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平成30年度第1回(平成30年8月2日開催)議事(2)

更新日:2018年11月1日

(2)平成29年度の業務実績に関する評価結果報告書(案)について

杉本委員長

 それでは、議事(2)平成29年度の業務実績に関する評価結果報告書(案)について、事務局から説明をお願いします。

事務局

  • 参考資料1により、年度業務実績の評価の進め方について説明。
  • 資料2、資料3により、平成29年度地方独立行政法人堺市立病院機構の業務実績について小項目評価案と判断理由について説明。

杉本委員長

 堺市が実施した評価について意見を述べていきたいと思います。特に、重点ウエイト小項目をはじめ、昨年度の評価結果と法人自己評価に差異がある項目、法人自己評価と堺市の評価が異なる項目について、評価が妥当であるか確認していきたいと思います。委員の皆様には、評価結果に対して疑問に思われたところは、適宜、堺市や法人に対して質問していただき、幅広いご意見をいただきますようお願い致します。法人の業務実績報告について、あるいは、事務局から説明があった項目以外についても、何かご質問がありましたら、肯定的あるいは否定的な意見も含めてご質問をお願い致します。
  それでは、資料2の13頁、1-1-(1)救命救急センターを含む救急医療から、1-1-(4)災害その他緊急時の医療までの項目についてです。1-1-(1)救命救急センターを含む救急医療は評価5。これは昨年度も評価5です。1-1-(2)小児医療・周産期医療は評価4、1-1-(3)感染症医療に関しては評価3、1-1-(4)災害その他緊急時の医療は評価4となっております。特に、1-1-(1)救命救急センターを含む救急医療は重点ウエイト小項目になっておりますが、これらの評価について、何かご意見、ご質問がありましたらお願い致します。
 私から、救命救急センターを含む救急医療が評価5ということはそれで良いと思いますが、気づいた点をご質問させていただきます。13頁の救急搬送受入件数や重度外傷応需率に関しては、よくやられていると思います。救急搬送の受入困難症例は、大阪府全体で247件に対して堺市では6件。堺で発生したものは堺市立総合医療センターが受け入れているということですが、全体として受け入れている件数も大阪府全体から見ると少ないと考えて良いのでしょうか。

中田救命救急センター長

 委員のおっしゃられている受入困難例は本当の意味の重症例ではなく、社会的な問題等によって受け入れし難いものです。堺市に救命救急センターができる以前は、堺市内の民間病院に頑張っていただき、中度の外傷や重度の内因性疾患を市外の救命救急センターに頼んでいました。堺市立総合医療センターに救命救急センターができた後も、周りの民間病院は頑張って受け入れてきた歴史があるので、我々と一緒に受け入れている。堺のことは堺でなんとかしないといけないという文化もあります。会議等で二次救急医療機関の先生方と毎回のように顔の見える関係ができているので、無下なことはできない。良い意味で、救命救急センターがなかったことが、今このような状況になっているのだと思います。

杉本委員長

 全体として、救命救急センター以外に、堺市で既にそういう文化を作られているところに参入して、それをうまく機能させたという理解でいいわけですね。
 もう一点、13頁の関連指標の中で、重度外傷応需率は年々実績を伸ばし、非常に高い実績ですが、重度疾病応需率は86.4%と、前年から2%近く下がっているのは何か理由があるのでしょうか。堺には、他の脳卒中あるいは心筋梗塞含めて心臓救急に関して特化してやられている病院があるから、ここばかりやる必要はないのだろうと思うのですが、疾病の応需率が低下していることに関して、病院の中の体制か何らかの理由があってのことでしょうか。

中田救命救急センター長

 現在の状況ですが、心筋梗塞に関しては、問題なく受け入れていると思います。吐下血その他に関しても、当院の内科の先生方特に消化器内科の人たちが受け入れておりますが、脳血管障害の方が、ドクター及び受入体制が若干劣っておりまして、現在脳外科の先生を増やして体制を整えているのですが、そこに関しては少し弱かった。今年度からは状況が変わっています。その結果として重度の疾病応需率が下がったように見えるのだと思います。堺市の以前からの文化で、外傷の重症は三次救急ですが、内因性の疾患に関しては少々具合が悪くても二次救急で対応していることが多く、当院でこの9,322件を対応していると、入り口として多忙すぎて受け入れられないということもあると思います。

