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堺市
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平成26年度 第1回 堺市博物館活性化戦略会議

更新日:2016年8月2日

日時

平成26年6月30日(月曜) 午前10時から

場所

堺市役所本館 4階 庁議室

会議録

ミュージアムディレクター(市長)挨拶

竹山市長

 おはようございます。私自らミュージアムディレクターに就任したのは、堺は歴史文化を誇っていて、いいものがあるのに、博物館があまり目立ってなかったからだった。これまでは奥ゆかしくて、あまりPRをやっていない。仁徳天皇陵古墳をはじめとする百舌鳥古墳群を世界文化遺産に登録しなければならない時期に、博物館も世界に向けて発信していかなければならない。そこで、先進的な美術館や博物館をいろいろと見させてもらって、一味違ったことをやりたいと思い、私が呼びかけて、こういう戦略会議を開くことにした。そして、我々だけで議論するのではなく、外の視点も取り入れながら議論していきたい。前回、準備会議を開いて、今回が第1回ということで、ぜひ、中谷さんのご意見をお伺いしたいということでお越しいただいた。ご提言を、よろしくお願いしたい。

案件 中谷彰宏さん(作家 堺親善大使)による博物館活性化への提言 

中谷親善大使

 私は堺市出身で、歴史が大好きで、広告代理店でイベントをたくさんやってきたから、このような会議に是非よんでほしいと思っていた。

1 博物館のリニューアルとは

 「リニューアル」とは、設備を変えることではない。お客さんとの関係を変えることだ。「博物館に来る人にどんな風に思ってもらいたいのか」を、博物館目線ではなくお客さん目線で考えなければならない。

2 堺市博物館に来る人&来た人がこんな風になるといいな。

 お客さんが「また、行きたいな」、さらには「行ったことを誰かに話したいな」と感じるようにしなければいけない。人は「誰かに話したい」と思うことで、次には誰かを連れてきてくれる。それには「また、行きたいな」と思うリピーターを増やすことが大切だ。ディズニーランドが強いのは、リピーターが9割だからだ。

3 何があると、そうなるかな。

 このよう流れを起こすために必要なことは「ワクワク」感だ。「ワクワク」するところには自然と人が集まる。堺には立派なモノがいっぱいあるので、安心してしまっている。大切なのは、「モノ」ではなくて、「ワクワク」を感じてもらうことだ。

4 ワクワクをつくるためには

 市長直轄の一番いい点は、市長自らが「やっていいよ」と言えることだ。「博物館というものは…」という固定観念の「ちゃぶ台」をひっくり返すことだ。僕が考えていることは3つある。
 まずは、「静かな」博物館から「やかましい」博物館へ変身することだ。「博物館は静かでなければ」という固定観念を破って、「しゃべっていい」博物館をつくればいい。
 二番目は「モノ」の博物館から「ヒト」の博物館へ変身することだ。地元に愛着が湧くというのは、「あの人堺出身なんやで」という瞬間だ。「ヒト」がやはり大きい。そして、長く人の心に残っていくのは「説明」ではなく「物語」や「エピソード」だ。博物館で大切なことは「物語」を継承していくことだ。それが土地に対しての誇りになる。文化を持っているところはすべて「物語」を持っている。そして、「物語」は、「ヒト」が継承していくものだ。「モノ」には付かない。
 三番目は、博物館の最終目的は、見せることではなく、博物館自体が「コミュニティ」になっていくということだ。お客さん同士で会話が起こる場にすることで、コミュニティ、普段着での交流の場になっていく。コミュニティとは、体験の共有、価値観の共有の場であり、そこに先輩がいて、いろいろと教えてくれ知識が増える場ということだ。「博物館が面白くない」というのは、楽しみ方がわからないからだ。価値は、それを伝達する人がいて初めて価値となる。価値を伝えていくこと、これがコミュニティの役割だ。

