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第10回 ひきこもりへの理解

更新日:2009年7月31日

※内容は平成21年7月発行時のものであり、現在では変更されている場合があります。

家族の思い

 雨の少ない今年は一段と暑く感じます。今日も昼過ぎに相談員さんが訪ねてきましたが、次男は起きてきませんでした。26歳の次男が社会からひきこもってから、これで11回目の夏になりました。

 納得できないまま受験した高校へ通うのがストレスだったのでしょうか、友人も殆どできないままに夏前には勉強にも興味を失い、高校に行かず自分の部屋に閉じこもってテレビゲームばかりするようになりました。その頃の私たち家族は、ただ高校へ行くよう言い続け、最初は午後から通ったりもしていたのですが、翌年にはすっかり部屋に閉じこもるようになってしまいました。近所で中学の同級生と顔を合わせるのが嫌だと言って、出かけなければいけない時にはバイクのヘルメットを被って歩くなど、様子がおかしいのはわかっていましたが、私たちはどうしていいのか解らず、腫れ物に触るように扱うようになりました。ご近所でも、世間体から次男のことは話題にしなくなり、次第につきあ
いも減っていきました。

 25歳を一つの目安に一人暮らしを始めるように切り出したのは、9年目の夏でした。自立を願ってのことでしたが、その頃から私たちともあまり口を利かなくなり、些細なことで怒って物を壊すこともありました。そこでようやく、彼が辛い気持ちを抱えていること、私たちがいつの間にか彼を追い詰めていたことに気がつきました。

 私たちが区の保健センターに相談したのは10年目の夏でした。あれから一年、まだ何も変わっていません。しかしほんの少しですが、薄暗い雲が晴れていくような、そんな気持ちが生まれています。

ひきこもりとは?

 厚生労働省の定義では「さまざまな要因によって社会的な参加の場面がせばまり、自宅以外での生活の場が長期にわたって失われている状態」とされています。「ひきこもり」とは「ひきこもっている状態」を示す言葉です。何らかの精神疾患を抱えている場合や、明らかな精神疾患はなくてもストレスや葛藤からひきこもる場合など、原因はさまざまです。特に後者を「社会的ひきこもり」と呼ぶことがあります。

 ひきこもりの程度はさまざまです。家から一歩も出られない、家の近くならコンビニや書店に行ける、特定の仲間となら一緒に過ごすことが出来るなど大きく幅があります。家族となら普通に話せる人から、家族とさえ口をきかずにひきこもり続ける人もいます。ひきこもっている期間も数カ月から長くは10年以上とさまざまです。

ひきこもりの原因に多い精神疾患

社会(社交)不安障害 人の注目を浴びることが苦痛で耐えられない。対人恐怖。
統合失調症 幻覚や妄想、あるいは自分の殻に閉じこもってしまうなど、さまざまな精神症状のため外に出られない。
うつ病 外へ出る意欲がわかない。
発達障害 発達障害に伴う二次的な問題(うつや対人ストレスなど)でひきこもってしまう。

精神疾患がある場合は専門家に診てもらう必要があります。中には治療によりひきこもっている状態が改善されることがあります。しかし、精神疾患があるかどうか、受診のチャンスはなかなかありません。そこで、ひきこもりの相談では、さまざまな可能性を考えながら進められます。

なぜひきこもりに?

 「社会的ひきこもり」は、進学や就職のつまずき、人間関係のこじれなど、誰にでもある悩みや挫折から始まることがあります。気分が落ち込んだ時に、人と会うのがおっくうになり、一時的に閉じこもることもあるでしょう。しかしその閉じこもりが一時的なもので終わらずに長期化すると、ひきこもりとして問題になります。

 長期化する背景にはストレスや挫折のほかに、さまざまな要因が関連していると考えられています。

個人の要因

 例えば『几帳面で責任感が強い性格の人が、つまずきを過大に捉えてしまい自分を過剰に責める』、『神経質で、人目が気になるなどのストレスを感じやすく、それを発散することが苦手な人』などがひきこもってしまうことがあります。

家族関係の要因

 ひきこもりの方の家族はさまざまですが、ひきこもった後には多くの共通点が見られます。ひきこもりが長引くほど家族の焦りも大きくなり、本人や逆に家族自身を責めがちになります。緊張した毎日を送るうちに、わずかな変化にも一喜一憂し、本人との適切な距離がとれなくなって家族関係がこじれてしまうことがあります。

社会的な要因

 個性が尊重されにくく周囲と同じであることが要求されたり、世間体を気にしなければならないといった社会の風潮にとらわれて、本人、家族とも社会や地域から孤立していく場合があります。人との関わりが少なくなると、ストレスや葛藤が解決される機会も減り、ますます殻に閉じこもっていきます。

何が起こっているの?

 ひきこもった当初は、「人との関わりを避けたい」という思いと「このままではいけない」という焦りが交錯し、情緒的にも不安定になることが多いものです。家族も、どうしてひきこもったのかわからず、叱ったり強引に外へ連れ出そうとします。しかし、この時期に本人に過度のプレッシャーを与えると、葛藤を強め、ますますひきこもりを強めることになりかねません。受容的に接して、安心して休める環境をつくることが大切です。

 暴力がある場合、それは家族に怒りや憎しみを抱いているというより、どうにもならない絶望感や無力感に本人が押し潰されそうになっている表現と言えます。何でも受容するのではなく、暴力など注意すべきものにはきちんと意思表示をすることも大切です。

 ひきこもりが長期化してくると、「自分だけが社会から取り残されている」という焦りを持ちつつも、表面的には変化なく淡々と日々を送っているように見えることがあります。また、家族だけが唯一の人間関係となってしまい、子どものように甘えたりわがままになることがあります。一方家族は、いつまでたっても変化が現れないことに対して、「何を言っても無駄だ」「なぜこうなってしまったのか」「育て方のせいかもしれない」など無力感やあきらめ、自責の念にとらわれてしまい、身動きが取れなくなってしまいます。こうなると、もはや第三者の支援なしに変化することは困難になってきます。

相談機関を利用しましょう

 行政や民間の相談機関や援助施設などで、ひきもりの相談を行っているところがあります。多くの場合は家族だけの相談から始まります。その結果ひきこもりに対する理解が深まり、本人への対応を少し変えるだけで大きな変化が現れることもあります。

 本人にとっても、いきなり大きな目標の達成は難しいので、背伸びせずに気軽な目標を設定し、徐々に社会参加に慣れていくことが大切です。就労や復学が難しいようであれば、家の外にリラックスできる場所や仲間を見つけることから始めるのもよいでしょう。
 ひきこもりから立ち直るための特効薬やマニュアルはありません。さまざまな要因や状況が複雑に絡み合っているため、対応もタイミングも、ひとりひとり異なります。そしてほとんどの場合、再び社会に戻るには長い時間を要します。

 まずは今後を相談できる場所を見つけ、焦らず少しずつ階段を上がっていきましょう。

 堺市こころの健康センターでは専門職員がひきこもりの相談に応じています。グループワークも開催しています。お気軽にご相談ください。

※相談は予約制になっています。まずはお電話もしくはファックスでご連絡ください。

このページの作成担当

健康福祉局 健康部 こころの健康センター
電話:072-245-9192 ファックス:072-241-0005
〒590-0808 堺市堺区旭ケ丘中町4丁3-1 健康福祉プラザ3階

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