○堺市消費生活条例

平成21年12月25日

条例第35号

目次

第1章 総則(第1条―第9条)

第2章 消費生活センター(第10条―第11条の6)

第3章 堺市消費生活審議会(第12条―第15条)

第4章 消費者の権利の尊重

第1節 危害等の防止(第16条―第19条)

第2節 表示等の適正化(第20条―第25条)

第3節 取引の適正化(第26条―第28条)

第4節 物価の安定(第29条―第33条)

第5章 消費者の自立支援等(第34条―第39条)

第6章 消費者被害の救済(第40条―第44条)

第7章 調査、勧告及び公表(第45条―第47条)

第8章 雑則(第48条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、消費者と事業者との間に情報の質及び量並びに交渉力等の格差が存在することを踏まえ、市民の消費生活における利益の擁護及び増進に関し、消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念を定め、市及び事業者の責務並びに消費者の役割を明らかにするとともに、市が実施する施策について必要な事項を定めることにより、市民の消費生活の安定及び向上を図ることを目的とする。

(基本理念)

第2条 市が実施する消費者の利益の擁護及び増進に関する施策(以下「消費者施策」という。)の推進は、市民の消費生活における基本的な需要が満たされ、その健全な生活環境が確保される中で、次に掲げる事項が消費者の権利であることを尊重するとともに、消費者が自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動することができるよう消費者の自立を支援することを基本として行われなければならない。

(1) 消費生活において生命、身体及び財産の安全が確保されること。

(2) 商品及び役務(以下「商品等」という。)について自主的かつ合理的な選択の機会が確保されること。

(3) 商品等について不当な取引条件及び取引方法を強制されないこと。

(4) 消費生活において個人情報が侵害されないこと。

(5) 消費生活に関して必要な情報が提供されること。

(6) 消費生活に関する教育を受ける機会が提供されること。

(7) 消費者施策に意見が反映されること。

(8) 消費生活において被害が生じた場合には、適切かつ迅速に救済されること。

(市の責務)

第3条 市は、前条に規定する基本理念にのっとり、消費者施策の推進に関し、次に掲げる責務を有する。

(1) 本市における社会的、経済的状況に応じた消費者施策を推進すること。

(2) 高度情報通信社会の進展に伴う的確な対応に配慮すること。

(3) 消費生活における国際化の進展を踏まえ、国際的な連携を確保すること。

(4) 環境の保全に配慮すること。

2 前項に定めるもののほか、市は、消費者の自立の支援に当たっては、消費者の安全の確保等に関して事業者による適正な事業活動の確保を図るとともに、消費者の年齢、知識、経験、財産の状況等に配慮するものとする。

3 市は、消費者施策を実施するに当たっては、国、他の地方公共団体、関係団体等と相互に連携を図るものとする。

4 市は、消費者施策の総合的な推進に必要な体制の強化及び充実を図るものとする。

(事業者の責務)

第4条 事業者は、第2条に規定する基本理念にのっとり、その供給する商品等について、次に掲げる責務を有する。

(1) 消費者の安全及び消費者との取引における公正を確保すること。

(2) 消費者に対し必要な情報を明確かつ平易に提供すること。

(3) 消費者との取引に際して、消費者の年齢、知識、経験、財産の状況等に配慮すること。

(4) 消費者に係る個人情報を適正に取り扱うこと。

(5) 消費者との間に生じた苦情を適切かつ迅速に処理するために必要な体制の整備等に努め、当該苦情を適切に処理すること。

(6) 市が実施する消費者施策に協力すること。

2 事業者は、その事業活動に関し環境の保全に配慮するよう努めなければならない。

3 事業者は、その供給する商品等について品質等を向上させ、その事業活動に関し自らが遵守すべき基準を作成すること等により消費者の信頼を確保するよう努めなければならない。

(事業者団体の責務)