5 堺市博物館に行ったら、こんなことが起こるといいな。

 「博物館に行ったら、こんなことが起こったらいいなぁ」と思っていることがある。一つめは「博物館がキッカケで、親子の会話が増えた」ということだ。「お父さんは、堺の歴史にとても詳しかった」となったときに、子どものお父さんを見る目が変わる。博物館で大人なら知っている知識を話すだけで、子どもは「おおっ」と思って、歴史に興味を持ち始める。
 二つめは、「博物館がキッカケで、友達ができた」ということだ。博物館の展示を見ながらしゃべりあうと、知らない人でも友達になれる。
 三つめは、「博物館がキッカケで、地元に愛着が湧く」ということだ。例えば、「火縄銃が種子島に渡ってきた翌年には、もう堺で作っている。堺ってスゴイ歴史があったんやなぁ」ということだ。博物館で「ワクワク」体験を持つことによって、その日だけが楽しいのではなくて、堺での普段の生活が楽しくなる。

6 モノで勝負から、見せ方で勝負へ。

 千利休の凄さ、「利休イズム」とは、「高い茶器を使わないでどう見せるか」ということだ。当時の堺には、津田宗及、今井宗久などの豪商がいた。利休は豪商ではなく、いい物はもっていないので、見せ方で勝負しようとした。これこそが堺の文化だ。それを堺市博物館でやってほしい。「モノ」で勝負するのではなくて、「脚本」と「演出」で勝負する。展示物が凄いということで終わってはいけない。
 例えば、美術館や博物館に行くと、前に行かないと説明が読めない。字が小さいからだ。読んだら読んだで、読み疲れてしまう。説明ばかり読んでモノを見ていない人もいる。だから、解説の文字は大きくする。そうすれば文字は少なくなる。「説明の文字を大きくしたら展示品が目立たなくなります」というのも固定観念だ。展示品の素晴らしさ、面白さが分かるコピーを付ける。「それでは説明しきれない」となったときにはじめて、学芸員の出番がくる。

7 見る博物館から、体験する博物館へ。

 博物館を「体験する」場にしてほしい。体験したところへは、また行きたくなる。「見る」博物館から五感で「体験する」博物館へ変えよう。
 博物館には銅鐸のレプリカがあり、叩きたいと思ったら実際に叩けた。歴史の教科書に出でくる銅鐸は、写真で見たら静かなものに見えるが、自分で叩いて音を聴いたり振動を感じたりしたら、自分の中での銅鐸のイメージができる。火縄銃は、本物の重さや質感を再現したレプリカを用意したい。子どもたちは、火縄銃を持ったときの重さで印象を残す。火縄銃を撃ったときのバーンという大きな音も、子どもたちに聴かせたいし火薬の匂いも嗅がせたい。布団太鼓も動かないのは寂しい感じがする。歌い継がれてきたお囃子を流して、置き方を動線の斜め方向にしたり照明を当てたり風を当てたりして動いているように見える工夫があればいい。
 茶室も見せてもらった。「にじり口ってこんなに狭いんや」と感じた。外国の人や子どもたちには、ぜひ、にじり口から茶室に入ってもらいたい。もう一つは、茶室の薄暗さを味わうことだと感じた。窓から入ってくる薄い光の中で、お茶の味や香りに敏感になる。外の明るいところにいて、にじり口から入ったら、最初は部屋の中は真っ暗だ。目が慣れてくると、「ジワジワ」っと、中が見えてくる。お茶の作法だけではなく、茶室の独特な空間をぜひ体験させてあげてほしい。

8 日本一うるさい博物館。

 さて、「日本一うるさい博物館」、これは一つの勝負である。「うるさい」ということで、日本中の他の博物館と圧倒的に差をつけることができる。
 堺では、町の人みんなが語り部だ。南宗寺での体験だが、「歴史はお詳しいですか」と尋ねられたことがある。「ええ、まあ」と答えたら、「それでは三好長慶は、もうご存知ですね」と尋ねられたので。「基本からお願いします」と答えた。「堺の歴史では、長慶のことは一応押さえておかないと」と言って説明してくれた。次のところへ行ったら、「ここで徳川家康が亡くなった」という話をしていた。「えっ、徳川家康って堺で亡くなったの」と思っていると、呼び止められた。「さっきのところでは説明を聞かれましたか」と尋ねられたので、「はい」と答えたら、「では問題です」と言われた。おさらいテストがある。この人たちは全部ボランティアだ。こういう語り部が、堺の財産だ。このような語り部が博物館にいることが「うるさい博物館」ということだ。学芸員も語り部になっていい。「熱い思い」があれば、聞いた人は惹きつけられる。そして説明よりも「物語」を伝えてほしい。今、スマホで解説情報を見ることができる手法もあるが、やはり「生」で解説してくれる方がいい。そして、あちこちで笑い声がでる。「博物館は笑い声を立てたらアカン」という観念からも脱したい。

