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食の情報 妊娠期・授乳期の食生活

更新日:2024年1月26日

妊娠期、授乳期の食生活は、お母さんと赤ちゃんの健康を支える大切なものです。
ご紹介する食事のポイントを生かし、健やかな食生活を送りましょう。
このページでは、次のポイントをご紹介しています。

食事量とバランス

食事の目安量

食事量は、望ましい体重増加量になるよう調節しましょう。

1食あたりの食事量の目安は次のとおりです。

  • 妊娠初期は図1のような主食1品、主菜1品、副菜1~2品が基本です。そこに具だくさんの汁物や乳製品、果物を添えましょう。
  • 妊娠中期は初期の食事に主菜、副菜、果物を1品ずつ追加します。
  • 妊娠末期授乳期は初期の食事に主食、主菜、副菜、乳製品、果物を1品ずつ追加します。

主食…ごはんやパン、めん類などの穀物からできる食品。エネルギー源になる。
主菜…肉、魚、卵、大豆製品のおかず。身体や血液などをつくる。
副菜…野菜、きのこ、海藻、いものおかず。身体の調子を整える。

妊娠中期、末期になるにつれて、おなかの赤ちゃんが大きくなり、エネルギーや栄養素の必要量が増加します。お母さんが食べた食事が赤ちゃんの栄養となるため、体重の増え方に合わせ、適切な食事量をめざしましょう。
 

食事量の調節

  • 体重が増えすぎている場合…主食を適量にする、脂肪の少ない肉(ヒレやモモなど)や魚を使う、調理に使う油の量を減らす、菓子の量を見直すなどで対応します。なお、不必要なダイエットは禁物です。かかりつけ医の指示のとおり、適切な体重増加をめざしましょう。
  • 体重を増やしたい場合…全体の食事量を増やします。一度に多く食べられないときは、昼食と夕食の間でおにぎりやおかずのような間食をとるなど食事の回数を増やしましょう。
  • つわりなどで食べることが難しい場合…無理をせず食欲がわいた時に、まずは食べられるものを食べましょう。食事のバランスは余裕のある時やつわりが落ち着いてから意識してみましょう。体調に不安があるときはかかりつけ医に相談しましょう。

 

食事バランス

お母さんと赤ちゃんに必要な栄養素をとるためには、バランスのとれた食事が欠かせません。主食、主菜、副菜の食材をそろえましょう。

図1のような定食型の食事でも食事バランスは整いますが、図2のようなカレーライスや丼物、めん類といった一品物でも肉や魚、野菜などの具を入れることでバランスがとれます。

また、ちくわやハム、ウインナーなどの主菜、トマトやキュウリ、レタスなどの副菜のように容器を開けたり洗うだけで食べられる食品もあります。簡単に食べられる食品や冷凍食品など便利なものも活用し、できる範囲で食事バランスを意識しましょう。

簡単に整える食事バランスについてさらに知りたい方は、PDFファイル「食べて育むママのごはん!」をご覧ください。図1のレシピがついています。

妊娠期、授乳期に特にとりたい栄養素

葉酸

細胞の増殖に関わるビタミンで、ほうれん草やブロッコリーなどの野菜、大豆製品、イチゴやマンゴーなどの果物に多く含まれます。

おなかの赤ちゃんは受胎後約28日で神経管(のちに脳や脊髄などになる構造)が閉じますが、受胎前後に1日あたり400μgの葉酸をとることで神経管閉鎖障害のリスクが低くなることが分かっています。

通常の食品に含まれる葉酸は体内での利用率が低いため、妊娠の可能性がある方、妊娠初期の方は葉酸のサプリメントまたは葉酸を強化した食品の利用が望ましいとされています。ただし、それらの食品を利用する場合は用法、容量を守ること、サプリメントなどの食品の利用で必ず神経管閉鎖障害が予防できるというわけではないことに留意する必要があります。

また、葉酸は妊娠中期~授乳期にかけても必要な栄養素であるため、青菜などの葉酸を多く含む食品を食べるようにしましょう。

 

ヘモグロビンなどに含まれるミネラルで、赤身の肉や魚、大豆製品、青菜などに多く含まれます。

妊娠期は次の理由で鉄の必要量が増加します。

  • 赤ちゃんが体に貯めるため
  • 臍帯、胎盤に貯めるため
  • 血液量が増え、赤血球が増えるため

母乳にはほとんど鉄が含まれていないため、産まれてからの赤ちゃんはお母さんのおなかの中で貯めた鉄を利用します。おなかの赤ちゃんが鉄を貯められるように妊娠中に適切な量の鉄をとりましょう。

1日あたりの鉄の推奨量は18~64歳の女性の場合、妊娠初期と授乳期では9.0mg、中期と後期は16.0mgです。なお、牛モモ肉100gあたり約2.5mg、小松菜100gあたり2.8mgの鉄が含まれています。食欲がないなどの理由で食事から十分な鉄がとれない場合は、鉄剤の利用も選択肢のひとつです。貧血などが心配な場合はかかりつけ医に相談しましょう。

