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令和元年度第1回(令和元年7月8日開催)議事(2)

更新日:2020年1月6日

(2)平成30年度の業務実績に関する評価結果報告書(案)について

後藤委員長

 それでは議事を進めたいと思います。議事(2)平成30年度の業務実績に関する評価結果報告書(案)について、でございます。まずは、平成30年度の業務実績を事務局から説明をお願いいたします。

事務局

 平成30年度の詳しい業務実績について、法人に説明をお願いしております。法人の方から説明をよろしくお願いいたします。

花房院長

  • 平成30年度の具体的な業務実績と取り組み状況について説明。

佐々木企画室長

  • 平成30年度の決算状況について説明。

後藤委員長

 ありがとうございました。続いて、平成30年度の業務実績に関する評価結果報告書(案)について、事務局から説明をお願いいたします。

事務局

  • 参考資料1により、年度業務実績の評価の進め方について説明。
  • 資料2、資料3により、平成30年度地方独立行政法人堺市立病院機構の業務実績の評価案と判断理由について説明。

後藤委員長

 ただ今、事務局から評価方法と平成30年度の業務実績に関する堺市の評価案について説明がありました。それでは、堺市が実施した評価案について、大項目ごとに意見を述べていきたいと思います。特に、重点ウエイト小項目をはじめ、法人自己評価と堺市の評価が異なる項目、堺市がヒアリングを実施すべきと判断した項目について、評価が妥当であるか確認していきたいと思います。委員の皆様には、評価結果に対し疑問に思ったところは、適宜、堺市や法人に対して質問していただきますようお願いいたします。
 まずは、第1の大項目に含まれる小項目について議論していきたいと思います。13ページの1-1-(1)救命救急センターを含む救急医療 から 21ページの1-1-(4)災害その他の緊急時の医療 までの項目について、堺市の評価は、救命救急センターを含む救急医療は評価5、小児医療・周産期医療は評価3、感染症医療は評価3、災害その他緊急時の医療は評価4となっております。特に、救命救急センターを含む救急医療は、重点ウエイト小項目であり、評価5となっておりますが、これらの評価に対して、何かご意見・ご質問はございますか。
   
 私からは、全体を通じたことになりますが、数値目標があった場合に、その達成率が何%以上だとどのような評価になる、という規定がないので、やや客観性に乏しい評価になる可能性があると感じました。次の数値目標の設定の時には、その辺りを考えられた方が良いと思います。特に右肩上がりで非常に良好な形で体制づくりをされておりますので、基盤はできているということになるかと思います。今後さらに発展していくかどうかということは、色々な事情からなかなか厳しいところがありますので、その設定をある程度うまくされていると、評価に対して柔軟に対応しやすいものになっていくのではないかと感じました。
 もう1つは、13ページの年度計画のところで、「厚生労働省充実段階評価については新基準となるため、評価Sを目指す。」とありますが、この「評価S」というのは90点以上でしたか。

中田診療局長

 100点満点の90点以上が評価Sとなっております。当院はそれに満たず、評価Aでございました。評価S自体が今回の評価で初めてできたもので、当院の体制がその基準に足りていなかった。ただ頑張れば評価Sもめざせるということで、年度計画では「評価Sを目指す」としています。

後藤委員長

 分かりました。当直医を各診療科で揃えるなどの厳しい条件があります。その中で、救急の入院する比率が35%以上であるということで、入院率が非常に高いと思います。救急医療をなさっている病院がたくさんある中で、そのような実績であるというのは、やはり専門的な受け皿がしっかりしているということですか。

中田診療局長

 広い間口と奥行きのある専門診療ということで、私としては、本当は救急の中で入院率40%をめざしたいのですが、37%ぐらいから上がっていません。大阪府というのは救急搬送の中で比較的軽傷が多いので、なかなか入院比率を上がっていないという現状です。