9 支えることで、愛着がわく。

 このようにいろいろとやろうとすると、「人手が足りない」と言われるが違う。お客さんに手伝ってもらう、参加してもらうことだ。お客さんはしゃべりたいし、手伝いたい。手伝うことで愛着が湧く。僕は「博物館のことを手伝ってよ」と言われていることが一番「ワクワク」する。人は誰かを手伝っているときにモチベーションが上がる。市長も自らミュージアムディレクターになって「ワクワク」しているはずだ。

10 聞く博物館から、話す博物館へ。

 説明は全部ボランティアの人にやってもらう。その人たちに役職をあげて、名札やバッジを着けてもらう。子どもならば、例えば、「古墳博士」「南蛮貿易博士」でいい。そうすれば、子どもは子どもに説明するし、さらに、大人にも説明する。「携帯電話は禁止ですが、私語は歓迎です」「展示を見ながらどんどんしゃべってください」というルールにする。先駆者がどんどん楽しみ方、味わい方を教える。

11 地下ホールの活用法は

 地下ホールはお客さんの発表の場所にする。興味を持っているお客さんはアウトプットする場がほしい。毎日誰かが自分の研究の成果を発表できるようにする。そうすると、その人は勝手に宣伝してくれる。今まで博物館に来たこともないような人も連れてきてくれる。「歴女」など、いろいろな人に発表してもらう。

12 モノの博物館から、人の博物館へ。

 これからは、「モノ」から「ヒト」へ考え方を移す。まずは、スタッフ全員の名前をお客さんに覚えてもらう。スタッフも常連だけでなく、お客さんの名前を憶えていく。こういう関係は、サービス業であれば当たり前の世界だ。
 顔写真は、すごく大事だ。今、書道展をやっているが、その人の肖像画があれば、もっと興味が湧く。歴史の教科書で覚えているものは、歴史上の人物の顔写真だ。堺に関連する人の顔写真をすべて並べると凄く惹きつけられる。さらに、キャッチフレーズを付けたい。河口慧海であれば。「東洋のインディ・ジョーンズ」と言ってしまえばいい。インディ・ジョーンズのテーマ音楽も使えばいい。音楽を流すと「音が別の場所に漏れる」という声が出でくると思うが、それでいい。「あそこで何かやっている」ということで人は誘導されていくからだ。

13 すべてのモノに、名前をつけよう。

 池の横を散策できる道などの場所にも名前を付けていく。京都の「哲学の道」は、何の変哲もない道だが、『るるぶ』で紹介されるとみんな行く。名前が付けられた瞬間に、人はそこに価値を見出す。愛着が湧く。名前は、市民参加、公募にすればいい。そうすれば、「あれは自分が名付けたんやで」と宣伝してくれる。

14 玄関前広場を、ライブ広場に

 博物館の前の広場は、ライブ広場にしたい。例えば、三味線ライブがいい。三味線は、貿易でつながりのあった琉球から堺に伝わってきた。「なんで三味線ライブを堺でやっているの」「いやいや、三味線は沖縄がルーツでな、日本では堺から始まったからやで」「堺と沖縄は昔からつながりがあったんやで」という話に発展していける。ストリートミュージシャンを呼んできてもいい。それが「コブクロ」になるかもしれない。「コブクロ」はつい最近のことかもしれないが、すでに「コブクロ」も歴史的伝説になっている。人は音楽があるところに寄っていく。「音楽に引き寄せられて来たら、博物館だった」というふうになればいい。

15 いつの時代を扱うか

 父親を東京の江戸東京博物館に連れて行った。戦争の話を聞いてあげようと思ったからだ。父親の話はいつも焼夷弾の話になる。博物館には焼夷弾が展示してあるので、「これが空中で36個にパアーンと分かれ、その一つがおじいちゃんの家の屋根に落ちたんや。それをほうきではろうたでぇ」という話になる。これも歴史。堺が大坂夏の陣で焼けたことも、第二次世界大戦の空襲で焼けたことも、全部が堺の歴史だ。