杉本委員長

 脳卒中を中心としたものが少しまだ体制が整っていない面があるけども、基本的には大きな体制の整備はできている。救急搬送件数が多くなってくる中で、必ずしもそれに対応できない場合が起こってくるという理解でいいわけですか。
 救急に関して私が気づいた点はそんなところです。他の委員はないでしょうか。
  (特になし)
 小児医療・周産期医療の評価4に関しては、特に臨床心理士の介入件数が、急速に増えていることは非常に評価できると思いました。ここで少しお聞きしたいことが16頁の分娩件数です。移転する前は500例近かったものが、27年度は移転に伴って減ることは理解できます。28年度に493例とやはり500例近い実績ですが、29年度は380例と急激に100例以上減ってしまっているのですが、何らかの原因があってのことなのか。また、助産師分娩を行って、件数的には年間10数例ということで、取り組み自体は非常に重要なのですが、少し力を入れているなというレベルの話で、機能的には果たしてどうなのかと。十分なところまでいっていない印象なのですが、全体としての分娩数380例というのは、これは何か理由があってのことでしょうか。

花房院長

 これは小児科の体制の変化によるもので、小児科の体制に人員の減少などがあり、当院として何を最優先すべきかと議論した上で、小児救急が最優先すべきものであろうということで、新生児関連の小児科の方は、少し手薄になったということです。そのために、産婦人科と協議した結果、合併症が予想される、あるいはトラブルが起きる可能性がある出産分娩については、早めに大阪母子医療センターやベルランド総合病院にご紹介して、お願いしたという経緯でこの数字になったということです。

杉本委員長

 分かりました。堺市立総合医療センターはOGCS(産婦人科診療相互援助システム)に参加していらっしゃらないのですか。

花房院長

 参加しています。

杉本委員長

 ベルランド総合病院と大阪母子医療センターが、出産等を伴う母子のことに関して重点的にされているので、PICU(小児集中治療室)についての対応を担っていただいているということですね。将来的にはどういう風に考えていくのですか。

花房院長

 まず、小児科の体制をしっかりさせるということを目標にし、その上で、出産数も増やしていきたいと考えております。

杉本委員長

 ここは大阪大学から小児科も産婦人科も医師が来られていると思います。大阪大学は、産婦人科関係は集約化を進めていこうとしていると思うのですが、その辺りはどういう風にされるのですか。

花房院長

 大阪大学の産婦人科からは、特に明確な方針をお伺いしていないという段階です。

杉本委員長

 将来的に取り組みの1つとして助産師分娩という方向性を考えていかれているというのは、大いに結構だと思います。集約化で安全な分娩をという方向へ世の中が流れて行って、ある程度集約化が進んでいかざるを得ない状況と思います。それを含めてどのように考えていかれるか、私自身気になったのでお聞きしたい。

花房院長

 大阪大学のご意見もあるでしょうし、周辺の医療機関との関連もありますので、また協議を重ねながら方針を決めていきたいと思います。

門田理事長

 将来どういう風にというのも考え方だけですので、今すぐどうというのはなかなか言えないですが、今のわが国の医療そのものが、このままではやっていけない。だから集約化という役割分担の流れはもう仕方がないだろうと思います。これから先どうにもならない状況になっているのは事実ですから、よほど根本的なことをしないといけない。基本的には集約化するということは、地域でいかに上手くシステム作りができるかということが非常に重要なのではないかと思います。

寺口法人本部長

 一点だけ補足させていただきます。実はこの病院を建てる時に、当初は周産期ということでNICU(新生児集中治療室)を整備するという計画もございました。ただ、どうしても集約と役割分担ということが求められている中で、総合周産期医療センターである大阪母子医療センターと地域周産期医療センターであるベルランド総合病院は非常に近い所にあり、尚且つ、各病院のPICUやNICUの稼働率も教えていただき、ドクターを分散するよりは、地域として小児・周産期医療を守っていくために集約化の方が良いという結論になり、NICUの整備計画を断念したということもあります。将来的には院内助産や違う特色を出して機能を維持していくということが、その当時の方向性だったと思います。