第5条 事業者団体は、事業者の自主的な取組を尊重するとともに、事業者と消費者との間に生じた苦情の処理の体制の整備、事業者自らが事業活動に関し遵守すべき基準の作成の支援その他の消費者の信頼を確保するための自主的な活動に努めなければならない。

(消費者の役割)

第6条 消費者は、消費者の権利を確立するために、自ら進んで、その消費生活に関して、必要な知識を修得し、及び必要な情報を収集するとともに、消費者相互の連携及び組織化を図る等自主的かつ合理的に行動するよう努めなければならない。

2 消費者は、消費生活に関し、環境の保全及び知的財産権等の適正な保護に配慮するよう努めなければならない。

(消費者団体の役割)

第7条 消費者団体は、消費生活に関する情報の収集及び提供並びに意見の表明、消費者に対する啓発及び教育、消費者の被害の防止及び救済のための活動その他の消費者の消費生活の安定及び向上を図るために必要な健全かつ自主的な活動に努めなければならない。

(相互協力)

第8条 市、事業者及び事業者団体並びに消費者及び消費者団体は、相互にその果たす責務又は役割に応じて協力し、消費者の利益の擁護及び増進に努めるものとする。

2 前項の場合において、市は、相互の協力が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。

(消費者基本計画)

第9条 市長は、消費者施策を総合的かつ計画的に推進するため、消費者施策の推進に関する基本的な計画(以下「消費者基本計画」という。)を定めなければならない。

2 消費者基本計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 消費者施策の大綱

(2) 前号に掲げるもののほか、消費者施策の計画的な推進を図るために必要な事項

3 市長は、消費者基本計画の策定に当たっては、あらかじめ、第12条に規定する堺市消費生活審議会の意見を聴かなければならない。

4 市長は、消費者基本計画を策定したときは、速やかにこれを公表しなければならない。

5 前2項の規定は、消費者基本計画の変更について準用する。

第2章 消費生活センター

(設置)

第10条 消費者の利益の擁護及び増進を図り、もって市民の消費生活の安定及び向上に資するため、消費者安全法(平成21年法律第50号。以下「法」という。)第10条第2項に規定する施設として堺市堺区北瓦町2丁に堺市立消費生活センター(以下「センター」という。)を置く。

(業務)

第11条 センターは、次に掲げる業務を行う。

(1) 法第8条第2項各号に掲げる業務

(2) 前号に掲げるもののほか、消費生活に関し市長が必要があると認める業務

(開所時間及び休所日)

第11条の2 センターの開所時間及び休所日は、規則で定める。

(平28条例12・追加)

(職員)

第11条の3 センターに所長その他必要な職員を置く。

(平28条例12・追加)

(消費生活相談員)

第11条の4 センターに、法第10条の3第1項の消費生活相談員資格試験に合格した者(不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律(平成26年法律第71号)附則第3条の規定により当該試験に合格した者とみなされた者を含む。)を消費生活相談員として置くものとする。

2 市長は、消費生活相談員が実務の経験を通じて専門的な知識及び技術を体得していることに十分配慮し、任期ごとに客観的な能力実証を行った結果として同一の者を再度任用することは排除されないことその他の消費生活相談員の専門性に鑑み適切な人材及び処遇の確保に必要な措置を講ずるものとする。

(平28条例12・追加)

(消費生活相談等の業務に従事する者に対する研修)

第11条の5 市長は、センターにおいて第11条各号に掲げる業務に従事する者に対し、その資質の向上のための研修の機会を確保するものとする。

(平28条例12・追加)

(消費生活相談等の業務の実施により得られた情報の安全管理)

第11条の6 市長は、第11条各号に掲げる業務の実施により得られた情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の当該情報の適切な管理のために必要な措置を講ずるものとする。

(平28条例12・追加)

第3章 堺市消費生活審議会

(堺市消費生活審議会)

第12条 市民の消費生活の安定及び向上に関する重要事項を調査し、及び審議するため、堺市消費生活審議会(以下「審議会」という。)を置く。

(所掌事務)