16 博物館のハブに

 そうすると、市内には、いろいろな博物館や資料館があるので、「このテーマは○○館がやっているからできない」となる。そうではなくて、堺市博物館は、堺のすべての博物館のハブになればいい。他の館のテーマに関するもの一品を展示して、「もっと詳しくお知りになりたかったら○○館へどうぞ」と誘導していく。堺の歴史文化のことならば、まずここへ来てもらってから次へ行くというように、歴史文化の情報発信のハブ施設になればいい。

17 駅からの距離を解決するには

 堺市博物館がどこから始まっているかと言えば、お客さん目線では、百舌鳥駅であり堺東駅だ。外国のホテルではクリスマスになったら、道路からクリスマスツリーが並ぶ。外の動線から考えたい。今、表参道にミュージアムロードができている。岡本太郎記念館や根津美術館など4つの美術館をつないでいる道がミュージアムロードとなっている。そうすると案内もしやすい。それから、観光客はタクシーを利用するが、運転手さんが「えっ、堺市博物館ってどこにあったかなぁ」となると、お客さんは「あっ、堺市博物館ってあんまり有名と違うわ」となってテンションが下がる。タクシーの運転手さんを招待して、運転手さんの好きなネタや歴史を教えてあげるなどして、運転手さんの認知度を高めていくことをすればいい。

18 企業さんを、巻き込むには

 「都こんぶ」や「前田のクラッカー」や「シマノ」など全国的に有名なものをつくっている堺の企業、これも堺の歴史だ。その企業をつくってきた人がどういう紆余曲折や波乱万丈の物語を経てきたかを紹介する。「博物館に来て話をしてください」ということであれば、宣伝になるから来てくれる。子どもたちには面白い話になる。企業と何かしたいときには、「こんなテーマでどうでしょうか」と企画提案をすることだ。例えば、「『都こんぶ』は堺でつくっているのになぜ『都』と付けているのでしょうか、こんなテーマで講演会しませんか」というふうに。

19 寄付を集めるには

 寄附を集める場合は、大きなものを対象にするのではなく、小さいほど集まる。寄附をした側が「あれに寄附したんや」と言えるからだ。Jリーグに寄附する人はいないが、セレッソ大阪には寄附しようと思う。Jリーグは大きすぎて、自分の寄附が埋もれてしまうからだ。だから、「このコーナーに寄附してください」というようにする。

20 学校を、巻き込むには

 学校について考えたとき、全校生徒対象となれば費用の問題が必ず出る。希望者を募って行きたい者を集めれば、マイクロバス1台ですむかもしれない。最初は、人数は少なくていい。行った者は、学校へ帰って口コミで伝えてくれる。逆に、学校へ「モノ」を持って見せに行く。子どもたちは「ホンモノ」を見るよりも、「モノ」を触らしてほしいと思っている。例えば、展示場にある大筒、「あれを5人くらいで持ちたい」みたいなことだ。「うぁ、これ撃ったんや」と実感したい。あの重さと質感をレプリカで再現する。夏休みの自由研究の相談にも、どんどんのってあげてほしい。

21 企画・イベントは

 企画やイベントは、予算があまりかからない小さなことをできるだけたくさんやっていく。一番やってはいけないことは、大きな企画をやって、もう予算がないからしばらくお休みというやり方だ。お客さんと関係をつくるために、小さいことを多岐にわたってすることだ。そして、できるだけ異質なものを組み合わせる。館内にメッセージボードを用意して、お客さんの企画やアイデアを紙に書いて貼っていってもらう。「今、こんなアイデアが出ている」ということが見える、ここがポイントだ。他のお客さんが「ええやん、これ」「これ、やってあげてよ」ということになる。

22 映像シアターを活用するには

 映像シアターも立派なものだった。映像は、けっこうナレーションに隙間があった。あそこに「生トーク」を入れていくと面白い。音声を消すこともできるので、全部「生トーク」で見せていってもいい。堺市の航空写真が見れる機能があるので、僕が大鳥大社を見せてもらったように、自分の近所の航空写真を見せてあげることだ。みんな自分の地域に関心がある。今後、いろいろな映像を作られると思うが、やっぱりバーチャルで古墳の石室まで入っていくなど、実際にはできないものがほしい。