杉本委員長

 分かりました。どういう方向にもっていくのか、流れを考えていただければと思います。それも含めて評価4ということに関しては、よろしいですか。
  (異議なし)
 感染症医療に関しては評価3となっております。感染研修会の開催回数は全職員を対象として、春と秋に学習会を開催しているということで、参加率も非常に上がってきて、事務職員の方々も含めて参加率97%ということで、よくやっていると思いますが、評価3ということでよろしいですか。
  (異議なし)
 次に、災害その他緊急時の医療は評価4ということですが、訓練はどこも色々されますが、実際それが機能するのかというのは全く別の話で、実際に起こった時に機能するかどうかをチェックし、それを繰り返していくことが災害医療の非常に重要なところであります。そういう意味合いで、先日の大阪北部地震の時に、国立循環器病研究センターに実際に出動されたということで、非常に積極的にされていると思います。評価としては4で良いと私は思いますが、他の方はそれでよろしいですか。
  (異議なし)
 それでは、1-1-(1)救命救急センターから1-1-(4)災害時の医療までは、評価5、評価4、評価3、評価4ということで、市の方の評価そのままで良いということでよろしいでしょうか。
  (異議なし)
 わかりました。ちなみに、本日ご欠席の篠藤委員と山村委員のお二人とも、救急医療の項目については、非常によくできているので評価5が妥当であるというご意見を頂いております。
 続いて、23頁の1-2-(1)がんへの対応から1-3-(3)法令・行動規範の遵守までの項目についてです。重点ウエイト小項目である1-2-(1)がんへの対応は評価4、1-2-(2)脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病への対応も評価4、1-2-(3)高度専門医療の推進は評価4となっています。
 特にがんへの対応に関しては、市の方からもう少し評価を上げてもいいかもしれないというご意見ですし、篠藤委員からは医療という専門的なことなので医療関係の方の評価にお任せする、山村委員からは他の公立病院と比較して相対的に高い実績であることが明示できるのであれば評価を上げても良いのではないかという意見をいただいております。がんへの対応の評価4について、理事長はがんに対して日本の第一人者というお立場ですが、あえて法人自己評価4にされていることに関しては、何かご意見、お考えあってのことなのでしょうか。

門田理事長

 特に理由はございません。ただ、職員としては自分がやっているということから期待はあるかもしれませんが、これはあくまで第三者的な評価であり、我々の期待・希望とは全然違いますので、一切我々のことを考えずに評価をお願いしたい。

杉本委員長

 目標という点に関して言えば、ほぼ達成されている。悪性腫瘍手術の目標件数は1,300件で実績が1,271件ということで少し達成できていませんが、その他に関しては全て目標をはるかに上回っています。いかがでしょうか。これは評価4という形にしておきましょうか。

田中委員

 がんのリハビリ実施件数やがん相談件数はかなり頑張っていらっしゃると思います。緩和ケアチームの介入件数も非常に増えて、努力されていることが見えておりますので、私は評価5でも良いと思います。

岡原委員

 行政と病院の評価が一致しているので、評価4で良いと思います。

杉本委員長

 評価4のままで良いということですね。分かりました。私も評価5でも良いのではないかと実際思っていますが、評価4ということで。一点お伺いしたいのですが、23頁にあります悪性腫瘍の手術件数が25年から順調に目標をはるかに越えてきていますが、29年度に関しては50件足らずの増加となっています。この地域で病院が果たすべき役割という意味合いでは、ほぼ満たされているという考え方でいいのでしょうか。

大里副院長

 現在の所、がん発生率は堺市二次医療圏の中ではほぼ横ばいになっておりますので、これぐらいではないかと思います。特に今補助療法の方が進んできておりますので、手術ということで言えば横ばいになってきているのではないかと思います。