第13条 審議会は、市長の諮問を受けて、次に掲げる事項について調査し、及び審議する。

(1) 消費者基本計画の策定又は変更に関すること。

(2) 第44条第1項の規定による訴訟に対する援助の適否に関すること。

(3) 第28条第2項の規定による情報の提供及び第47条第1項の規定による公表の適否に関すること。

2 審議会は、第41条第1項の規定によるあっせん及び調停を行うものとする。

3 審議会は、消費生活に関し重要と認められる事項について調査し、及び審議し、市長に意見を具申することができる。

(組織)

第14条 審議会は、委員14人以内で組織する。

2 委員は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱する。

(1) 学識経験を有する者

(2) 市議会議員

(3) 消費者

(4) 消費者団体から選出された者

(5) 事業者

(6) 事業者団体から選出された者

(7) 前各号に掲げるもののほか、市長が適当であると認める者

3 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。

4 委員が欠けた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

5 審議会に会長及び副会長1人を置く。

(苦情処理委員会)

第15条 次に掲げる事項を所掌するため、審議会に苦情処理委員会を置く。

(1) 第41条第1項に規定するあっせん又は調停に関すること。

(2) 第44条第1項の規定による訴訟に対する援助の適否に関すること。

2 苦情処理委員会の委員は、審議会の委員のうちから審議会の会長が指名する。

3 審議会は、第1項の規定により苦情処理委員会の所掌とした事項については、苦情処理委員会の決議をもって審議会の決議とすることができる。

第4章 消費者の権利の尊重

第1節 危害等の防止

(安全を害する商品等の供給の禁止)

第16条 事業者は、供給する商品等の通常予見される使用形態等を考慮して、当該商品等が通常有すべき安全性を欠いていることにより消費者の生命、身体又は財産に危害を及ぼし、若しくは及ぼすおそれのある商品等(以下「安全を害する商品等」という。)を供給してはならない。

2 事業者は、供給した商品又は役務が安全を害する商品等であることが明らかになったときは、直ちに供給の中止、回収、公表その他危害の発生及び拡大を防止するために必要な措置を講じなければならない。

(安全を害する商品等に関する調査及び勧告等)

第17条 市長は、商品又は役務が安全を害する商品等であると認めるときは、当該商品又は役務について、必要な調査を行うものとする。

2 前項の場合において、市長は、必要があると認めるときは、当該商品又は役務を供給する事業者に対し、当該商品又は役務が安全を害する商品等でないことを立証する合理的な根拠を示す資料の提出等を求めることができる。

3 市長は、前条第1項の規定に違反し、安全を害する商品等を供給している事業者に対して、同条第2項の措置をとるべきことを指導し、又は勧告することができる。

(情報提供)

第18条 市長は、必要があると認めるときは、前条第1項の調査の経過及び結果に関する情報を消費者に提供するものとする。

(緊急危害防止措置)

第19条 市長は、商品又は役務が安全を害する商品等である場合において、消費者の生命、身体又は財産に対する危害を防止するため緊急の必要があると認めるときは、当該安全を害する商品等、事業者の氏名又は名称その他必要な事項を直ちに公表しなければならない。

第2節 表示等の適正化

(広告の適正化)

第20条 事業者は、商品等の広告について、虚偽又は誇大な表現、消費者が商品等の選択を誤るおそれがある表現等不適正な表現を避け、消費者が商品等を適正に選択するために必要な情報を提供しなければならない。

(商品等の表示の適正化)

第21条 事業者は、商品等が誤って選択され、使用され、又は保存されることにより、消費者の利益が損なわれないようにするため、商品等の成分、性能、用途、保存方法、供給する事業者の住所及び氏名又は名称その他表示すべき事項を適正に表示しなければならない。

(価格等の表示の適正化)

第22条 事業者は、消費者が商品等の選択を誤ることがないようにするため、商品等の価格その他必要な事項を適正に表示しなければならない。

(包装の適正化)