23 グッズは何がいいか

 ミュージアムグッズの相談も受けた。一番いいのはお守り。縁起物のお守りがあったらみんな買っていく。堺にまつわるものでそれを作る。絵葉書は、昔ながらの郵便ポストを置いておけば、堺の消印がついて記念になる。郵便ポストに投函できる状態にすると、「今度は住所録を持ってきて、絵葉書を買って友達に出そう」となる。

24 休憩コーナーの活用法

 休憩コーナーは、オフィス的で侘しい。ここにも可愛い名前を付けてあげたい。そこでしか飲めない、例えば、「利休ティー」「南蛮ティー」「古墳ティー」などがあればいい。「博物館で利休ティー飲んでん」と、誰かに話せるものを置きたい。

25 キャッチコピーは

 キャッチコピーは、「生」のお客さんの声が一番だ。見た感想をどんどん聞いていく。長いものはダメで短いほうがいい。例えば、「もののはじまりはすべて堺」というよりも「はじまりは、堺」「きっかけは、堺」でいい。

26 ホームページの活用法

 役所のホームページとみんなが見にいくホームページの違いは、写真の多さだ。ホームページを見にいく人は、写真を見て「行ってみようかな」と思う。お客さんには写真が趣味の人がいっぱいいる。こういう人に撮ってもらった写真を、撮影者の名前付きで紹介すればいい。そして、イベントが終わったら、「こんなイベントをして盛り上がりました」という「後パブ」を写真中心でやる。「仕事で行かれへんかったけれど今度は行ってみよう」ということで次の宣伝にもなる。
 僕がぜひやってもらいたいのは「堺検定」。「お好み焼き検定」というものがあり、ついやってしまう。1級、2級、3級とあり、1級なんかは、ものすごく難しい。ここでも、お客さんから問題をもらってつくればいい。

27 企画は、どこまでやっていいか

 企画とは、初めてのことをすることであり、異なるものを組み合わせることであり、使い方を一人歩きさせていくことだ。賛否両論あることをやろう。京都の国立博物館の「スターウォーズ展」は、博物館や美術館の企画の流れを変えることになった。これを手がけた狩野博幸さんは伊藤若冲の専門家だ。若冲は外国ではポップアートだから、スターウォーズとも簡単につながる。「なぜ、日本で、京都で、国立の博物館でそれをやるのか」「民間の博物館やデパートでやるのならばいいけれど、ここではありえない」と言われながらも開催したら、大反響だった。
 お客さんからいろいろなオーダーがきたら拒むのでなくて、「試しにいっぺんやってみよか」となってほしい。「博物館で結婚式ができますか。二人とも歴史が好きやから、ここでやりたい」と言われれば受けたい。それをホームページで紹介していく。全国の博物館から見学に来るような企画をしよう。「それを最初にやったのは堺の博物館」という流れをつくりたい。堺でそれを始めたらきっと日本中の博物館が変わる。お客さんと関係がつくれるもので、「ワクワク」することならば何でもいい。反論が出たら、「その反論をテーマに企画しよう」としてほしい。
 これらを通して、堺に対しての愛着が湧き、堺に住む人が出てきて、堺で子どもを育てる人が増えていくことになればいい。

意見交換

竹山市長 

 今、中谷さんに、27項目に渡って、今までの考え方、既成概念とは異なった提言をいただいた。これは博物館だけの問題ではない。市民会館や「利晶の杜」の問題でもある。今後の堺市の集客策には、この「ワクワク」という視点がいる。

中谷親善大使

 五百年前に、堺が南蛮貿易をしていて外国人がたくさん歩いていたなんて、こんな「ワクワク」することはない。堺の黄金時代は、まちが「ワクワク」していた時代だ。あんなに巨大な仁徳天皇陵古墳は、鞭を持って働け、働け、だけでは絶対につくれない。みんな「ワクワク」しながらつくったはずだ。誇りを感じていたはずだ。

竹山市長

  『村上海賊の娘』では、娘がなぜ堺にやってきたかといえば、堺が「ワクワク」するまちで、堺に行ったら自分がもてるのではないかと思ったからだと書いてあった。堺はそういうまちだった。もっと「ワクワク」するまちにしていかなければならない。