杉本委員長

 基本的には地域からの紹介というものも含めて十分対応できている、発生しているものに関しては対応できているという理解でよろしいですね。今後は、手術件数というよりも、全体として質的なものがどうかということが重要になって、そこに移っていくということですね。
 それでは、法人自己評価4とされているのを、そのまま評価4にしておきますが、内容的には十分評価5に値すると思います。引き続き取り組んでいただけたらと思います。
 脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病への対応は評価4で、こちらも法人と市の評価が一致しており、前年度も変わらないということで問題ないかと思いますが、それでよろしいですか。
  (異議なし)
 次に高度専門医療の推進の項目ですが、評価4となっており、私も評価はそれで良いと思います。少しお伺いしておきたいのですが、ロボット支援手術件数を前立腺から広げていくとされていますが、前立腺に関しては51件とかなりの症例数であるのに対し、腎臓に関しては15件と1カ月に1例ぐらいということで、技能を維持するということが精一杯のレベルではないかなと思うのですが、その辺はいかがでしょうか。あるいは、将来的に肺や他の領域にも広げていくということで、ロボット支援手術というのは確かにもてはやされますが、本当に医療の実態としてどうなのか、将来的にどういう風にしていこうと考えていらっしゃるのか、ご意見ありましたらお願いします。

大里副院長

 腎臓については、対象としているのが2センチ以下の小型の腎がんなので、実際にはその発生率はあまり多くないのだと思います。15例というのは、我々の病院としては、従来から言うと非常に多い数であると考えております。もう一点、他の領域については、呼吸器領域は、現在過半数の肺がん手術をダビンチで行っております。縦隔腫瘍についても同じで、呼吸器領域についてはダビンチに移行することになっていくかと思います。消化器領域については、骨盤領域の非常に低位なものについてはダビンチが有効であろうと考えておりますので、ある程度限局されたものに対応できるのではないかと考えております。婦人科については、アメリカではほぼ8割方ダビンチで手術をされていると聞いておりますので、これからダビンチを広く適用することになっていくのではないかと思っております。全ての領域について、我々は取り組んでいこうとしております。

杉本委員長

 腎臓に対して15例というのは対象を絞っているということなのだと思いますが、一方で、技能レベルを維持するということが非常に重要なことになってくるので、何らかの形で症例数を増やす方法を考え、技能レベルが熟練されないことにならないように、是非ともお願いしたいと思います。これは、評価4ということです。
 次に、医療安全の徹底というところで、ここは是非ともご議論いただきたいと思います。法人の方は評価4としているところを市の方は評価3とされており、その大きな理由は、報道があったことだろうと思いますが、それに関してご意見ないでしょうか。

岡原委員

 医療安全というのは、どれだけやって良いというものではなく、その病院のフィロソフィーによって均一に医療安全を進めていかないとなかなかうまくいかない。医療安全を根本的に考えて、一番大事なのはどういう方向性に持っていくかという病院のフィロソフィーだと思います。それから、領域によって医療安全の考える度合いが少しずつ違うので、システムで一括的に行ってもなかなかうまくいかないということも理解し、色々な方面のアプローチをしなければ難しいと思います。評価は病院の評価自体にお任せしたら良いと思います。

田中委員

 ここに記載されている内容を拝見すると、評価4でもいいのかなとは思いますが、やはり報道の影響等があって、評価3とする方が妥当なのかと揺れている部分がございます。きっちりと病院から報道されたということはすごく評価できる部分であると思いますし、そういった姿勢も今後続けていただきたいというところで悩んでおります。

杉本委員長

 ご参考までに、篠藤委員からは法人が引き続き医療安全対策に取り組まれたことは評価して良いが、報道で取り上げられた医療事故を考慮し、今回は評価案のとおり評価3でやむを得ないと考えるというご意見です。山村委員のご意見としましては、システム的に課題があったのか等、医療事故を起こしてしまった要因分析は適切に行っているのかどうか、取り組みも大事であるが結果も大事である、医療事故という結果があった以上評価3もやむを得ないと考える、本当に大切なのはこのような医療事故を二度と起こさないことだと思うということです。お二人は評価3でもやむを得ないだろうというご意見です。
 私の意見としては、いくら取り組んでいても起こってしまったら、その医療安全システムに欠陥があったと言わざるを得ないと思います。いくら取り組みをしても起こるのは事実であるのですが、私の理解では、起こっている内容が非常に困難な難しいものならばやむを得ない面もありますが、はっきり言いまして、これは明らかに予防するシステム、対応がとれていなかったと言わざるを得ないだろうと思います。それに、この堺市立総合医療センターだけでなく、他の病院で既に起こったことと同じようなことが起こってしまった。医療安全という意味合いでは、これを一般の目から見て評価4とするのは難しいというのが私の正直な感想です。本来は評価3であると言われても反論の余地がないと思うのですが、いかがでしょうか。