後藤委員長

 ありがとうございます。他に何かございますか。

北村委員

 この大項目のところで、救急やがんにこれほど力を入れておられて、メディカルコントロールについても成果が出ていると思っております。同時に、小児救急も尽力されているのが分かっている中で小児が評価3である理由が、数値目標に実績が満たないからであるとおっしゃっていたと思います。小児医療のニーズも少なくなっている中で、小児の先生方も努力なさっていることが見てとれるので、評価4でもいいのではないかと思います。

花房院長

 評価していただきありがとうございます。やはり評価3としましたのは、目標に達していなかったからであります。本当にすごく頑張ってくれて、人員が少ない中、これだけの実績を上げてくれているのは、院長としても感謝しているのですが、やはり目標に達していないのに評価4というのはどうか、という意見が理事会の中でも出てきましたので、自己評価3ということにさせていただきました。

北村委員

 次回は目標設定を適切な数値にしていただくことによって、評価も客観的になるのではないかと思います。

西川委員

 感染症医療の項目ですが、この病院は感染症に対して高度なことを要求されているわけですが、これが評価3というのはどうかという気がします。アウトブレイク対策もずっとしておられますし、もし何かあれば患者さんが運ばれてくる。それから、今はインバウンドの時代ですので、海外からどんな感染症が入ってくるか分からない。このような時に、評価3というのは心もとない気がします。実際の取り組みを見ると評価4でも良い気がするので、自己評価4でも良いのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。自己評価3としたのは、感染研修会の参加人数が減少したからなのでしょうか。

河野副院長

 感染症についてですが、厳しめの自己評価を致しまして、着々とアウトブレイク等を防いでいるということ、それから、感染研修会の参加率が97.6%となっておりますが、これは100%を目標としているので、そこをめざしてしているということで、自己評価3としております。ただ、西川委員がおっしゃられているように、中身としては非常に高いものをめざして取り組んでおりまして、それを着々と実現できております。また、色々なアウトブレイクを防ぐための訓練等も行っておりますので、中身としては評価4というのが妥当かと思いますが、先ほど申しました通り自己評価3とさせていただきました。
 また、小児医療・周産期医療に関しましても、数値目標に達していないということから、自己評価4とするのはいかがなものかということで評価3になりましたが、実情はご意見があった通りで、救急を含めて、小児科医療も頑張っておりまして、堺市内の50%近くの小児救急を受けております。当院の小児科医の数は、他の病院より2、3人多いぐらいの数ですが、それでもこれだけの割合の小児救急を受けているということからしますと、内容的には評価4というのが実際かと思っています。

後藤委員長

 感染研修会の参加率というのは、1人2回を基準とした場合には何パーセントぐらいになりますか。

河野副院長

 2回とも参加している人の割合が97.6%ということです。

後藤委員長

 それは素晴らしいと思います。

河野副院長

 おそらくこの数字も他の病院では考えられないくらい高い数字であると考えております。

後藤委員長

 何か秘訣はあるのですか。

河野副院長

 参加しなかった職員には追加の講義を行い、それにも参加しなかった職員にはレポートを提出させることにしました。そうすると参加するようになりまして、最初はそれでスタートしましたけれども、今は、レポートを書くというところまで至らずに、これくらいの参加率になっています。どうしても参加できない職員には、e-ラーニングで研修を実施しています。

後藤委員長

 参加者延べ人数というところは、2回出ている人がしっかりいれば、延べ人数と書かなくても良いのではないかと思うのですが。

中田診療局長

 先ほど、河野副院長が申し上げた通り、これは1回ではなくて、同じ講義を4回から5回、春と秋に行っているので、各々を足していくと、延べ人数ということになります。同じ講義を2回聴いている方もたまにいらっしゃるので、そういう意味での延べ人数ということです。普通は1回しか出ないのが当たり前なのですが、もう1回聴きたいという方もいらっしゃるので、それを合わせて97.6%、場合によっては重なるから延べ人数ということになっています。

後藤委員長

 成績を高くつけるとそれで向上が止まる可能性があって、現場でもう少し頑張ってもらいたいという向上する気持ちがあると少し控えめにつけるということもあります。花房院長、その辺りを加味して、評価3でいいのか、評価4とするのか、いかがですか。

