予防接種の対象となる病気
更新日:2013年4月1日
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ジフテリア
鼻、口から入ったジフテリア菌がのどで増殖して発症します。
のどの粘膜に強い炎症を起こし、窒息の危険性があります。また、菌がつくる毒素によって心筋障害、神経のマヒが起こります。
予防接種の普及により、今ではまれな病気となりました。
百日せき
患者の「せき」の飛まつに含まれる百日せき菌を吸い込んで感染します。
初期のかぜ様症状から、痙咳(けいがい)と呼ばれる激しい持続的な「せき」に変わり、数週間も続きます。特に乳児では重症になりやすく、肺炎や酸素不足による脳障害を起こすこともあります。
破傷風
ケガをしたときに、土の中にいる破傷風菌が傷口に入って起こります。
泥で汚れた深い傷や古釘を踏み抜いたりしたときなどが危険ですが、気づかない程度の軽い傷で起こることもあります。
破傷風菌のつくる毒素により筋肉の強い収縮、けいれんと自律神経の障害等が起こり死亡率の高い病気です。空気に触れると菌は死滅するため、人から人への感染はありません。
ポリオ(急性灰白髄炎)
脊髄性小児マヒともいわれ、ポリオウイルスの経口感染で起こります。
多くの人はポリオウイルスに感染しても症状が出ないか軽いかぜ症状のみですが、一部の人に症状がおさまったあとに四肢のマヒが起こります。
ポリオ生ワクチンの投与により、急激に減少し国内ではほとんど見られなくなりましたが、海外ではまだ多数の患者が発生しています。
麻しん(はしか)
はしかは麻しんウイルスにより起こり、感染力が強いため幼少期にかかることが多い病気です。
高熱、せきが5から7日みられ、発熱の3から4日目より全身に発疹が出ます。体のだるさ、食欲不振が強くみられ、脱水症を起こしやすいです。肺炎やまれに脳炎の合併症を起こすこともあり、ぜひ予防したい病気です。
風しん(三日はしか)
風しんウイルスの感染で起こり、軽い発熱とともに全身に発疹があらわれますが、3日ほどでおさまることが多いです。また、症状があまり出ず気か付かないうちに感染することもあります。(不顕性感染)
将来、妊娠初期に感染すると、胎内感染により先天性風しん症候群(白内障、心奇形、難聴等)の子どもが生まれるおそれが高くなります。
この予防接種により免疫ができると風しんに感染しなくなります。
日本脳炎
日本脳炎ウイルスがコガタアカイエカの媒介によって人に感染して一部の人に発病し、夏に患者が出ます。人から人への直接の感染はありません。意識障害、こん睡などの重篤な症状が見られ、後遺症の発生や死亡率が高いことで恐れられています。
結核
わが国の結核はかなり減少しましたが、まだ2万人を越える患者が毎年発生しており、大人から子どもへ感染することも少なくありません。また結核に対する抵抗力はお母さんからもらうことはできませんので、生まれたばかりの赤ちゃんもかかる心配があります。
乳幼児は結核に対する抵抗力が弱いので、全身性の結核にかかったり、結核性髄膜炎になることもあり、重い後遺症を残すことになりますので、BCG接種による積極的な予防が大切です。
ヒブ感染症
「ヒブ(Hib)」は「インフルエンザ菌b型」という細菌の略称で、髄膜という脳や脊髄を包んでいる膜に感染し、炎症を起こします。ヒブ髄膜炎は、5歳未満の乳幼児がかかりやすく、特に3カ月から2歳になるまではかかりやすいので注意が必要です。ヒブ髄膜炎にかかると抗生物質による治療が必要となりますが、治療を受けても発育障害(知能障害など)や聴力障害、てんかんなどの後遺症が残ることが多く、最悪の場合死に至ることもあります。
小児の肺炎球菌感染症
肺炎球菌は、乳幼児の鼻咽喉に高率に存在する常在菌で、小児の細菌感染症の主な原因菌です。慢性気道感染症、中耳炎、副鼻腔炎、敗血症、髄膜炎などの原因にもなります。2歳未満の乳幼児で特にリスクが高く、ときに死亡することもあり、救命しても後遺症を残す可能性があるため、接種が可能になる2カ月齢以上の乳児では積極的にワクチンによる予防を講じることが重要になります。
ヒトパピローマウイルス感染症(子宮頸がんなど)
HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染によっておこる疾患は、子宮頸がん、尖圭コンジローマ、外陰上皮内腫瘍などがあります。特に子宮頸がんは、日本では年間約9,000人が発症し約2,700人が死亡している疾患であり、女性特有のがんの中では第2位の罹患率となっています。子宮頸がんの原因となる「発がん性HPV」は多くの女性が一生のうちに一度は感染するごくありふれたウイルスで、多くの場合、感染は一時的で、ウイルスは自然に排除されます。しかし、感染した状態が長い間続くと子宮頸がんを発症することがあります。
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