中谷親善大使

 ザビエルがわざわざ来ている。世界中が「堺はワクワクするところ」と思っていた。「ワクワク」することは、便利不便に関係なく、空間や距離を乗り越える。経済は距離に左右されるが文化は違う。遠い所へ行くこと自体が楽しい。江戸時代のお伊勢参りはそういうものだった。旅をして何が楽しいかと言えば、人との出会いだ。博物館もそのきっかけだ。昔はお寺がしていたコミュニティの場を担う。普段からそうやっていると、いざ災害が起こったときに「博物館で出会ったおばあちゃんがおれへんから助けにいかな」となる。
本来は、学校もそういう機能がある。学校の建て替えでは、堺の小学校や中学校のデザインをぜひ変えていただきたい。そうすると、「こんな面白いデザインの学校があるんや」となって、堺に住んで子どもを学校に行かせたいという気持ちが湧いてくる。この意見は、きっと既成概念で反対される。けれども、どこへ行っても同じ学校ならば愛着が湧かない。校門を見るだけで、「うちの小学校や」と分かるようにしないといけない。そうなると、地元の学校に文化を感じて誇りを持つようになる。

広報部長

 役所では、ブラッシュアアップをするときにマイナーチェンジを繰り返す傾向があるが、抜本的に良くなったかと言えば、大きな成果が表れていないような気がする。パラダイムシフトをする、考え方の根本を変えることが重要だということを明確にお示しいただいた。ボランティアなどの具体例を聞いて納得できた。

中谷親善大使

 役所は来てもらう人に遠慮しすぎだ。ノーギャラが一番だ。時間があり、得意な技を持つ人がいて、やってくれる。みんな、そこでは生き生きしてやっている。常にそういうことをやっていると、災害のときの救助や復興もスムーズにいく。今、お祭りや盆踊りや子ども会など、地域のコミュニティのものがどんどんなくなっていっているので、その復活の一つのきっかけに、博物館がなってほしい。

竹山市長

 中谷さんの南宗寺での体験は、観光ボランティアだと思うが、博物館にはボランティアはいないのか。

副館長

 博物館ボランティアがいる。当番制で、一日二人か三人が常駐してくれていて、お客様の案内をしていただいている。そういう人たちに「客員研究員」などの名前をあげていくということが大切だと感じた。

中谷親善大使

 大事なことは、「やや公式」が一番動くということだ。公式は動きにくいし、非公式はやりにくい。船橋市の「ふなっしー」などは「やや公式」なので、実にのびのびと活動している。僕も「堺・教師ゆめ塾」では塾頭だ。塾長だったら言えないことがいっぱいあるけれど、「やや公式」の塾頭だからがんがん言っている。

観光部副理事

 今、観光部と博物館がいっしょになって、千利休と与謝野晶子をテーマにした「利晶の杜」という新しいミュージアムをつくっている。ここでは、「人とつながる」ことはもちろん、「まちとつながる」ことが大きなテーマになっている。近くには、山之口商店街という古くからの商店街があり、ここを通って「利晶の杜」に来てもらいたいが、なかなか課題も多い。まちや商店街とつながるということについて、アドバイスがいただければうれしい。

中谷親善大使

 まちおこしとは、まちの人が元気になることだ。商店街で成功しているところには、「突き抜けた」人がいる。熱い思いを持った人をまず一人見つけることだ。

竹山市長

 「利晶の杜」と山之口商店街をつなげるときには、商店街が好きな「突き抜けた」人を外部から探してこなければいけない。中の人は商売をやらないといけないだろう。

中谷親善大使

 そこの出身である必要は全くない。そこに興味があればいい。値打ちが逆に分かっている。堺の教育委員の公募も全国が対象だった。「歴史ある堺でぜひやってみたい」と思う人のほうがモチベーションも高くなる。そういう人から火がついて、一人二人とどんどん広がっていく。全員が一気には変わらない。

検討事項(1) ミュージアム・パス(夏休みバージョン)について

 事務局 資料3説明

副館長 

 この取り組みの目的は、中谷先生のお話にもあったように、親子で博物館に来ていただいて、「お父さん、すごい」ということを体験してもらい、親子の会話が進むことを意識したものだ。市長の指示もいただき、充実したプログラムになった。この期間を通じて、堺の歴史文化に触れていただけるよう、博物館ボランティアの方といっしょになって取り組んでいく。