花房院長

 評価は、評価委員会にお任せします。

篠藤委員

 16ページの小児医療のところに関してですが、確かに数値目標と比べると低い実績になっていますが、この目標を立てられた頃から社会情勢も変わっていますし、先ほどご紹介いただきました、小児救急の搬送受入件数のシェアも50%近いということで、去年や一昨年も同じくらいの割合だったとしたら、そういう救急自体が下がっているので、実績が下がって当たり前のような気がしますので、必ずしも絶対数で比較するのもどうかという気がします。シェアとしては、前年と比較していかがでしょうか。

花房院長

 シェアについては、前年度はちょうど50%ぐらいでした。平成30年度は46.7%と若干下がっている状況です。

篠藤委員

 分娩数についても、数値目標も減少させてそれ以上に実績も減少していますが、これは世の中の流れということで仕方ないと思うのですが、いかがですか。

花房院長

 そのとおりです。それと当院の小児科としては、新生児医療と小児救急医療の両方を全力で行うというのはなかなかできない体制ですので、救急医療に注力しようということで、新生児医療は大阪母子医療センターやベルランド総合病院と連携しながら体制を整えるというスタンスで行っております。分娩も比較的トラブルが少ないであろうというお母さんを重点的に当院で診ており、少しトラブルが起こりそうだなという方については、大阪母子医療センターやベルランド総合病院をあらかじめ紹介して診ていただくという体制にしていますので、目標も少し下がって、実績も下がった、ということです。

高橋委員

 小項目評価全体についてですが、病院側が厳しめに、数字に従って評価されていると思いますが、年度評価は目標に対してどうだったかという評価ですので、それに従って判断せざるを得ないのだと思うのですが、次年度以降は、新たな中期計画のスタートとなりますので、もう少し傾向を上手くつかみながら数値目標を立てていただければと思います。
 また、最初に後藤委員長がおっしゃられたように、数値目標の達成率が、100%達成していれば評価3、120%達成していれば評価4というような、定量的な数字で判断できるように、はっきりした定義を決めた方がいいのではないかと思います。評価3ではないか、評価4ではないか、という感じで、定量的な議論になりにくいような気がします。今回の評価自体のこととは少し違いますが、来年度に向けて検討していただければと思います。

後藤委員長

 ありがとうございました。皆さんから多くのご意見を出していただきましたが、そういうことも踏まえて、病院側も厳しめにということで判断されたのだと思いますので、堺市の提示した評価案のとおりでよろしいですか。
  (異議なし)
 では、そのようにさせていただきたいと思います。
 次は、23ページの1-2-(1)がんへの対応 から 38ページの1-3-(3)法令・行動規範の遵守 までの項目について、堺市の評価は、がんへの対応は評価4、脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病への対応は評価3、高度専門医療の推進は評価4、医療安全対策の徹底は評価4、医療の質の向上は評価4、法令・行動規範の遵守は評価3となっております。特に、がんへの対応は重点ウエイト小項目となっております。これらの評価に対して、何かご意見・ご質問はございますか。

西川委員

 がんについて、非常によくしておられるのですが、がんの予防の一環としてのがん検診に対して取り組まれるということが、病院の記載の中にない気がするので、がん検診に対する啓発を来年度以降の目標に入れていただきたいということと、認定看護師の方が増えているかと思いますが、がんの認定看護師の方がどれくらい増えたかとか、外来での化学療法で対応する患者さんの数がどうなっているか、という数字がここでは記載されていないので、できればそのような数字も出していただくと分かりやすいと思います。決算の説明のところで、看護師・助手の方が14名の減少、医師が13名の増加ということでしたが、医師が増加することはいいのですが、チーム医療という観点で考えていただけたらと思います。特にがんは集学的ですので、そういう考え方がいると思いますので、そういうところを少し書いていただけたらと思います。評価としては、これで良いと思います。

