このページの先頭です

本文ここから

平成26年度第5回(平成26年11月18日開催) 議事(2)

更新日:2015年2月2日

(2)地方独立行政法人堺市立病院機構 第2期中期計画について

事務局説明

  • 地方独立行政法人法では、市長からの中期目標の指示後、病院機構が中期計画を策定することになっているが、日程的なことや有意義な議論を行っていただくため、本日の会議から中期計画に対するご意見をお聴きすることを説明。
  • 参考資料3により法的根拠や認可までの手続き等、中期計画の一般的な概要を説明。

法人本部長説明

  • 国が進める医療と介護の機能再編や病床機能報告制度において、法人としては、高度急性期医療を担う病院をめざしていくということを説明。
  • 第2期中期計画は、新病院への移転も踏まえ、「医療の質の向上」、「経営基盤の強化」、「人材育成」、「患者サービスの向上」の4つの視点を重点項目とし、堺市2次医療圏の旗艦病院として他院では行えない救急医療や高度専門医療を行う病院づくりのための第1歩と考えていることを説明。
  • 資料6を用い、第2期中期目標の達成に向けた第2期中期計画(案)における取り組みについて説明。

杉本委員長

 事務局と病院機構から中期計画の一般的な概要と今回の第2期中期計画(案)の説明がありました。
 第2期中期計画(案)は本日、ご承認いただきました中期目標を達成するための行動計画ということであります。行動計画でありますので、中期計画では、目標に対し法人としての取り組みやアプローチの方法あるいは目標達成のための手段等を示すことになります。また、中期計画をブレイクダウンした年度計画の業務実績を毎年度、評価委員会として評価します。評価する立場から考えれば、中期計画の内容が、法人を評価していくための基準になるという側面もあるということも考慮・検討していただきながら、全体的に議論し審議していただきたいと思っております。本日の第2期中期計画(案)では、まだ、収支計画など、未掲載な部分もありますが、取り組み内容については全て列挙しているということでした。
 では、第2期中期計画(案)の内容に関して、ご質問、ご意見をいただきたいと思います。

 それでは、最初は、私の方から少し。
 まず1点目ですが、今後、高度急性期医療を担う病院をめざすということでした。新病院では救命救急医療の機能を担うことになるのですが、それ以外に、例えばICUやCCU,NICUなど、どのような病床を持ち機能を果たすのでしょうか。
 2点目は、堺市医療圏には、脳卒中に強みを持つ馬場記念病院や大阪労災病院、ベルランド総合病院など大きな病院があり、病院間での地域連携も進める必要があると思います。このような状況下において、堺病院はどのような位置づけで高度急性期医療をめざしてくのか、総論的でかまいませんので、そのお考えをお聞かせください。

北村理事長

 難しい課題であります。今年度は全病床、高度急性期で報告をいたしました。提出期間が短い中、院内で検討した結果、将来的に堺市医療圏においても高度急性期医療への需要の過密化を鑑み、高度急性期での報告しかないと結論いたしました。

 DPCデータなどのナショナルデータを活用し、診療密度が計られ、他の病院と比較、評価されることになります。その結果、全てが高度急性期病床として認められず、一部の病床が一般急性期等になることもありえます。また、現状では、示されている高度急性期の基準に達していない項目も確かにあります。

杉本委員長

 ありがとうございます。質問の意図としましては、地方独立行政法人の公的病院として、全職員のベクトルを同じ方向に向けるためにも、病院の果たすべき使命をはっきりさせておく方がよいと思い、前文に掲げている「真に地域に必要な医療を安定的かつ継続的に提供する」と高度急性期医療の提供との関係性について整理するためお聞きしました。

出耒法人本部長

 まず、新病院の機能についてですが、設置する救命救急センターにICU を8床、HCUを22床、また院内用のICUとして20床の整備を考えています。急性期医療としまして、心臓血管外科を新設しますのでハイブリッド手術室を、また放射線治療についても新しい医療機器を整備するなど、高度急性期を担うことができるハード整備を進めてまいりたいと考えています。
 次に、地域連携における当院の特徴ですが、病病連携で申しますと、現在もそうですが、合併症のある、その中でも特に人工透析を必要とする急性期の患者への対応は、当院が担っていく必要があると考えております。
 また、精神疾患については、精神疾患を持ち身体的疾患を有する患者に対しては、急性期医療の提供後、連携をしていきたいと思っています。ただし、診療密度が高い高度急性期病床の中で対応をしていくことになり、病床機能とのミスマッチが起こることを懸念しています。

杉本委員長

 総論的なことについて、他にご質問、ご意見はいかがでしょうか。
  (意見なし)

 では、資料6の第2期中期計画(案)の項目の順に、個別に具体的な記述に対し、ご質問、ご意見をお聞きしたいと思います。
 前文については、いかがでしょうか。
  (意見なし)