門田理事長

 反論はございません。

杉本委員長

 厳しい言い方をしたかもしれませんが、実際に起こってしまって、山村委員のご意見のように、今後二度と起こらないようにどのようにシステムを改善できるかが重要です。ヒューマンエラーというのは、人に頼っていただけでは必ず起こってきます。電子カルテを入れ替えられるというとこで、手で書く代わりに電子カルテで文字を書くという利便性よりも、医療事故に対して保険をかけられるというシステムが本来の電子カルテの意味です。要するに、再発を絶対に起こさないシステムをどのように作っていくか、電子カルテの中にそのようなシステムが入れられているかということも含めて何かご意見ありますか。

河野副院長

 まず、今回の事故に関する対策は業務実績報告でお示ししたとおりです。電子カルテに関しては、10月導入の際に、読影がなされていない場合はアラームが入るという形で対応しますので、数的には減るかと思います。一つだけ申し添えたいのは、今回の事故について、患者さんの方から見落としがあったのではないかという指摘があって病院が調査したというものではなく、病院の内部の方から見落としがあったという報告が来まして、調査した結果、これは病院の方に落ち度があるということで、患者さんにそういうことを説明して報道機関にも公表したという経緯であり、病院全体としては、医療安全に対する取り組みや意識というものは、確実に高くなっているという風に判断しています。もちろん、評価自体はこういうことが起こってしまいましたので、評価3というのは当然受け入れるべき評価だと思っています。

岡原委員

 確かにシステムでアラームをかけるのは簡単ですが、こういう問題を考える時に、救急で受診された時に同じ部分をCTで撮ったとしても、一般内科の先生が見る場合と、消化器専門の先生が見る場合と見方によって変わるわけです。結局一番大事なのは、相対的に私はこの分を今見たと、残りの分は他の科で見てもらって結果が来るというような認識の持ち方です。それを持っていただいたら良いのですが、全部の責任を持たなければならないというようなシステムもなかなか大変ではないかと思います。自分に来た時に消化器の部分、そこだけを見ていただいたらいいわけです。その辺りどうお考えですか。

河野副院長

 それに関しては既に動いておりまして、例えば整形外科医は、骨関節の方はCTを撮った時に読影しますが、肺に関しては放射線科医が後から読影して重篤な見落としがないかと報告がきて、見落としがある場合は、その日または翌日に事務の方から報告が上がり、もう一度読影して患者さんに説明しなおすという体制をとっています。今できる範囲のことは行っているという形です。さらに電子カルテでのアナウンスが出るという形で対応しています。これで医療事故がゼロにはならないと思いますが、着々と進めていきたいと思います。

岡原委員

 今回のように、それによって非常に影響を受けますので、いい意味に捉えられたらいいが悪い意味に捉えられたら気の毒だと思いますし、その辺りの問題も含めて、救急の方も対応できるようなシステムづくりをしていただいたらと思います。

杉本委員長

 院内の方で見つけて報道機関に公表されたことは非常に正しいと思います。そういう意味合いでは、医療安全の基本はそこで、危機管理の最初の案としては非常に高く評価しているつもりですが、結果としてこうなってしまったということを今後どういう風に繋げていくかというものは別のことだろうと思います。小項目評価としては、今回は評価3という形にして、是非とも挽回を図っていただきたいと思います。
 それでは、23頁の1-2-(1)がんへの対応から37頁の1-3-(3)法令・行動規範の遵守までの項目については、1-2-(1)がんへの対応は評価4、1-2-(2)脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病への対応は評価4、1-2-(3)高度専門医療の推進は評価4、1-3-(1)医療安全対策の徹底は評価3、1-3-(2)医療の質の向上は評価4、1-3-(3)法令・行動規範の遵守は評価3ということになっています。
これは今の議論を含めて、それでよろしいでしょうか。
  (異議なし)
 次に、1-3-(4)患者の視点に立った医療の実践ですが、昨年度は法人自己評価と最終評価結果がともに評価3だったのですが、今回は法人と堺市の両方が評価4となっています。患者の視点に立った評価という意味合いでは、山村委員からは診療センター化に取り組まれたということ、篠藤委員からも診療センター化を実現されたということで評価4が良いのではないかというご意見です。外の病院からの紹介に関しては、間違えずにどこの診療科かうまく当てはめることができないと紹介するのは非常に難しいこともあると思いますが、このことに関して何かご意見あるでしょうか。