また、鉄はとり過ぎにも注意が必要です。通常の食事でとり過ぎの心配はありませんが、レバーのような鉄を特に多く含む食品に偏らないよう、肉や魚、野菜などバランスよく食べましょう。また、鉄剤やサプリメントを使用する場合は用法、用量を守りましょう。

 

妊娠期、授乳期に気をつけたい食品

一部の魚介類

魚介類の中には食物連鎖によって、高い濃度の水銀が含まれているものがあり、おなかの赤ちゃんに影響を与える可能性があります。
国内で流通する魚介類のうち、水銀濃度の高いものはカジキ、キダイ、キンメダイ、クロムツ、マグロ(クロ、ミナミ、メバチ)、ユメカサゴ、ヨシキリザメ、エッチュウバイガイ、イルカ、クジラで、食べる量や回数に注意が必要です。食べられる量などについては厚生労働省のホームページでご覧ください。その他の種類のマグロやツナ缶、アジやサケ、サバ、タイなど他の魚介類は問題なく食べられます。魚からは良質なたんぱく質などの栄養素をとることができます。注意の必要な種類の魚介類に偏ることなく、バランスよく食べましょう。
なお、授乳期は魚の種類に注意する必要はありません。
 

冷蔵で長期保存され、非加熱でそのまま食べる食品

冷蔵で長期保存され、非加熱でそのまま食べる食品にはリステリア菌が含まれることがあります。リステリア菌は低温や高塩分濃度下でも増殖でき、おなかの赤ちゃんに影響を与える可能性がある食中毒菌です。また、加熱により殺菌することができます。
欧米ではナチュラルチーズ、生ハム、肉や魚のパテ、スモークサーモンなどが食中毒の原因となっています。妊娠期にこのような食品を食べるときは、十分に加熱しましょう。また、妊娠期は抵抗力が低下しているため、食中毒の予防が大切です。新鮮な食材を使う、生で食べる野菜や果物はよく洗う、肉や生食用でない魚はよく加熱するなど、日頃から食品の取り扱いに注意しましょう。
なお、授乳期では特別な注意喚起はされていませんが、賞味期限や保存方法を守るなど取り扱いに気をつけましょう。
 

アルコール

妊娠期の飲酒はおなかの赤ちゃんに影響を与える可能性があります。少量の飲酒であっても、また妊娠のどの時期であっても影響が生じる可能性があるため、妊娠中の女性は完全にお酒を止めましょう。
授乳期では飲酒した場合、血中アルコール濃度の90~95%の濃度が母乳に検出され、飲酒したアルコールの約2%を乳児が摂取することになります。飲酒後の授乳は乳児に影響を与える可能性があるため、授乳期は禁酒を推奨します。
 

カフェインを含む飲料

カフェインはコーヒーや茶、一部の清涼飲料水などに含まれており、妊娠期に高濃度のカフェインを摂取した場合、おなかの赤ちゃんに影響を与える可能性があります。カフェインの影響は個人差が大きいため、明確な基準は設定されていませんが、国際的には妊娠期、授乳期はカフェインの摂取量を1日あたり200~300mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)までとされています。とり過ぎに注意しましょう。
 

食塩を多く含む食品

妊娠中、授乳中は食事の量が増えるため食塩をとる量も増えやすいです。食塩をとり過ぎると、血圧が高くなる可能性があります。食塩はしょうゆやみそなどの調味料、漬け物や練り物、ハムなどの塩蔵品、インスタント食品やスナック菓子などの加工食品に多く含まれます。これらの食品は上手に使いながら、偏らないように気をつけましょう。

また、次の減塩ポイントを参考にしてみてください。

  • みそ汁やスープは具だくさんに
  • めん類の汁は全部飲まないように
  • 加工食品に偏らないように
  • だしや酸味、香辛料、香味野菜を生かして調味料を減らして
  • かけじょうゆ、ふり塩は味を見てから
  • 漬け物は食べる量に気をつけて

減塩について詳しく知りたい方は堺市減塩レシピのページをご覧ください。

 

最後に

食事を楽しむことが大事!

妊娠中、授乳中の食事は、お母さんと赤ちゃんの健康を支える大切な役割があります。妊娠する前と比べて気をつけることが増え、大変な思いをされることがあるかもしれませんが、安心して食事を楽しむためにご紹介したポイントを日々の食生活に生かしていただけると幸いです。
また、食事は健康を支えるだけでなく、食事のおいしさを感じたり、一緒に食べる人との会話を楽しむことで、心の栄養にもなります。食事の楽しさを感じながら、赤ちゃんとの大切な時間をお過ごしください。
なお、食事のことで気になることがありましたら、保健センター管理栄養士までご相談ください。
 

妊娠されている方のパートナーやご家族の方へ

妊娠中は味覚や嗅覚の変化、おなかのふくらみなど非妊娠時とは体調が異なります。また、その変化は人や時期によって異なるため、周囲のサポートも状況に合わせる必要があります。お母さんにとって苦手なことやしてほしいことなどを確認しサポートに生かすことで、お母さんとおなかの赤ちゃんの健やかな生活を守ることにつながります。お母さんとコミュニケーションをとり協力しながら、おなかの赤ちゃんを育てていきましょう。

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