第23条 事業者は、商品の内容を誇張し、廃棄物の量を増大させる等必要以上に過大な包装をすることによって、消費者に商品等の選択を誤らせることがないようにしなければならない。

(計量の適正化)

第24条 事業者は、消費者との間で行う取引に関し、消費者が不利益を被るような計量を行ってはならない。

(平24条例51・一改)

(アフターサービスの適正化)

第25条 事業者は、その供給する商品等について、消費者への供給後の保証、修理、回収等が必要である場合は、その内容を明示するとともに、誠実な履行に努めなければならない。

第3節 取引の適正化

(不当な取引行為の禁止)

第26条 事業者は、消費者との間で行う取引に関し、次の各号のいずれかに該当する行為であって規則で定める行為をしてはならない。

(1) 消費者に対し、不実を告げ、商品等に関する重要な情報を提供せず、若しくは誤信を招く情報を提供し、威迫し、心理的に不安な状態に陥れる等の不当な方法で、契約の締結を勧誘し、又は契約を締結させる行為

(2) 消費者の年齢、知識、経験、財産の状況等に照らして不当な内容の契約を締結させる行為

(3) 消費者に不当に不利益をもたらす内容の契約を締結させる行為

(4) 消費者に対し、契約(契約の成立について、当事者間で争いのあるものを含む。)に基づく債務の履行を不当に強要し、消費者の正当な根拠に基づく契約の解除等を妨げ、又は契約若しくは契約の解除等に基づく債務の履行を拒否し、若しくは正当な理由なく遅延させる行為

(5) 商品等の販売等をする事業者又はその取次店等実質的に販売等をする者からの商品等の購入等を条件又は原因として信用の供与をする契約又は保証を受託する契約(以下「与信契約等」という。)について、販売等をする者の行為が消費者の利益を不当に害することを知り、又は知り得たにもかかわらず、その締結を勧誘し、若しくは締結させ、又は消費者の利益を不当に害する方法で、与信契約等に基づく債務の履行を強要し、若しくは債務の履行をさせる行為

(平24条例51・一改)

(不当な取引行為に関する調査等)

第27条 市長は、不当な取引行為が行われている疑いがあると認めるときは、当該取引行為について必要な調査を行うことができる。

2 市長は、前項の調査を行うに当たり、必要があると認めるときは、当該取引行為を行う事業者に対し、当該取引行為が適正なものであることの合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。

(平24条例51・一改)

(情報提供)

第28条 市長は、前条第1項の調査の結果、不当な取引行為による消費者被害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、速やかに当該行為の内容その他必要な事項に係る情報を消費者に提供するものとする。

2 市長は、前項の場合において、事業者の氏名又は名称を含む情報の提供をしようとするときは、当該事業者に、あらかじめ意見の陳述の機会を与えなければならない。ただし、緊急のとき又は当該事業者の所在が不明であるため通知することができないときは、この限りでない。

3 市長は、前項に規定する情報の提供をしようとするときは、あらかじめ審議会の意見を聴かなければならない。ただし、緊急に情報を提供する必要があると認めるときは、この限りでない。

第4節 物価の安定

(生活関連物資の調査及び情報提供)

第29条 市長は、市民の消費生活と関連の深い商品等(以下「生活関連物資」という。)のうち必要があると認めるものについて、その価格の動向、需給の状況、流通の実態等必要な事項を調査するものとする。

2 市長は、必要があると認めるときは、前項に規定する調査の結果を消費者に提供するものとする。

(生活関連物資の確保)

第30条 市長は、生活関連物資が不足し、若しくは価格が著しく高騰し、又はこれらのおそれがあると認めるときは、事業者又は事業者団体に対し、当該生活関連物資の安定供給を確保するために必要な措置を講ずるよう要請することができる。

(特定物資の指定)

第31条 市長は、生活関連物資のうち特に市民の消費生活と関連の深い物資と市長が認めるものについて、その流通の円滑化及び価格の安定化に必要があると認めるときは、当該物資を特別の調査を要する物資(以下「特定物資」という。)として指定することができる。