後藤委員長

 確かにドクターが増えて看護師が減ると、現場では残りの看護師の負担が増えるということになるかと思います。今ご指摘いただいた点は、評価に関係ないところではありますが、項目に入れてはいかがですか、というご意見をいただきました。25ページにがん検診受診者数という形では記載されておりまして、その中で内視鏡まで進んだ例という形で、広く網を張って患者さんを拾ってあげて、適切な診断・治療するということを上手くやっておられるという印象はあります。

西川委員

 それだけではなくて、堺市とどのような協力をされているか。行政と一番密接なのがこの病院ですので、それをお願いしたいということです。それから、地域内から、地域外から、という分け方がない気がするので、例えば、堺市内だけの患者さんがどうなっているのか、それとも、離れたところから患者さんが来ているのかどうか、ということを考えられたらいかがかなと思います。評価には関係のない話ですが、次期の目標の立て方としてそういう要素を考えられないといけないのかなと思います。

後藤委員長

 おそらく病院では、どこから患者さんが来られているか、二次医療圏を越えて患者さんが来られているかという調査はされていると思いますが、実際にそれを目標の中に入れ込むかということは、なかなか難しい問題であると思いますけども、ご検討いただければというご意見であったと理解をさせていただきたいと思います。

篠藤委員

 27ページの1-2-(2)脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病への対応の項目ですが、平成28年度は評価4、平成29年度も評価4、平成30年度は評価3と評価が下がったということになっています。おそらく、目標に達成していないもの、前年度より大きく減らしているものが2つほどありますので、そこが要因となっているのだと思うのですが、何か、前年よりも大きく減らした、又は、目標よりも大きく減らした原因はあるのでしょうか。

花房院長

 まず、前年度より大きく実績を減らした心大血管手術件数ですが、これは一時、心血管手術の再手術を必要とする患者さんが増えた時期がございまして、医療的に事故と関連がないのかどうかを完全には否定できませんでしたので、一時手術を中断して、外部委員も交えて検証いたしました。その結果は、医療的なミスではなく、病状が非常に深刻であったため、再手術が必要であったというご意見をいただきました。約3カ月間、心血管手術を中断した影響がかなり出ているという風に思います。それ以外の糖尿病については、目標を達成していますが、t-PA治療実施件数、脳血管内手術件数、冠動脈インターベンションでは、先ほどと同じように、目標値を達成できなかったということで、評価3という自己評価をさせていただきました。

北村委員

 関心があるので教えていただきたいのですが、30ページの1-2-(3)高度専門医療の推進の項目で、治験のところがこれからもっと伸びるのかなと思うのですが、31ページの評価の判断理由のところで、CRC(治験コーディネーター)の活動により、集中治療科や小児科においても治験を実施することができた、とありまして、素晴らしい実績だなと思えるのですが、容易ではない領域で治験が実施できる、かつ、実績が増加となっているので、目標通りなので評価4ということだと思うのですが、今後もさらに実績を伸ばしていただけるように、高度専門医療の推進の課題が他にありましたら、教えていただければと思います。今回は十分達成できていると考えています。

石坂薬剤・技術局長

 昨年度に1人CRCに来ていただきまして、今までがんを中心の治験を進めてまいりましたが、やはり全体的な医療の発展のためにはしないといけないということで、ある程度治験ができるドクターを要請していかないといけないということで、各診療科に協力を得たということと、医師会等と治験を誘致するような取り組みをしまして、色んなところから治験の誘致ができました。その中で今まで断り続けいていたところを1つでも取っていこうということで取り組みを始めたところ、1件、2件と増えていきまして、診療科も増えてきたというのが今の現状でございます。今も段階的に増えていますので、来年こそは評価5をめざしたいと思います。

北村委員

 また中期計画を策定される時に、目標をどのようにするのかということを後藤委員長からご指摘いただいて、私もそう思いますので、このような先端治療の部分でどこまで努力できるのかということを、評価しやすいようにしていただければと思います。

