(目的)

第1条　この条例は、土砂埋立て等に関する市、土砂埋立て等を行う者、土砂を発生させる者、土地の所有者等の責務を明らかにするとともに、土砂埋立て等について必要な規制を行うことにより、土砂埋立て等の適正化及び土砂埋立て等による災害の防止を図り、もって生活環境を保全することを目的とする。

(定義)

第2条　この条例において、「土砂埋立て等」とは、土地の埋立て、盛土、切土その他土地への土砂(混入し、又は付着している物を含む。以下同じ。)の堆積を行う行為をいう。

(市の責務)

第3条　市は、災害の防止上又は生活環境の保全上支障が生ずるおそれがある土砂埋立て等が行われることのないよう必要な施策を推進するものとする。

(土砂埋立て等を行う者の責務)

第4条　土砂埋立て等を行う者は、土砂埋立て等を行うに当たっては、埋立て等区域の周辺地域の住民の理解を得るよう努めなければならない。

(土砂を発生させる者の責務)

第5条　土砂を発生させる者は、建設工事に伴う土砂の発生を抑制し、発生させた土砂の有効な利用の促進に努めるとともに、発生させた土砂により不適正な土砂埋立て等が行われることのないよう土砂の適正な処理に努めなければならない。

(土地の所有者の責務)

第6条　土地の所有者は、その所有する土地において不適正な土砂埋立て等が行われることのないよう適正な管理に努めなければならない。

(土砂を運搬する者の責務)

第7条　土砂を運搬する者は、沿道への粉じんの飛散及び道路の汚損の防止並びに騒音及び振動の低減に努めなければならない。

(土砂埋立て等による崩落等の防止)

第8条　土砂埋立て等を行う者は、当該土砂埋立て等に使用された土砂等が崩落し、飛散し、及び流出しないよう、必要な措置を講じなければならない。

(土砂埋立て等の許可)

第9条　埋立て等区域(当該埋立て等区域を含む一団の土地の区域にあっては、当該一団の土地の区域)の面積が500平方メートル以上である土砂埋立て等(大阪府土砂埋立て等の規制に関する条例(平成26年大阪府条例第177号)の規定の適用を受ける土砂埋立て等を除く。)を行おうとする者は、埋立て等区域ごとに、あらかじめ市長の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる土砂埋立て等については、この限りでない。

(事前協議)

第10条　前条の許可の申請をしようとする者(次条及び第12条において「申請予定者」という。)は、あらかじめ、規則で定めるところにより、当該土砂埋立て等について市長と協議しなければならない。

(土地の所有者の同意)

第11条　申請予定者は、あらかじめ、規則で定めるところにより、当該申請に係る埋立て等区域内の土地の所有者に対し、第13条第1項第1号から第11号までに掲げる事項(同項第1号の生年月日を除く。)を説明し、その同意を得なければならない。

(周辺地域の住民への周知)

第12条　申請予定者は、その許可の申請に先立って、規則で定めるところにより、埋立て等区域の周辺地域の住民に対し、次条第1項の申請書(以下この項において「申請書」という。)の記載事項を周知させるための説明会(以下この項において「説明会」という。)を開催し、住民の理解を得るように努めるものとする。ただし、申請予定者は、その責めに帰することのできない事由により説明会を開催することができない場合には、規則で定めるところにより、申請書の記載事項を埋立て等区域の周辺地域の住民に周知させるため当該申請書の内容を要約した書類の提供その他の必要な措置を講じなければならない。

(許可の申請の手続)

第13条　第9条の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を市長に提出しなければならない。

(許可の基準等)

第14条　市長は、第9条の許可の申請があった場合において、当該申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、同条の許可をするものとする。

(変更の許可等)

第15条　第9条の許可を受けた者は、当該許可に係る第13条第1項各号に掲げる事項の変更(規則で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、市長の許可(以下「変更許可」という。)を受けなければならない。

(土地の所有者への通知)