2 市長は、前項の規定による指定を行ったときは、その旨を告示しなければならない。指定を解除したときも同様とする。

(特定物資の調査及び情報提供)

第32条 市長は、前条第1項の規定により特定物資の指定をしたときは、その流通の状況、価格の変動その他の市民の消費生活の安定を図るために必要な事項を調査するものとする。

2 市長は、必要があると認めるときは、前項の規定による調査の結果を消費者に提供するものとする。

(不適正な行為の是正勧告)

第33条 市長は、特定物資を供給する事業者が、その円滑な流通を不当に妨げ、又は著しく不適正な価格で当該特定物資を供給していると認めるときは、当該事業者に対し、当該行為を是正するよう指導し、勧告することができる。

第5章 消費者の自立支援等

(啓発活動の推進)

第34条 市長は、消費者の自立を支援するため、消費生活に関する知識の普及及び情報の提供等の消費者に対する啓発活動を推進するものとする。

(消費者教育の推進)

第35条 市長は、消費者が自ら消費生活に関する必要な知識等を習得することができるよう必要な施策を講ずるものとする。

(消費者情報の提供等)

第36条 市長は、消費生活に関して必要な情報の収集に努め、これを消費者に提供するものとする。

(消費者団体の自主的な活動の促進)

第37条 市長は、消費者団体の健全かつ自主的な活動を促進するために必要な施策を講ずるものとする。

(消費者の意見の反映)

第38条 市長は、広く消費者及び消費者団体の意見、要望等を把握し、消費者施策に反映するよう努めるものとする。

(市長への申出)

第39条 市民は、事業者がこの条例に違反して事業活動を行っているとき、又はこの条例に定める措置が講ぜられていないことにより、広く市民の消費生活に支障が生じ、若しくは生ずるおそれがあるときは、市長に対してその旨を申し出て、必要な措置を講ずるよう求めることができる。

2 市長は、前項の規定による申出に係る消費生活上の支障が広く市民に生じ、又は生ずるおそれがあると認めるときは、必要な措置を講ずるものとする。

第6章 消費者被害の救済

(苦情の処理)

第40条 市長は、市民から事業者との間の取引に関して生じた苦情の申出があったときは、適正かつ迅速に解決するために必要な助言、あっせんその他必要な措置を講ずるものとする。

2 市長は、前項の規定による苦情を処理するために必要があると認めるときは、事業者その他の関係者に対し、必要な資料の提出、報告又は説明の要求その他必要な調査を行うことができる。

(あっせん又は調停)

第41条 市長は、前条第1項に係る苦情であって、その解決が困難であるときその他必要があると認めるときは、当該苦情を審議会のあっせん又は調停に付することができる。

2 市長は、前項の規定により審議会のあっせん又は調停に付するときは、その旨を当該苦情の申出者及びその相手方となる事業者に通知するものとする。

3 審議会は、あっせん又は調停のために必要があると認めるときは、当事者の出席を求め、その意見を聴き、又は関係書類若しくは物件の提出を求めることができる。

4 あっせん又は調停の手続は、公開しない。

5 審議会は、調停を行う場合には、調停案を作成するものとする。

6 審議会は、前項の規定により調停案を作成したときは、当事者にこれを示してその受諾を勧告することができる。

7 あっせん又は調停は、次の各号のいずれかに該当するときに終結する。

(1) 当事者間に合意が成立し、これを調書に記載したとき。

(2) 当事者間に合意が成立する見込みがないと認め、あっせん又は調停を打ち切ったとき。

8 審議会は、前項の規定によりあっせん又は調停を終結したときは、その旨を市長に報告するものとする。

(義務の履行の勧告)

第42条 市長は、あっせん又は調停で定められた義務について、権利者である消費者の申出がある場合において、相当と認めるときは、義務者である事業者に対し、当該義務の履行に関する勧告をすることができる。