後藤委員長

 23ページの悪性腫瘍手術件数が想定されたようにはできていないようですが、これは何か要因や今後展開される方向はございますか。

大里副院長

 当院では総合的に治療しており、やはり今は高齢者の症例が多くなってきています。80歳以上で悪性腫瘍の手術をしている人が全体の1割くらいにはなってきており、また、化学療法や放射線治療も非常に進んできていますので、手術を唯一の方法として選択していないということが、要因として1つあります。もう1つは、悪性腫瘍の手術の多くは低侵襲ロボットでの手術や内視鏡手術になっていますので、1つの手術にかかる時間が非常に長くなってきています。現在、手術室10室が稼働しているのですが、手術室の稼働としては限界にきているのかなと思っています。

後藤委員長

 麻酔科の先生は何人おられるのですか。

大里副院長

 8人です。

後藤委員長

 8人でこの症例数ですと、数としては非常に多いと思います。

大里副院長

 現在、滋賀医科大学から麻酔科医の先生に来ていただいていまして、数日前も大学に行って増員のお願いをしてきたところです。

後藤委員長

 ありがとうございました。
 それでは、評価案については、特に修正のご意見はございませんでしたので、堺市の提示した評価案のとおりとして、次に進めさせていただきたいと思います。
 次は、39ページの1-3-(4)患者の視点に立った医療の実践 から 51ページの1-4-(3)医療、保健、福祉、教育などの行政全般等との連携と協力 までの項目について、堺市の評価は、患者の視点に立った医療の実践は評価4、患者サービスの向上は評価3、地域の医療機関との連携推進は評価4、地域での医療従事者の育成は評価5、医療、保健、福祉、教育などの行政全般等との連携と協力は評価4、となっております。患者サービスの向上については、法人自己評価と堺市の評価に相違がございます。また、地域での医療従事者の育成は評価5となっておりますが、これらの評価に対して、何かご意見・ご質問はございますか。

高橋委員

 42ページの1-3-(5)患者サービスの向上の項目について、患者満足度調査を隔年で実施されているのですが、今年度はそれとは別の、他の40施設と比較可能な患者満足度調査をされたということで、隔年でされている29年度の調査と30年度にされた調査の違いがよく分からないので、分かりやすくご説明いただきたいということと、40施設中の11位ということや平均スコアを上回ったということが、どれくらいのレベルの評価なのかということを教えていただければありがたいです。

谷口副院長

 患者満足度調査ですが、2年に1度、同じ様式を用いた調査ということになっています。この調査については、どちらかというと、説明が分かりやすかった、という患者さんの主観的なところや、施設的なところ、また、当院を選んだ理由、といった一般的な患者満足度調査になっています。その患者満足度の1つの課題として、ベンチマークがないということを以前からご意見をいただいておりまして、それに関して、隔年の患者満足度を実施していない28年度や30年度に、ベンチマークを用いることができる方法を取り入れているのが現状です。30年度に実施した調査は、どちらかというと客観的に、患者さんが入院してから退院までのプロセスをしっかりと評価する方法でした。そこで質問されていることは、どういう経験をしたかということについて聞かれているもので、出てくる結果は比較的客観的なデータであると言われています。

安井財務運営室長

 30年度に実施しました患者満足度調査は、医療サービスを受ける中で経験する事象に関してどう思われたか、ということを調査するもので、経営形態が分からない中ではありますが、全国の40病院が参加しているものです。総合点は40病院中11位ということですが、もう少し分かりやすいところで、「考えられる最悪の病院が0、考えられる最高の病院が10とする場合、あなたはこの病院をどうランク付けしますか。」という設問がありまして、当院で「10」を付けられた患者さんの割合は40病院中の8位、「8」以上のランクを付けられた患者さんは全体の8割近くおられたという結果がございます。また、入院中の患者さんに対する設問の中で、「入院中、病院のスタッフはあなたの痛みを減らすため、出来る全てのことをしてくれましたか。」という問いに対して、「全くしていなかった」「時々していた」「多くはしていた」「常にしていた」という4段階の評価をしていただく設問で「常にしていた」という回答の割合が40病院中2位だったということもありまして、高い評価を受けている項目が全体的に多かったというところでございます。