 第2市民に対して提供するサービスその他の業務の質に関する事項について、ご質問、ご意見はいかがでしょうか。

 では、私の方から確認させていただきます。
 3頁の1-(1)救命救急センターを含む救急医療のアの文中に精神疾病を伴う総合的な救急医療とありますが、精神科医師は何名いますか。

出耒法人本部長

 現状において、精神科医師はいません。
 現在、救急医療における精神疾患だけではなく、認知症への対応も考えなければなりません。よって、精神科病床をもつかどうかも踏まえ、様々な検討を行っているところであります。

杉本委員長

 救急医療においては、精神疾患を持った患者の身体的疾病への対応が受入困難の理由の1つになっております。また、認知症への対応も、今後、ますます増え、重要になってくるものと予想しています。
 他に何かございませんでしょうか。

岡原委員

 精神科の設置をどうするのかについては、非常に難しいところがあると思います。
 基本的に、精神科の医療については、診療所との連携が不可欠であると考えています。高度急性期の方向に進まれるということでしたが、地域の精神科の医師等と連携し治療にあたることで、急性期を脱した後のフォローもスムーズになります。
 新病院に移転した後も病病連携が非常に重要です。
 国が進める病床機能の再編においても、医療コーディネータが重要になると考えています。これは、病診連携、病病連携、また在宅医療や介護との連携も含め、全て連携という問題につながっています。効率的な病床運営の観点からも連携が重要であると思います。

杉本委員長

 ありがとうございました。

 4頁の(2)小児医療・周産期医療の指標にある小児ウォークイン紹介件数とありますが、どのような指標なのでしょうか。

金万院長

 1次診療所で紹介状をもらい、救急車による搬送ではなく、独歩で来院した患者数です。

杉本委員長

 すなわち、小児救急紹介患者数ということでよろしいですね。

(3)感染症医療ですが、堺病院には、感染専門医がいましたか。もしいなければ、大学病院との連携などを図り、いざという時に派遣を受けることなどを考えてはどうでしょうか。

金万院長

 院内のICTなど感染対策に熱心な医師はいますが、専門医ではないので、現在はいません。来年度を目途に確保したいと考えています。

杉本委員長

 災害その他緊急時の医療についてはいかがですか。大阪府下の救命救急センターは、全て災害拠点病院認定されています。堺市立病院でもDMATは持たれていますか。また、新病院は津波の心配はないですか。

出耒法人本部長

 DMATはあります。新病院での津波の心配はございません。

杉本委員長

 よろしいでしょうか。

 続いて、2-(1)がんへの対応について、ご意見、ご質問はいかがでしょうか。

田中委員

 がん治療を積極的に行っていくという計画だと思います。ただ、がん治療は苦痛を伴うケースがあり、それを和らげる、つまり緩和ケアも大切でありますが、原案の本文中にこの文言がないことが気になります。高度ながん治療を行っていくと緩和ケアが必要になってきます。がんリハビリテーションの充実という文言もありますので、是非、記述をお願いしたいと思います。

岡原委員

 今後、国においても、がん診療も含め、さまざまな分野で制度の新設や見直しが行われていくことが見込まれます。それら、新しい制度などにも、フレキシブルに対応できるような記述のほうがよいと思います。

千葉看護局長

 外来における緩和ケアについては、精神科医師の応援を依頼し、精神的な側面からのサポートを行っています。

杉本委員長

 では、次の6頁、7頁でご意見、ご質問はいかがでしょうか。

 では、私の方から少し確認させていただきたいのですが、(3)高度専門医療の推進の本文中に、「他の医療機関ではできない医療に適切に対応」とありますが、具体的に何か計画や取り組みを考えているのでしょうか。

大里診療局長

 新病院ではハイブリット手術室を備えており、高度な医療機器を使った手技の導入を検討しております。

岡原委員

 医療安全対策の徹底についてですが、堺市医療圏では、研修会の開催や3つの委員会運営など、かなり積極的に取り組んでおり、他の地域と比べても進んでいると思います。

杉本委員長

 文言で少し気になるのが、「医師・看護師及び薬剤師等」と職種を限定しているところです。医療安全への取り組みは事務も含め全職種、全職員で関与していくことになります。「全職員が」や「チーム全員で」という文言に修正した方がよいと感じました。

次の8頁、9頁の項目について、ご意見、ご質問はいかがでしょうか。

篠藤委員

 患者満足度調査を指標に挙げていますが、質問項目はどのように設定しているのでしょうか。市販されているような業者の項目を利用しているのか、それとも院内で独自に作成しているのか、どうでしょうか。