2 前項の場合において、市長は、当該義務の履行状況について、当事者に報告を求め、又は調査することができる。

(事件の周知)

第43条 市長は、第41条第1項の規定により審議会に付託した苦情が解決したとき又は解決の見込みがないと認めるときは、審議の経過及び結果を明らかにして、同一又は同種の原因による被害の防止及び救済を図るものとする。

(訴訟の援助)

第44条 市長は、事業者の事業活動により消費生活上の被害を受けた消費者(以下この条において「被害者」という。)が、当該事業者を相手として訴訟を提起する場合又は当該事業者から訴訟を提起された場合において、次に掲げる要件の全てに該当するときは、当該被害者に対し当該訴訟に必要な資金(以下この条において「訴訟資金」という。)の貸付けその他訴訟活動に必要な援助を行うことができる。

(1) 当該被害者が訴訟資金の貸付けの申込みの日前3月以上引き続き本市の区域内に住所を有していること。

(2) 第41条第1項のあっせん又は調停に付されている苦情に係るものであること。

(3) 同一の被害が多数発生し、又は発生するおそれがあること。

(4) 審議会において、当該訴訟を援助することが適当であると認めたものであること。

2 市長は、前項の規定による訴訟資金の貸付けを受けた者が、当該訴訟の結果、当該訴訟の相手方から金銭を得られないこととなったとき、当該訴訟の相手方から得られることとなった金銭の額が当該訴訟資金の貸付金の額に満たないときその他特に必要があると認めるときは、当該訴訟資金の貸付金の返還の債務の全部又は一部を免除することができる。

3 前2項に定めるもののほか、第1項の規定による訴訟資金の貸付けに関し必要な事項は、規則で定める。

第7章 調査、勧告及び公表

(立入調査等)

第45条 市長は、第17条第27条又は第32条に規定する権限を行使するために必要があると認めるとき及び事業者が第20条から第24条までの規定に違反している疑いがあると認めるときは、当該事業者に対し、報告若しくは資料の提出を要求し、又は職員に、事業者の事務所、工場、事業場、店舗若しくは倉庫に立ち入らせ、帳簿、書類、設備その他の物件を調査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 前項の規定により立入調査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入調査及び質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(指導及び勧告)

第46条 市長は、事業者が第17条第2項第27条第2項第40条第2項又は第41条第3項の規定による要求に応じないときは、これに応ずるよう指導し、勧告することができる。

2 市長は、事業者が前条第1項の規定による報告若しくは資料の提出の要求に応じず、調査を拒み、若しくは妨げ、若しくは質問に応じないときは、これに応ずるよう指導し、勧告することができる。

3 市長は、第20条から第24条まで及び第26条の規定に違反している事業者があるときは、その者に対し、当該違反をしている事項を是正するよう指導し、勧告することができる。

(公表)

第47条 市長は、事業者が第17条第3項第33条第42条第1項又は前条の規定による勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。

2 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、当該公表に係る事業者に対し、あらかじめ意見の陳述の機会を与えなければならない。ただし、市長が緊急であると認めるとき又は当該事業者の所在が不明であるため通知することができないときは、この限りでない。

3 市長は、第1項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、審議会に諮らなければならない。ただし、市長が緊急の必要があると認めるときは、この限りでない。

第8章 雑則

(委任)

第48条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成22年4月1日から施行する。

(堺市立消費生活センター条例の廃止)

2 堺市立消費生活センター条例(昭和48年条例第14号)は、廃止する。

(平成24年12月14日条例第51号)

この条例は、平成25年4月1日から施行する。

(平成28年3月25日条例第12号)

この条例は、平成28年4月1日から施行する。

堺市消費生活条例

平成21年12月25日 条例第35号

(平成28年4月1日施行)

体系情報
第8編 民/第6章 その他
沿革情報
平成21年12月25日 条例第35号
平成24年12月14日 条例第51号
平成28年3月25日 条例第12号