後藤委員長

 満足度としての総合的なパーセンテージはどのような基準で出しているのですか。

安井財務運営室長

 質問項目は33項目ありまして、10点満点で総合のスコアが出ています。全体40病院の平均スコアは8.24で当院は8.44という結果になっています。

後藤委員長

 外来患者と入院患者で差はありますか。

安井財務運営室長

 こちらの調査は、入院・外来合わせたトータルの評価のスコアとなっています。

後藤委員長

 スタッフと接触する時間が違うからか、外来と入院ではずいぶん評価が異なる場合もあるようですので、次回は区別されてアンケートを取られた方がいいかと思います。

北村委員

 患者サービスの向上の項目で、待ち時間調査の実施や待ち時間短縮と書いてありますが、待ち時間はどれくらいでしたか。

谷口副院長

 特に予約されている患者さんについて待ち時間調査を実施しましたところ、診療科や曜日、診察の傾向もありまして、多種多様な結果でした。早い診察でしたら、15分で流れている時もありますし、長い方でしたら2時間近く待たないといけない。それぞれの医師、もしくは診療科・診療部門、色々な手続きのこともありますので、それも含めて検討しているような状況です。外来はブースがいくつかに分かれていますので、それぞれのブースでの患者さんの流れも考えつつ、今年度は昨年度と違ったブースで実施しようと思っております。
 先ほどの満足度調査に少しだけ補足させていただきますと、同じ調査をしている年度と、異なる調査をしている年度があるのですが、ベンチマークができるような調査を探している状況ではあります。30年度に実施した調査は、客観的で内容は良かったのですが、設問数が多くて患者さんに答えていただくには時間がかかるという欠点もありましたので、色々な課題を見つけながら、新しい形を見出そうと考えています。

後藤委員長

 ありがとうございました。
 私からは、48ページの1-4-(2)地域での医療従事者の育成の項目で、初期研修医の定数が増えるということがあるのだと驚いたのですが、これについて、詳しく教えていただけますか。

大里副院長

 毎年大阪府がアンケート調査をしておりまして、外来研修を何時間行っていますか、ということや、年間でどれだけ学会発表をしていますか、という8項目に対して答えるようになっておりまして、現在、当院は8項目中、8点満点を取っております。昨年度は6点以上の病院で、定数を1つ上げるということになっておりまして、当院は直近3年で定員数を3人増やしております。医療法・医師法が変わりまして、厚労省ではなく大阪府が定数を決めるようになっておりますので、大阪府のアンケート調査の結果が、そのまま定数に反映するのかと思っております。

後藤委員長

 非常に客観的な指標で評価されているということですね。ありがとうございました。
 患者の視点に立った医療の実践の項目から医療、保健、福祉、教育などの行政全般等との連携と協力までの項目については、他にご意見もないようですので、堺市の評価案のとおりとさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
  (異議なし)
 ありがとうございます。
  
 それでは、第1の大項目に含まれる小項目評価については、ここまでとなりますので、続いて第1の大項目評価に移りたいと思います。第1の大項目評価については資料2の4ページに記載されております。第1の大項目に含まれる小項目について修正意見はございませんでしたので、堺市より提示された評価結果報告書案のとおり、承認させていただいてもよろしいですか。
  (異議なし)
 それでは、そのようにさせていただきます。

 続いて第2の大項目に進みます。
 54ページの2-1-(1)自律性・機動性の高い組織づくり から 63ページの2-2-(2)働きやすい職場環境の整備 までの項目について、堺市の評価は、自律性・機動性の高い組織づくりは評価2、質の高い経営は評価3、外部評価等の活用は評価4、職員のキャリアアップにつながる人事・給与制度の整備は評価4、働きやすい職場環境の整備は評価4となっております。特に、自律性・機動性の高い組織づくりについては、評価2の「計画を十分に実施できていない」となっております。また、質の高い経営については、法人自己評価と堺市の評価に相違がございます。これらの評価に対して、何かご意見・ご質問はございますか。