小澤看護局次長

 患者満足度調査の質問項目は、さまざまな文献などを調査し、全国で共通している項目、例えば職員の言葉づかいであったり、診療の内容についてであったり、そのような質問を選択し、院内で作成しています。

隈元委員

 関連しての質問になりますが、患者との対応について、患者満足度で結果を計るということも大切ですが、その前段で接遇研修を実施するということも重要であります。必ず実施していくという観点からも、接遇研修の記述は必要ではないかと感じております。

小澤看護局次長

 看護職のみの研修や全職員を対象にした研修など、年数回、接遇教育を実施しております。なお、新規採用職員については、必ず研修を実施しております。

杉本委員長

 患者満足度調査については、院内で作成した調査表で実施しているということでしたが、他院と比較できる患者満足度調査を活用するのも1つの手法だと思います。どこが他院より勝っているのか、どこが劣っているのか分かることにより、職員のモチベーションの向上につながるのではないかと考えています。3年ごとに厚生労働省が実施している受療行動調査の調査表を用いるのも、病床規模別などに簡単に全国比較ができるのでよいのではと思います。
 接遇研修については、9頁に指標としては掲載されており、平成25年度は2回の開催実績ということです。

隈元委員

 この2回というのは、どのような回数なのでしょうか。年2回研修会を開催したということなのか、全職員が年2回研修に参加したことなのか、どうでしょうか。

小澤看護局次長

 新規採用職員に1回、全職員に1回実施しております。

隈元委員

 主に新規採用者に対する研修ということですが、初心忘れるべからずということもありますので、内容を変えて中堅職員を対象にした研修会の開催も検討してみてはどうかと感じました。ちなみに、私の会社では、入社1年目教育、3年目教育、中堅教育などその年数やそのレベルに応じた研修、教育を行っています。

 患者満足度調査はどのように実施しているのでしょうか。対象者はランダムに選んでいるのでしょうか。また、回答が書けない状態の患者の場合、付添いの方が回答することもあるのでしょうか。

小澤看護局次長

 調査は毎年、同じ方法で実施しています。退院が決まった時に、調査票を手渡し、退院時に回収箱に入れてもらうことにしています。やはり、入院中の患者は遠慮などもあると思いますので、そのようにしています。

篠藤委員

 中期計画の指標についてですが、目標指標と関連指標とがあります。目標指標は平成31年度の目標数値があり、その意図は分かるのですが、関連指標は平成25年度の実績のみです。目標数値がないものを計画に記載するのは、どのような意図があるのでしょうか。

佐々木リーダー

 目標指標は、医療の質などに関係する指標としました。
 関連指標は、計画の取り組みに関連するものを指標としており、5年後の目標数値を設定するのではなく、年度計画の中で数値を追っていきたいと考えています。

篠藤委員

 年度計画では、関連指標についても、数値目標が示されるということでよろしいのでしょうか。

佐々木リーダー

 はい。そのとおりです。

杉本委員長

 4-(1)地域の医療機関との連携について、地域の医療従事者への研修会の実施回数を指標としていますが、実施回数のみでなく、実施スタッフのモチベーションもあがるように、参加人数も目標にした方がよいと思います。

岡原委員

 地域における医療従事者の養成に関連してですが、2025年問題の対応に向け、在宅医療や認知症対策のため准看護師の需要も増えることを申しておきます。
 また、堺市には、がん診療連携拠点病院が堺病院と大阪労災病院と2病院あります。例えば、これら2病院が連携したような、市民等を対象にした公開講座や講習会を開催できればいいなと感じています。

杉本委員長

 ありがとうございました。本日は、第2期中期計画(案)についてさまざまなご意見、ご質問をいただきました。まだまだ意見があると思いますが、また次回の会議もあるので、本日は一旦、この辺りで終了したいと思います。
 本日、いただいたご意見を踏まえ、改めて計画の修正、見直しをしていただくとともに、収支計画等も含めたものを最終案として次回会議に提案をおねがいいたします。次回の会議では、提示された最終案を審議、議論を行い、評価委員会としての意見を最終的に、まとめたいと思っております。
 それでは、本日の評価委員会を終了させていただきます。

3.閉会

事務局(森(浩)健康医療推進課長)

杉本委員長、ありがとうございました。
次回の会議は、平成27年1月27日(火曜)午後2時から、会議の場所は、後日ご報告させていただきます。年が明けてからの開催となりますが、何卒、よろしくお願いいたします。
また、本日は、長時間にわたり、各委員の皆様方にはご審議いただきまして、誠にありがとうございました。
以上をもちまして、終了させていただきます。ありがとうございました。

このページの作成担当

健康福祉局 健康部 健康医療政策課

電話番号:072-248-6004

ファクス:072-228-7943

〒590-0078 堺市堺区南瓦町3番1号 堺市役所本館6階

このページの作成担当にメールを送る
本文ここまで