第16条　第9条の許可を受けた者は、当該許可を受けた日後遅滞なく、第11条第1項の同意をした土地の所有者に、当該許可に係る第13条第1項第1号から第11号までに掲げる事項(同項第1号の生年月日を除く。)を書面で通知しなければならない。

(土砂埋立て等の着手の届出)

第17条　第9条の許可を受けた者は、当該許可に係る土砂埋立て等に着手したときは、着手した日から起算して10日以内に、その旨を市長に届け出なければならない。

(土砂の搬入の報告)

第18条　第9条の許可を受けた者は、当該許可に係る埋立て等区域に土砂を搬入しようとするときは、規則で定めるところにより、当該土砂の発生場所及び当該土砂の汚染のおそれがないことを確認しなければならない。

(土砂管理台帳の作成)

第19条　第9条の許可を受けた者は、規則で定めるところにより、当該許可に係る土砂埋立て等に用いた土砂の量その他の規則で定める事項を記載した土砂管理台帳を作成しなければならない。

(土砂埋立て等に使用された土砂の量の報告)

第20条　第9条の許可を受けた者は、規則で定めるところにより、当該許可に係る土砂埋立て等に着手した日から、定期的に、前条の規定により作成する土砂管理台帳の写しを添付して、当該土砂埋立て等に使用された土砂の量を市長に報告しなければならない。

(水質検査等)

第21条　第9条の許可を受けた者は、規則で定めるところにより、当該許可に係る土砂埋立て等を施工している間、定期的に、当該許可に係る埋立て等区域からの排水の水質検査を行い、その結果を市長に報告しなければならない。ただし、気象条件その他のやむを得ない事由により当該水質検査を行うことができないと市長が認めるときは、この限りでない。

(標識の掲示等)

第22条　第9条の許可を受けた者は、規則で定めるところにより、当該許可に係る埋立て等区域の公衆の見やすい場所に、当該許可に係る土砂埋立て等が施工されている間、氏名又は名称その他規則で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。

(関係図書の閲覧)

第23条　第9条の許可を受けた者は、規則で定めるところにより、当該許可に係る第13条第1項又は第15条第2項の申請書の写し、第19条の土砂管理台帳その他規則で定める図書を管理事務所に備え置き、当該許可に係る土砂埋立て等に関し災害の防止上又は生活環境の保全上利害関係を有する者の求めに応じ、閲覧させなければならない。

(土砂埋立て等の完了の届出等)

第24条　第9条の許可を受けた者は、当該許可に係る土砂埋立て等を完了し、廃止し、若しくは休止し、又は休止した土砂埋立て等を再開したときは、規則で定めるところにより、遅滞なく、その旨を市長に届け出なければならない。ただし、当該土砂埋立て等の休止をした場合であって、当該休止の期間が2月未満であるときは、この限りでない。

(地位の承継)

第25条　第9条の許可を受けた者の相続人その他の一般承継人又は同条の許可を受けた者から当該許可に係る埋立て等区域の土地の所有権その他当該許可に係る土砂埋立て等を行う権原を取得した者は、市長の承認を受けて、当該第9条の許可を受けた者が有していた同条の許可に基づく地位を承継することができる。

(命令)

第26条　市長は、土砂埋立て等に使用された土砂等の崩落、飛散又は流出による災害を防止するため緊急の必要があると認めるときは、当該土砂埋立て等について第9条の許可を受けた者に対し、当該許可に係る土砂埋立て等に使用された土砂等の崩落、飛散若しくは流出による災害を防止するために、相当の期限を定めて必要な措置を講ずべきことを命じ、又は相当の期間を定めて当該許可に係る土砂埋立て等の停止を命ずることができる。

(許可の取消し等)

第27条　市長は、第9条の許可を受けた者が次の各号(第8号を除く。)のいずれかに該当するときは当該許可を取り消し、又は次の各号のいずれかに該当するときは相当の期間を定めて当該許可に係る土砂埋立て等の停止を命ずることができる。