 私から確認なのですが、54ページに不適切な契約事務手続について記載されておりますけれども、その後、再発防止策ということできっちりと記載をされております。この件に関して、法人から何か追加でご説明されることや委員の皆さまからご質問はございませんか。

西川委員

 不適切な契約事務手続というのは起こってしまったことで仕方がないことではありますが、その後、どのようなことをするか、再発防止策をどのようにするか、ということが大切だと思います。記載されているように再発防止策はきっちりと考えられているので、起こったことで組織として反省を込めて法人自己評価2となるのは仕方がないことだと思いますが、堺市の評価としては、評価3でも良いのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

事務局

 今年度評価するのは平成30年度実績に対してであり、再発防止策については、記載はしておりますが実施するのは令和元年度となりますので、来年度、令和元年度の実績評価を行うときに考慮していきたいと考えております。

高橋委員

 再発防止策については、きっちりと作られていると思うのですが、不適切な契約手続というのは相手との関係性も発生した要因ではないかと思います。再発防止策の中では、病院内での内部統制はしっかりとされているのですが、契約手続の中で相手に対しての連携や情報共有など、契約先に対する統制がかかるような取り組みもあればと思うのですが、何かありますでしょうか。

松本内部統制室長

 本件につきましては、反省を込めて、厳しい自己評価をつけております。先ほどのご説明の通り、再発防止策を色々と掲げておりますが、不祥事が発生してから既に取り組んでいることもございます。内部監査は特に強化しないといけないところですが、コンプライアンスの意識を職員間で徹底するということが、根本的な問題であると思っております。また、外部の専門家も交えまして、内部統制の強化やコンプライアンスの徹底を繰り返し教育・研修していこうということで計画を立て、既に実施したものもございます。今、高橋委員からご指摘いただきました取り組みについては非常に難しいことではありまして、取引業者とどこまで距離を保つか、ということがあります。業者の方にも、我々法人の姿勢というものをきっちりと示して、理解・共通認識をしてもらおうという動きをしております。また、取引業者が当法人に対してどのような認識・意識を持っているかというアンケートのような実態的な調査を実施していくことも検討しております。

後藤委員長

 57ページの2-1-(2)質の高い経営の項目について、新しいDWH(データウェアハウス)ができて、色々なデータが抽出できるということだと思うのですが、仕組みができたとうことで法人自己評価としては評価4をつけておりまして、堺市としては計画を順調に実施しているということで評価3としておりますが、堺市はなぜ評価3としたのでしょうか。

事務局

 今回、計画を順調に実施しているということで、年度計画にあるような、PDCAサイクルを回すための環境整備を行っている点については評価させていただいております。ただ、環境整備を行った結果、それを活用していかに取り組みに繋げたかというプロセスの部分が業務実績報告では見えてこなかったことから、評価3とさせていただきました。

後藤委員長

 アウトプットが出てくると評価しやすいということですか。

事務局

 実際の結果につきましては、後程ご審議いただく安定した経営基盤の早期確立の項目で出てくると考えております。おっしゃっていただいたようにアウトプットの部分の実績について、もう少しお示しいただきたかったというのが、堺市としての考えであります。

篠藤委員

 先ほどの不適切な契約事務手続のところですが、この事象をこの項目で評価するべきなのか、コンプライアンスの項目で評価するべきなのか、どちらが良いのかと思ったのですが、いかがでしょうか。また、今回、平成31年1月から内部統制室ができたということですが、それまでは監事監査や会計監査人の監査はあったけれども内部監査の専門部署はなかったということになるのでしょうか。

花房院長

 まず、記載する項目についてですが、法人の中でも議論を行い、コンプライアンスの項目の方が良いのではないか、という意見もございました。最終的に、コンプライアンスの項目が、「1-3 安全・安心で信頼される患者中心の医療の提供」という項目の中にありましたので、医療行為に伴うコンプライアンスということが求められており、また、当法人の監事のご意見もいただきまして、自律性・機動性の高い組織づくりの項目に記載しました。また、今まで内部統制の専門部署はなかったのか、ということにつきましては、今のかたちのような、しっかりとした内部統制の部署はなかったというのが実情です。それが今回の事象が起こった1つの誘因になっていたと思います。