岡原委員

 患者の視点に立ったというのは意味も色々あると思います。患者の視点に立った適切な医療に対するというような項目も本当は入るべきですが入っていない。また、ニーズに応じてオッケーという風に判断するのかどうかというところで変わってくると思いますが、特に丁寧にされているのではないかと思います。

杉本委員長

 分かりました。それでは、これは今まで評価3でしたが、今回は評価4ということでご意見ないですか。
  (特になし)
 それでは、今年度は評価4ということにしたいと思います。
 次の1-3-(5)患者サービスの向上に関して、病院の方は評価4とされているのですが、市の方は評価3となっています。この大きな理由というのが、患者満足度のところだと思うのですが、これは入院に関しては目標が87%、実績は89.4%と目標達成しているのに対し、外来に関しては目標が85%で実績が81%と、27年度と比べても低下しているというところで、市の方として評価4を評価3にされている。これはいかがでしょうか。

谷口副院長

 平成26年度は、外来は71%の満足度でした。平成27年度に新しい病院になりまして、その効果もあり85%に外来がアップしております。次の目標ということで考えた結果、せっかく上がっている数値を下回る目標というのはないと判断させていただき、目標を85%にさせていただきました。結果的には81%に落ちてはいますが、26年度と比べると10ポイント上がっているということと、満足度を点数化した場合、患者さんが当院につけた得点も27年度からは上がっており、肯定的な意見の比率も上がっております。そういう点も鑑みて、評価4とさせていただいた次第です。

岡原委員

 私も評価4で十分だと思います。堺市立総合医療センターに関して市が受けるのは苦情が多いです。これは仕方がない。一つご留意願いたいのは、患者さんに対する教育というのを少し考えていただいたら、評価5になると思います。やはり、適切な患者さんにするということを、我々今から反省しながらやっていく時代が来たと思います。それだけよろしくお願いします。

田中委員

 私も評価4で良いと思います。確かに外来の評価が少し落ちているようには見えますが、8割方の外来の患者さんという、非常に多くの方たちが満足だという風に言っておられるというところは評価に値すると思います。

杉本委員長

 評価4で良いのではないかということなので、評価を変更するという意見でよろしいでしょうか。山村委員からも81%をどう捉えるかが大事であるというご意見をいただいております。
 これは意見として、貴院で今までされてきた調査方法は、おそらく変えられた方が良いと思います。全国でどう評価されたものか分かる調査方法にした方が良い。時代とともに患者さんの求めるものが変わってきますので、それに応じて小項目を変えたとしたら、結局今までの結果と比較できず他の病院との比較もできなくなります。これはもう自己満足的な形を取らないでされる方が良いかと思います。もう一点、71%から10%上がっているので良いのではないかということですが、これは新病院を作った時はどこも上がりますから、あまり評価の対象にすべきではないだろうと思います。むしろ85%を1回達成していたのに、81%になぜなってしまったのか、これを真剣に考えられるべきだろうと思います。これから病院が古くなってきて他の病院が新しい建物を作っていきますから、今もし満足されていたら落ちていくばかりで上がることはないだろうと思いますので、是非とも取り組んでいただけたらと思います。その辺りも含めて、患者サービスの向上に関しては評価4に変更したいと思います。それでよろしいでしょうか。
  (異議なし)
 続いて、1-4-(1)地域の医療機関との連携推進は評価4。これは紹介率・逆紹介率含めて順調なので評価4ということです。これはよろしいですか。
  (異議なし)
 1-4-(2)地域での医療従事者の育成は評価5。これは研修医あるいは実習生も含めてたくさん受け入れているということで高く評価を受けて良いのではないかということです。これも継続してされていることなので評価5で良いと思います。よろしいでしょうか。
  (異議なし)
 地域で育成するために協力するということは言うまでもないことですが、堺市にずっと居続けるようにするというのは、少し別の話ではないかと思います。優れた医療従事者を是非とも育てて、世の中、堺市に輩出していくシステムを保っていただきたいと思います。また、実績として研修医も10人のところが11人になるというのは、非常に素晴らしい話ですから、評価5にしたいと思います。
 次は51頁の2-1-(1)自律性・機動性の高い組織づくりから、58頁の2-2-(2)働きやすい職場環境の整備までです。この中で、2-1-(3)外部評価等の活用は、昨年度は評価3だったものを病院が評価4に変えられたのですが、市の方が評価3であるという風にされています。外部評価の活用というところで病院機能評価と卒後臨床研修評価の両方とも高く評価されているということですが、これに関してはいかがでしょうか。