(関係図書の保存)

第28条　第9条の許可を受けた者は、当該許可に係る土砂埋立て等について、第24条第2項の規定による通知(完了及び廃止に係るものに限る。)を受けた日又は当該許可の取消しの日のいずれか早い日から3年を経過する日まで、当該許可に係る土砂管理台帳及び土砂埋立て等に関してこの条例の規定に基づいて市長に提出した図書の写しを保存しなければならない。

(軽易な土砂埋立て等の届出)

第29条　次の各号のいずれかに該当する土砂埋立て等を行おうとする者は、規則で定めるところにより、あらかじめ市長に届け出なければならない。ただし、第9条の許可に係る土砂埋立て等及び同条各号(第7号を除く。)のいずれかに該当する土砂埋立て等については、この限りでない。

(土砂埋立て等に係る土地の所有者の義務)

第30条　第11条に規定する同意をした土地の所有者は、当該同意に係る土砂埋立て等が施工されている間、規則で定めるところにより、定期的に、当該土砂埋立て等の施工の状況を確認しなければならない。

(土砂埋立て等に係る土地の所有者に対する勧告及び命令)

第31条　市長は、第26条(第2項を除く。)の規定による命令(土砂埋立て等の停止の命令を除く。)をしたにもかかわらず、当該命令を受けた者が期限までにその命令に係る措置を講じないときは、当該命令に係る土砂埋立て等について前条第1項の同意をした土地の所有者で次の各号のいずれかに該当するものに対し、必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

(土砂搬入禁止区域の指定)

第32条　市長は、埋立て等区域(大阪府土砂埋立て等の規制に関する条例第7条の許可又は同条例第12条第1項に規定する変更許可を受けているものを除く。)及びその周辺の区域において土砂埋立て等を継続することにより、人の生命、身体又は財産を害するおそれがあると認められる場合であって、この条例の目的を達成するため必要があると認めるときは、当該埋立て等区域及びその周辺の区域を、6月を超えない範囲内で期間を定めて、土砂の搬入を禁止する区域(以下「土砂搬入禁止区域」という。)として指定することができる。

(土砂の搬入の禁止)

第33条　何人も、土砂搬入禁止区域に土砂を搬入してはならない。

(土砂搬入禁止区域の解除)

第34条　市長は、土砂搬入禁止区域の指定の事由がなくなったと認めるときは、当該土砂搬入禁止区域の指定を解除するものとする。

(報告の徴収)

第35条　市長は、この条例の施行に必要な限度において、土砂埋立て等を行う者に対し、当該土砂埋立て等について、施工の状況その他必要な事項の報告を求めることができる。

(立入検査)

第36条　市長は、この条例の施行に必要な限度において、当該職員に、土砂埋立て等を行う者の管理事務所、事業場その他その事業を行う場所に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させ、試験の用に供するのに必要な限度において土砂若しくは排水を無償で収去させ、又は関係者に質問させることができる。

(公表)

第37条　市長は、第26条又は第27条第1項の規定による命令をしたときは、当該命令を受けた者の氏名又は名称、住所及び当該命令の内容を公表することができる。

(大阪府警察本部長からの意見聴取)

第38条　市長は、第9条の許可若しくは変更許可又は第25条第1項の承認をしようとするときは、第14条第1項第1号エからキまでのいずれかに該当する事由(同号オからキまでのいずれかに該当する事由にあっては、同号エに係るものに限る。次項において同じ。)の有無について、大阪府警察本部長の意見を聴くものとする。

(規則への委任)

第39条　この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

(罰則)

第40条　次の各号のいずれかに該当する者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

第41条　第26条第5項(第29条第4項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

第42条　第31条第2項の規定による命令に違反した者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

第43条　次の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の罰金に処する。

第44条　次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。

(両罰規定)

第45条　法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第40条から前条までの違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。