後藤委員長

 ご意見ありがとうございました。ただいま確認しました項目については、特に修正の意見はありませんでしたので、堺市の提示した評価案のとおりとさせていただきます。

 第2の大項目に含まれる小項目評価はここまでとなりますので、第2の大項目評価に移りたいと思いますが、何かご意見やご質問はございますか。
  (特になし)
 それでは、堺市より提示があった評価結果報告書案の通りとさせていただいてよろしいですか。
  (異議なし)
 では、そのようにさせていただきます。

 続いて第3の大項目に進みます。
 第3の大項目に含まれる小項目は65ページの3-1 安定した経営基盤の早期確立のみとなっております。堺市の評価は、評価4となっております。こちらの項目は、重点ウエイト小項目となっていますが、何か、ご意見やご質問はございますか。
 こちらはしっかりと目標を達成して、経常収支比率も99.8%まできたということで、よく取り組まれていると思いますので、評価委員会としても評価4ということでよろしいですか。
  (異議なし)
 それでは、こちらも修正意見なしとさせていただきます。

 第3の大項目に含まれる小項目評価は以上となりますので、大項目評価に移りたいと思います。第3の大項目評価は7ページに記載されております。小項目評価に修正意見がありませんでしたので、このまま承認させていただきますが、よろしいでしょうか。
  (異議なし)
 ありがとうございます。

 最後に第4の大項目となります。この大項目に含まれる小項目は69ページの4-1 環境にやさしい病院運営のみとなっております。堺市の評価は、評価3となっておりますが、何かご意見やご質問はございますか。

高橋委員

 評価はこれで良いと思いますが、熱源設備の温度を7℃から8℃に1℃上げられたということですが、この消費燃料の削減の実際の量というのは、実績からは読み取れませんが、実際は削減されていますか。

北村委員

 関心があるのでお伺いしたいのですが、中期計画で記載されている文言に省エネルギー化やゴミ分別の徹底とあって、関連指標に省エネルギーのことがあるのですが、ゴミのことについて、何か工夫している点はございますか。

森事務局長代行

 消費燃料の削減とゴミ分別の詳細については、次回会議時にお答えさせていただきます。

後藤委員長

 ありがとうございました。
 こちらの項目についても、修正意見はなしということでよろしいでしょうか。
  (異議なし)
 では、そのようにさせていただきます。

  
 第4の大項目評価に移りたいと思います。第4の大項目評価は8ページに記載されております。記載内容など、何かご意見ございますか。
  (特になし)
 特にないようですので、堺市より提示された評価結果報告書案の通りとさせていただきます。

 これで、小項目評価、大項目評価の確認は終了しました。
 最後に全体評価ですが、資料2の2ページから3頁に記載している内容について、何かご意見やご質問はございますか。
  (特になし)
 以上で、小項目評価、大項目評価及び全体評価の確認は終了しました。最後に、業務実績評価の基本方針では、評価委員会は、評価結果の決定をする際、法人に、評価結果(案)に対する意見申立ての機会を与えることになっております。法人は何かご意見ございますか。

門田理事長

  • 意見提示への謝辞
  • 評価への意見はなし

後藤委員長

 門田理事長、ありがとうございました。
 では、評価委員会として、平成30年度の業務実績に関する評価結果報告書(案)に対する意見を取りまとめていきたいと思います。業務実績等の評価時の意見書について、事務局から説明をお願いします。

事務局

  • 参考資料3により、評価結果報告書(案)に対する意見書について説明。

後藤委員長

 事務局から、評価結果報告書(案)に対する意見書(案)について説明がございました。問題がなければ、「意見なし」ということにさせていただこうと思いますが、いかがでしょうか。
  (異議なし)
 それでは、市長への意見書は本日付けで「意見なし」とさせていただきます。

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