岡原委員

 市の側には病院のネガティブな情報がたくさん行きますのでやむを得ないのですが、市の方になぜ評価3にしたのか聞いた方が良いと思います。

事務局

 今回評価させていただくに当たりまして、まず法人自己評価の判断理由というところを法人の方からご提示いただきました。その記載内容だけでは汲み取れない内容もあり、今回評価につきましては、記載内容のみを鑑みて評価3という風に記載させていただきましたが、口頭による業務実績報告の内容等も鑑みまして評価委員の皆様にはご審議いただければという風に考えております。

杉本委員長

 そうですね。篠藤委員からのご意見として記載を見る限りどのようなことが業務改善に繋がったのか分からない、記載方法を工夫された方が良いのではないかということです。ヒアリングにおいて実績が確認されたのであれば、評価を上げても良いと考えるとのことです。要するに、記載内容からは上げるだけの理由がよく分からないということだと思います。山村委員も同様で、業務実績の書き方として、外部評価の結果などを記載し実績をもう少し分かりやすくした方が良いということです。ヒアリングによれば病院機能評価で今まで評価5はなかったが、今度は評価Sが4つあった。これは非常にすごいことだと思います。評価の度、病院全体としてそれに取り組まれることが、外部評価を活用するという意味合いになると思うのですが、分かりやすい書き方をして欲しいということだと思います。それも踏まえてどうでしょうか。

岡原委員

 この外部評価を、文字通り外部評価という風にとるかどうかということだと思います。市民から来た苦情等についても病院に伝えられていますが、市民病院という元の精神がございますから、それはその都度改善されています。それも含めて外部評価ということでしたら、私は外部評価に対して非常によく対応していると思います。反対に行き過ぎて、受診形態等に問題を起こさないようにエデュケーションもやっていただきたいと思います。

田中委員

 外部評価を受けることに向けての準備の過程で、自分たちを見つめなおして評価に臨まれたのだと思います。その結果、評価Sの数が増えていることや、評価Cがなくなっているという様な素晴らしい評価を受けられているということなので、私も評価4で良いのではないかと思っております。

杉本委員長

 それでは、評価4で良いと思います。ただ記載方法に関しては、市の方の評価する人たちも含めて、法人の記載として分かりやすい書き方でという意見を付けて、評価4ということで良いですか。
  (異議なし)
 次に、2-2-(1)職員のキャリアアップにつながる人事・給与制度の整備は評価4、2-2-(2)働きやすい職場環境の整備に関しては評価4ということで、それで良いと思います。働きやすいという意味合いで、病院というのは基本的には女性が圧倒的に多い職場でもありますし、病児保育のことで少し取り組まれておりましたが、看護師さんは何名いらっしゃいますか。

谷口副院長

 看護師はおよそ630人です。

杉本委員長

 およそ600人の皆さんが出産して子どもがいるわけではないでしょうが、私の感覚として、利用率が増えてきていると言いながらも、思ったよりは少ないなと感じたのですが、その辺りはどうでしょうか。もう一点、これは一般の市民の方も受け入れられているということですね。これは非常に良いと思います。それに関して少しご説明いただければと思います。

寺口法人本部長

 普通の保育に関しましては、市民の利用の部分も含めて、ほぼ満員の状態です。どちらかというと、市と交渉させていただきながら、定数を上げるといったことに取り組んでおります。業務実績報告で子育て支援ということでお示ししたのは、その中でも病児保育ということです。例えば1日であるとか、2日間利用された方は延数のカウントとなります。前年実績が172人に対して今年の実績が315人ということは、短期で預かってもらえる病児保育があるということが、ある程度周知できてきたのではないかと思います。また、流行性のある疾患等が流行るか流行らないかということにも差があるのではないかと思います。

