問看護等の医療基盤を充実します。
  • 口腔保健センター等における歯科診療の基盤強化を進めるとともに、市内歯科診療所の障害の特性に応じた対応や、訪問歯科診療など、障害者が地域において歯科診療を受けやすい体制づくりを推進します。
  • 医療機関等においては、障害者へのリハビリテーションの一層の向上を進めるとともに、それぞれの医療機関の適切な役割分担のもと、急性期・回復期・維持期における専門性の高いリハビリテーションを適切に受けることのできる環境整備に取り組みます。
  • 日中活動系サービスを利用している障害者の高齢化、障害の重度化などの状況も踏まえ、理学療法士や作業療法士等と連携しながら、維持期リハビリテーションを身近な場所で受けやすくする体制づくりを検討します。
  • 各区の保健センター等における相談支援、メンタルヘルスや精神医療、精神疾患に関する正しい知識の普及、かかりつけ医と精神科との連携などを推進し、精神疾患の早期発見・早期治療の体制強化を進めます。
  • 精神疾患の患者に応じて適切な医療を提供できるよう、外来診療、訪問診療・看護、入院医療、精神科デイケア等の適切な治療を促進するとともに、関係機関が連携し、自ら受診が困難な患者に対して、適切な治療の介入に向けての支援などの充実に取り組みます。また、精神科医療機関等における人権擁護体制の充実を図ります。
  • 関係機関の連携により、精神科救急体制の一層の充実、24時間体制での精神科緊急対応の取り組みを進めます。また、精神科と他科の治療が必要な身体合併症患者への治療などに対応できる医療基盤の確保を図ります。
  • 関係機関と連携し、難病等に関する情報提供体制の充実や、医療提供体制の確保などを図ります。また、保健師等の専門性の向上を進め、相談支援体制の充実に取り組みます。

(2)支援の充実

  • 障害者が地域で自立した生活を送り、家族介護を前提とせずに地域で安心して暮らすためには、障害者の生活状況などに応じた適切なサービス提供が必要となります。障害福祉サービス等については、「堺市障害福祉計画」において3年ごとに見直しを行いながら、きめ細かく基盤整備を進めることとなっています。サービス見込量等については、「堺市障害福祉計画」において設定を行います。
  • 「堺市障害福祉計画」に基づき、短期入所など、特に不足しているサービスについて、基盤整備の一層の充実を図ります。また、訪問系サービス(居宅介護等)、日中活動系サービス(生活訓練等)、地域生活支援事業(移動支援等)に関して、障害者のさまざまな利用ニーズにきめ細かく対応できるように、サービスの利便性の向上や、質の向上等に継続的に取り組みます。
  • 障害者の範囲の拡大、重度障害者の増加などを踏まえ、障害福祉サービス等の充実に取り組みます。医療的ケアが必要な障害者への対応や、発達障害、高次脳機能障害、難病等など、さまざまな障害の特性に応じた適切なサービス提供ができるように、サービスを提供する事業者の機能強化への支援を行うとともに、職員の専門性の向上、介護技術の向上等への研修機会の拡充などを進めます。
  • 健康福祉プラザ*の拠点機能を活用し、障害種別・特性に応じた生活リハビリテーション機能の充実をめざします。
  • 障害福祉サービス事業者等の指定に際しては、適切な事業運営を行えるよう、研修会の開催や情報提供の充実を図ります。また、法律改正などに関する制度内容を適切に伝えながら、事業の適正性などの観点から、事業者への指導や監督を行います。
  • 外出のための移動支援、創作的活動や生産活動を提供する地域活動支援センター、日常生活用具の給付・貸与など、地域生活支援事業についても、市の特色を生かしながら、制度内容の充実を図り、利用の普及を促進します。

(3)保健の充実

  • 健康づくりや生活習慣病予防に関して、障害者への健康の増進に関する周知・啓発を進めます。また、健康診断の受診勧奨や、保健指導の充実などに取り組みます。
  • 自ら健康づくりや生活習慣病予防に取り組むことが難しく、生活習慣病リスクの高い障害者に対し、訪問指導等を通じた個別支援の体制を充実します。
  • 障害者の障害種別やライフステージ等を踏まえた保健事業の手法を検討するなど、障害者の健康の増進に向けた取り組みを進めます。
  • 歯科口腔保健に関して、家庭や地域、関係機関との連携のもと、具体的な口腔ケアの方法について情報提供を行うとともに、身近なところでの、歯科医師等の歯科専門職種のかかわりが得られるよう取り組みます。
  • 難病患者等が病気を理解し、前向きな療養生活を送れるよう学習会や医療相談会等を開催するとともに、訪問等を通じた個別支援体制の充実に取り組みます。

(4)障害児支援の充実

  • 児童発達支援センターの専門性を生かし、障害児支援の専門機関として、日常生活における基本的な動作や集団生活への適応訓練などを行う児童発達支援等を行うとともに、保育所等訪問支援などを通じて、地域の保育所、幼稚園、学校等への地域支援を行います。
  • より早期における適切な支援の提供に向け、乳幼児健康診査、発達相談等からの早期発見・早期支援体制を一層充実するとともに、児童発達支援センター、保育所、幼稚園、学校、障害児通所支援事業所、相談機関などの関係機関が連携し、身近な地域で柔軟に対応できるよう支援機能の充実に取り組みます。
  • 情報共有や支援方法の検討等に関して教育と福祉の一層の連携を推進し、関係機関の連携を強化することで、障害児に対するとぎれのない支援を行うことのできる体制を確立します。
  • 児童発達支援事業所や放課後等デイサービス事業所などにおけるサービスの質の向上等を推進し、障害児が適切なサービスを利用できる環境の充実を図ります。
  • 保育所、幼稚園、学校、事業所等の職員研修などを推進し、障害児への対応力の向上、専門性の強化を進めます。

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健康福祉局 障害福祉部 障害施策推進課

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