竹山市長

 前庭の広場の活用を夏休み中に考えてほしい。「博物館で何かやっているな」と分かるイベントもぜひやってほしい。静かなところには人は集まらない。

検討事項(2) 前回準備会議での課題整理と対応方針について 

観光部副理事

 友の会及び企業スポンサードに関して、追加説明させていただく。「利晶の杜」のオープンと合わせて、いろいろな文化施設の年間パスポートとそれに伴うインセンティブとしてサポーターズショップ制度を検討したい。友の会の方には、年間パスポートを持ってもらい、サポーターズショップに行くとおもてなしや割引をしていただけるというものだ。日帰りのお客様ならば、半券で割引を受けられる。さらに、阪堺電車と観光周遊バスのフリーチケットなどでもサービスを受けられるようにできればと考えている。

竹山市長

  「利晶の杜」周辺は、食のお店が多いので、食べ物をメインに絞ってほしい。観光では、土産とともに「食べる」ことが一番楽しいしうれしいものだ。「食」のガイダンスをしっかりとつくって、いいところをどんどん紹介していってほしい。

文化観光局長

 民間としっかりタイアップしてやっていきたい。

観光部副理事

 サポーターズショップをリスト化し、飲食店を中心にしてPRしていければと考えている。産業振興局の商業流通課とも連携してやっていく。

中谷親善大使

 割引は喜びがお金に変わってしまう感じがする。友の会の会員しか食べられない「特製」メニューをつくることだ。お金では買えないものが強い魅力となる。お店の「まかない」のような裏メニューや非売品が味わえるなど、会員「限定」の「特典」があるほうが、心のうれしさが大きいのでは。

狭間副市長

 友の会は、応援団になってもらわないといけないので、割引で得するだけではなくて、自分が応援してあげられるような何かをインセンティブにしたい。例えば、展覧会が一日早く先行して見ることができるとかがいい。

中谷親善大使

 おっしゃるような「えこひいき」がいい。

狭間副市長

 ミュージアム・パスで5館全部回った子どもには、制覇したことを示すカード一枚でもいいからあげたい。せっかくだから、そんなちょっとした工夫もしたい。

中谷親善大使

 博物館に名前をはり出されるというのもうれしい。ボーリング場などではパーフェクトを出した人はいっぱいはり出されている。賞賛できる場をつくりたい。

竹山市長

 そしたら、それを見せるために、友達を連れていくだろうな。

副館長

 ミュージアム・パスで5館を制覇した人を顕彰する方法を早急に考えて実行する。

文化観光局長

 成人式を迎えた若者への博物館招待に関して、以前実施していた。何か新しい切り口で何か新成人に響くような手法があればお教えいただきたい。

中谷親善大使

 無料招待では、ありがたみがない。サービスは「限定」で効果が出る。成人式を迎えた人だけが参加できる企画をしてあげないといけない。先ほどの食の話と同じで、「限定」「特典」という考え方だ。

竹山市長

 ひとひねり、工夫が必要だな。

文化観光局長

 そのような企画を検討していきたい。

報告事項その他

竹山市長

 説明があった行事には、「ヒト」が見えない。もうひとひねりが要ると思う。例えば、ヒストリックカー展示ならば、「ヒストリックカーの好きなタレントさんがいいねと言ってくれています」ということだ。それを動画で流すなど、単に行事をこなすだけではだめだ。人との出会いが見えないし、外に対する発信が弱い。

中谷親善大使

 「テーマ主義」になっている。カルチャーセンターなどは、テーマではなく、「ヒト」が前面に出ている。市長がおっしゃるようなやり方がいい。

閉会の挨拶

竹山市長

 皆さん方が思っていることを中谷さんが具現化して話していただいたと思う。いろいろな知恵をどれだけ集めていくか、社会での先駆的な動きをどうピックアップしていくかが大事だと私も感じた。これからも、そういった視点で博物館や市全体の施設のあり方を考えていきたい。そのときの根本にあるのは「シビックプライド」、「堺の誇り」だ。これを根本にして、いろいろな点を見直していきたい。

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文化観光局 博物館 学芸課
電話:072-245-6201 ファックス:072-245-6263
〒590-0802 堺市堺区百舌鳥夕雲町2丁 大仙公園内 堺市博物館

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