杉本委員長

 そうですね。保育所の受け入れもそうですが、子どもがいる若い人たちの立場から見ると、熱が出てしまったときに迎えに来て欲しいという話が一番困ることかと思います。病院が病児保育に取り組めるというのは小児科の協力が非常に必要になってくると思いますが、普段の元気な時ももちろん、乳児が熱を出したときにそういう風に見てくれるところを、特に職員に対してだけでなく市民にまでされているということは、市民に対する非常に大きなサービスではないかと思います。

岡原委員

 堺市の病児保育は数か所でやっています。最初に登録すれば、どなたでも受けられるというシステムになっています。ただ、病児保育をやるときに、季節変動によって混むときには満員になってそうでない時はかなり空きが出ているという現状で、なかなか大変なところがあると思います。

杉本委員長

 それでは、働きやすい職場環境の整備まではその形で、外部評価等の活用に関しては、記載方法を少し考えていただくということで、評価4にしたいと思います。
 最後に、3-1安定した経営基盤の早期確立から4-1環境にやさしい病院運営ですが、安定した経営基盤の早期確立は重点ウエイト小項目になっており、昨年度は評価4で今年度も評価4ということです。今年度は6千万円の赤字になっていますが、予定された目標は達成されたということで評価4としています。黒字であれば評価5だということなのでしょうが、評価4ということでよろしいですか。
  (異議なし)
 このことに関して、専門家という立場の篠藤委員からのご意見としては、収入の確保と費用の削減にしっかりと取り組んでおり、評価案のとおり評価4が妥当であると考えるという風にされています。山村委員の方からも、経営が安定しているということで、評価案のとおり評価4で妥当であると考えるということになっていますので、評価4にしたいと思います。
 最後の環境にやさしい病院運営に関しては、法人自己評価と最終評価がともに評価3です。
 小項目については以上ということで、私も色々とご意見を言いましたが、1-3-(5)患者サービスの向上が、市の方の評価では評価3であったものを評価4で良いのではないかということ、2-1-(3)外部評価等の活用が評価3になっているものを評価4に変えるという意見でよろしいでしょうか。
  (異議なし)
 今の小項目評価案について修正意見を提示させていただいたので、再検討をお願いしたいと思います。続いて大項目評価・全体評価に移りたいと思います。堺市の方から説明をお願い致します。

事務局

  • 資料2により、大項目評価案・全体評価案について説明。

杉本委員長

 ただ今、堺市より小項目評価の結果割合による大項目評価案について説明がありました。併せて、全体評価案についても説明がありました。この件に関して、記述内容など何かご意見・ご質問はあるでしょうか。
  (特になし)
 小項目評価は、患者サービスの向上と外部評価等の活用という2つの項目が元の案である評価3から評価4へと変更意見が出ている。ただ、それらの変更を踏まえても、大項目評価は、判定基準では全てAであるということですね。何かお気づきの点はあるでしょうか。
  (特になし)
 これで、小項目評価、大項目評価及び全体評価の確認は終了しました。最後に、業務実績評価の基本方針では、評価結果の決定をする際、「法人に評価結果(案)に対する意見申立ての機会を付与する」ことになっております。法人の方からどうぞ。

門田理事長

  • 意見提示への謝辞
  • 評価への意見はなし

杉本委員長

 門田理事長、ありがとうございました。法人としては意見なしということですね。では、評価委員会として、平成29年度の業務実績に関する評価結果報告書(案)に対する意見をとりまとめていきたいと思います。それでは、業務実績等の評価時の意見書について、事務局から説明をお願いします。

事務局

  • 参考資料3により、評価結果に対する意見書について説明。

杉本委員長

 事務局から、評価結果に対する意見書(案)について説明がありました。最終評価案に関しては小項目2つの変更がありましたが、それらを含めて最終評価案及び意見書の確認については委員長一任ということでよろしいでしょうか。
  (異議なし)
 ありがとうございます。最終評価案と意見書については、出来上がり次第、私の方で確認して市に提出したいと思います。次に、議事3その他ですが、事務局から何かありますか。

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